戦国BASARA/エロパロ保管庫

迷宮情死8

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bsr_e

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「それで、お館様とは仲睦まじくやってんの?」
政宗は息を詰めた。その一瞬を佐助は見逃さない。
「そりゃ……仲が悪くなる、理由なんかねぇし」
「そ」
政宗は俯く。佐助は政宗のうなじを見た。日の光に当たったことがなさそうな色だ。
顔の左半分以外を隠すような装束で戦場に出ていたし、普段もきっちりと着物を
着ていたという。元々の色が白いのだろう。
武田の側室に収まってからは遠出もせずに、館の奥で静かに暮らしている。
疱瘡の跡は、言われないと分からないくらい薄い。着物の下の肌は、
きっと眩しいくらい白いだろう。
幸村はそれを知っているのだろうか。知っているとは思えないが。
いずれ、政宗は子を産むだろう。信玄は頻繁にこの棟に通っているというし、
近いうちに御懐妊の報せを聞くことになりそうだ。
きっと、第一に幸村がそのことを聞くだろう。もしかしたら、子の守り役に
任ぜられるかもしれない。そうなったら幸村は断ることなどできない。
政宗が信玄を「夫」と慕う姿。子を孕んだ姿。子を慈しむ姿。
ずっと、見ることになる。
その度に、幸村は泣くだろう。誰にも見せず。ただ一人で、声を殺して。
(――辛いよ)
目の前で泣かれたら、宥めることも叱ることもできる。幸村はそれをしない。矜持なのだろう。
目を真っ赤にした幸村が、鼻にかかった声で「なんでもない」という姿が、
寝所で呻くように泣く声が、どれ程痛ましいか。
政宗は知らない。
知らせてもいけない。
「……ま、精を搾り取ったりしないようにね。大将も若いわけじゃないんだから」
「佐助!」
政宗の声がきつくなった。佐助はけらけら笑って政宗の怒りを受け流した。


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