いつき犬、捕獲2 - 戦国BASARA/エロパロ保管庫

その強い口調に、思わず少年ーー蘭丸は目をやる。
｢おら達はやれるだけの事はやったんだ！潔くするべ！｣
その強い口調が蘭丸の癪に触ったらしい。
ズンズンと雪の上を踏み、その少女のもとへ向かう。
｢お前農民の癖に生意気だぞ！｣
｢何いってるだ！お前さんと同じ人間だべ！｣
｢蘭丸とお前が同じ？気持ち悪い事をいうな！｣
｢何をー！おめぇさん何かまだ子供じゃねぇか！｣
｢こ、子供....！｣
｢そうだ！おらよりずぅっと子供だ！｣
一番言ってはならない言葉により、徐々に蘭丸の頭が怒りで埋め尽くされていく。
｢お！お前！｣
｢伝令にございます！｣
掴みかかろうとした矢先、兵士の一人が書状をもってかけつけた。
｢何だよ！｣
｢信長様より！蘭丸様へとの事です！｣
｢えっ！｣
信長は蘭丸にとって最も尊敬する相手であるが、その信長から書状が届く事は滅多になかった。故に、その内容に期待した。
目を爛々と輝かせ、書状を読む。内容は以下の通りである。

｢丸よ。此度の働き苦労であった。我は一々下らん戦いに自ら出る気等無い。よって此度の処置は丸に任せる事とする。褒美は後々届けよう。信長花押｣
｢わぁ....｣
褒美。それに色々期待してしまう。
その褒美とお褒めの言葉だけで、蘭丸は胸がときめいた。
思考がバラ色にそまりそうな時、伝令は再び声をかける。
｢あの....蘭丸様？｣
｢何？｣
｢この者達の処分は？｣
一面に並べられた農民を指して言う。
｢こいつら、皆好きにしていいの？｣
｢書状の通りに。｣
正直、此の者等どうでもよい。
｢じゃあ全員う....｣
ここでハッと言葉を止める。目に入ったのはさっきの少女。その瞳の輝きは未だ失われず凜としている。
先ほどの言葉がふつふつと頭をよぎる。
お前とおらは同じ人間。
子供。
怒りが再びたぎっていく。
こういう生意気な奴はしっかりわからせなければならない。
信長様もそう言っていた気がする。

わからせてやらないと。

｢おい、お前。｣
手近な兵士を呼ぶ。
｢はい。｣
｢あいつを連れてこい。｣
指で差したのは先ほどの少女。
｢はっ！｣
すぐに蘭丸の前には例の少女が連れてこられた。
｢おい。｣
｢....｣
だんまりを決め込んだか、目すら合わせない。
｢村の農民の命助けてやりたいか？｣
｢....！｣
伏せた目を上げて反応する。
｢ほ、本当だか！？｣
ほら食いついた。
｢ああ、本当だよ。｣
いつき犬、捕獲3