それから久しぶりに二人で過した。
何をする訳では無かった。
ただ俺の側に佐助が控えていて、俺の言葉に仕方なさそうに答えてくれるだけ。
それが俺の心にどれ程の充足を与えてくれるのか佐助は知らぬのだろう。
何をする訳では無かった。
ただ俺の側に佐助が控えていて、俺の言葉に仕方なさそうに答えてくれるだけ。
それが俺の心にどれ程の充足を与えてくれるのか佐助は知らぬのだろう。
佐助がふう。と息をつく。やはり具合いは良くはないようだ。
今、落ち着いて側にいればこんなにも分かるのに俺は何に焦って目を曇らせていたのか。
「佐助…。」
ぐいと引き寄せる。
腕で抱き締めると僅かな抵抗があった。
「旦那、駄目だよ。」
「分かっている。何もせぬ。だから、少し休め。」
そこで漸く佐助のこわばりが溶ける。
腕の中の笑い声に力を緩めると佐助は幸村の顔を見て微笑んだ。
今、落ち着いて側にいればこんなにも分かるのに俺は何に焦って目を曇らせていたのか。
「佐助…。」
ぐいと引き寄せる。
腕で抱き締めると僅かな抵抗があった。
「旦那、駄目だよ。」
「分かっている。何もせぬ。だから、少し休め。」
そこで漸く佐助のこわばりが溶ける。
腕の中の笑い声に力を緩めると佐助は幸村の顔を見て微笑んだ。
「ありがと。」
その笑顔に酷く動揺する。
佐助のこのような顔は見たことが無い。
「ほんじゃ、ちょっと膝貸してくれる?」
返事を聞く前に佐助は俺の膝に頭を乗せて横になった。
「ごめんね。旦那。従者が主人にこんな事させて。でも……ちょっとだけ。ほんと、体重くてさ……。ごめんね。」
佐助が何度も謝る。
それが酷く悲しい。
佐助は程無くして浅い寝息を立て始めた。
その笑顔に酷く動揺する。
佐助のこのような顔は見たことが無い。
「ほんじゃ、ちょっと膝貸してくれる?」
返事を聞く前に佐助は俺の膝に頭を乗せて横になった。
「ごめんね。旦那。従者が主人にこんな事させて。でも……ちょっとだけ。ほんと、体重くてさ……。ごめんね。」
佐助が何度も謝る。
それが酷く悲しい。
佐助は程無くして浅い寝息を立て始めた。
「よい。佐助ならば……俺は何でも許してしまう。だから良いのだ。」
眠る佐助の頭を撫でながらそう呟く。
思えば佐助の寝顔を見たのはこれが初めてだ。
佐助が俺と眠らなかったのは、安心させていなかったからだ。
俺は佐助の側で安心しながら、佐助を安心させる事を考えもしなかった。
半強制的に手に入れておきながら俺はーーー-。
眠る佐助の頭を撫でながらそう呟く。
思えば佐助の寝顔を見たのはこれが初めてだ。
佐助が俺と眠らなかったのは、安心させていなかったからだ。
俺は佐助の側で安心しながら、佐助を安心させる事を考えもしなかった。
半強制的に手に入れておきながら俺はーーー-。
その翌日佐助はお館様の屋敷に戻っていった。
屋敷にはお館様の奥方もいるし、佐助が辞退できない程度を見計らって環境を整えて下さっているそうだ。
少なくとも上田にいるよりは安全に出産できるだろう。
いや、そう思えるように為せられているのか……。
聞けばお館様は実の娘以上に佐助を可愛がっているとかいないとか……。
屋敷にはお館様の奥方もいるし、佐助が辞退できない程度を見計らって環境を整えて下さっているそうだ。
少なくとも上田にいるよりは安全に出産できるだろう。
いや、そう思えるように為せられているのか……。
聞けばお館様は実の娘以上に佐助を可愛がっているとかいないとか……。
まあいい、佐助が安全ならば。
佐助が居ない間、俺は鍛練に励んだ。
お館様のような大きな男になれるよう。
そして従者では無い佐助をきちんと受け止められるようにと。
佐助が居ない間、俺は鍛練に励んだ。
お館様のような大きな男になれるよう。
そして従者では無い佐助をきちんと受け止められるようにと。
今回の事で真田が受けた金銭的被害は大噴火使用による30分クッキングで事なきを得た。
更に幸村の甲斐性がレベルアップし、精神力もあがった。
そんな幸村を見て、半ば諦めていただけに真田忍隊の感動ははかり知れないものがあり、泣き出すものも居た始末だ。
更に幸村の甲斐性がレベルアップし、精神力もあがった。
そんな幸村を見て、半ば諦めていただけに真田忍隊の感動ははかり知れないものがあり、泣き出すものも居た始末だ。
「あ、そういやさ。」
「ん?」
「あの動画の頁、閉鎖したんだって?」
「何がだ?」
「……いや、見て無いなら良いけどさ。」
武田の空は今日も青い。
「ん?」
「あの動画の頁、閉鎖したんだって?」
「何がだ?」
「……いや、見て無いなら良いけどさ。」
武田の空は今日も青い。
番外編→その頃の二人