『佐助』は絶対に幸村に後始末はさせなかった。
余所からは考えられぬほどに近しい主従と見えるが、『佐助』は厳しく主従に線を引いていた。
どんなに幸村が無茶をした後でも疲労した身体で二人の身体を拭い敷布を新しいものに変え、夜が明ける前に己の寝床へと帰っていったものだ。
ゆきは、物言いたげな瞳で己の身体を清める幸村を見つめている。
何を言いたいのか幸村はわかっているが言わせる気はなかった。
痩せた身体に新しい着物を着せて、幸村は女の隣に横たわる。
今抱き締めているのは、いったい何者なのだろうか。
明かりを消そうとさ迷った目に、しおれた花が映った。
あの花の名は何だったろうか。
余所からは考えられぬほどに近しい主従と見えるが、『佐助』は厳しく主従に線を引いていた。
どんなに幸村が無茶をした後でも疲労した身体で二人の身体を拭い敷布を新しいものに変え、夜が明ける前に己の寝床へと帰っていったものだ。
ゆきは、物言いたげな瞳で己の身体を清める幸村を見つめている。
何を言いたいのか幸村はわかっているが言わせる気はなかった。
痩せた身体に新しい着物を着せて、幸村は女の隣に横たわる。
今抱き締めているのは、いったい何者なのだろうか。
明かりを消そうとさ迷った目に、しおれた花が映った。
あの花の名は何だったろうか。