戦国BASARA/エロパロ保管庫

西海夫婦馬鹿善哉3

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着地と同時に円が弾ける。灼熱の光が爆発した。
「うあっちい!」
「兄貴ー!」
「まさに燃えてるぜ兄貴ー!」
着物や銀の髪を焦がす炎を転がってもみ消し、立ち上がったときには、元就はすでにその場を離れ、壁際へと逃れる途中だった。
輪刀を掲げて走る細い後姿に、隻眼が笑う。
「どうりゃあ!」
すばやく構え、振り下ろされた槍の先端から、炎の波が吹き出した。
振り返った元就の眉が小さく寄った。
危うく跳んで波を避ける。門の向こうから、野太い悲鳴がいくつも上がった。
二波、三波と続く炎は地面を焼き焦がし、同時に残る罠に触れたか、あちらこちらで
緑の光が吹き上がった。
ようやく壁に辿り着いた元就が振り返ったときには、白かった地面はすっかり焼け焦げ、煤の色に染め替えられていた。
さらに殺風景になった回りの景色へと、ちらちらと視線を走らす切れ長の目に、焦げた髪を風に嬲らせながら、元親がにやりと口元を吊り上らせた。
「どうやら、残ってた罠はあらかた、潰れたようだな?」
「……ふん。これが狙いか?相変わらずの力技よ」
「まだまだ!本番はこれからだぜ!」
槍を担いで、元親が妙にわくわくと背後の門を振り返る。右の拳が高々と空を指した。
「野郎ども!準備はいいか!?」
「待ってました!いつでもいけますぜ兄貴!」
「おっしゃあ出せ!オラオラ行くぞ!」
浮かれた声とともに、突き上げられた拳がぐっと握られる。

「今週のぉ!ビックリドッキリメカー!」

掛け声を合図に、門の外で轟音が上がった。
地面と空気を震わせ、伝わってきた振動に、元就の目がいぶかしげに良人と門を見比べた。
その視線を背に、どこか自慢げな笑いを浮かべ、元親が門に向かって走り出す。
またもや上がったいくつかの燐光と光柱を引き連れて、走る元親の行く手に、巨大な影が現れた。
きゅるきゅると低い音を立て、門の向こうに姿を現したのは、城壁に匹敵する高さの、巨大な鉄と木材の塊だった。高く、そして横幅もある。
動く要塞といった風情のその姿に、驚愕と歓声のどよめきが城を揺るがした。
当然門は潜れず、壊しながら前へと進む。
逃げ惑う兵を尻目に駆け寄り、無骨な柱をよじ登りながら、元親は満面の笑顔で妻を振り返った。
「どうだ!全高三十尺、全長五十二尺強!これが南蛮から設計図取り寄せて造り上げた、新・木機だ!本日初お目見えだぜ!」
「出た!兄貴の新兵器だー!」
「すごい!やっぱすごいぜ兄貴!」
「兄貴は時空を越えてるぜー!」
「お前はまた、我に内緒で予算を費やし、こんなものを」
空を隠さんばかりのその巨体を、呆れ顔で眺めながら、元就が小さくため息をつく。

「小遣い減らすぞ」
「……はっはぁ!そらいけ野郎ども!」
「任せてください!姐さん、失礼しやす!」

頭の上に元親を乗せた重機は、大地を震わし砂埃を上げながら元就に向かっていく。
荒れた地面を避けて進むその足元で、残っていた罠が反応して弾ける。
だが、光柱程度では足止めにもならない。
逃げてください姐さん!と悲鳴が上がる中、元就は何かを待つように、静かにその場に立ち尽くしたままだ。
巻き起こる風に目を細め、さらさらと髪をなびかせるその姿を見下ろし、元親が意気揚々と槍を振り上げた。
「どうだ元就!降参するなら今のうちだぜ!」
「……誰にものを言っておる」
眼前に迫った重機の稼動音は、いまや耳を劈くばかりだ。
ぎりぎりと軋んだ音を立てながら、巨大な車輪が壁際にさしかかる。
埃をよけて袂に覆われた口元が、にっと吊り上った。



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