戦国BASARA/エロパロ保管庫

吼えぬ孤狼と骨折り狐6

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佐助に案内された部屋で、氏政は荷物の整理をしていた。
明日は、武田信玄と会談する予定だ。
その後は、佐助と幸村の案内で城下を見学する事になっている。

元々食は細かったが、頑張って残さずに食べるように心がけたり、槍の鍛錬も
少しずつでも欠かさないように続けてきたためか、最近は体調もよい。

今からとても楽しみだ。

誰の眼から見ても、氏政の機嫌がよいのは一目瞭然だった。
勿論、明日の予定が楽しみだからでもあるが、佐助を相手に久々に砕けた話ができた事もある。

氏政も年頃の娘だ。
雑談に花を咲かせたり、遊び歩いたりしたいと思うのは、当然の事でもある。

佐助と他愛もない会話を交わしながら、ふと思った。

小太郎と、言葉を交わしてみたい。
どんな声だろう、何を思っているのだろう。

佐助の姿が、小太郎の面影と重なって見えた。

叶わぬ事を夢見て、氏政は悲しげな笑みを浮かべる。


――ふと、背後に気配を感じて振り向いた。

「おお、風魔か。ちょうどよかった。お前、明日は…」

小太郎は、氏政の言葉が終わるのを待たずに、彼女を横抱きに抱えて布団まで運び、寝かせた。
氏政はきょとんとしていたが、眼前に覆いかぶさってきた小太郎に我に返って、抗いだした。

「い…いやじゃ…!き、今日は駄目…んっ」

小太郎が強引に氏政の唇を塞ぐ。

「んうううっ!ふうっんんっ!」

唇を塞いだまま、荒々しく氏政の小袴の帯を解き着物をはだけさせる。
氏政は、抗議のつもりか、ぽかぽかと胸を叩いている。

いつも以上の激しい抵抗に、小太郎は少し憤りに似た感情を持った。

何故抗う?
…いつもは、気乗りしないようでも、応じてくれているのに。
氏政のあんな安らいだ顔を見た事がない。
自分といるよりも、あの忍といる方が楽しいのだろうか。
あの忍と過ごした時間の余韻に少しでも長く浸っていたくて、自分を拒むのか。
…まるで濁流の様に、どろどろとした感情が雪崩れ込んでくる。

唇を離すと、氏政はげほげほと咳き込んだ。

「ふ…風魔…い、一体どうしたのじゃ……?」

穏やかではない小太郎の様子に、氏政はすっかり脅えきっていた。
絶望にも似た、悲しげな表情をしている。
その顔を目の当たりにした途端、小太郎は我に戻った。…今まで感じた事がないような、不快な感情が沸き起こった。

小太郎は、やるせなさや嫉妬という名の感情を知らなかった。
初めて感じる、酷く居たたまれない気持ちに、困惑していた。

結局自分は、氏政にこんな悲しそうな顔しかさせられないのだろうか…
小太郎は、氏政を押し倒したまま、ぎゅっと抱きしめた。

小太郎の髪に、やわらかい感触が走る。

氏政が小太郎の頭を撫でている。
正確な年齢はわからないが、恐らく小太郎の方が氏政より少し年上だ。
だが、氏政にはまるで、今の小太郎が、拗ねて泣いている子供の様に見えた。

小太郎は暫く氏政に頭を撫でられていたが、氏政のはだけだ胸に顔をうずめた。

「あ!ちょっ…や…んっ」

自分のものだ。何処の誰にも渡すものか。…いやだ、いやだ…。

小太郎は、まるで取り上げられそうになった宝物を必死で守る子供の様に、強く思った。
今まで、人や物に執着した事など、小太郎には皆無に等しい。
だからこそ、大切なものを失うかもしれないという喪失感への恐れも殊更強い。

 女を言葉を話す物だと思え。
 気を許してはならない、みだりに触れる事もならない。
 魅入られれば、それまで。
 ――お前は今のお前ではなくなる。

かつて、そう教えられた。

その意味を、今更ながら思い知った。

氏政は、すっかり死んでいた筈の自分の心をこんなにもかき乱し、今までの自分をボロボロに打ち砕いていく。
自分はどうなったのか、これからどうなるのだろう。

自分をすっかり変えてしまった白い柔肌に溺れながら、小太郎はもがいていた。


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