チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
なんてったってアイドル(ただし、見た目のみ)
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恐怖、決意、惨劇。そして入れ替わり。
あらゆるものが渦巻く殺し合いの会場にある街の一角にて、参加者の一人である、外見は中学生くらいの少女は心底この場から去りたかった。
それは殺し合いの中で殺人者に出会ったからだろうか。
あるいは死体を目撃してしまったからだろうか。
あらゆるものが渦巻く殺し合いの会場にある街の一角にて、参加者の一人である、外見は中学生くらいの少女は心底この場から去りたかった。
それは殺し合いの中で殺人者に出会ったからだろうか。
あるいは死体を目撃してしまったからだろうか。
どちらも違う。彼女が目撃したものとは――
「き、君。なんだね、それは……?」
「これはキタキタ踊りというわが村に伝わる由緒ある踊りですぞ~」
「これはキタキタ踊りというわが村に伝わる由緒ある踊りですぞ~」
少女より年上、成人した女性が葉っぱで出来た腰みのと胸当て、そして頭飾りをつけて奇怪な踊りを踊っている様だった。
踊っている女は、当惑している、というかドン引きしている少女のことなどおかまいなしに問う。
踊っている女は、当惑している、というかドン引きしている少女のことなどおかまいなしに問う。
「今私はキタキタ踊りの後世に伝える後継者を募集しているのですが、どうですかなお嬢さん?」
「い、いや遠慮しておくよ……。今でこそ少女の体だが、本当の私は男なのでね……」
「い、いや遠慮しておくよ……。今でこそ少女の体だが、本当の私は男なのでね……」
踊る女の問いかけを必死に躱す少女。
そう、彼女の本当の性別は男。更に言うなら外見は中学生だが、中身は33歳のサラリーマンだ。
なのでここからは、踊りたがらない少女のことは彼と称することにしよう。
そう、彼女の本当の性別は男。更に言うなら外見は中学生だが、中身は33歳のサラリーマンだ。
なのでここからは、踊りたがらない少女のことは彼と称することにしよう。
「ほう、奇遇ですな。実は私も元の性別は男ですぞ」
しかし踊りたがる女の方も元は男だった!
「しかしキタキタ踊りは本来若い女の子が踊るものでしてな。今が後継者を探すチャンスなのです。
おまけにこの体の持ち主は、アイドルなる歌と踊りを嗜む者のようでしてな。これはもう天啓ですぞ~」
「どう考えても天啓ではないと思うが……」
おまけにこの体の持ち主は、アイドルなる歌と踊りを嗜む者のようでしてな。これはもう天啓ですぞ~」
「どう考えても天啓ではないと思うが……」
どこか嬉し気な踊る女とは対照的に、どこか皮肉気な言葉を話す少女。
そもそも体を入れ替えたのは殺し合いの主催者なので、天啓も何もないだろう。
むしろ後継者のいないキタキタ踊りに対しての皮肉の方がそれらしい気さえしてくる。
そもそも体を入れ替えたのは殺し合いの主催者なので、天啓も何もないだろう。
むしろ後継者のいないキタキタ踊りに対しての皮肉の方がそれらしい気さえしてくる。
ここで種明かしをしておくが、踊りたがる女の体の本来の持ち主はヘレン。
とあるプロダクションにてアイドルをしている、24歳の女性だ。もっとも、今は露出度の高い衣装で謎の踊りをしているという見る影もない姿だが。
更に、踊りを拒む少女の本来の体の持ち主は二宮飛鳥。
みくと同じプロダクションにて同じくアイドルをやっている、中学二年生である。
とあるプロダクションにてアイドルをしている、24歳の女性だ。もっとも、今は露出度の高い衣装で謎の踊りをしているという見る影もない姿だが。
更に、踊りを拒む少女の本来の体の持ち主は二宮飛鳥。
みくと同じプロダクションにて同じくアイドルをやっている、中学二年生である。
そして今、アイドル二人の体を操っている男達の名前は――
「そういえば申し遅れましたな。
私の名前はアドバーグ・エルドル。皆からはキタキタおやじなどとも呼ばれておりますぞ」
「これはどうも。私の名前は吉良吉影。杜王町という町でサラリーマンをしています」
私の名前はアドバーグ・エルドル。皆からはキタキタおやじなどとも呼ばれておりますぞ」
