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シンポ2-2取り組み報告

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各自治体等による取組み報告・自主研究グループ紹介

 ■ 「YAAるぞ運動」とは
  発表者:吉田淳史(尼崎市企画財政局行政経営推進室調整課課長補佐)

・尼崎市では以前から行革に取り組んでいるが、それまでの行革というのは、ある一部の職員がやらせる側、残りの大多数の職員がやらされる側という、主にカット中心の主体性のない行革であった。最初の頃はかなり効果があったが、限界が来ていた。
・15年度から「YAAるぞ運動」を実施することになったが、今までのやらされる行革とは違うと職員に分かってもらわないといけない。自分たちの職場は自分たちが一番知っている、自分たちの腕の見せ所だと分かってもらいたい。また、
楽しみながらやっていただきたいという思いから、まずはチーム名から凝ってくださいとお願いしたところ、ユニークな名前を出していただき、事務局としては喜んでいる。
・昨年度参加した76チームそれぞれが、「ダブルしんか」(進化&深化)を合言葉にして素晴らしい取り組みを行い、数々の成果をあげた。
・発表を希望したチームは局予選、最終予選を経て、予選を突破した16チームが、グランプリを目指す、第2回「YAAるぞカップ」を2月に開催。ちなみにテーマはAMAZE(びっくりさせる)。
・あまりPRしていなかったが、28の自治体から約60人の方に参加をいただき、元祖であるDNA奥田さん率いる福岡市と名古屋市から発表チームを派遣してもらい、素晴らしい発表をしてもらった。京丹後市の高橋さんから、これからYAAるぞ宣言のようなものをやっていただくとともに、有志の会からも参加をいただいた。

1 「YAAるぞ運動」とは?
・業務の進め方や職場環境を改めて見つめ直し、より良くしていく、改革改善する職場単位での実践活動。福岡市のDNA運動を非常に参考にした。
・ネーミングは、15年度施政方針で示された、「夢(Y)、アシスト(A)、あまがさき(A)。」。改革改善を「やるぞ」、改革改善をすることが「あるぞ」という思いを込めて名付けさせてもらった。

2 「YAAるぞ運動」の基本精神

 や:やらされるのではなく、自ら進んで「やる」

 あ:あきらめないで、とにかく「やってみる」

 る:ルックアップ(向上すること)を忘れずに「やっていく」

 ぞ:ぞっこん楽しみながら「やりつづける」

・「存分に」でいいのでは?という声に、私はシブがき隊世代なので、「Zokkon 命(ラブ)」という曲の中に「最上級の惚れ方さ」という言葉があり、最上級楽しみながらやり続けてもらいたいという願いを込めた。
・局長をオーナー、部長を監督、課長をコーチ、課長補佐以下の活動推進者をキャプテンあるいは副キャプテンとし、役割分担のもと、それぞれ活動する。

3 「YAAるぞカップ」への道
・4月に3役から素晴らしいキックオフ宣言をしていただき、研修をやって、6月の第一次、7月の第二次、8月の第三次、ロスタイム受付ということで、各職場の都合に応じてエントリーしてもらい、それぞれの職場で改善を進めてもらう。
・書面参加14チームと発表参加16チームが、報告書大賞・グランプリを目指す。
・「YAAるぞ運動」=発表ということになったら、発表を嫌がるチームが参加できないので、今回報告書大賞を設けた。発表は嫌だがいい取り組み、いい成果を残しているものが数多くあった。
・そういった分もみんなに認めてほしい、知ってほしい、市として共有したいということでA4一枚の報告書を拡大し、発表大会当日、エレベーター前に掲示し、参加者が気に入ったチームにロゴマークのシールを貼ってもらう。一番シールが多かったチームを職員表彰規程により表彰する。
・「YAAるぞ運動」の目的というのは、職員の意識改革のきっかけとすること。チャレンジし続ける職場風土の醸成につなげていくことである。自分で言うのも何だが、2年間けっこう成功していると思う。

