「ねェ、かたくらさん……」
助けを請うように、きゅうと着物の襟に縋りついて、佐助は、哀れみと欲情とを誘うような潤んだ目で小十郎を見上げた。
「俺を、抱いてよ……」
先ほど膝を撫でたように、掌が着物の隙間に進入して、鍛えられた厚い胸板を撫でた。そろり、そろり。
そればかりか徐々に徐々に着物を乱して、いつのまにか小十郎は上半身を肌蹴させられていた。
彼は思わず小さく呻いた。胸元を撫でていた手が、ゆっくりと滑り落ちて腹筋と窪んだ臍を辿り、
下腹の辺りを摩り始めたのだ。煽るように、誘うように。やわやわ、やわやわ。
そればかりか徐々に徐々に着物を乱して、いつのまにか小十郎は上半身を肌蹴させられていた。
彼は思わず小さく呻いた。胸元を撫でていた手が、ゆっくりと滑り落ちて腹筋と窪んだ臍を辿り、
下腹の辺りを摩り始めたのだ。煽るように、誘うように。やわやわ、やわやわ。
「佐助ッ……」
「ね、抱いて、片倉さんじゃなきゃだめ、他のじゃ、全然満足できねぇの」
「駄目だ、今はそんな場合じゃっ……!」
「ね、抱いて、片倉さんじゃなきゃだめ、他のじゃ、全然満足できねぇの」
「駄目だ、今はそんな場合じゃっ……!」
そんな場合じゃない、早くここから脱出しなければ。
抗議は、言い終える前に途切れてしまった。
佐助の指が、小十郎の股座に伸びてきて、服の上からそこをするりと撫で上げたのだ。
やわやわ。弄ぶようにそこを擦りながら、佐助はくすくす笑って小十郎の頬に、首筋に、唇の端に何度も宥めるような口付けを落とす。
その摩羅は、着物越しでも分かるほどに兆し始めていた。
それを佐助は、巧みな指使いで撫で擦り、じりじりと昂ぶらせていく。
抗議は、言い終える前に途切れてしまった。
佐助の指が、小十郎の股座に伸びてきて、服の上からそこをするりと撫で上げたのだ。
やわやわ。弄ぶようにそこを擦りながら、佐助はくすくす笑って小十郎の頬に、首筋に、唇の端に何度も宥めるような口付けを落とす。
その摩羅は、着物越しでも分かるほどに兆し始めていた。
それを佐助は、巧みな指使いで撫で擦り、じりじりと昂ぶらせていく。
「欲しいよ、片倉さん、片倉さんでなきゃ、足りない……足りなくて、死んじゃうよう……」
甘い甘い砂糖菓子のような声音で強請り、強請り、切なげに身を捩じらせる。
頬に掛かる熱い吐息でさえも甘く感じられそうなほど。
頬に掛かる熱い吐息でさえも甘く感じられそうなほど。
誰だ。
こいつは、佐助、なのか。
こいつは、佐助、なのか。
ずき、と再び頭に走る痛み。小十郎は堪らずに呻いた。
もしかしたら、自分は狐か狸にでも化かされているのだろうか、もしくはこれは、夢か何かなのだろうか。
そう思ってしまうほどに、いま小十郎の目の前にいる忍は、いつもと印象が違い過ぎた。
血煙纏う戦忍などではなく、色忍……いやむしろ、これでは娼婦ではないか、と。
だが目の前の女は、どこをどう見ても間違いなく、佐助で。朱色の髪も白い肌もいつも慈しんでいるものに相違ないのだ。
ただ、その顔に浮かぶのは、普段よりもずっと色濃い『女』の表情で。
つぅ、と人差し指が、服の上からそこをなぞった。根元から先端にかけて、遊ぶように軽くゆっくりと、
かと思えば、親指で強く擦られる。
お気に入りの玩具で遊ぶかのように、佐助の指は、なんとも楽しそうに動いた。
もしかしたら、自分は狐か狸にでも化かされているのだろうか、もしくはこれは、夢か何かなのだろうか。
そう思ってしまうほどに、いま小十郎の目の前にいる忍は、いつもと印象が違い過ぎた。
血煙纏う戦忍などではなく、色忍……いやむしろ、これでは娼婦ではないか、と。
だが目の前の女は、どこをどう見ても間違いなく、佐助で。朱色の髪も白い肌もいつも慈しんでいるものに相違ないのだ。
ただ、その顔に浮かぶのは、普段よりもずっと色濃い『女』の表情で。
つぅ、と人差し指が、服の上からそこをなぞった。根元から先端にかけて、遊ぶように軽くゆっくりと、
かと思えば、親指で強く擦られる。
お気に入りの玩具で遊ぶかのように、佐助の指は、なんとも楽しそうに動いた。
小十郎を苛んでいた頭痛はやがて、止まぬ愛撫の快楽に中てられて、昂揚へと摩り替わる。
駄目だ、流されるな、流されてはいけない。
必死で己に言い聞かせるが、腰骨を通って脳へ伝わってくる快感の波は尋常ではなく、
何より小十郎自身、こんな状況にありながら――いやむしろこんな状況だからなのか――
白い裸身に、見た事も無いようなその艶姿に、僅かながらも興奮していた。
駄目だ、流されるな、流されてはいけない。
必死で己に言い聞かせるが、腰骨を通って脳へ伝わってくる快感の波は尋常ではなく、
何より小十郎自身、こんな状況にありながら――いやむしろこんな状況だからなのか――
白い裸身に、見た事も無いようなその艶姿に、僅かながらも興奮していた。