「これはどうも。私の名前は吉良吉影。杜王町という町でサラリーマンをしています」
二人のアイドル、もとい二人の男が互いの名前を知った瞬間である。
このまま二人はとりあえず情報交換をするのだが、その過程で恐るべきことに気付いた。
このまま二人はとりあえず情報交換をするのだが、その過程で恐るべきことに気付いた。
「う~む、どうにも噛み合いませんな。
私は日本などという国は聞いたことがありませんぞ。それに魔王ギリを知らないとは……」
「そうですね……最早異世界としか言えません」
私は日本などという国は聞いたことがありませんぞ。それに魔王ギリを知らないとは……」
「そうですね……最早異世界としか言えません」
なんと、二人は違う世界の住人だったのだ。
日本の住人である吉良と、典型的な剣とファンタジーな世界の住人であるおやじはその事実に驚きを隠せなかった。
日本の住人である吉良と、典型的な剣とファンタジーな世界の住人であるおやじはその事実に驚きを隠せなかった。
「いやまあ、色々見てきましたからな。多少驚きはしますがそれだけですな。
それに異世界ならば、キタキタ踊りを踊ってくださる女子もいるかもしれませんぞ~」
それに異世界ならば、キタキタ踊りを踊ってくださる女子もいるかもしれませんぞ~」
訂正。おやじはあんまり驚いていなかった。
その様子に吉良は思わず尋ねる。
その様子に吉良は思わず尋ねる。
「その、あなたはなぜそこまでキタキタ踊りを踊らせようと――」
「聞いてくださりますか!?」
「聞いてくださりますか!?」
軽い気持ちで尋ねた吉良が、思わず後悔してしまうほどの勢いを出しながら、おやじは語り始めた。
曰く、キタキタ踊りとは元々彼の故郷、キタの町に伝わる聖なる踊りだった。
その踊りを、当時キタの町長だった彼が町おこしの為に見世物にした。
町おこし自体は成功したが、聖なる踊りを見世物にした罰か、踊り手たる女子が町に生まれなくなった。
その責を負い、自らがキタキタ踊りの踊り手となるが、観光客は当然激減。町が寂れることになる。
そして町長の座も追われてしまったのだ。
その踊りを、当時キタの町長だった彼が町おこしの為に見世物にした。
町おこし自体は成功したが、聖なる踊りを見世物にした罰か、踊り手たる女子が町に生まれなくなった。
その責を負い、自らがキタキタ踊りの踊り手となるが、観光客は当然激減。町が寂れることになる。
そして町長の座も追われてしまったのだ。
「ですので、私はなんとしても後継者を見つけ、世に広めねばならんのです」
「な、成程……」
「そこでこの殺し合いです。私が殺し合いをキタキタ踊りの力で止めれば、後継者になりたい女子もきっと現れる筈ですぞ」
「……まあキタキタ踊りはともかく、殺し合いは止めなければなりませんね。
元の体も取り返さないといけませんし」
「ですな」
「な、成程……」
「そこでこの殺し合いです。私が殺し合いをキタキタ踊りの力で止めれば、後継者になりたい女子もきっと現れる筈ですぞ」
「……まあキタキタ踊りはともかく、殺し合いは止めなければなりませんね。
元の体も取り返さないといけませんし」
「ですな」
吉良の言葉に深く頷くおやじ。
自分と吉良、二人とも殺し合いに乗っていないと思ったおやじは共に行動することを提案。
吉良は正直嫌そうだったが、単独行動する理由もないと判断したのか了承。
こうして、二人は一緒に行動することとなった。
だがその前に
自分と吉良、二人とも殺し合いに乗っていないと思ったおやじは共に行動することを提案。
吉良は正直嫌そうだったが、単独行動する理由もないと判断したのか了承。
こうして、二人は一緒に行動することとなった。
だがその前に
「ところでエルドルさん、出発の前にトイレに行っても構いませんか?」
「分かりましたぞ。早く戻ってきてくだされ~」
「分かりましたぞ。早く戻ってきてくだされ~」
おやじから了承を得て、トイレに行こうとする吉良。
しかしここで問題が発生した。
しかしここで問題が発生した。
「私は男子トイレと女子トイレ、一体どっちに入ればいいんだ……?」
「キラ殿の馴染んでいる方でよいのでは?」
「キラ殿の馴染んでいる方でよいのでは?」
悩む吉良だったが、おやじの助言を受けて彼は男子トイレに入ることにした。
◆
「ふぅ、全く何なんだあの女、いやあの男は」
男子トイレの個室で一息を付く吉良。