4 「YAAるぞ運動」成功のポイント
○1年目に基本研修をオーナー・監督・コーチを対象に3回、キャプテン候補者を対象に2回の計5回実施したが、市長にこの運動にかける思いを伝えてもらうとともに、5回とも最初から最後までいてもらったことで、職員に市長のやる気が伝わったのではないか。特にキャプテン候補者の研修は1時間半。市長と同じ空間を共有できたことが、やる気につながったのではないか。
○「ほめること」「楽しむこと」の徹底
 役所というのは、なかなかほめることがうまくない、そういった風土があまりない。しかし、大人になってもほめられることがうれしいもの。いい取り組みをやったときは、みんなで認めてほめていこうと徹底させた。事務局として楽しみながらやっていくということにも気を使った。
○様々な仕掛けとネーミング
 採用されたら市長の名刺に使わせてもらうという謳い文句で、ロゴマークを募集したところ13点応募があり、市長と実行委員会で決めたが、どうしても2点が残り、運動と発表大会で使わせてもらった。

(1) 親しみやすいネーミング
 「市長がゴー」では、ユニークな取り組みや素晴らしい取り組みをしている職場を市長が訪問し、その取り組みをほめ、帰り際に市長自身が気付いたことを何気なくそっと言う、市長に言われたら、またやろうかとがんばる。
 決勝大会に出たあるチームが、「市長に言われたことができてます!」と発表するなど、かなりよかったのではないか。2年目からは両助役と収入役にも加わってもらい、3役による職場訪問を実施している。
 3役だけでは行くチームが限られてしまうので、私とこの運動を支援してもらっているUFJ総合研究所の島崎さんで、吉田のYとUFJのUをとって、「YU-くぞ職場」ということで、職場を訪問し、意見交換させてもらっている。

(2) 「第1印象グランプリ」の実施
 他のチームの内容も知ってほしい、認めて、ほめることを浸透させていきたいという思いから、所属とチーム名と取り組みテーマを見て投票してもらう。グランプリに3役賞(白井市長の名前から「白うとばなれの発想で賞」、中村助役から「中なか期待できるで賞」、矢野収入役から「矢ってくれそうで賞」)を作り、パソコン上で表彰状を送る。
 決勝大会に出たチームが言っていたが、今までは取り組みは進んでいなかったが、第1印象グランプリで江川助役から「江え感じで賞」をもらってから、メンバーのやる気に火がついて、それからすごく取り組みが進んで、素晴らしい成果をあげた。

(3) 「局予選」の実施
 審査員である局長・部長の前で、普段顔を合わすことがない職員が、自分たちが取り組んだ内容をプレゼンする。内容が素晴らしいので、局長・部長がほめる。惜しくも予選で落ちても、それがうれしいからまたがんばろうかという気持ちになる。

(4) 「敗者復活戦」の実施
 局予選でもかなり惜しいところまでいっているチームがあったということで、10チームほど集めさせてもらって、収入役を審査委員長とした「敗者復活戦」を実施、3チームに決勝大会に出てもらった。
・様々な仕掛けとネーミングを説明したが、参加チームのみなさんの「やる気」と「頑張り」に、事務局もまいりました、というのが本音のところである。

4 第2回受賞チームの紹介
 ・グランプリ「分別戦隊ゴミワケルンジャー2004」(大西保育所)
 21世紀を担う子どもたちに、環境問題に興味を持ってほしいと、カリスマ保育士が、燃えるごみに分ける「モエルンジャ-」、燃えないごみに分ける「モエナインジャー」、リサイクルごみに分ける「マタツカエルンジャー」というヒーローが登場する絵本を作成し、環境教育に取り組む中、子どもたちに変化があらわれてきた。
 そうした中、保護者の環境問題に対する関心は?とアンケートを実施したところ、ごみの分別は94%と高かったが、トレイや牛乳パックの返却率は21%、マイバック持参率は14%と低い数値であったことから、「保育所と家庭の両方でエコライフ」をテーマに取り組んだ。
 保護者向け講演会の実施、トレイと牛乳パック回収ボックスの設置、プールの水をペットボトルに移し替え、翌日の水遊びで使用する「水のリユース大作戦」、父母の会主催で家庭の不要品を持ち寄った「リサイクルマーケット」も大成功を収めた。
 数々の努力が大きな実を結び、再度実施したアンケートではトレイや牛乳パックの返却率とマイバック持参率が共に55%。ごみの分別は100%を達成した。
 取り組みを通じ保護者との間に「子どもたちのために一緒に楽しくがんばろう」という一体感が生まれ、数字では計り知れないものが得られた。

