仕方ないので大浴場に行こうと手拭だけ持って部屋を出る。
慶次は少し進んでから立ち止まると、閉めたばかりの戸の方に振り返った。
多分……多分だけど、夜二人だけなら露天風呂に誘い出せるだろうと思う。
久秀は人の事が良く分るくせに自分の事には少し鈍いのだ。
慶次は少し進んでから立ち止まると、閉めたばかりの戸の方に振り返った。
多分……多分だけど、夜二人だけなら露天風呂に誘い出せるだろうと思う。
久秀は人の事が良く分るくせに自分の事には少し鈍いのだ。
「自分がどんな顔して笑ってると思ってんだか。」
慶次が顔を少し緩ませて歩いていると、廊下の向こうから何か騒ぎが起こっていた。
「おおおおおばあちゃん大丈夫だべか!」
「ぬおおおお!おばあちゃんなどど呼ぶな!!馬鹿にしおって!」
「おおおおおばあちゃん大丈夫だべか!」
「ぬおおおお!おばあちゃんなどど呼ぶな!!馬鹿にしおって!」
北条のおばあちゃんというか、そう呼ぶと怒るんだけど、が腰を抑えて這いつくばっている。
「どうしたの!?お……ねえさん?」
一瞬おばあちゃんと呼びそうになって言い換える。
氏政は慶次の顔を確認してほっとしたようにおおと言った。
「通りがかったら倒れていただよ。」
「どうしたの!?お……ねえさん?」
一瞬おばあちゃんと呼びそうになって言い換える。
氏政は慶次の顔を確認してほっとしたようにおおと言った。
「通りがかったら倒れていただよ。」
説明してくれるいつきにお礼を言って慶次は氏政を見た。
「あー何時もの?こんなトコで何で。」
手を貸して立ち上がらせると、いつきが廊下の端を指差して「多分あれのせいだべ」と言った。
「はわわわ!あれは!儂はしらん!しらんぞ!」
指の先には一升瓶が転がっていた。
「あー何時もの?こんなトコで何で。」
手を貸して立ち上がらせると、いつきが廊下の端を指差して「多分あれのせいだべ」と言った。
「はわわわ!あれは!儂はしらん!しらんぞ!」
指の先には一升瓶が転がっていた。
「あれは姐さんにはちょっと重いかなあ。何で伝説君に頼まないの?」
「ふ、風魔には内緒で……は!違う!違うのじゃ慶次!あれは儂のでは!」
誰にも内緒で島津のじっちゃんに届けたかったのね。
幾つになっても恋する乙女は可愛いよね。
「ふ、風魔には内緒で……は!違う!違うのじゃ慶次!あれは儂のでは!」
誰にも内緒で島津のじっちゃんに届けたかったのね。
幾つになっても恋する乙女は可愛いよね。
慶次は無駄に頷いて、氏政をいつきに頼むと一升瓶を拾った。
「俺が届けといてあげる。」
「し、知らんと言うておるじゃろうが!」
顔を真っ赤にして俯く氏政を見て、いつきも笑っていた。
「なら、おらが部屋まで連れていくべ。」
いつきは何でもない顔で氏政をお姫様抱っこした。
「俺が届けといてあげる。」
「し、知らんと言うておるじゃろうが!」
顔を真っ赤にして俯く氏政を見て、いつきも笑っていた。
「なら、おらが部屋まで連れていくべ。」
いつきは何でもない顔で氏政をお姫様抱っこした。
「し、しええええ殺されるううう!」
「お、流石いつきちゃん力持ち。」
「こんくらいしか取り得がないべよ。」
「いやいや、そんな事無いって。」
「風魔!風魔はおらんか!」
「お、流石いつきちゃん力持ち。」
「こんくらいしか取り得がないべよ。」
「いやいや、そんな事無いって。」
「風魔!風魔はおらんか!」
ひゅっと風吹くガチンと音がして黒い影が立ち止まった。
「駄目だよ。真に受けちゃ。いつきちゃんはおじいちゃんを助けてくれたんだからね。
まつ姉ちゃんにいつも持っていなさいと渡された懐剣で忍刀を受ける。
間一髪ってね。
「駄目だよ。真に受けちゃ。いつきちゃんはおじいちゃんを助けてくれたんだからね。
まつ姉ちゃんにいつも持っていなさいと渡された懐剣で忍刀を受ける。
間一髪ってね。
「おめえさん。おじいちゃんの事本当に心配してんだな。ほら。」
慶次の脇の下から顔を出したいつきが風魔に氏政を差し出す。
「しょ、しょえええ。風魔~。」
忍刀をしまい、いつきから氏政を受け取ると、その首に氏政は泣きながら抱きついた。
慶次の脇の下から顔を出したいつきが風魔に氏政を差し出す。
「しょ、しょえええ。風魔~。」
忍刀をしまい、いつきから氏政を受け取ると、その首に氏政は泣きながら抱きついた。
「これは俺が渡しとくよ。」
そう言うと、
「な、わしゃそんなもん知らん!勝手にせい!ほれ、風魔ゆくぞ!」
とぷりぷりしながら二人は去っていった。
「これで一安心だべ!」
いつきは一仕事終えたと言わんばかりに額を拭う真似をして、慶次の方を見上げた。
そう言うと、
「な、わしゃそんなもん知らん!勝手にせい!ほれ、風魔ゆくぞ!」
とぷりぷりしながら二人は去っていった。
「これで一安心だべ!」
いつきは一仕事終えたと言わんばかりに額を拭う真似をして、慶次の方を見上げた。
「あんがとな!」
「いえいえ。」
「じゃ、おらも行くべよ!」
いつも元気いっぱいのいつきは目一杯手を振ってから走り去った。
「いえいえ。」
「じゃ、おらも行くべよ!」
いつも元気いっぱいのいつきは目一杯手を振ってから走り去った。




