戦国BASARA/エロパロ保管庫

続・オクラ様は赤面性

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時は戦国。
この小さな列島各地で戦が相次ぐ、弱肉強食の時代。
中国の毛利は前田に下され、四国の地は覇王に呑まれた。
毛利元就は加賀の地に捕らわれ、敗走した長曾我部元親の行方は様として知れない。
この二人に帰る場所はなかった。
帰る場所はなかったが、少なくとも元就には、ささやかな居場所が与えられた。
前田の風来坊、慶次の隣である。
しかしそれは現在うまくいっていない。

毛利が前田と戦をして敗北してから三ヶ月と少しが経過しようとしていた。
元就が女であることが慶次にばれてから、三ヶ月と少しということでもある。
その戦が終わってから、元就は前田家の所有する屋形で
毛利家に対する人質という名目の食客として暮らしていた。
その暮らしの中の、ごく些細で日常的なあれやこれやの積み重ねで
前田慶次は毛利元就に恋心を抱くようになった。
そして毛利元就もまた、前田慶次にそのような想いを持つに至った…………らしい。
今から遡ることおよそ一月前のとある日に、
慶次は元就のはじめてを頂戴し、二人は目出度く結ばれるか―――――と、思われたのだが。
実の所はあれから一度も、慶次は元就に口付けも出来ぬままでいた。
踏みとどまっているのは、最初は罪悪感からだった。
今は、拒絶されているから、手が出せない。

あの日の翌日、慶次が目を覚ますと、すでにそこに元就の姿は無く、
陣営に残っていた足軽に行く先を聞いた所、すでに戦場へと向かったと聞かされた。
帰ってきた元就を出迎えた時、
青い顔で立ちすくんだ元就の姿が慶次の目の裏に焼き付いている。
慶次の顔を見るなりだった。
いつも気丈に振る舞う元就のそのような姿を見るのは初めてで、
だから慶次は、失敗した、と、思った。
それで、柄にもなく我慢をしようと思ったのだ。
想い人をこれ以上傷つけるのは嫌だったし、
あの時のように半ば無理強いをして今よりももっと嫌われたくもなかったからだ。
実際、よく一月半も我慢出来ているものだ、と、慶次は思っている。
恋は押しの一手などとうそぶいている自分が。
目が合えば側に寄りたくなるし、触れればもっと触りたくなる。
けれど抱きしめてはいけない、そのようなことをすれば、きっと向こうは怯えてしまう。
そしてまた唐突に、姿を消してしまうに違いない。


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