戦国BASARA/エロパロ保管庫

花魁7

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匿名ユーザー

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部屋に帰ると幸村が、腹を押さえてうずくまっていた。
常に必要以上に喚き回っている幸村が、大人しくじっと固まっているのを見て、さすがにこれは心配になる。
「ったく…何拾い食いしたの?」
「そのような…意地汚い真似など、しておらぬ…」
額に脂汗浮かべながら、頑張って俺を睨み付けようとしている。
変な病気にでもかかってたら始末が悪いと思い、跪いて腹をさすってやる。
「どこが痛いの…ここ?」
「いや…」
そこでやっと気が付いた。
幸村の、着物の裾から一筋流れる赤いものに。
あぁ、"まだ"だったのか、とほっとするも、当の本人は相当辛そうだ。
「臓器が…搾り出されるようだ……俺は…死ぬのか」
「何言ってんの、月の道で死ぬ人なんていないよ。ほら、さっさと処置しちゃおうね」
痛みを堪えてぐったりしている幸村の着物を勝手にめくり、血を拭うと浅草紙をあてて、未使用の下帯を巻いてやった。
普段であればちらと裾をめくっただけで「破廉恥でござるぅぅ!!」とのたまうだろうに、恐ろしい程無抵抗だ。
それ程重いんだ。遊女としては、多少の障害になるなぁ。
「月の道…とは何でござるか…?」
「あれ?胞輩から聞いたりしてなかったの?」
問えば幸村は力なく首を左右に振る。
「月に一回来るから、『月の道』。女の子はねぇ、一人前の"オンナ"になるとみんなこうなるんだよ」
『オンナ』と唇だけ動かして幸村は言葉を追った。
「これで晴れて堂々と恋も新造出しもできるじゃない」
言って引きっぱなしの俺の布団へ横にしてやる。
「一人前になれば、恋をするのか」
上掛けから顔を半分だけ出しながら、おずおずと幸村は尋ねてきた。
「佐助は…?佐助も恋をしているのか」
こんな話に興味を持つなんて珍しい。痛みで気が弱ってるのか、月の影響で女らしくなってるのか。
ともかく話していれば気が紛れるようで、俺は少しだけ昔話をしてあげる気になった。
「昔は…そんな人もいたけどね」
「それは…どんな方だったのだ」
窓の外の遠くを見やると、幸村もつられる様にそちらを向く。
「南蛮の血が混じっていてねぇ、透き通るような金の髪に、黒の着物がよく似合った」
丁度窓の外には、ひらひらと、一羽の蝶。
「…黒揚羽みたいに、優雅で美しい子だった」
"子"と聞いて幸村の目がひっくり返った。
「ん!?…まさか……」
「そうだよーお職の花魁だったのさ。幸村のように、まっすぐ純粋な子だったなぁ。
 好きな人ができて、好きな人に見初められて、好きな人に請け出されて行った。運の良い子だったよ」
俺の本心を見抜こうとするように、まっすぐに瞳を見つめてくるから、微笑み返してやれば、
赤く染まった頬を隠すように、また少し布団を引き上げた。
「某も…」
「ん?」
「某も、佐助が好きだ」
意外な告白に、これには俺がびっくりした。
そして幸村は、更に意外な言葉を続けていく。
「お館様も、慶次殿も好きだ…お二人が、佐助と仲良くしていると、胸の内側を引っ掻かれる様な感じがする」
なーんだ、と内心がっかりしながら
「で、誰が一番好きなのさ」
と揶揄するように笑いながら問えば、幸村は大真面目にこう答えた。
「三人とも、だ」
「あははは、それじゃー恋とは呼べないかなー」
笑い飛ばされて、むぅと不機嫌に口を尖らせた。
なだめるように頭を撫でてやれば、子犬のような柔らかな毛が心地良い。
「今日はお稽古、休みなね。使いを出しておいてやるから」
ぽんぽんと頭をはたいてやれば、はと思い出したように幸村はその手を跳ねのけた。
「佐助は、佐助はどうするのだ。そういえばまだ湯屋にも行ってないではないか。もう昼見世が始まるぞ」
下っ端のくせに遣手みたいに口うるさいなぁ。どっちが姐貴分だか分かりゃしない。
「んー…もうめんどくさいから、今日は身揚がり」
言って自分もごろんと幸村の寝ている布団に潜り込む。
「揚代を自分で払うのか。また年季が増えるぞ」
「これぐらいじゃ増えないけどね。いーよ、俺様はその内どっかの旦那に請け出してもらうんだから」
横を向いて肘を付いた腕に頭を乗っけて、見れば幸村はうつらうつらとし始めていた。
「佐助は…某が請け出してやる…」
「あはは、それじゃ幸村の事を『旦那』って呼ばなくちゃ」
「それも…悪くな…い…」
笑って鼻先をつついてやれば、幸村はもう眠りの中に落ちていた。
「あれ?旦那?おーい」
"幸村"って呼ぶより、しっくりした。
妹分からは呼び捨てで、姉貴分からは敬称なんて、変かなぁ。

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