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戦国BASARA/エロパロ保管庫
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戦国BASARA/エロパロ保管庫

影身に添う・弐6

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――最早、これまで。
戦場で散ることが許されないなら、こうするしかない。

戦から三日経ち、全身の痛みが治まった風魔は、夜更けに寝床を抜け出して階下へと降りた。
お勝手の水がめから水を飲み、柄杓を戻した風魔の視界に、鈍く銀色に光る包丁が目に入る。
まだうまく動かない身体でよろよろと近づき、それを手に取った。

本当は、辱められたときに考えるべきだったと、風魔は自分の甘さを痛感していた。
戦場での死など、自分には贅沢なものだったのかもしれない。
ましてや、政宗の手にかかろうなど、もってのほかだ。
今の自分には、『風魔小太郎』の資格はおろか、一人の忍としての値打ちもないに等しいと、風魔は思った。

すると、底冷えのするような鋭い声が背後から飛んできた。
「てめえ、何やってんだ」
声をかけられるまで、まったく気配に気がつかなかった。
相手が一枚上手なのか、それとも自分がそこまで落ちたのか。
風魔はどうでもよくなって、手の中の刃先を自身の喉元に突き立てた。

「っ!」
血の臭いを嗅いだ途端、風魔はお勝手の土間に突き飛ばされた。
土間で打った尻以外に痛むところはない。
見上げればそこには、包丁の刃を握りしめた小十郎が立っていた。
血が包丁を伝って土間に落ちる。
怒鳴られるかと思ったが、小十郎は風魔の視線から逃げるように顔をそむけ、激しい感情を押し殺したような震える声で語りかけてきた。
「自分がどれだけ酷な仕打ちをしてるか、自覚はある。
 一人の忍びとして殺してやることもできないで、女扱いしたあげく犯しちまった。
 その上、弱みにつけ込んで自軍に引きこもおってんだ」
「……………」
「忍としての誇りを踏みにじられて、自害しようとするお前の胸中も分かる。
 だがな、悪いのは全部俺なんだ! お前が死ぬことはない!
 本当にすまねえと思ってる。あんなことは二度としねえ。
 顔も見たくないってんなら、これからは政宗様直属で働いてくれればいい、だから」
小十郎が風魔の前に跪いた。
「奥州に一緒に来てくれ」
風魔は頭を下げた小十郎の乱れた前髪を呆然と眺めていた。

安易に頷くことはできなかった。
一騎討ちの勝敗に端を発したこの問題だったが、風魔の中で急速に複雑な変化をとげ、今では彼女の精神構造にまで絡んできている。
しばらく思考も身体も固まらせていると、夜更けの冷気に身体の芯が冷えてきた。

「一旦部屋に戻ろう。このままじゃ冷えちまう」
風魔の答えを静かに待っていた小十郎が動き出す。
包丁と傷ついた手を水で洗い、傷口に布を巻くと、包丁を元の場所に戻した。
「立たせるぞ」
動く素振りを見せなかったため、そう断って小十郎が身体に触れてくる。
びくりと身体を震わせると、小十郎も一瞬だけ躊躇したが、背中に手を当てて移動を促した。
自室に戻って褥に座ると、寝具で身体を包まれる。

殺したいほど憎く、二度と顔も見たくないと思っていた男だったが、この世で唯一自分を女扱いする男でもあった。
女にとって一番酷いこともされたが、今のように優しく触れられたり、気遣われたりすると、抹殺されたはずの自分の中の女の部分が蘇り、もやもやとした甘い感覚が心をくすぐる。
このまま小十郎の傍にいれば、これが本当の自分だと主張して、表面に出てくるかもしれない。
それを解放することは、自分の中に築き上げてきた風魔小太郎を殺す行為だった。

身体の冷えに耐えられず、くしゃみをすれば、遠慮がちに上掛けの上から腕を摩られた。
「芯まで冷えちまったな」
「……………」
久しぶりに嗅ぐ小十郎の香の香りに、奥州の平穏な日々が思い出され、自然と目頭が熱くなった。
――触れるな!
そう一言言えばいい。
なのに、心の奥底で、この手の感触を心地よいと思っている女の自分がいる。
風魔はそれに気づいてしまった。
「もう…戦えない……」
何とか小十郎から離れて背を向ける。
「だから、捨て置け」
政宗の期待する戦力は、今の自分にはない。
失望して捨てられるくらいなら、せめて自分から切り出そうと風魔は冷たく言い放った。



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