戦国BASARA/エロパロ保管庫

西海夫婦馬鹿善哉2

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「いま帰った!息災か?」
城壁に反響する心地よい声に、切れ長の目がさらに細まった。
ゆったりと袴の裾をさばき、優雅な足取りで半歩前に踏み出す。
その動きに、心得たように侍女たちが下がった。
袂で口を覆いながら良人を見つめると、毛利の女当主にして長曾我部の正室である毛利元就は、隠れた口元に、ごく小さな笑みを浮かべた。
「当然だ。お前も変わりないようだな」
「おお、今日もバリバリだぜ!」
「ふん。また無駄に力が余っているのか」
「おうとも、期待してろよ!」
「大口叩いたな」
切れ長の目がきらりと輝く。受けたつ元親の隻眼も、鋭い輝きを放った。
「ならば、見せてみるがよい!」

声を合図に元親が、庭の中央に走り出す。
同時に元親の部下と、元就の侍女たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

三歩進んだところで、元親の足元に緑の燐光が走った。すばやく横手にとんだ瞬間、地面から上がった緑の光柱が、今まで元親がいた空間を焼いた。
どうだと思う間もなく、着地地点にまた、燐光が走る。慌てて跳び退ったその場所にも、次に跳んだ場所にも、まるで元親の動きを読んでいるかのように、次々燐光が現れた。
「おおおおお!?」
槍を担いで全力疾走する元親の背後で、連続して上がる光柱が空を焼く。
ただでも暑い練兵場の空気の温度を、さらに上げる光の柱に、門の向こうで様子を伺う部下たちの間から歓声が上がった。

「すげえ!さすがは姐さんだぜ!」
「頑張れ兄貴ー!」
「よけろー!走れー!」
「いわれなくても走ってらあ!」

広い練兵場の中を、円を描くように駆け抜けながら、元親はその中心に目をやった。
同じ場所で静かに立ち尽くしたまま、冷静に自分を見つめる妻に、嬉しそうに怒鳴る。
「てめえ!また罠の数増やしやがったな!」
「当然だ。以前と同じでは意味がない」
「そりゃそう……あっぶねえ!」
壁に浮き上がった燐光から放たれた電撃を、間一髪よけて転がる。
門によじ登った男たちから、ああ、こいつは新しい!と再び歓声が上がった。
「貴様こそ避けるだけでは、我には勝てぬぞ」
「へっ、見てな!」
塩の結晶が浮く地面から飛び起き、元親が今度は広場の中心に向かって走り出す。
相変わらず上がる燐光と光柱に、腰に巻いた着物の裾が焼け焦げた。
かまわず走りながら、槍先を地面に突き立る。柄がしなり、限界までたわむ。
ぎりぎりまで引き寄せ、はじけたその反動で、元親は大きく空へと飛び上がった。
紺碧の空を鬼が舞う。
見上げる元就の目に、隠し切れない喜色が浮かんだ。
すぐに表情を戻し、すばやくかがみこむと、元就は足元に伏せていた輪刀を拾い上げた。
優雅な動きでくるりと回せば、刃が日差しを弾き、まさに日輪のように輝く。
「出た!姐御の輪刀だー!」
「姐さんカッコイイー!」
「兄貴も負けんなー!」
門で、その陰で、はたまた城壁の上で、鈴なりの兵たちの大歓声を受けながら、元就が数歩前に出た。輪刀が再び光を放つ。
空中に緑の燐光が生まれた。
地面に浮かぶものより大きな円を描くそれは、元親を待ち受けるように、その落下地点で不気味な回転を始めた。

さすがに口元を引きつらせた元親に、元就の顔に一瞬だけ、にやりと笑みが走った。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー