瀬戸内CPとは比べ物になりませんが、じれったい蒼紅ふたりが頑張ってます。
このざわめきは、外の雨によるものか、あるいは己の胸の内か。
障子を背に立つ政宗から、幸村は目を離す事が出来なかった。
「政宗殿…」
「……お前が今、何を言いたいのかは判ってる」
これまでの様々な想いが、政宗の胸に去来する。
彼との邂逅、武闘大会の事、そして元親をはじめ今日に至るまでの事。
ひと足先に幸せを手に入れた心友が、羨ましくないと言ったら嘘になる。
だからといって、これは別に、彼女に対抗する為のものではない。
ただ、好きな男と会えなくなる寂しさと、自分と愛する男の想いが確かなものであるというゆるぎない証が、どうしても欲しくて仕方なかったのだ。
障子を背に立つ政宗から、幸村は目を離す事が出来なかった。
「政宗殿…」
「……お前が今、何を言いたいのかは判ってる」
これまでの様々な想いが、政宗の胸に去来する。
彼との邂逅、武闘大会の事、そして元親をはじめ今日に至るまでの事。
ひと足先に幸せを手に入れた心友が、羨ましくないと言ったら嘘になる。
だからといって、これは別に、彼女に対抗する為のものではない。
ただ、好きな男と会えなくなる寂しさと、自分と愛する男の想いが確かなものであるというゆるぎない証が、どうしても欲しくて仕方なかったのだ。
(幸村に触れたい。触れて欲しい。俺だって、元親みたいに好きなオトコと契りたい)
たったひとりの男を前にここまで自分が緊張している事に、違和感を覚えつつも、政宗は震える舌を懸命に動かしながら、言葉を紡いでいく。
「告白した途端これかよ、って思ってるだろ?卑怯で……破廉恥な女だって、思ってるだろ?」
「それがしは……」
「──いいんだ。ホントの事だし…でも、俺はお前じゃなきゃ、こんなバカな真似はし
ねぇ」
自嘲めいた笑みを作ると、政宗はゆっくりと幸村へと近付いていく。
戸口から布団の傍にいる幸村までは、大した距離もないというのに、半分竦んでしまっている政宗の足取りは、端から見ても非常に覚束ないものであった。
幸村の元まであと一歩という所で、政宗は突如笑い出した膝に動きを妨げられ、そのまま崩れるようにして前のめりになる。
「政宗殿!」
傾いだ身体を支える為に、羽織を放り出した幸村は、腕を伸ばそうと身体を起こす。
ところが、完全に立ち上がり切っていない不安定な状態の幸村の前に、政宗の体重がモロにかかり、彼女を支え切れなかった幸村は、政宗もろとも引っくり返った。
ぼすん、と上質の布団の感触と、自分の腕の中で震えている愛しき人の温もりに、幸村の心は千々に乱れ始める。
「あ…」
そして、それは彼の逞しい腕に支えられている政宗も同じであった。
こうして彼に身体を支えて貰うのは何度目かになるが、今回のこれは、明らかにいつもと何かが違う。
ドクドク、と胸の鼓動が、それこそ口から心臓が飛び出すのではないかという勢いで、互いの聴覚を刺激し合っている。
「…っ」
息が掛かるくらい、幸村の視線を間近に受けた政宗は、今更のように沸き上がってきた羞恥心からギュッと目を閉じた。
「告白した途端これかよ、って思ってるだろ?卑怯で……破廉恥な女だって、思ってるだろ?」
「それがしは……」
「──いいんだ。ホントの事だし…でも、俺はお前じゃなきゃ、こんなバカな真似はし
ねぇ」
自嘲めいた笑みを作ると、政宗はゆっくりと幸村へと近付いていく。
戸口から布団の傍にいる幸村までは、大した距離もないというのに、半分竦んでしまっている政宗の足取りは、端から見ても非常に覚束ないものであった。
幸村の元まであと一歩という所で、政宗は突如笑い出した膝に動きを妨げられ、そのまま崩れるようにして前のめりになる。
「政宗殿!」
傾いだ身体を支える為に、羽織を放り出した幸村は、腕を伸ばそうと身体を起こす。
ところが、完全に立ち上がり切っていない不安定な状態の幸村の前に、政宗の体重がモロにかかり、彼女を支え切れなかった幸村は、政宗もろとも引っくり返った。
ぼすん、と上質の布団の感触と、自分の腕の中で震えている愛しき人の温もりに、幸村の心は千々に乱れ始める。
「あ…」
そして、それは彼の逞しい腕に支えられている政宗も同じであった。
こうして彼に身体を支えて貰うのは何度目かになるが、今回のこれは、明らかにいつもと何かが違う。
ドクドク、と胸の鼓動が、それこそ口から心臓が飛び出すのではないかという勢いで、互いの聴覚を刺激し合っている。
「…っ」
息が掛かるくらい、幸村の視線を間近に受けた政宗は、今更のように沸き上がってきた羞恥心からギュッと目を閉じた。
(どうしたんだよ、俺!初陣の時ですら、こんなにビビったりしなかったのに…!)
自ら仕掛けた筈なのに、いざその時を迎えてみると、身体の震えが止まらない。
どうしよう、どうしようと、半ば錯乱を起こしかけていた政宗を、ふわりとした温もりが、現実に呼び戻した。
「──政宗殿」
政宗の焦げ茶の髪を、不器用だが労わりを込めた幸村の手が、優しく梳いて来たのだ。
「幸村…俺……」
「大丈夫でございますか?」
「…痛い」
「何処かお怪我を?」
「違う…」
かぶりをふりながら、政宗は幸村の胸に顔を埋める。
「胸、が…痛いんだ…お前の事を想う度に、苦しくて、苦しくて……」
「政宗殿…」
「幸村ぁ…」
救いを求めるような切ない呼びかけに応えるように、幸村は政宗の身体を抱き込むと、さり気なく体勢を入れ替えた。
漸く慣れてきた夜目で見下ろすと、己の腕の中で、今にも泣きそうにしている政宗と視線が合う。
どうしよう、どうしようと、半ば錯乱を起こしかけていた政宗を、ふわりとした温もりが、現実に呼び戻した。
「──政宗殿」
政宗の焦げ茶の髪を、不器用だが労わりを込めた幸村の手が、優しく梳いて来たのだ。
「幸村…俺……」
「大丈夫でございますか?」
「…痛い」
「何処かお怪我を?」
「違う…」
かぶりをふりながら、政宗は幸村の胸に顔を埋める。
「胸、が…痛いんだ…お前の事を想う度に、苦しくて、苦しくて……」
「政宗殿…」
「幸村ぁ…」
救いを求めるような切ない呼びかけに応えるように、幸村は政宗の身体を抱き込むと、さり気なく体勢を入れ替えた。
漸く慣れてきた夜目で見下ろすと、己の腕の中で、今にも泣きそうにしている政宗と視線が合う。