・特別賞「チーム ハイホー!(灰を宝に)」(美化環境局施設担当)
 ごみ焼却施設の建て替えという20数年に一度のビッグチャンスを生かし、施設の案内標識を市民の方に分かりやすいものにしようと、施設の案内役に「忍たま乱太郎」で有名な尼崎市の漫画家、尼子騒兵衛さん作の「エコあま君」を起用
した。
 また、「灰を宝に」を合言葉に、灰溶融設備から作られる、スラグとメタルについて、廃棄物として埋め立てるのではなく、有価物として取引できないかと調査・検討を行い、見事実現した。埋立て処分費が不要となるとともに売却することで収入も増え、効果額としては毎年度、約5,900万円が見込まれている。

・同じく特別賞「出発・進行!みずのたび」(北部浄化センター)
 ベテランの技術職員を中心に、「下水道設備研修教本」を作成するなど、運転知識やノウハウの蓄積・継承に取り組むとともに、台風などの気象情報がいち早く入手できるシステムの共有化を図り、ポンプ運転等がより迅速に行われるようにした結果、昨年上陸した10個の台風による浸水災害を防止することができた。
 また、ヒヤリハット報告を行うなど、労働安全意識の向上を図り、公務災害は2年連続0を達成。契約電力の減少で約300万円、汚泥の減量で約400万円削減するとともに、全職員が一丸となってISO14001を取得。職員との連帯感や協働性がこれまで以上に高まり、さらなる経費削減や環境保全の意識が強くなったことも大きな成果である。

・審査員特別賞「ゲッツ Job」(6福祉事務所)
 就労促進相談員という嘱託職員6人の取り組み。「自分たちのノウハウをもっと市民サービスに活用できないか」と、就労支援の対象を生活保護の受給者だけでなく、生活相談に来られた方にまで広げた。最初は相談者との信頼関係構築に苦労したが、「教えてもらった履歴書を誉められて採用になった。」、「もっと早く紹介してもらったらよかった、これから仕事をがんばるわ。」という声をいただき、二人三脚の取り組みで成果をあげている。これからも「あなたに会えてよかったと言われたい」を合言葉に取り組んでいく。

・同じく審査員特別賞「時空戦士 コセキッコ」(大庄支所市民課)
 一番難しいとされていた戸籍事務について初心者にもすぐ分かり、実務に即した戸籍事務マニュアルの作成に挑戦。戸籍事務は各市独自の判断や対応をすべきものではないため、法務局主催の研修に参加したところ、そこに来ていた
伊丹市と宝塚市の職員が多大な協力をしてくれた。紙ベースでは維持管理及び経費などに課題があるため、デジタル化し、見たいところをクリックすると瞬時に展開する、初心者、ベテランを通じて活用できるマニュアルが完成し、法務局戸籍係長からも賞賛のコメントをいただいた。
 ワード・エクセルでCD-ROM化し、軽量かつ汎用性のある、全国どこの自治体でも活用してもらえるのではと考えている。
 今年度は希望する自治体に無料で配布し、使い勝手や改善点など、感想をいただき、精度を高め、本当に全国で活用してもらえる「メイドインアマガサキ」の「コセキッコ」にしたいと考えている。

・同じく審査員特別賞「ザ!鉄腕!DASH!!おはま村~菜児季~」(尾浜保育所)
 子どもの苦手な食べ物の3分の2は野菜だということが分かった。食べることは生きることの源、元気な子どもに育てたい、何でも食べる子にしたいという職員共通の願いを実現しようと野菜作りに取り組んだ。
 栽培物は、スナックエンドウ・ブロッコリーなど。実をつけたのを発見した子どもと会話し、一緒に収穫することから始め、出された給食もほとんど残さずに食べるようになった。
 保護者にアンケートをしたところ、85%が「保育所に来てから好き嫌いが少なくなった、何でも食べるようになった。」と答えるなど、成果をあげた。取り組みを通じ、職員一人ひとりが持ち味・能力・特技を出し合い、楽しみながら、仕事のおもしろさを実感することができ、チームワークが深まった。

