からてねずみポケモン。おおねずみがしんかした ◆F5TvyuXOuQ
最初に断言しよう。チウは所謂“ポケットモンスター”ではない。
ない――――のだが、この少女のみならずポケモンと共に生きてきた者たちが誤解しても仕方のない風貌である。
風貌のみならず、3年前までは実際に村や畑を荒らす怪物(モンスター)であった。
しかし彼にはそれを克服し武闘家として、そして獣王遊撃隊の隊長として戦う誇りがある。
それを出会い頭の一言で否定されては、怒りを覚えるのもそれもまた仕方のないことであった。
ない――――のだが、この少女のみならずポケモンと共に生きてきた者たちが誤解しても仕方のない風貌である。
風貌のみならず、3年前までは実際に村や畑を荒らす怪物(モンスター)であった。
しかし彼にはそれを克服し武闘家として、そして獣王遊撃隊の隊長として戦う誇りがある。
それを出会い頭の一言で否定されては、怒りを覚えるのもそれもまた仕方のないことであった。
「……ラッちゃん、知り合い?」
「ぼくをそんなネズミと一緒にしないでくれたまえ!」
「うわぁっ、ゴメンナサイ!」
「ぼくをそんなネズミと一緒にしないでくれたまえ!」
「うわぁっ、ゴメンナサイ!」
麦わら帽子の少女――イエローは驚いた。
触れていないのにポケモンの気持ちがわかる。
それどころか、目の前にいるポケモンは実際に口を使って、耳に伝わる言葉で喋ったようだった。
口を衝いて出たのは謝罪の言葉。
相手を怒らせてしまったことから反射的に飛び出した言葉だったが、許してもらえたようで安堵した。
触れていないのにポケモンの気持ちがわかる。
それどころか、目の前にいるポケモンは実際に口を使って、耳に伝わる言葉で喋ったようだった。
口を衝いて出たのは謝罪の言葉。
相手を怒らせてしまったことから反射的に飛び出した言葉だったが、許してもらえたようで安堵した。
「素直でよろしい……ぼくはチウ。獣王遊撃隊の隊長だ! 言っておくがバーンの部下と一緒にしないでくれよ。キミは?」
「えーっとえーっと…………イエロー……です」
「イエロー君か。そしてそこにいるのが確かラッちゃんだな。そんなネズミとか言って悪かったね」
うんうんと頷くチウに対し草の上で正座するしかないイエロー。
「えーっとえーっと…………イエロー……です」
「イエロー君か。そしてそこにいるのが確かラッちゃんだな。そんなネズミとか言って悪かったね」
うんうんと頷くチウに対し草の上で正座するしかないイエロー。
戦いに乗っているのか――――いいえ。
これまでに誰かに遭ったか―――――いいえ。
ラッちゃんはキミの部下か――――――いいえ!
これまでに誰かに遭ったか―――――いいえ。
ラッちゃんはキミの部下か――――――いいえ!
「ラッちゃんは、ボクの友達です!」
断言したイエローにチウは感銘を受けた。
バッジはないが、隊員15号にスカウトしたいくらいだ――勿論ラッちゃんは16号だ。
バッジはないが、隊員15号にスカウトしたいくらいだ――勿論ラッちゃんは16号だ。
「あの……チウさん、ボクも聞いていいでしょうか?」
「ふふっ、ぼくばかり聞いていたのでは確かに不公平だな! 何でも聞きたまえ!」
「さっきの話しぶりからして、チウさんはあのバーンという人を知っているんですか?」
「大魔王バーンを知らないのかい!?」
「ふふっ、ぼくばかり聞いていたのでは確かに不公平だな! 何でも聞きたまえ!」
「さっきの話しぶりからして、チウさんはあのバーンという人を知っているんですか?」
「大魔王バーンを知らないのかい!?」
今度はチウが驚く番だ。
その姿はともかく、魔王ハドラーをも超える大魔王バーンといえば知らぬ者はいないはずだ。
しかし、ラッちゃん――ラッタという種族らしい――は見たことも聞いたこともない魔物だし、世俗からは隔離された所にいたのかもしれない。
そう、それはまるで――――
その姿はともかく、魔王ハドラーをも超える大魔王バーンといえば知らぬ者はいないはずだ。
しかし、ラッちゃん――ラッタという種族らしい――は見たことも聞いたこともない魔物だし、世俗からは隔離された所にいたのかもしれない。
そう、それはまるで――――
「そ、そうだ、ダイ君!」
先程の悪夢のような光景が蘇る。
しかし夢などではない証拠にチウたちは首輪を巻かれ島にいる。
幻惑呪文(マヌーサ)などの可能性はあるが、2人の少女が死んだことも、結果としてその1人を殺したのがダイであることも、恐らく本当なのだろう。
しかし夢などではない証拠にチウたちは首輪を巻かれ島にいる。
幻惑呪文(マヌーサ)などの可能性はあるが、2人の少女が死んだことも、結果としてその1人を殺したのがダイであることも、恐らく本当なのだろう。
「ダイ……あの人か……バーンには勇者と呼ばれていたけれど……」
「呼ばれているだけじゃない! ダイ君は本物の勇者だ! あれは……」
「呼ばれているだけじゃない! ダイ君は本物の勇者だ! あれは……」
――――不幸な事故。
その言葉を飲み込んだ。
その言葉を飲み込んだ。
それなら、これからここで起きるかもしれないことも“不幸な事故”と呼べるのか?
