■悩み事
全国の強豪を従えることが出来た豊臣軍は、ついに天下統一を成し遂げた。
以前とは比べ物にならないほど国は富み栄え、人々は皆太閤を口々に褒め称えた。
反逆の芽は太閤の人徳掌握力と軍師の徹底した監視の下では育つことはありえ無い。
太閤様には何も悩みなどないであろう。
天下の人は皆そう思ったが、秀吉はいまだ大きな悩みを抱えていた。
以前とは比べ物にならないほど国は富み栄え、人々は皆太閤を口々に褒め称えた。
反逆の芽は太閤の人徳掌握力と軍師の徹底した監視の下では育つことはありえ無い。
太閤様には何も悩みなどないであろう。
天下の人は皆そう思ったが、秀吉はいまだ大きな悩みを抱えていた。
彼女の悩みはこうだ。
五尺七寸(170cm)を超え、六尺(180cm)にも迫る女性には不釣合いな長身。
広くてがっしりとした幅の広い肩と胸板。
日に焼けて荒れた肌と、全く艶のない鳶色の短い髪。
自らも前戦で戦うために鍛え上げた身体に、余分な脂肪は欠片もない。
もちろん女性として付くべき場所にもついていない。むしろ殆ど洗濯板。
広くてがっしりとした幅の広い肩と胸板。
日に焼けて荒れた肌と、全く艶のない鳶色の短い髪。
自らも前戦で戦うために鍛え上げた身体に、余分な脂肪は欠片もない。
もちろん女性として付くべき場所にもついていない。むしろ殆ど洗濯板。
対して恋人の男は
繊細に整った顔立ち、自分よりも一寸ほど小さい身長。
日に焼けない体質なのか、血の気を感じない程白い肌。
ふわふわして癖のある銀色の髪。
すらりと細い痩躯だが、意外と広い胸板。
繊細に整った顔立ち、自分よりも一寸ほど小さい身長。
日に焼けない体質なのか、血の気を感じない程白い肌。
ふわふわして癖のある銀色の髪。
すらりと細い痩躯だが、意外と広い胸板。
せめて恋人に釣り合う位とは言わないが、並みの女性ぐらいにはなりたい。
秀吉は本気で悩んでいた。
秀吉は本気で悩んでいた。