――ならばせめて彼女に寄り添い支えよう。傍に居る事なら自分にも出来る。
かすがを伴って以来、佐助は忙しい合間を縫って何度も千代女の屋敷を覗いた。
既にかすがは千代女からの任務をこなしていた。
閨の中で己を愛した男を悉く斬り捨てる――まだ若い彼女は、たった独りで
その重荷に堪えねばならなかった。
あのかすがにそんな事が出来るだろうか。独りで泣いているんじゃないか。
余計なお節介だとは思いつつも佐助はそう心配していた。
案の定、いつも人気の無い場所でかすがは膝を抱え声を押し殺して泣いていた。
近付いて声を掛けると彼女は腕の中に飛び込んで泣いた。
顔を埋めて「もう堪えられない」と言いながら佐助の胸で泣きじゃくる。
取り縋るかすがを佐助はそっと抱き締めた。
何も訊かない、何も言えない。そんな苦い逢瀬を二人は幾度も繰り返した。
最初からこうなる事は分かっていた。
千代女の企みも、かすがの哀しみも、自分の無力さも。
今は凍て付く夜の世界だ。でも必ず夜明けは来る。彼女が解き放たれる日がきっと来る。
佐助はそう信じて前にも増して戦に没頭した。
かすががもうこれ以上、誰かを殺さなくても良いように。
かすがを伴って以来、佐助は忙しい合間を縫って何度も千代女の屋敷を覗いた。
既にかすがは千代女からの任務をこなしていた。
閨の中で己を愛した男を悉く斬り捨てる――まだ若い彼女は、たった独りで
その重荷に堪えねばならなかった。
あのかすがにそんな事が出来るだろうか。独りで泣いているんじゃないか。
余計なお節介だとは思いつつも佐助はそう心配していた。
案の定、いつも人気の無い場所でかすがは膝を抱え声を押し殺して泣いていた。
近付いて声を掛けると彼女は腕の中に飛び込んで泣いた。
顔を埋めて「もう堪えられない」と言いながら佐助の胸で泣きじゃくる。
取り縋るかすがを佐助はそっと抱き締めた。
何も訊かない、何も言えない。そんな苦い逢瀬を二人は幾度も繰り返した。
最初からこうなる事は分かっていた。
千代女の企みも、かすがの哀しみも、自分の無力さも。
今は凍て付く夜の世界だ。でも必ず夜明けは来る。彼女が解き放たれる日がきっと来る。
佐助はそう信じて前にも増して戦に没頭した。
かすががもうこれ以上、誰かを殺さなくても良いように。