イエローがゴクリと唾を飲み込む。チウの張り詰めた尻尾がわななく。
「……大魔王バーンは強大だ。けど……けど……イエロー君、キミは戦いには乗っていないと言ったね?」
「はい! こんな戦い、止めなきゃいけない! 無理かもしれないけど、ボクに出来ることはやらなきゃ!」
「はい! こんな戦い、止めなきゃいけない! 無理かもしれないけど、ボクに出来ることはやらなきゃ!」
イエローが思い浮かべた顔――皆強いポケモントレーナーだ。ピカのようなポケモンたちもいるかもしれない。
レッドもいる――イエローにとっては様々な意味で憧れの人。
何より、ラッちゃんが側にいてくれる。そうだ。殺し合いなんて止めてやる。
レッドもいる――イエローにとっては様々な意味で憧れの人。
何より、ラッちゃんが側にいてくれる。そうだ。殺し合いなんて止めてやる。
「ぼくもそうだ。そして…………正義は必ず勝つ!」
チウが宣言し、イエローが強く頷いた。
チウが宣言し、イエローが強く頷いた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ラッちゃんをボールにしまい、2人は情報交換を行なった。
互いの知り合いについて、そして支給品について。
イエローに支給されたのはラッちゃんが入ったモンスターボールとその他2つ。釣竿も持っているがそれは咄嗟に木の枝と蔦で作ったものだ。
チウには武器が支給されたが、彼にはとても扱えないと判断した。
モンスターボールと釣竿とスケッチブックしか扱ったことのないようなイエローにも無理だろう。
そして獣王の笛。普段なら魔物を呼び寄せ、倒したそれを仲間にする効力があるが、ここでは――――
「やってくるのは……他の人たち!」
「そうだ。合図にもなるけど、対象は指定できない。戦いになってしまうかもしれないから慎重に扱おう」
更にもう1つは――
「モンスターボール!?」
「そう言うみたいだね。どんな魔物が入っているかはわからないけど……」
「ボクにちょっと貸してください」
言われるままに手渡すと、イエローの手が微かに光を放った。
「んと……『本来ならお前たちのように力量(レベル)の低いものに従う道理はない』」
「な、なんだとぉっ!?」
「ボクもオムすけやゴロすけには最初言うことを聞いてもらえませんでした。それにこうも言っています……『だが……』」
「知ったことかぁっ! 要するに力を見せればいいんじゃないか! 出てこぉい!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
互いの知り合いについて、そして支給品について。
イエローに支給されたのはラッちゃんが入ったモンスターボールとその他2つ。釣竿も持っているがそれは咄嗟に木の枝と蔦で作ったものだ。
チウには武器が支給されたが、彼にはとても扱えないと判断した。
モンスターボールと釣竿とスケッチブックしか扱ったことのないようなイエローにも無理だろう。
そして獣王の笛。普段なら魔物を呼び寄せ、倒したそれを仲間にする効力があるが、ここでは――――
「やってくるのは……他の人たち!」
「そうだ。合図にもなるけど、対象は指定できない。戦いになってしまうかもしれないから慎重に扱おう」
更にもう1つは――
「モンスターボール!?」
「そう言うみたいだね。どんな魔物が入っているかはわからないけど……」
「ボクにちょっと貸してください」
言われるままに手渡すと、イエローの手が微かに光を放った。
「んと……『本来ならお前たちのように力量(レベル)の低いものに従う道理はない』」
「な、なんだとぉっ!?」
「ボクもオムすけやゴロすけには最初言うことを聞いてもらえませんでした。それにこうも言っています……『だが……』」
「知ったことかぁっ! 要するに力を見せればいいんじゃないか! 出てこぉい!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
光と共に現れたポケモンは――――――――
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
しばらく経って、微かに煙を上げるチウとイエローの姿がそこにはあった。
「はっはっは、これでキミは隊員17号だ!……これより我々獣王遊撃隊は殺し合いと大魔王バーンを打破するために戦う!!」
「はい!」
「はい!」
イエローが応える――いつの間にか自分が隊員になっていることと、意図してのことではあるがチウには“少年”だと思われていることを、彼女はまだ知る由もない。
【G-5/森林/一日目・深夜】
【イエロー@ポケットモンスタースペシャル】
[状態]:健康、かすり傷
[装備]:モンスターボール(イエローのラッタ)@ポケットモンスタースペシャル、釣竿@オリジナル
[道具]:基本支給品、不明支給品×2(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いをやめさせる
1:チウさんはポケモンじゃないのかな……?
