声を掛けられたときは驚きのあまり心臓が止まるかと思ったが、久しぶりに入った小十郎の室は物珍しく、政宗はしばらく先程のことを忘れて辺りを眺めていた。
前は小十郎が何かの仕事があるときにも朝から晩までへばりつき入り浸っていたのにな、とそう遠くもない昔を思い出す。
一人で寝るのが寂しくて駄々を捏ね、無理矢理布団に入り込んで一緒に寝たこともあった。そのようなことがなくなったのは、いつからだったろうか。
懐かしい部屋の匂いに、そんなことを思い巡らせていると、肩に羽織がかけられた。
先程まで小十郎が羽織っていたものだろう、温かい。思ったよりも自分が冷えていることに気が付いた。
前は小十郎が何かの仕事があるときにも朝から晩までへばりつき入り浸っていたのにな、とそう遠くもない昔を思い出す。
一人で寝るのが寂しくて駄々を捏ね、無理矢理布団に入り込んで一緒に寝たこともあった。そのようなことがなくなったのは、いつからだったろうか。
懐かしい部屋の匂いに、そんなことを思い巡らせていると、肩に羽織がかけられた。
先程まで小十郎が羽織っていたものだろう、温かい。思ったよりも自分が冷えていることに気が付いた。
薄手の白い夜着を着た政宗から目をそらす。
いつから外にいたのだろうか。触れた肩は外の空気と同じくらいに冷えていた。
今ではそう容易く触れることのできない手は、もっと冷たいのだろう。風邪を引かないようにせめてと自分の羽織を掛けた。夜着で無防備な政宗を余り見ないようにするため、でもあったが。
年ごろになった政宗に、人前に夜着で出るなどというはしたないことはもうそろそろしてはなりませんぞ、と教えたのは小十郎自身だった。言葉遣いこそはなっていないが、礼儀作法はきっちり守る政宗だったので、その日以来夜着姿を見たことがなく、しばらくぶりであった。
少し前までは見慣れていたはずなのに、どぎまぎとする自分が少々情けない。
しばらく見ないうちに、政宗はずいぶんと成長し、女になっていた。
高い背にすらりと長い手足。細い腰のわりに豊かに膨らんでいる胸。
普段の格好ではわからないが、夜着ではやけにそれが強調されて見える。
3日後、初陣を飾る武将に誰が見えるだろうか?
つい不謹慎な所に目が行ってしまった。小十郎はそれを振り払うように、開いたままだった障子をぴしゃりと閉めた。
いつから外にいたのだろうか。触れた肩は外の空気と同じくらいに冷えていた。
今ではそう容易く触れることのできない手は、もっと冷たいのだろう。風邪を引かないようにせめてと自分の羽織を掛けた。夜着で無防備な政宗を余り見ないようにするため、でもあったが。
年ごろになった政宗に、人前に夜着で出るなどというはしたないことはもうそろそろしてはなりませんぞ、と教えたのは小十郎自身だった。言葉遣いこそはなっていないが、礼儀作法はきっちり守る政宗だったので、その日以来夜着姿を見たことがなく、しばらくぶりであった。
少し前までは見慣れていたはずなのに、どぎまぎとする自分が少々情けない。
しばらく見ないうちに、政宗はずいぶんと成長し、女になっていた。
高い背にすらりと長い手足。細い腰のわりに豊かに膨らんでいる胸。
普段の格好ではわからないが、夜着ではやけにそれが強調されて見える。
3日後、初陣を飾る武将に誰が見えるだろうか?
つい不謹慎な所に目が行ってしまった。小十郎はそれを振り払うように、開いたままだった障子をぴしゃりと閉めた。