5 私が選んだチーム名ベストイレブン
  「どこでもちかまつ MU KA DE運動」(ちかまつ・文化振興課)「資産4×3=活用」(情報政策課)「中図範派やなー」(中央図書館)「燃焼系2 コスト式(こんな運動してみたら)」(クリーンセンター)「トクソー隊」(収税課)「ネット・ワークス尼崎」(環境政策課)「みずから電気and泥」(園田配水場)「毎日コツコツ美っ化美化」(東消防署)「シエーン(支援)、カムバ~ック!」(能力開発支援課)「DOする?コラボる!市民と都市政策課のcollaboration」(都市政策課)「3つのKAT!」(塚口青少年会館)

6 おわりに
・フレンテとはスペイン語で「先頭」「最前線」。今日のシンポジウムの会場にふさわしいと感じる。これからも自治体職員有志の会が、「志」をもって取り組みたいと考えている方々の先頭・最前線として、さらなる活躍を祈念している。

 

■岸和田市人材育成型人事考課制度への挑戦
  発表者:小堀 喜康(岸和田市市長公室人事課参事)

・岸和田市は現在2つの大きな変革を行っている。外に向かっては市民との協働システムづくり、自治基本条例を制定。内に向かっては行政改革を進めるための人づくり、人事制度改革に取り組んでいる。
・本日の話は、従来型の評価制度ではなく、人材育成をメインとした、これまでの制度にはない、新たな人事制度づくりをしたいという決意表明のつもり

1 人材育成型をめざした3つの理由
 (1) 人材がいない、人材が育っていないという危機感。岸和田市だけでなくどの自治体でも同じで、これから数年の間に半数近い職員が入れ替わる状態。次世代のリーダーをどう育てて、どう使って、どう選抜していくのかが大きな課題である。
 (2) これまでは人事課の視点、職員を管理する視点でつくられたものがほとんど。職員の視点、職員自身の立場に立った制度づくりになっていない。
 (3) 従来は、評価とは給与を決めるためのもの。成績・順番をつけ給与、昇格や処遇を決定している。本当は市民からすれば職員の給与はどうでもいい。職員一人ひとりが自分の能力を一生懸命アップしてくれ、今まで以上の良いサービスを提供してくれることを市民は望んでいる。 
 それをサポートするのが人事の仕事ではないか。給与決定のツールでなく、職員をいかに育てるか、能力開発、職員の力の活用のためのツールとして考えるべきである。

2 古い人事管理論からの脱却
・従来の評価制度は、職員は金銭(給与)と地位(ポスト)で動くものだ、という古い人事観・人事管理観に基づいていた。いわゆる「アメとムチ」「信賞必罰」という、がんばった職員にはご褒美をあげ、がんばらない職員は厳しく罰する、そうしないと職員は管理できない、といった考え方であった。
・金銭で人が動くのだったら、最大の問題は給与を銀行振り込みにしたことがマズイ。私のような既婚者のモチベーションを上げるのだったら、銀行振り込みをやめる。自分の手に入る現金払いにしてくれたら、お父さんの権威も回復し、自由度も増し、もっとモチベーションも上がるのでは(笑)。
・われわれ自身、自治体を選んで就職している。われわれのモチベーションはどんなときに高くなるか?
 やはり仲間と一緒に仕事をやって、一緒にがんばれた、達成できた喜び、上司・同僚から認められる、ほめられるときに、やってよかったという達成感を味わって、モチベーションが高くなるのではないか。
・組織内で目標・価値を共有するシステム、互いに認め合う、称え合うシステムづくりがモチベーションを高めるのに有効ではないか。
・人間関係が生まれる報酬、コミュニケーション報酬をつくり出す制度が必要である。

3 岸和田市の選択
・制度のキーワードは、「自学」と「目標の共有」
・「信賞必罰」ではモチベーションは上がらないというのは上記の理由による。
・能力開発や学習は強制されて、いやいやしても身につかない。職員の自主性が能力アップに最も必要だ。そのきっかけ、動機付けとなるのは「気付き」であり、どこが長所でどこが短所かを自分自身で認識し、それが能力開発のきっか
け、動機付けになるのではないか。
・従来の、総合判定がどうだったかということではなく、こういう能力・行動は十分できているが、こういう能力が不足しているかということが個々、具体的に分かるような評価システムが必要である。
・職員アンケートによると、全体の4分の1の職場しか組織の目標が共有されていない、明確にされていなかった。われわれが仕事にやりがい、働きがいを感じるためには、組織がどういう目標を持っているのか、どういう目標に向かって仕事をしているのか、きちんと組織内で共有化され、みんなが1つの方向に向かって力を合わせることが必要であり、目標管理を導入し、組織内の目標を共有化することを考えている。
・オープンな制度運用をして、コミュニケーション報酬、お互い認め合う、励まし合う、称え合う評価制度とした。