2:レッドさんたちに会いたい
[備考]
※第2章終了後のいずれかの時期から参戦
[状態]:健康、かすり傷
[装備]:モンスターボール(イエローのラッタ)@ポケットモンスタースペシャル、釣竿@オリジナル
[道具]:基本支給品、不明支給品×2(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いをやめさせる
1:チウさんはポケモンじゃないのかな……?
2:レッドさんたちに会いたい
[備考]
※第2章終了後のいずれかの時期から参戦
【チウ@ダイの大冒険】
[状態]:健康、かすり傷
[装備]:獣王の笛@ダイの大冒険、モンスターボール(???)@ポケットモンスタースペシャル
[道具]:基本支給品、不明武器×1
[思考・状況]
基本行動方針:打倒大魔王バーン
1:正義は必ず勝つ!
2:イエロー君は感心な少年だ
3:ポケモンにあだ名をつける
[備考]
※ヒムやバアラックA・Bを仲間にした後からの参戦
[状態]:健康、かすり傷
[装備]:獣王の笛@ダイの大冒険、モンスターボール(???)@ポケットモンスタースペシャル
[道具]:基本支給品、不明武器×1
[思考・状況]
基本行動方針:打倒大魔王バーン
1:正義は必ず勝つ!
2:イエロー君は感心な少年だ
3:ポケモンにあだ名をつける
[備考]
※ヒムやバアラックA・Bを仲間にした後からの参戦
【イエローのラッタ@ポケットモンスタースペシャル】
イエローに支給。
NNはラッちゃん。レッドの指導のもとイエローが初めて捕獲したポケモン。
覚えている技は“いかりのまえば”“ひっさつまえば”など。
イエローに支給。
NNはラッちゃん。レッドの指導のもとイエローが初めて捕獲したポケモン。
覚えている技は“いかりのまえば”“ひっさつまえば”など。
【釣竿@オリジナル】
イエローが周りの木の枝や蔦で作ったもの。
蔦の先はイエローの力である程度自在に動かせる。
イエローが周りの木の枝や蔦で作ったもの。
蔦の先はイエローの力である程度自在に動かせる。
【獣王の笛@ダイの大冒険】
チウに支給。
元々はクロコダインが使っていた品だが、隊長の証としてチウが譲り受けた。
自分のいるエリア+周囲約8エリアに強力な笛の音が響く。
呼び寄せた魔物を倒すと仲間に出来る効果もあるが、ここでは働かない。
チウに支給。
元々はクロコダインが使っていた品だが、隊長の証としてチウが譲り受けた。
自分のいるエリア+周囲約8エリアに強力な笛の音が響く。
呼び寄せた魔物を倒すと仲間に出来る効果もあるが、ここでは働かない。
【不明武器@???】
チウに支給。
詳細は後続にお任せします。
チウに支給。
詳細は後続にお任せします。
【モンスターボール(???)@ポケットモンスタースペシャル】
チウに支給。
詳細は後続にお任せします。
チウに支給。
詳細は後続にお任せします。
| 闇に堕ちる覚悟を持って | 投下順 | [[]] |
| 闇に堕ちる覚悟を持って | 時系列順 | [[]] |
| GAME START | チウ | [[]] |
| GAME START | イエロー | [[]] |
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