自室で書卓に頬杖を突き、秀吉は茫洋と視線を宙にさ迷わせている。
恋人と並んだ時の視線の差を思い出した。
自分のほうが高い。
「……」
恋人の肩幅を思い浮かべ、手を広げてその大きさをつくって比べてみた。
僅かに自分のほうが広い。
「……ぬぅ」
自分の「洗濯板」を触ってみた。
そこにあるのは固い筋肉と、お情けのような柔らかさ。
「むむむむ…」
自分のほうが高い。
「……」
恋人の肩幅を思い浮かべ、手を広げてその大きさをつくって比べてみた。
僅かに自分のほうが広い。
「……ぬぅ」
自分の「洗濯板」を触ってみた。
そこにあるのは固い筋肉と、お情けのような柔らかさ。
「むむむむ…」
考えれば考えるほど不釣合いなこと極まりない。絶望的な気分になり、机に突っ伏した。
「先刻から何を一人で百面相してるんだい?」
聞きなれた柔らかい声が背後から投げられた。
「い、いや、なんでもないぞ」
不意を突かれてとても狼狽した。案の定振り返れば、笑いを噛み殺して今にも笑い転げそうな半兵衛が立っていた。
「ふぅん?…『胸が小さい』『肩幅が僕より広い』『僕より背が高い』…」
「全部見ておるではないか!」
身体を折って半兵衛はくすくすと笑い始めた。
秀吉は顔から火が出る思いと言うのを初めて味わう羽目になった。
「ぷっ…最近妙に悩んでると思って心配すれば…それだけ…?…あははははははっ」
ついには笑いのツボにはまってしまったのか、文字通り床に腰を落として笑い転げた。
「…このっ、半兵衛! 握りつぶしてくれようぞ!」
「あははっ、ごめん、ごめんって秀吉!謝るから仮面は止めてっ!」
不意を突かれてとても狼狽した。案の定振り返れば、笑いを噛み殺して今にも笑い転げそうな半兵衛が立っていた。
「ふぅん?…『胸が小さい』『肩幅が僕より広い』『僕より背が高い』…」
「全部見ておるではないか!」
身体を折って半兵衛はくすくすと笑い始めた。
秀吉は顔から火が出る思いと言うのを初めて味わう羽目になった。
「ぷっ…最近妙に悩んでると思って心配すれば…それだけ…?…あははははははっ」
ついには笑いのツボにはまってしまったのか、文字通り床に腰を落として笑い転げた。
「…このっ、半兵衛! 握りつぶしてくれようぞ!」
「あははっ、ごめん、ごめんって秀吉!謝るから仮面は止めてっ!」
(続く)