戦国BASARA/エロパロ保管庫

迷宮情死9

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「佐助が来たようじゃの。そちが縫った着物は、渡したのか?」
杯の酒を干した信玄の言葉に、政宗は頷いた。ひさげから杯に新しい酒を注ぐ。
上等そうな酒の香が広がる。政宗は目を伏せ、昼間に渡した着物を幸村が着る姿を思い描いた。
一番綺麗な赤い着物を選んだ。擦り切れた部分を捨てて、繋ぐ着物も選んだ。
三条夫人が「どれでも好きな着物を使いよし」と、はんなりとした京言葉で言うので、
政宗は遠慮なく着物を選ぶことができた。
繋いだだけでは、ただの継ぎはぎになってしまうと思ったから、刺繍を入れた。
幸村が着る姿を思い描き、ふんだんに刺繍を施した。似合うはずだ。
見てみたいと思う。だが、あの着物は「古着」だ。政宗や信玄の前で着るだろうか。
政宗は、「お館様のご側室」なのだ。くだけた着物では失礼になってしまう。
「喜んでくれるといいけど」
「喜ぶであろう。幸村は、人から貰った物に嫌な顔はせぬ」
「よく知ってるんだな」
信玄は口を持ち上げて笑う。ひさげを持つ手に、信玄の手が重なった。ひさげを置いて手を重ねる。
「一度、幸村を呼ぶとよい。心行くまで語らえばよいぞ」
「……ああ、じゃあ……今度、ここに来た時にでも」
「儂は、そちの子であれば、父は問わぬ」
「――!!」
ぱん、と勢いのいい音がした。政宗は信玄を叩いた手を握り、肩で息をした。
信玄は頬に手を当て、政宗を見上げる。
人の決心を、なんだと思ってる。誰が好き好んで幸村と。
――何のために、信玄の側室になったというのか。
「あんた、俺をprostitute(遊女)かなんかだと思ってんのか」
「そうではない。儂は、そちの子に伊達の名と家を継がせると言っておるだけじゃ」
「あんたのbabyじゃなきゃ、意味がねぇんだよ! あんたの――武田信玄の子供が
奥州に入る。そうじゃなきゃ、誰も納得しない。何より俺が、嫌なんだよ!」
再び振り上げた手を掴まれた。手首を捻られ、甲高い悲鳴を上げる。
お館様、と近習が入ってこようとするが、信玄は「大事無い」と止めた。
政宗は手首を抑えてうずくまった。信玄の側室に入ってから、体を動かすようなことは
ほとんどしていない。抵抗することができなかったのだろう。
政宗はきつく目を閉じ、首を振った。白い首筋が、黒い鬘の隙間から覗いた。
眩しい白さに、信玄は目を細めた。
正室や他の側室にも、この白さはない。奥州の女は、皆このように白い肌をしているのだろうか。
政宗はゆっくりと体を持ち上げ、目じりを擦った。化粧は紅だけでよかったと思った。
「伊達を、武田の配下という形で残してくれるのはありがたいよ。でも、それは……
あんたの子供じゃなきゃ意味がない」
鬘を直し、着物を直した。信玄の手を取って見つめる。


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