戦国BASARA/エロパロ保管庫

犬もくわねど

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素直になれないのっ!の真田側後日談です。


■犬もくわねど


「だぁって、やっぱ一人で何とかするとかムリですよ、ムリムリ。薬だって抜けきってないのに辛いでしょ。気合いでここまでやっちゃったのはやっぱ凄いけど無茶しないでよね。旦那、心配で死んじゃうよ。・・・あ、退却だよ。俺様それを言いに来たのに」
「Withdrawal!?せっかくここまで来たのに!」
悲鳴のような抗議が出るが
「旦那がさー、アンタが側にいないと気もそぞろで、どーしよーもないのよ。だから家臣一同で合議の上の結論が、退却。兵も大分失ったしね。ハイハイ行きますよ。じゃあ失礼しまーす」
駄々をこねるように南蛮語で喚き散らす政宗をぐいっと小脇に抱えて佐助は空へ舞い上がった。

初めはじたばたと暴れていたが、上空へあがりきると政宗が急に大人しくなった。
「あれ、どしたの、高いトコ駄目だった?」
「No.平気だ」
「じゃあ、どしたの」
元気のない政宗に佐助はまあ仕方ないかと首をすくめた。
昨日の深夜、抜け出す政宗を見張りの佐助が咎めたところ、彼女は出陣前の宴で浮かれた敵軍の将の首を掻いてくると囁いて疾風のように去っていった。
佐助も彼女の強さは重々承知しているがさすがに心配になって追ってみればしびれ薬のようなものをかけられ、敗走し、山中で倒れていた。
慌てて連れて帰ろうとすれば、政宗がちょうどこの山中が敵陣の懐に飛び込める場所であると言って動こうとしない。
名誉挽回するのだと迫られ、押し切られる形で薬を抑える応急処置をして佐助だけが自軍へ帰った次第である。
翌朝、妻の不在にうろたえる主に事情を話したら・・・
気絶された。
「・・・あいつ、怒ってるか」
おずおずと尋ねられた”あいつ”とは当然夫、幸村である。
佐助はう~んと唸った。
「うんー、残念だけど怒ってるし・・・ついでに俺様も怒ってる」
気絶した後、文字通り烈火のごとく怒り、それが攻撃力に加算されれば良かったのだが妻が心配で身が入らず結局毛利の策にはまり撤退を余儀なくされてしまった。
「今日の撤退はぶっちゃけアンタのせいだよ」
じろっと抱えた竜を睨むと目を伏せて
「I see.分かってる・・・」
しゅんとされれば、元々性根の優しい佐助のこと、あまり強いことは言えない。
「もうあんまり一人で突っ走ったりしないでよ。旦那、卒倒しちゃったんだから」
「swoon?」
呟いて、政宗がクスクス笑い出した。
「ちょっと!笑い事じゃないっての!」
「sorry.なんか愛されてんなーって思って。嬉しくなった」
当てられた。もう不快を通り越して呆れてしまった佐助はため息をこぼした。
「アーハイハイ。そうね、そーね。だからもう旦那に心配させないでね」
「All right.」
軽く返されて本当にわかってんのか、と疑問が去来する。
夫婦共に手の掛かる連中だ。



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