また幾日かたって、いい加減焦燥感に耐えられなくなってきた頃。
手枷を高く持ち上げられ、壁の高い位置から伸びる鎖に繋がれた。久々に伸びた腕や背筋に痛みを感じる。
尻は床に着いたが、膝を折り曲げられみっともなく開脚する羽目になった。膝裏に棒を縛りつけ固定される。
「何をするか!」
数人の兵どもに声を荒げるがやはり無言。不気味だ。皆が皆幽鬼のようだ。
一握りの熱も感じないのに連想されるこれからの行為は淫らがましく、おぞましさに背が凍る。しかし、この室内で?
女が奉仕をする時にはいつもどこかに連れて行かれた。私もそうなのだと思っていた。そしてその隙を突いて逃亡してやろうとも決意してい
手枷を高く持ち上げられ、壁の高い位置から伸びる鎖に繋がれた。久々に伸びた腕や背筋に痛みを感じる。
尻は床に着いたが、膝を折り曲げられみっともなく開脚する羽目になった。膝裏に棒を縛りつけ固定される。
「何をするか!」
数人の兵どもに声を荒げるがやはり無言。不気味だ。皆が皆幽鬼のようだ。
一握りの熱も感じないのに連想されるこれからの行為は淫らがましく、おぞましさに背が凍る。しかし、この室内で?
女が奉仕をする時にはいつもどこかに連れて行かれた。私もそうなのだと思っていた。そしてその隙を突いて逃亡してやろうとも決意してい
たのに。
ここで?目隠しを着けたままとはいえ、女のいる目の前で?
女は相変わらず表情の読めぬ口元で反対側の壁沿いに座っていた。
着物を乱され、肌蹴た胸と下肢が温い空気に直接触れる。もがいても足先すら床に付かず、余計に育った乳房が揺れて皮膚が引きつれるだけ
ここで?目隠しを着けたままとはいえ、女のいる目の前で?
女は相変わらず表情の読めぬ口元で反対側の壁沿いに座っていた。
着物を乱され、肌蹴た胸と下肢が温い空気に直接触れる。もがいても足先すら床に付かず、余計に育った乳房が揺れて皮膚が引きつれるだけ
だった。
兵が持ち込んだ籠の中に、用途を想像するのも恐ろしい器具が満ちている。
そこからまず取り出されたのは、鼈甲で出来た弓のように曲線を描く器具だった。両の先端は男性器を模しているのか返しが張っている。
戦慄した。緩やかにだが覚悟はしていたのだし、体がこじ開けられたくらいで崩れる誇りではないと自負していた。
しかし。兵の手招きに女が傍に寄ってくる。まさか。
「大丈夫。善くするから……」
女が、私の下腹部に顔を埋めた。臍に舌をもぐらせ、こそばゆさに身を捩る私を無視して、真っ直ぐ更に下る。
黒い茂みを鼻で掻き分け、生温い唾液を淫核に滴らせた。普段は存在すら意識しない箇所に痺れが走った。
子猫が水を飲むのと同じ仕草で、女が私の秘所を解す。
濡れた弾力のある塊を一定の間隔を時に乱しつつ押し付けられ、嫌悪を覚えるより先に熱がこんこんと湧き上がってきた。
「やめろ…やめるのだ……!」
朦朧としそうな意識を叱咤し、理に反する行為を咎めると、女は目隠しのまま視線をこちらに向ける。細い眉が困ったように下がった。
桜色の唇から赤い舌が小さくこぼれ、粘った液を下肢から引いている。その正体に私はまた恥じた。
兵が持ち込んだ籠の中に、用途を想像するのも恐ろしい器具が満ちている。
そこからまず取り出されたのは、鼈甲で出来た弓のように曲線を描く器具だった。両の先端は男性器を模しているのか返しが張っている。
戦慄した。緩やかにだが覚悟はしていたのだし、体がこじ開けられたくらいで崩れる誇りではないと自負していた。
しかし。兵の手招きに女が傍に寄ってくる。まさか。
「大丈夫。善くするから……」
女が、私の下腹部に顔を埋めた。臍に舌をもぐらせ、こそばゆさに身を捩る私を無視して、真っ直ぐ更に下る。
黒い茂みを鼻で掻き分け、生温い唾液を淫核に滴らせた。普段は存在すら意識しない箇所に痺れが走った。
子猫が水を飲むのと同じ仕草で、女が私の秘所を解す。
濡れた弾力のある塊を一定の間隔を時に乱しつつ押し付けられ、嫌悪を覚えるより先に熱がこんこんと湧き上がってきた。
「やめろ…やめるのだ……!」
朦朧としそうな意識を叱咤し、理に反する行為を咎めると、女は目隠しのまま視線をこちらに向ける。細い眉が困ったように下がった。
桜色の唇から赤い舌が小さくこぼれ、粘った液を下肢から引いている。その正体に私はまた恥じた。
性の遊戯が、全く初めてという事でもない。
妻とは、市とは思えば温い児戯のようなものだったが、口付けも幾度かした。
おずおずと市がねだって、私もその頃には市を愛しく思っていたので応えたのだ。
私は浅井頭首として、『男』として生きているのだから特に何の念慮もなかったが、女性として生き、嫁いできた市には寂しさもあったのだ
妻とは、市とは思えば温い児戯のようなものだったが、口付けも幾度かした。
おずおずと市がねだって、私もその頃には市を愛しく思っていたので応えたのだ。
私は浅井頭首として、『男』として生きているのだから特に何の念慮もなかったが、女性として生き、嫁いできた市には寂しさもあったのだ
ろう。
特にいつまでも御伽噺に憧れる少女のような市の事だ。夫が同性で、その上ただ形式だけの飾り物としてあるのは耐え難かったのか。
『市を、お嫌いでないのならば……』
愛しかった。儚く見えてその実気丈な市が、淋しかった、と瞳を濡らした。
さみしかった、市、ずっとさみしかったの。誰にも必要じゃないと思ってた。必要なのは市じゃなくて織田の女なんだわって。
でも、あなたは…市を見てくれた。どんなに嬉しかったか。
それは、私の言うべき言葉だ、市。堅苦しいばかりで不器用なこの私にお前が何を見たのかまだわからないが、それでもお前が良いと言って
特にいつまでも御伽噺に憧れる少女のような市の事だ。夫が同性で、その上ただ形式だけの飾り物としてあるのは耐え難かったのか。
『市を、お嫌いでないのならば……』
愛しかった。儚く見えてその実気丈な市が、淋しかった、と瞳を濡らした。
さみしかった、市、ずっとさみしかったの。誰にも必要じゃないと思ってた。必要なのは市じゃなくて織田の女なんだわって。
でも、あなたは…市を見てくれた。どんなに嬉しかったか。
それは、私の言うべき言葉だ、市。堅苦しいばかりで不器用なこの私にお前が何を見たのかまだわからないが、それでもお前が良いと言って
くれるなら。