4 岸和田市の評価制度の基本的な枠組み
・従来型の勤務評定と呼ばれた制度(成績評価・能力評価・情意評価)では、「企画力」「判断力」といった要素で評価し、きわめて抽象的、全体的な印象や評価者の主観による評価になってしまい、本人に説明・フィードバックできない制度であった。
・岸和田市では目標管理による実績評価と簡易コンピテンシーを使った能力評価の2つのツールを使って、評価制度を再構築した。

(1) 目標管理による実績評価
 従来でいう成績評価。組織内で目標を立てて、達成度で評価するもの。
 部長、課長、担当長という職階を対象

(2) 簡易コンピテンシー
 部長は対象外。数年で退職、能力開発をしても間に合わないから対象にしない。非効率なことはしない。そもそも能力開発をしていない人を部長にしているほうがおかしい。どちらかというと、対象は担当長、一般職が中心
・マネジメント・サポートという制度を導入し、能力評価と同じ項目で部下が課長を評価している。
・目標管理は、客観性が高いと言われるが、目標を設定する管理職の力量に差があり、実際の評価はバラバラ。そのため評価結果がバラバラ。評価として使うのはどうかと思う結果になっている。評価というより、組織内で目標を共有するコミュニケーションツールとして、ミーティングを中心にした運用を図っている。
・簡易コンピテンシーは、岸和田市の制度で一番特色があり、かなり信憑性も高い、本人評価と上司評価の一致率がかなり高い。
・マネジメント・サポートは、アンケートによると7割の課長が参考になる、1割が参考にならないという回答があり、妥当性・納得性があるのではないか。
・下からの評価を入れ、上司が一方的にするものではなく、能力開発のためのツールとして考える、気付いたことをお互いに教え合う制度イメージをしている。

5 岸和田市「簡易コンピテンシー」の特色
・従来の評価制度は、人事課がつくる、人事課のための制度ではなかったか。分かりにくく、複雑である。
・新しい評価制度では、職員のために自己の能力開発に活用でき、評価方法が公開され、簡単で分かりやすい、シンプルな制度。各項目の評価結果が完全に本人にフィードバック、オープンにされ、「気付き」につながる制度。人事担当者が使いこなせるシンプルな制度とした。
・評価基準には二面性がある。上司が部下を見るときは評価基準、評価される側から見れば行動規範・行動基準の側面がある。
・具体的な行動があるかないかで判断できる基準としている。あいまい・抽象的な基準から変更し、特徴的な行動をつかまえて評価するシステムである。
・評価シートがそのまま本人に返却されるため、説明できる、フィードバックできる制度だということが特色である。
・評価項目の12項目中、6項目は共通項目。残り6項目は評価される本人が自分で選ぶ自己選択性を導入した。従来の一律な制度で画一的な職員をつくる制度から、職員のための評価制度へ。コンセプトは職員の個性を活かす。自分が
評価されたい、がんばりたい項目を自分で選べる、個性的な職員を育てる制度を具体化した。

6 最後に
・従来は競争原理、市場原理に支配されてきたが、これからの行政改革のキーワードは協力原理に基づくシステムではないか。
・それを念頭に人を育てる、人が育つ人事システムを発展させ、定着できるようにがんばっていきたい。


■ スーパー公務員養成塾の取り組み
  発表者:鈴木 英敬
  (経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課課長補佐)

1 スーパー公務員養成塾のきっかけ
・特区で講演を年70回ほどしてきたが、その都度「公務員のイメージが変わった」と言われ、世の中から求められている公務員像と現在の公務員の乖離を感じるとともに、違和感がある。
・改革をしていこうと思っている仲間がここにもたくさんいる。公務員の「あきらめ感」「閉塞感」「成功体験の不足」がある。何とかしたい。
・行政・政治に対するコスト意識の高まり、「税金はサービスの対価」の気持ちが高まっている。

