戦国BASARA/エロパロ保管庫

素直になれないのッッ!

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今回はエロないです、すいません。
ただ番外はエロですのでご容赦を。
合縁奇縁の後日譚ですが読んで無くてもまったく問題ありません。


■素直になれないのッッ!


普段静かな瀬戸内の浜ににぎやかな声がこだまする。
篝火が反射し、黒い水面はきらきらと輝いた。
宴を開いているのは東からやってくる真田の軍を迎え撃つ毛利の陣営だ。
「呑まねえのか?・・・あ、呑めねえんだっけ」
長曾我部元親は先月、毛利に攻め込まれ、四国を代償に一族郎党の命を守り、半ば人質のように軍ごと毛利軍にいれられた。
一国の主だった地位か、はたまた毛利をぎりぎりまで追いつめた強さを買われたか元親は毛利当主の元就に重用され、側に置かれている。
「戦の前日に酔うとは貴様ら阿呆極まりないな」
隣にいるその当主はじろり、と横目で元親を睨み、辛らつな言葉を冷たく吐いた。
「んだよ、お前んとこの兵士もどんちゃんやってるぜ?お前嫌なら付き合ってねえでとっとと寝ろよ」
さすがにむっとして言い返せば、
「ふん、貴様らだけ放っておいては何をしでかすか分からぬからな」
としれっと言い返された。
酒を呑まない主義の元就は好物の甘味、饅頭を先ほどから囓っている。
「で、どーだよ。お得意の策は」
「・・・貴様に言ってどうなる。貴様に必要な分は明日申し渡す。貴様すぐ忘れるからな」
しまった、と元親は藪から蛇を突つき出してしまったと舌を出す。
先日の地侍との小競り合いで持ち場を離れて大暴れしたことを根に持たれているのだ。
「あれは~忘れてるんじゃなくって、覚えてるけど突っ走るって言うか・・・」
「変わらぬ。我の策を乱すことにはな」
「う・・・」
口では勝てない。ついでに頭でも勝てる気がしない。腕っ節なら・・・
ーーなんとかならねーと男の恥ってな毛利元就は女だ。
女であるが嫡男の死に伴い当主になり、力で及ばぬ周辺国を頭脳で山陰山陽ことごとく飲み込んだ。
そして先月元親の敗北により四国をも領地としたのである。
「真田、か。日本一の兵らしいぜ」
「そして武田の遺志を継ぐものだ」
武田信玄は上洛を果たした後病死した。
さすがの甲斐の虎も病には勝てなかったと言うわけだ。
息子は親に似合わず無能で、向こう見ずにも織田へ攻め込み、返り討ちにされた。
その魔王もいまや明智と相討ちとなり、この世にいない。
天下を取ると思われた織田、豊臣、徳川がいない今、天下に一番近い男。
それが日本一の兵、紅蓮の鬼、そして女丈夫で名高い独眼竜を妻にする真田幸村である。
「いけるか?大将も怖ぇがお抱えの忍も強けりゃ、嫁の独眼竜だって・・・」
「我が策に落ち度はない。貴様は策に従い持ち場で働けばよい」
「駒の様に・・・ってか」
自嘲するように呟いて元親は酒をぐいと呷った。
「あまり呑むな」
元親は、おや?と耳を疑った。
なぜなら彼女の声に若干の焦りというか身を案じるような色を感じ取ったからだ。
「心配してくれんのか?」
にぃっと笑って顔をのぞき込むと、元就は驚いたように目を見開き、慌てたようにことさら荒い口調で否定した。
「なっ!?我はただ、駒が明日、酒を理由に働かなくなってはならぬと・・・」
「なんだ。・・・ま、そうだろうな。だがちぃっと嬉しかったぜ?」
するとぐうっと眉根を寄せて元就は元親をねめつけるとすっくと立った。
「たわけたことを・・・・・・。我はもう寝る!
明日は早いぞ、起きられぬなどと言ったら切腹申しつける!」
「へえへえ」
つかつかと大股で帰ってしまった元就を見送り、元親は顎を撫でた。
「・・・やっぱ、脈アリだよな、あれ」
元親は昔から彼女に懸想していた。



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