戦国BASARA/エロパロ保管庫

右目と左目17

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akira

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「元親。どうかこれからも俺の…『俺達の』傍にいてくれ」
「政宗…みんなも…俺、ここにいていいのか……?」
「当たり前じゃないか」
政宗の手を握り返しながら、元親は震える声で問う。
そんな元親に、政宗をはじめ若干一名を除いた伊達の面々から、快諾を意味す
る笑顔が返って来た。
「本当に…?」
彼らの曇りのない優しい笑みは、それまで何処か無意識に作っていた元親の心
の壁を、ゆっくりと取り払っていった。
そしてそれは、万感の想いとなって、彼女の頬を伝い始めた温かなものと一緒
に流れ落ちていく。
「……良かったぁ。俺…俺、これからも、ここに居られるんだ……」

『『『───うっ!!!!???』』』

後から後から零れ続ける涙を拭いながら、それでも嬉しそうに笑っている元親
の姿を見た伊達の一同は、それぞれの胸を、正体不明の衝撃が一斉に襲ってき
たのを覚えた。

(い…今まで気付かなかったけど……)
(こ、この人って実は……)
(結構…可愛い……!?)
(ほ、惚れた……)

意識すればするほど、精鋭達の視線は、初めて目にする『四国の鬼』の泣き顔
に、釘付けになってしまう。
原因不明の動悸に集団感染(?)している中、ただひとりの例外者がいた。
眉間に必要以上の縦皺を刻みながら、その人物はヅカヅカと元親に近付くと、

「いつまでもメソメソしてんな、ブスが」
スパン、と乾いた音が響くと同時に、周囲の空気が一瞬にして元に戻った。
「痛っ!何すんだよ!」
「黙れ、ブス。政宗様、あとオメェラも。日が暮れねぇ内に帰るぞ」
「ヘ、ヘイ!小十郎様!」
『竜の右目』のひと声で、伊達軍は三々五々に帰り支度を始めた。
そんな彼らを見届けると、小十郎は、頭を押さえながら、自分を恨みがましそ
うに睨んでいる元親に視線をやる。
「オメェが倒したのは、以前からずっと、俺達や政宗様を悩ませていた性質の
悪ィ連中だった」
てっきり、またいつものように小言を食らうのではないか、と身構えていた元
親は、事の他穏やかな彼の声に、目を瞬かせる。
「ただの野盗風情とは訳が違う。そんなヤツらを、お前はたったひとりで蹴散
らせたんだ。……だから、もっと胸張ってろ」
「アンタ…ホントは俺の事、追い出したかったんじゃないのか?いいのかよ、
その……」
「政宗様だけならともかく、今じゃ他の連中もお前を認めちまってる。流石の
俺も、多数決にゃ逆らえん」
「そっか。……有難う」
「な…べ、別に礼を言われる道理はねぇぞ!?」

じっと自分を見つめてくる元親の顔を、何故か今、小十郎は直視する事が出来
なかった。
これは、何かの間違いだ。
そうでなければ、俺がコイツを意識するなど、ありえない。
そうだ、コイツが柄にもなく泣いたりするからだ。腐っても女だし。
『動悸を通り越えて不整脈レベル』にまで達していた胸の鼓動を、無理矢理封
じ込めた小十郎は、大袈裟に咳払いをすると、元親に向き直った。

「だいたい、女にとって涙っつうのは『りーさるうぇぽん』だろうが。それも
絶世の美女ならともかく、お前みたいな愛嬌と元気しかとりえのないブスが、
むやみやたらと安売りするんじゃねぇ」
「……言ったな!?そういうテメェだって、黙ってる子供も泣き出しそうな、
極道顔のムッツリのクセに!」
「何だと、ドブス!」
「何度だって言ってやらぁ!この…あ、イタタタ……」
わき腹を押さえて顔を顰め始めた元親に、小十郎は開きかけていた口を閉じる。
「怪我人が、ベラベラくっちゃべってるからだ。帰るぞ」
「ぅ、うん…あ、あれ?」
小十郎に促されて立ち上がろうとするも、元親の身体は動かない。
「どうした」
「や、な…何でもない。俺、後からゆっくりついて行くから、先帰っててく
れよ」
「……ウソ吐いてんじゃねぇ。ホントは立てねぇんだろが」
ホラ、と小十郎は元親から背を向けると、上体を屈めた。
「…ぇ、えぇっ!?い、い、いいよ!大丈夫だから!」
「ひとりでどんだけ時間かけて、下山するまでの間、政宗様を心配させる気
だ。それに、夜になれば冷え込むし危険も増す。山を舐めるな」
「でも…」
「心配すんな。40貫(約150kg)くらいまでなら、俺は余裕で背負える」
「……幾らなんでも、そんなにねぇよ!第一、女に目方聞くなんて、失礼だろ
うが!」
「うるせぇ。俺に『100貫デブス』の烙印を押されたくなけりゃ、さっさとしろ」
「~~~~っ」

暫し躊躇していた元親だったが、やがて観念したかのように、おずおずと小十郎
の背にその身を預けた。

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