こんなストーリーモードの導入があったら良いなと思って書きましたので、
「何故ここで終るの?」と感じる方もいらっしゃると思います。
また、事の最中の描写は抜いてあり突然翌朝になります。
「何故ここで終るの?」と感じる方もいらっしゃると思います。
また、事の最中の描写は抜いてあり突然翌朝になります。
題は「君を待つ」「来て下さい」という花言葉を持つ花忍から取りました。
苦手な方はスルーして下さい。宜しくお願いします。
京土産だというその小さな包みを開けた時、かすがは思わず息を飲んだ。
翡翠の玉があしらわれた玉簪が現れたからだ。
石こそ小さいし造りも簡素だが、その深い翠色に一目で高価な物と分かる。
「赤いのとどっちにしようか迷ったんだけどさ」
いつの間にか隣に立った男がヒョイと簪を手に取り彼女の耳元に添え、
満足気に笑った。
「うん、やっぱりこっちの方が似合うな」
見上げると屈託の無い柔らかな眼と視線が絡む。
「綺麗だ」
それは独り言だったのかも知れないが、思わず顔を赤らめ顔を背けた。
一番認めたく無いのは自分が心を動かされたのが優美な簪では無く、
この男の眼差しや言葉だという事実だ。
余りに高価な物だしそもそも受け取れないと言うと、彼は預かっていて欲しいと言う。
「翡翠はお守りだから大事に持ってろよ。今度私服の時着けて見せてくれよな」
頬を弛ませたまま彼が帰る素振りを見せたのでかすがは慌てた。
「待て!だから私は…」
「それじゃあな」
言い分も碌に聞かぬうちに彼は忽然と姿を消してしまった。
一体何故あの男は危険を冒してまで土産一つ手渡す為にわざわざ上杉領まで
来るのだろう。
全く度し難い迄の酔狂だ。
彼女は怒るのを通り越してつくづく呆れ果てた。
翡翠の玉があしらわれた玉簪が現れたからだ。
石こそ小さいし造りも簡素だが、その深い翠色に一目で高価な物と分かる。
「赤いのとどっちにしようか迷ったんだけどさ」
いつの間にか隣に立った男がヒョイと簪を手に取り彼女の耳元に添え、
満足気に笑った。
「うん、やっぱりこっちの方が似合うな」
見上げると屈託の無い柔らかな眼と視線が絡む。
「綺麗だ」
それは独り言だったのかも知れないが、思わず顔を赤らめ顔を背けた。
一番認めたく無いのは自分が心を動かされたのが優美な簪では無く、
この男の眼差しや言葉だという事実だ。
余りに高価な物だしそもそも受け取れないと言うと、彼は預かっていて欲しいと言う。
「翡翠はお守りだから大事に持ってろよ。今度私服の時着けて見せてくれよな」
頬を弛ませたまま彼が帰る素振りを見せたのでかすがは慌てた。
「待て!だから私は…」
「それじゃあな」
言い分も碌に聞かぬうちに彼は忽然と姿を消してしまった。
一体何故あの男は危険を冒してまで土産一つ手渡す為にわざわざ上杉領まで
来るのだろう。
全く度し難い迄の酔狂だ。
彼女は怒るのを通り越してつくづく呆れ果てた。