意識が、闇に囚われていた。
先の戦いに残る困憊が、意識の回復を妨げているのも感じた。
身体の、揺れる感覚はあった。速く、緩く、緩急をつけて、曲がりくねった道を馬が走る。
遠く、父上に乗せられて遠出したあの日を思い出す。
女子である自分に、武人の何たるかを教え込んでくれた父上。
真田は、生き残らねばならぬとおっしゃっていた。
あの時の自分は、その意味も分からずにいた童であったが、今は分かる気がする。
真田と共に、散っていった何十と言う家臣達。真田家は真田家のみにあらず、彼らと彼らの子孫の為にもあったのだ。
父上は、彼らの為に、俺か兄上、どちらかでも武人として生き残れるように育てて下さった。
俺が父に、彼らに、報いる時は、今なのではなかろうか…
そこまで考えて、また意識を手放しかける。
残った気力を振り絞り、今どの辺りを走っているのだろうと思惟を巡らした。
俺はこのまま、白石城に連れていかれ、そこで生涯を生きる事になるのだろうか。
政宗殿、どうか生きて戻ってきて下され。
某、お願いがあるのです。
どうか某を、今一度、もののふに。
囲われて、ただ生きるのは、性に合いませぬ。
同じ仕えるのならば、どうか武人として。
この命を賭して、お仕えいたしましょうぞ。
先の戦いに残る困憊が、意識の回復を妨げているのも感じた。
身体の、揺れる感覚はあった。速く、緩く、緩急をつけて、曲がりくねった道を馬が走る。
遠く、父上に乗せられて遠出したあの日を思い出す。
女子である自分に、武人の何たるかを教え込んでくれた父上。
真田は、生き残らねばならぬとおっしゃっていた。
あの時の自分は、その意味も分からずにいた童であったが、今は分かる気がする。
真田と共に、散っていった何十と言う家臣達。真田家は真田家のみにあらず、彼らと彼らの子孫の為にもあったのだ。
父上は、彼らの為に、俺か兄上、どちらかでも武人として生き残れるように育てて下さった。
俺が父に、彼らに、報いる時は、今なのではなかろうか…
そこまで考えて、また意識を手放しかける。
残った気力を振り絞り、今どの辺りを走っているのだろうと思惟を巡らした。
俺はこのまま、白石城に連れていかれ、そこで生涯を生きる事になるのだろうか。
政宗殿、どうか生きて戻ってきて下され。
某、お願いがあるのです。
どうか某を、今一度、もののふに。
囲われて、ただ生きるのは、性に合いませぬ。
同じ仕えるのならば、どうか武人として。
この命を賭して、お仕えいたしましょうぞ。
そして俺は、漂う波に身を任せるように、また意識を手放した。




