戦国BASARA/エロパロ保管庫

竜女乗龍

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合縁奇縁最終章(仮)です。もうしばしお付き合い願います。



■竜女乗龍

政宗が豊臣に折られた骨は「綺麗に」折れていたため存外早く癒えた。
幸村は政宗が完治すると同時に結婚を申し込み、政宗も諾々と了承したのだった。
武田軍一同が暑苦しく大喜びしたのは言うまでもない。

さて婚儀は粛々と進んだ。
政宗は戦場では口汚く野卑な態度であったが、いざこのような場に出せば誰もが感嘆の声を漏らすほどに品位のある所作を披露したので、対照的に幸村の不調法さが際だって、佐助がいたたまれなくなるほどだった。
「あんっなに教えたのに・・・」
このような場所にいてはならない忍の身分ではあるが、主を始め仲人を務めた信玄まで臨席を求められたので佐助は婚儀の席にいることができた。
しかし主の成長や幸せを喜ぶより、普段着慣れぬ羽織の袖で酒をひっくり返したり、袴の裾をふんづけて転けたりと主の失態にハラハラするばかりである。
「つ、疲れる・・・ぅうう」
佐助はそっと涙を袖で拭った。
傍目からはうれし涙にみえたろう。

「き、綺麗でござる・・・」
真っ白な婚礼衣装に包まれ、伏し目がちな政宗は百合のように儚げでいて、しかし凛とした美しさを醸しだし、幸村はどぎまぎとしてさらに失敗をやらかしてしまうのであった。
しかし気になるのはその表情の硬さだ。
周りには白い布で覆われた右側しか見えないので誰も不審には思わないが、その表情は悲痛な決意を固めたような顔だ。
幸村同様に緊張しているのかもしれないが、幸村の失敗に少しも表情を崩さず、じっと畳を見つめている。
まるで完璧な所作を行うように作られた人形のようなのだ。
これに似た表情を幸村は知っている。
籠城戦に失敗し、城に火をかけた城主一家の顔だ。
ーー嬉しくないのだろうか
婚儀の場で問いつめるわけにもいかず幸村は黙って三三九度の杯を干した。



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