戦国BASARA/エロパロ保管庫

花魁27

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nozomi

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「ほう、してその根拠は?」
お館様は、口の端を持ち上げて余裕たっぷりに問答に応じた。
「捨て置いてるみたいですけど、気にかかってしょうがないってのが伺えるんでね」
そうであったか、とお館様はそれだけ答えた。
どうやら本人も気をつけていた事ではあるらしい。
まぁ、だから佐助の前では進んで幸村の話をしないようにしていたんだろうけど。
「大方、"似ているだけの別人"って事で済まそうとしてませんか?」
お館様の太い眉毛が、僅かながらピクリと揺れる。
「お館様が捨て置いているくらいだから、可能性は低いんでしょうけど…」
お館様は黙って聞いていた。俺は構わず言葉を続ける。
「幸村の出身は、信州の上田らしいですよ」
上田と聞いて、お館様は眼に力を込めた。やはりそこに手掛かりがある。
「甲斐と信濃は近い。お館様がそこまで気に掛ける人物と、幸村が同一人物という可能性は…上がるんじゃないですか?」
お館様は押し黙っていた。
その凄みが、背筋を凍らせて俺に冷や汗をかかせる。
「余計な事に首を突っ込むと、火傷では済まされんぞ」
口を開いたと思えば、それは所謂"脅し"だ。
引き返すなら今なんだろうけど、それじゃ幸村の正体も、ここでの安全を保障してやれるのかも分からないままだ。
「面倒事はこっちも困るんでね。手が打てる事であるんなら、打たせてはもらえないですか?」
また暫し沈黙が続く。
俺の真意を推し量られている。
お館様の瞳からそれが伝わって、俺は目を逸らす訳にはいかなかった。
「…かと言って、10年以上も前の真否を、今更確かめる術はないであろう」
幾分か緩んだ声が返ってきた。それは「真否を確かめろ」という事でよいのだろうか。
「信州の山女衒なら、ちょっとしたツテがあるんですけどね」
そう聞いてお館様は、袖の下から数枚の小判を放って寄越した。
何かと尋ねる前に、「旅費だ」と短く告げてくる。
もちろん行って帰って来ても十分過ぎる程事足りる金額だ。口止め料も入ってるんだろう。
お館様にも優秀な諜報部員がたくさんいるだろうに、俺に内密に任せると言う事は、"他言無用"と言う事だ。
もちろん佐助にも、幸村自信にも。
「丁度旅に出ようかと思っていたところだったんでね。休暇でももらって、ぶらっと信濃の方まで行ってまいります」

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