トイレに行きたいのは嘘ではないが、理由は用を足す為ではない。
あることを確かめたかったからだ。
断じて愚痴の為でもない。愚痴りたいのは事実だが。
トイレに行きたいのは嘘ではないが、理由は用を足す為ではない。
あることを確かめたかったからだ。
断じて愚痴の為でもない。愚痴りたいのは事実だが。
「キラークイーン!」
吉良が叫ぶと、それに応じて彼の背後に猫型の獣人のような何かが現れる。
それはスタンド。超能力が具現化した、背後霊のようなものである。
それはスタンド。超能力が具現化した、背後霊のようなものである。
そもそも、吉良はおやじに嘘をつき、更に二つ隠し事をしている。
隠し事の一つ目がこのスタンドについて。
吉良は、おやじに対しスタンドのことは何一つ話さなかったのだ。
続いて二つ目の隠し事は
隠し事の一つ目がこのスタンドについて。
吉良は、おやじに対しスタンドのことは何一つ話さなかったのだ。
続いて二つ目の隠し事は
「死んだ私が、見知らぬ少女の体に入ってなおスタンドが使えるか不安だったが、杞憂だったようだな」
吉良が既に死んでしまっていること。
彼は救急車に轢かれ、事故死したはずだった。
だがここに、主催者の力かそれとも他の何かで生き返っている。
そして彼がおやじについた嘘とは――
彼は救急車に轢かれ、事故死したはずだった。
だがここに、主催者の力かそれとも他の何かで生き返っている。
そして彼がおやじについた嘘とは――
「これで殺し合いを勝ち抜くにあたり持っていた不安が一つ消えた」
吉良は殺し合いに乗っている。
優勝し、願いを叶えようとしているのだ。
優勝し、願いを叶えようとしているのだ。
そもそも、吉良吉影という男は殺人鬼である。
重度の手フェチで、その為に好みの女性の手を自分のものにするため、これまで48人の女性を殺した。
その過程で邪魔な者も始末しているので、実際殺した数は更にその上を行く。
重度の手フェチで、その為に好みの女性の手を自分のものにするため、これまで48人の女性を殺した。
その過程で邪魔な者も始末しているので、実際殺した数は更にその上を行く。
その殺人が吉良と同じようにスタンドを持つ者たちにバレ、彼は追跡される立場となった。
しばらく逃げ隠れするも逃げきれず、追跡者を返り討ちにしようとするも敗北。
最後には救急車に轢かれ事故死。
更に、今まで彼が殺してきた怨念か、誰とも分からない無数の手によって死後の世界に引きずり込まれることで決着した。
しばらく逃げ隠れするも逃げきれず、追跡者を返り討ちにしようとするも敗北。
最後には救急車に轢かれ事故死。
更に、今まで彼が殺してきた怨念か、誰とも分からない無数の手によって死後の世界に引きずり込まれることで決着した。
はずだが、吉良吉影はここに蘇る。
そこで彼は考えた。どうにかしてこの体で元の杜王町に帰れないかと。
そこで彼は考えた。どうにかしてこの体で元の杜王町に帰れないかと。
吉良は故郷である杜王町が好きだ。
例え殺人犯として一部の人間に追われ、町の外に出ればいくらでも逃げようがあるにも関わらず町に固執するくらいには。
だが故郷では彼は既に死人の扱いだ。
例え殺人犯として一部の人間に追われ、町の外に出ればいくらでも逃げようがあるにも関わらず町に固執するくらいには。
だが故郷では彼は既に死人の扱いだ。
そこで考えたのが、この少女の体で帰還することだ。これなら何の問題もない。
しかし、何もしないまま帰っても彼の戸籍はどこにもないのだ。どう控えめに見ても親のいない中学生の誕生である。
なので殺し合いを勝ち抜き、生活環境を整えてもらうのが彼の願いだ。
だがいきなり馬鹿みたいに殺すのは得策ではない。
まずは殺し合いに乗らない参加者と行動し、信用を得てからバレないように殺していくことにした。いわゆるステルスマーダーである。
しかし、何もしないまま帰っても彼の戸籍はどこにもないのだ。どう控えめに見ても親のいない中学生の誕生である。
なので殺し合いを勝ち抜き、生活環境を整えてもらうのが彼の願いだ。
だがいきなり馬鹿みたいに殺すのは得策ではない。
まずは殺し合いに乗らない参加者と行動し、信用を得てからバレないように殺していくことにした。いわゆるステルスマーダーである。
「さて、そろそろ戻るとするか」
とりあえずスタンドが使えることを確認した吉良は、トイレの個室から出ていく。
