戦国BASARA/エロパロ保管庫

佐助×幸村(♀)

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匿名ユーザー

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「うおおお!撃破撃破ぁ!」
「旦那!庭先で大声出して暴れない!」
晩秋のうららかな昼下がり、ほかほかお日様が照らし出す武田屋敷の中庭で、突然上がった怒鳴り声に
俺は思わず潜んでいた屋根の上で声を上げた。
お館様の趣味で自然造形を生かした館の庭は、この季節、あちこちに無造作に植えられた木々が
いい感じに紅葉して、味わい深い美しさだ。忍の性質上、俺は屋根裏にいることが多いんだけど、
その高さから眺める庭の景色は故郷の伊賀の山を思い出させて、実は結構気に入っている。
中でも特にお気に入りの柿の木に向かい、両手に持った槍を繰り出していた人影が、声に反応して
ぱっとこちらを振り返った。
姿は見せていないのに、野生の勘か、俺がここに隠れていることに気づいたらしい。館の屋根をじっと
見つめていた、子犬のような丸い茶色の目が、これまたぱっと明るくなる。
「佐助!よいところにきた、柿を食わぬか!もぎたてだぞ!」
「もぎたてっていうか、突きたてでしょ」
ついでに来たっていうか、ずっといたんだけどね。
両手に持った槍をぶんぶん振るうその勢いに負けて、今さら忍ぶのもバカらしいかと姿を現し、庭に
下りる。足音立てずに落ち葉を踏みながら近づいていくと、旦那はにっと笑ってまた、柿の木に
向き直った。
「おりゃあ!大、車輪!」
「旦那!柿の木に攻撃しかけない!」
炎を伴う旋風に続いて、激しく繰り出された突きに、慌てて木がかわいそうでしょ!と叱りつける。
それでようやく手が止まった。
しぶしぶ振り返り、不満そうに眉を寄せた足元には、枯れた小枝や葉っぱに混じり、つやつやした
柿の実がいくつも転がっていた。
どれもこれも熟れごろだ。さすが旦那、ちゃんといいのばっかり選んだんだねえ。
いや、感心している場合じゃない。
「あーあ、こんなにたくさん落としちゃって。どうすんのこれ」
「お館様に献上いたす!」
夕餉のあとに甘いものが欲しいと、先ほど仰っていたのだ!
晴れ晴れと言い切り、座り込んで柿を物色し始めた鳥の巣頭を、ちょっとだけ呆れて見下ろす。
いくら大将でも、一度にこんなには食べられないだろうに。いや食べるかな。豪快だもんねあの人。
本当、師弟そろってやることなすこと豪快なんだから。
片手に山ほど柿を抱えて立ち上がった旦那が、その中から一つを選んでそら、と差し出した。
別に食べたい気分じゃなかったけど、上役からの下賜だしわざわざ選んでくれたものだから、
ありがたく頂いておく。
くないで皮が剥けるかな、と考えていると、旦那が柿を自分の懐にしまいこんでいるのが目に入った。
もういくつか入っているようで、地味な小袖の胸元が、いつになく膨らんでいる。
見るからに大きくて、形もよくて、甘そうなやつだ。なんとなく聞いてみる。
「そっち、大将用?」
「うむ。お館様は柔らかい柿がお好きだからな。よくよく吟味いたした」
夕日に照らされ、柿より赤くなってニコニコとうなずく顔から、ふーんと呟いて目をそらす。
ふーん。
ま、旦那は大将が一番な人だし、一番いいのあげるのは当たり前だよね。うん。
「佐助は硬いほうが好きだろう。それもよくよく吟味いたしたからな」
館に戻ろうかなときびすを返したところで、さらりと続いた言葉に、俺は思わず自分の手の中の
柿を見下ろした。


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