結局、近日中に京で祭りがあるとのことで、慶次はその日の午後には浜松を発った。
次第に遠ざかっていく浜松城を背に、頭にこさえた小さなたんこぶを撫でつつ慶次は人気のない街道を西へ向かう。
次第に遠ざかっていく浜松城を背に、頭にこさえた小さなたんこぶを撫でつつ慶次は人気のない街道を西へ向かう。
そしてふと、誰ともなしに呟いた。
「恋っていいねえ」
夢吉が慶次の顔を見上げ、主人に同意するかのようにキキッと鳴いた。
慶次は微笑むと、長い指でそっと夢吉の頭を撫でた。
「恋っていいねえ」
夢吉が慶次の顔を見上げ、主人に同意するかのようにキキッと鳴いた。
慶次は微笑むと、長い指でそっと夢吉の頭を撫でた。
フ、と立ち止まり暮れかけの空を見上げる。
よく隣り合って共に空を眺めた男は、もう傍にいない。しかし、それを嘆いても仕方のないことである。
よく隣り合って共に空を眺めた男は、もう傍にいない。しかし、それを嘆いても仕方のないことである。
「さ、行くか」
背負った大太刀を景気付けにひとつぶるんと振れると、束ねた髪がゆらりと揺れる。
慶次は再び大またで歩み出した。
背負った大太刀を景気付けにひとつぶるんと振れると、束ねた髪がゆらりと揺れる。
慶次は再び大またで歩み出した。
この後、三河の女領主とその一の部下とがどうなったかは――それはまた今度語ることにしよう。
おわり
ガールズトークを繰り広げる慶次と家康が書きたかった
織田の人質時代は濃姫様の着せ替え人形状態だといいよ!
「竹千代ちゃん、覚悟はいい?」
「竹千代ちゃん、覚悟はいい?」