2 スーパー公務員養成塾の実施方法
・参加者は合計63名、オブザーバーも多数参加。東京・関西で2005年1~3月の全5回実施した。
・内容は、ゲストスピーカーによる「これからの行政官に求めるもの」という講演、民間団体が実施しているような課題発見能力の養成。今後公務員も必要となるだろう。現役公務員の成功・失敗体験、失敗をこう生かしてほしいといったもののケーススタディ、アウトプットも必要であり、「骨太2005」に入れる案件を作成、政策提案をする。

3 スーパー公務員養成塾の目的

・自らの「志」をもって行動できる人材、実現するための力を持った人材になる。
・世の中との乖離を解消する。
・「国づくり」へみんなを巻き込む。
・これをやろうとしたきっかけの1つは、以下のような現状認識である。
・今までの公務員=20世紀型公務員と定義、極端だが世の中の人が抱いている公務員のイメージ

 上から言われたことや決められたことしかやらない。自浄能力の低さ、前例主義、責任回避、当事者意識の低さ、金銭的にも時間的にもコスト感覚が著しく低い。誰のために仕事をしているかという視点が欠けている。

・21世紀型公務員(スーパー公務員)を目指す。
 自らの「志」を持つ、実現するために行動する、実現するまであきらめない。責任感・当事者意識を持つ。評論家はいらない。批判や「べき論」はいらない。自ら行動しないと意味がない。
・机上の空論ではなく、現場や実生活を踏まえた政策を実現するために、自ら共感し、「汗」をかく。これを「共汗感」と名付けた。一緒に汗をかいて動かないと意味がない。そのような人材になろう。こういう目指す姿をもってやってきた。

4 養成塾第1回目の講師、竹中大臣の『5つの「せ」』
・公務員に必要な能力として、専門性、説得力、戦略性、センス(「風」を読む力)、正義(志)
・決して難しい話ではなく、熱く語ってくれた。

5 スーパー公務員養成塾の今後の展開
・10月から第2期開催、半年間全10回。東京、関西だけでなく、北海道、四国(松山)を追加、持続するために仲間を増やしたい。キーマンによるフランチャイズ経営をする。
・対象者に民間を追加。パブリックを担うのはガバメントだけではない。協働と言われるが、社会がよくなるためには、ガバメントだけではない。目的は、パブリックに携わる志ある人材の育成、裾野拡大・底上げ・ネットワーク形成
・有志の会は政策提言を目的としないところがすごい。よくある公務員の勉強会は提言や他人のせいばかりしている。
・大事だと思うのは、自分で自分の持ち場を変えること、それが一番大事。自らの持ち場で火付け役となり、リアルに変革していける人材を育てることが大事
・そういう意味では有志の会会員と全く思いは同じである。
・今日の参加者でも、地域の核になるキーマンでも興味のある方は連絡してほしい。先行して9月10日に「西宮スーパー公務員塾」を実施する予定である。
・会社社訓、行動規範のような「公務員7訓」を霞ヶ関若手で作っている。内容については積極的な意見を募集している。
・座右の銘 松下幸之助氏「志を立てよう」。志を持てば必ず道は開ける。人のせいにするな、自分でがんばれ。

6 まとめ(みなさんに伝えたいこと)
・自分がやらなきゃ誰がやる、今やらなきゃいつやる。
・他人と比べることに意味は全くない。自分が志を持ってがんばりたいことを自分の目の前を変えていく、何の問題もない。
・とにかく、成功するまで「本気」でやる。
・講演などでは失敗したことはないと言っている。成功するまでやるからである。つまずいてやめたらそれが失敗。やめずに何が悪いか考え、成功・目標に向かってやればいい。大事なのは本気でやり続けることだ。
・「変えれるもの」にエネルギーを集中する(リンクアンドモチベーション代表小笹さん)
・「変えれるもの」=「思考・行動・自分・未来」と「変えられないもの」=「感情・生理的反応・他人・過去」を因数分解して考える。
・カリスマやスーパースターは要らない。仲間と一緒に。カリスマやスーパースターができることは少ない。みんなでやらないと意味がない。チームでやる方が実現力は高い。
・とにかく、今この瞬間から、このみんなでやるしかないで!


