約束した。
何処までも何処までも、
ついていくと。傍にいると。
約束したのに――
硝煙、そして咽せ返るほどの血と腐臭が立ち込める戦場の中、濃姫は一人ぽつんと立っていた。
足元に転がるのは数え切れないほどの骸。
まだ温かく柔らかいそれに思わず眉を顰める。
そんな自分の身体は、その骸達の返り血で染まり上がっている。
生理的嫌悪に吐き気がするが、もう気にならない。
少しでもあの人の、信長の役に立てたのならと、なんとも言えない幸福感さえある。
「これでまた一歩…」
あの人の天下へ近づいた。
その事実に、口元に笑みが広がるのを止められない。
濃姫は両手の銃を握り締め、本陣へ戻ろうと踵を返す。
その時、
足元に転がるのは数え切れないほどの骸。
まだ温かく柔らかいそれに思わず眉を顰める。
そんな自分の身体は、その骸達の返り血で染まり上がっている。
生理的嫌悪に吐き気がするが、もう気にならない。
少しでもあの人の、信長の役に立てたのならと、なんとも言えない幸福感さえある。
「これでまた一歩…」
あの人の天下へ近づいた。
その事実に、口元に笑みが広がるのを止められない。
濃姫は両手の銃を握り締め、本陣へ戻ろうと踵を返す。
その時、
ドスッ
酷く重い音と共に、焼けつくそうな痛みが脇腹に広がった。
「え…?」
そっと視線を移せば、細長い槍が脇腹を貫いていた。
「…っ!」
瞬間止まった時が一度に動き出したかのように、喉に熱い塊が込み上げてきた。
口に手を当てればゴボリ、と紅い液体が手を伝い零れ落ちていく。
口の中に鉄の味が広がっていく。
二、三度よろめけば、不意に背後が目に入った。
揺れる視界に飛び込んできたのは、槍を両手に持ち血に塗れた敵兵の姿。
敵兵は濃姫と目が合うと「ニヤリ」と笑った。
まるで、「お前も道連れだ」とでも言うかのように。
「え…?」
そっと視線を移せば、細長い槍が脇腹を貫いていた。
「…っ!」
瞬間止まった時が一度に動き出したかのように、喉に熱い塊が込み上げてきた。
口に手を当てればゴボリ、と紅い液体が手を伝い零れ落ちていく。
口の中に鉄の味が広がっていく。
二、三度よろめけば、不意に背後が目に入った。
揺れる視界に飛び込んできたのは、槍を両手に持ち血に塗れた敵兵の姿。
敵兵は濃姫と目が合うと「ニヤリ」と笑った。
まるで、「お前も道連れだ」とでも言うかのように。