用を足したわけでは無いが、彼は手を洗う。
そうして自分の手を見たとき、ふと彼はこう呟いた。
用を足したわけでは無いが、彼は手を洗う。
そうして自分の手を見たとき、ふと彼はこう呟いた。
「それにしてもこの手、中々に美しいな……」
優勝し、新たな生活を始めたら手のスキンケアについて学ぼう。
そんなことを考えながら、吉良はおやじの元へと戻っていった。
そんなことを考えながら、吉良はおやじの元へと戻っていった。
【アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ)@魔法陣グルグル】
[身体]:ヘレン@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:健康
[装備]:腰みのと胸当て@魔法陣グルグル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、最初着ていた服
[思考・状況]基本方針:キタキタ踊りの力で殺し合いを止めて見せますぞ~
1:キラ殿と行動する
2:体は返すつもりだが、その前にキタキタ踊りの後継者を見つけたい
[備考]
参戦時期は魔法陣グルグル終了後です。グルグル2や舞勇伝キタキタは経験していません。
ジョジョの奇妙な冒険の世界について知りました。ただしスタンドに関することは知りません。
[身体]:ヘレン@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:健康
[装備]:腰みのと胸当て@魔法陣グルグル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、最初着ていた服
[思考・状況]基本方針:キタキタ踊りの力で殺し合いを止めて見せますぞ~
1:キラ殿と行動する
2:体は返すつもりだが、その前にキタキタ踊りの後継者を見つけたい
[備考]
参戦時期は魔法陣グルグル終了後です。グルグル2や舞勇伝キタキタは経験していません。
ジョジョの奇妙な冒険の世界について知りました。ただしスタンドに関することは知りません。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[身体]:二宮飛鳥@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]基本方針:優勝狙い
1:しばらくはエルドル(キタキタおやじ)と行動しつつ、隙を見てバレないように参加者を殺していく。
2:エルドルが鬱陶しい
3:しかしこの少女の手、なかなか美しい
[備考]
参戦時期は死亡後です。デッドマンズQは経験していません。
パイツァ・ダストは制限により使用できません。
魔法陣グルグルの世界について知りました。
[身体]:二宮飛鳥@アイドルマスターシンデレラガールズ
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3
[思考・状況]基本方針:優勝狙い
1:しばらくはエルドル(キタキタおやじ)と行動しつつ、隙を見てバレないように参加者を殺していく。
2:エルドルが鬱陶しい
3:しかしこの少女の手、なかなか美しい
[備考]
参戦時期は死亡後です。デッドマンズQは経験していません。
パイツァ・ダストは制限により使用できません。
魔法陣グルグルの世界について知りました。
【キタキタ踊りをする際の衣装@魔法陣グルグル】
アドバーグ・エルドルに支給。
キタキタ踊りをする際の正式な衣装。外見はフラダンスをするときのような腰みのと胸当て。後、頭飾り。
キタキタおやじがキタキタ踊りを踊る際は腰みのと頭飾りだったが、体が女性の為サービスで胸当ても支給された。
アドバーグ・エルドルに支給。
キタキタ踊りをする際の正式な衣装。外見はフラダンスをするときのような腰みのと胸当て。後、頭飾り。
キタキタおやじがキタキタ踊りを踊る際は腰みのと頭飾りだったが、体が女性の為サービスで胸当ても支給された。
08:嵐を呼ぶあかいあくま | 投下順に読む | 10:オラオラ主人公 |
GAME START | アドバーグ・エルドル(キタキタおやじ) | 08:増え鬼 |
GAME START | 吉良吉影 |