このままでは駄目だ、と少しでも気を逸らそうと吐いた息が、熱を持っているのが自分でもはっきりと分かった。
そしてそれに、佐助もまた聡く気がついたらしい。にぃ、と口唇の端を吊り上げて嬉しそうに笑う。
そしてそれに、佐助もまた聡く気がついたらしい。にぃ、と口唇の端を吊り上げて嬉しそうに笑う。
「こじゅうろうさぁん」
硬い胸板に、甘えるように擦り寄って、何度も愛しそうに口付けて。
佐助は小十郎を見上げた。
熱に浮かされ、涙で潤んでいるその目は、飢えに飢えてぎらついているようにも、見えた。
佐助は小十郎を見上げた。
熱に浮かされ、涙で潤んでいるその目は、飢えに飢えてぎらついているようにも、見えた。
「アンタじゃなきゃ、やだ……だぁいすき、小十郎さん」
ちゅう、とまた施される口吸い。
『小十郎さん』 ……いくら呼べと言っても普段は呼ばないその名。
ぐずぐずになるまで攻めに攻めて意識をほとんど飛ばしてやらないと、決して口にしないその名を、まさか今ここで聞くことになるとは。
小十郎は、子供のように口付けをせがむ佐助の姿が余りに辛くて、思わず目を伏せた。
『小十郎さん』 ……いくら呼べと言っても普段は呼ばないその名。
ぐずぐずになるまで攻めに攻めて意識をほとんど飛ばしてやらないと、決して口にしないその名を、まさか今ここで聞くことになるとは。
小十郎は、子供のように口付けをせがむ佐助の姿が余りに辛くて、思わず目を伏せた。
ここまでお前は、壊されてしまったのか。狂わされてしまったのか。
それでも……それなのに。
『卿の名をずっと呼んでいた』
『頑なに卿に操を立てようとしていたよ』
『頑なに卿に操を立てようとしていたよ』
松永はそう言っていた。その言葉が嘘ではないとするならば。他の男に貫かれながら、お前は。
「こじゅうろ、さん……」
俺を思っていたのか、俺に、助けを求めて――――?
「ちょうだい……」
耳元を掠める、消えそうな囁き。それと同時に、不穏な動きを始める佐助の指。
そろそろと動いて、それは小十郎の袴を寛げに掛かった。
勿論小十郎が気付かないはずが無かったが、動くことは出来なかった。
枷、もそうだが、目の前の忍の姿は、余りにも淫らで余りにも哀れで、それは小十郎の抗う意思を根こそぎ奪ってしまったのだ。
佐助はそんな小十郎に、上気した頬をふわりと緩ませて。
そろそろと動いて、それは小十郎の袴を寛げに掛かった。
勿論小十郎が気付かないはずが無かったが、動くことは出来なかった。
枷、もそうだが、目の前の忍の姿は、余りにも淫らで余りにも哀れで、それは小十郎の抗う意思を根こそぎ奪ってしまったのだ。
佐助はそんな小十郎に、上気した頬をふわりと緩ませて。
「ね、小十郎さんの、熱くておっきいの……俺に、ちょうだい……?」
もどかしげに内腿を擦り合せながら、佐助は小十郎の下肢を暴く。
窮屈そうに出てきた摩羅は、だがしかしまだ半勃ちであった。
硬く張り詰めて、人並みよりは大きく育っているが、これはまだ半ばでしかないのだと、小十郎自身も、また佐助もよく知っている。
この状況への危機感と、目の前の媚態に鎌首を擡げた欲情とが、小十郎の内で激しく鬩ぎ合っているのだ。
佐助は少し拗ねた風で、それを眺めていたのだが、やがて、我慢ならないとばかりに半身を屈め。
窮屈そうに出てきた摩羅は、だがしかしまだ半勃ちであった。
硬く張り詰めて、人並みよりは大きく育っているが、これはまだ半ばでしかないのだと、小十郎自身も、また佐助もよく知っている。
この状況への危機感と、目の前の媚態に鎌首を擡げた欲情とが、小十郎の内で激しく鬩ぎ合っているのだ。
佐助は少し拗ねた風で、それを眺めていたのだが、やがて、我慢ならないとばかりに半身を屈め。




