戦国BASARA/エロパロ保管庫

潮の花

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物語の頃は『くらき安寧』以前。
エロくはないですが長曾我部が下品です。
そして毛利が大変無知でトロくさいです。よしなに。
市毛本編の補足と、今後の示唆的役割をもつ話でございます。
それでは。
――――――――――

「長曾我部殿が?」
朝の潮風に短髪を弄らせたまま、女が瞬いた。
答える男は口元を――女はそうとは気付いていないのだが、好色そうに歪ませる。
「そ。上手いぜ?」
ふむ、と考え込む女の口に添えられた指に筆まめ。
それを認めた男は、さすがは智将、と口の中で笑う。
もちろん、その指ごと女のすべてを飲み込んでしまうつもりでいる。

いまや二人の傍から離れた海鳥の群れは、新たな餌を求めて海上を飛び回るばかり。
男の愛鳥も、どこかに行ってしまった。――女の肩に、緋色の羽毛を一つ残して。



  くらき安寧 番外編    潮の花



元就がまだ純潔を保ったままでいた頃、
つまり毛利が浅井に攻め入る数ヶ月前の、更に遡ること幾週間か前。
長曾我部元親の治める四国は、島国であるが故に戦国の世にあっても他国から孤立しがちであった。
その上、一番近い内陸は名称と名高い毛利の治める陰陽十一国が壁となり、
実質中国に守られている態となっている。
それはそれで、気ままに海賊稼業を楽しむ元親にとっては都合のいい状況だったが、
逆に言えば毛利の領土に入らぬことには陸には上がれず、上陸した際に安芸の浜の民と
頻繁に小競り合いが起こるなど不便な面も多々あった。
それならばいっそ中・四国で同盟を組んでしまえばいいだろうと元親はダメもと覚悟で毛利に書状を出してみた。
意外なことに毛利からの返事は、
こちらも四国の視察に興味がある。一度会合を開いてみてはどうか、であった。
『罠なんじゃ、アニキ』『毛利にとって喰われるんじゃ、アニキ』
そんな手下の声もあがってはいたものの、
『なぁに、そんならそん時でこっちが喰っちまえばいいだけの話だろ!』
そうためらいもなく答える元親に、ノリのいい長曾我部軍の兵達は声を張り上げ納得する。

元親は、天下取りなどにはそう興味がなかった。
いや、無いと言えばそれは嘘になる。今、自身が治める小さな島国のみならず、
日の本全てが手に入るならこんな愉快な事はないだろうと、快活な若者らしい夢はあるのだから。
だがしかし、織田や豊臣のように人として大それた(と、元親は考える)志などは持ってはいない。
それぞれの国が互いに好き勝手やってりゃいいじゃねぇか、とあくまで奔放な思考を持ったままでいた。
天下に興味がないのは、本日遠路遙々土佐へやって来て同盟の交渉を開始する毛利の総大将も同じらしい。
毛利は自国の堅牢な守備と、一族の永い繁栄さえ約束されればあとは何もいらないらしく、
──それはそれでつまんねぇな、と元親は独りごちた。
「さて、毛利の智将サマとやらはどんな男かな~」
歌うように節をつけて口ずさめば、手下達が「まったくですなアニキ!」とこれまた軽く返してくる。
ざくざくと砂地を踏んで進み、元親一行は他愛無いことを大声で笑って、毛利の着く船着場へ向かった──。


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