■ チョウチョの会(滋賀県)
  発表者:チョウチョの会のみなさん(井関、小林、初宿、堤、中西、中村、西村、松本)

○堤辰也(県民文化生活部県民生活課主幹)
・昨年、高浜のシンポジウムでは最後列にいて、こんなに全国には熱い人がいるんだと思ったが、今日は最前列を通り越し、この場にいることに驚いている。
・チョウチョの会は、7月3日に1周年フォーラムを開催した。内容は、北川正恭氏の講演、パネルトークなど。県内外から400名に参加してもらった。今日はそのフォーラムに関わったスタッフに、インタビュー形式で当時の模様を伝えてもらおうと思う。

○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事)
・松本さんにとって、チョウチョの会とは?

○松本寛(総務部総務課主査)
・私はこのような場で話ができるような職員ではなかったが、チョウチョの会では、私の話を聞いてくれ、個性的なメンバーが集まっている。その内容は目から鱗が落ちるもので、職場のいろいろな話を聞き、改革とは縁のない私だが、会は垣根がなく、誰でも参加できるフラットな場、私にとって憩いの場である。
・ホームページ制作を担当したが、フォーラムの盛会がメンバーの自信となった。これから大きく羽ばたいていくのではと思う。

○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事)
・広告営業で苦労したようだが?

○井関知子(政策調整部男女共同参画課主任主事)
・紹介してもらった上場企業の取締役にアポをとり、一通り説明したが、会の趣旨・方向性が見えない、当社のメリットがない等の機関銃のような質問を受け、自分の言葉で説明することに必死になった。
・結果は残念だったが、後にその取締役が動いてくれ、思いに答えてくれたようで、ちょっとうれしかった。
・仕事とは違う、自主活動グループであるということで信頼を得ることは難しいと思った。

○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事)
・前売り券の販売など、いろいろ活動されたようだが?

○堤辰也(県民文化生活部県民生活課主幹)
・フォーラムまで1ヶ月という短い期間で、昼休みや時間外での苦しい販売活動だった。説明に苦労したが、一人ひとり説明して販売した結果、なんとか完売できた。

○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事)
・中村人事委員会事務局長がなぜここに?

○中村きよ子(人事委員会事務局長)
・私はミーハーな性格、ここにいるのもその延長線
・チョウチョの会は北川さんの話に感化され、自分で気付いて、変わり始めようとしたことに、おもしろい、いいことだ、これからどうなっていくのかという興味と好奇心から関わっている。自分の肩書きのせいか珍重されているが、外に対しての信用、内に対しての安心になるなら、否定することではないと思う。
・フォーラムの成功はみんなが真面目に取り組んだ結果であるが、これが始まりである。私にはチョウチョになる時間はないが、青虫たちがチョウチョになるためのささやかなキャベツに、スポンサーになれればと思う。

○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事)
・チョウチョの会には、様々な動機でいろんな人が集まっている。一人ひとりの気付きを力にして、改革が進むといい。
・と、ここで時間なので報告終わり。残りの3名(初宿・中西・西村)に興味ある方は交流会で。(3名コケる)


■ Now For Future!!(福岡市)
  発表者:道副 智美(福岡市建築局住宅政策課)

1 グループの概要
・福岡市では九州大学の大学院生と共同研究する研修が行われ、この研修に参加したメンバーが、役所の研修だけで終わらせたくないということで、翌年度(2003年)自主的に研究を始め、設立
・このときのテーマは「コミュニティの自律経営」、今でもそれに関する分野が主な研究テーマである。
・活動のスタイルは、机上の研究だけでなく、コミュニティの中に積極的に飛び込み、一緒に汗を流すことをモットーとしている。
・これまで、いろいろな方々やグループのみなさんと組織・分野を超えて一緒になって活動を行っている。

2 これまでの具体的な活動
・地域のまちづくり活動への参加、NPOでのボランティア、各地の市民活動の場を訪問し、意見交換。各地(札幌、三鷹、武蔵野、横須賀、横浜、習志野、千葉、港、江東、立川、松山、沖縄、釜山など)を訪問し、メンバーの中には、ヨーロッパのNPO等非営利セクターを視察した者もいる。
・これらの活動で得たノウハウを共有したり、交流の場づくりをしようと、シンポジウムや講座を開催しており、2003年にはコミュニティをテーマに市民と行政職員が本音で語る場である合体フォーラム、2004年にはこちらも市民と行政職員が同じ立場で肩を並べて受講するという協働講座、またCMやポスターなど広告を基にし、チラシやキャッチコピーを作るヒントにしてもらおうとプレゼン講座を開催した。
・大学や高等専門学校との交流は、大学の特別授業の教壇に立たせてもらったり、相互にヒアリング、共通分野での資料制作など、お互いの研究をサポートしている。
・福岡市トップとの意見交換、市役所内外の協働活動、他都市のグループや職員、民間企業などの方々との交流などを通して、様々な形でのタイアップをしている。私たちと同じく具体的な目的を持って汗を流している他の自治体グループとのネットワークを立ち上げ、交流を深めている。
・このような活動の体験、市民活動に参加して知り得た自治の課題やノウハウを論文などにまとめたり、研究発表会も数回実施し、各地でのシンポジウムでもこうした活動を広く紹介。ホームページ(nowforfuture.net)に今までの活動や最新の情報を紹介している。
・より詳しい情報は「月刊 地方自治研修」2005年3月号、4月号に設立から一連の活動、失敗談、成功の秘訣などを投稿している。
・自主研究グループのネットワークについてはjishu.kouichi.jpへ。「月刊 地方自治研修」11月号から連載を予定している。
・メンバーは5人、みんな個性的で、持ち味を生かして活動を地道に続けている。気軽に声をかけてほしい。


■ 沖縄自治体職員ネットワーク(通称:いちゃりば)(沖縄県)
  発表者:曽根 淳(沖縄県総務部東京事務所総務企画課主査)

1 「いちゃりば」って何
・「沖縄自治体職員ネットワーク」は名前が長いので、「いちゃりば」という通称をつけた。
・沖縄の方言で「いちゃりばちょーでー」(行き会えば兄弟:一度会ったら兄弟)と“しゃべり場”を掛けて、気軽な自由な議論ができるようにした。通称をつけたのはなるべく垣根を低くし、多くの人に参加してもらいたいからである。このような集まり・メーリングリストの有効性は入ってみないと分からないもので、そういう意味でも愛称をつけた。
・スタートは2004年4月。自治体有志の会と関係があり、埼玉県志木市でのオフ会がきっかけで、沖縄在住のメンバー5名が参加し、こういう会は非常にいいので沖縄でも立ち上げようと思った。
・メンバーは、沖縄県内の地方公共団体の職員。垣根を低くしたいということから、非常勤職員、臨時職員、議員、関連団体職員を含んでいる。北は本島最北端、国頭村から南は日本最西端、与那国町まで、県内114名が参加し、活動の内容は、メーリングリストでの意見交換とオフ会。オフ会は月1回程度のペースで実施している。

2 これまでの活動実績
・自治の現場を見に行こうという「激変自治の旅」
・これまで、北海道ニセコ町、埼玉県志木市、関西には関西学院大学小西先生の紹介で2回ほど訪問している。
・特徴としては、有志の会は改革派首長の話を聞くが、「いちゃりば」では、改革を実践している職員、ニセコ町の林さん、志木市の尾崎さん、城陽市の有川さんなどを招いて話を聞いている。
・また、「三位一体改革」のような比較的難しい内容は、専門家を招いて勉強会を開催している。
・沖縄からでは、今日のような場に参加するには、物理的・精神的ハードルが高い。そのためできるだけ垣根を低くしたい。沖縄ではまだ改革派首長が出ていない。そうでなくても職員でできることをしていこうということを考えながらやっている。
・講師に誰が来てもらっても、かりゆしウェアを着てもらい、最後には必ず宴会を開催する。
・自分たちと同じ立場の職員はいっぱいいる。その職員のがんばっている情熱や変革するという気持ちを共有し、自分たちもがんばっていきたいと取り組んでいる。まじめに楽しくということで、沖縄を訪れた職員グループとも交流している。
・実際やってみて、有志の会のようなやり方はいろいろな所でできる。沖縄で始めたら100人を超える参加者が集まった。みなさんの地域でも同じような活動をして有効の輪を広げていきたい。こういう取り組みが広がっていけば、地域から日本を変えていくことが本当に実現すると思う。

3 最後に
・最初に「いちゃりば」の意味を説明したが、この言葉を信じれば、ここに集まった約300名の出会いは大きな意味がある。みんなが兄弟であるということであり、出会いは大切。この取り組みが各地に広がり、チョウチョの会のような活動がどんどんひろがっていくと、日本も変わっていくと思う。
 

 

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