零 -刺青ノ聲-

登録日:2025/09/26 Fri 00:29:52
更新日:2025/10/10 Fri 18:29:04
所要時間:約 30 分で読めます




侵食する恐怖(THE FEAR THAT SPREADS...)

(ゼロ)-()(せい)(こえ)-』(英:FATAL FRAME III THE TORMENTED/project zero 3 THE TORMENTED)』は、2005年7月28日にTECMO(現:コーエーテクモ)から発売されたPS2向け*1の3Dホラーアクション・ADVゲーム。CERO:C(15歳以上推奨)。
和風ホラーゲーム『零』シリーズの第三作目で、初期三部作の完結編に当たる。
そのため、ゲーム中でも前二作と関連するキャラクターが登場するばかりか、一部のマップまでもが登場してくる。

コンセプトカラーは「青」であり、前作『零〜紅い蝶〜』と対比となるような、に染まったパッケージとメインビジュアルが特徴*2
タイトルにも「青」の字が含まれており、「刺すような冷たいを表現している。
また、前作が「夏の村」を舞台としていたのに対して本作は「冬の屋敷」の要素が強調されており、舞台となる雪景色の屋敷に合わせ、メニュー画面も雪見窓をモチーフにしたデザインとなっている。


【概要】


キャメラで怨霊を撮影しながら攻略させられるホラーゲームとして、すっかりと市民権を得るに至っていた『零』シリーズの三作目にして、ひとまずの完結編。
前述の通り、初期三部作の完結編に当たり、怨霊の彷徨う廃屋の探索など基本的な構図は共通。
しかし、本作では関わる呪いの性質もあってか、プレイヤーは部分的に前二作の呪いをも内包した桁違いの規模の怪異に挑まされることになる。

本作の呪いが媒介として利用しているのは“夢”であり、前二作のように現地に向かったり、現地にて怪異に巻き込まれるのではなく、キャッチコピー通りに僅かでも関わった人間を辿って眠りの世界から侵食する恐怖が描かれている。
ぶっちゃけ『呪怨』だ。伽椰子っぽいのも出るし。
夢の中に存在する「眠りの家」と現実世界の「黒澤邸」を舞台に物語は進行し、夜の間に「黒澤邸」のベッドを調べると「眠りの家」へ入り、「眠りの家」の玄関扉*3を調べることで「黒澤邸」へ帰還と、怨霊との戦闘中など特定のタイミングを除けば基本的に自由に往来可能。

システム的には、粗削りだった初代の難点を大幅に改善した前作の『紅い蝶』から、更にブラッシュアップされたものとなっている。
特に、プレイヤーにとっては微妙に難しい、あるいは厳しいと思われていた要素が更に緩和されており、前作に引き続いての難易度選択もあってか、初期三部作では最も遊びやすく、周回プレイもしやすい仕様となっている。
また、細かい所では漢字だらけにならざるを得ないゲーム内資料にフリガナが付くなど読みやすくなった。

そして、本作にて最大の特徴と言えるのが今回はチャプターごとに三人の主人公が切り替わるというもの。
その甲斐もあってか、ストーリーのボリュームは過去最大となっている。

主人公三人はそれぞれに特性と能力が違い、使用する射影機の性能にも違いがある。
……が、射影機の強化ポイントは共通しているため、誰の射影機から強化していくのかはプレイヤー次第となっている。(周回プレイ必至の仕様もあってか、初回プレイ時位の悩みでしかないだろうけれども。)

知名度的には前作『紅い蝶』が圧倒的過ぎるためか少し影が薄い印象もあるものの、プレイした人間からの評価は総じて高い。
零シリーズ全体のファンからも、シリーズ最高傑作として挙げる声が少なくない名作である。
特に、初期三部作を通してプレイした人間の中には本作の(真の)エンディングを迎えてようやく救われた気持ちになった方も多かったことだろう。

メインテーマ曲は天野月子(現:天野月)の『聲』
ゲームのテーマを如実に顕した歌詞が並ぶが、最後の『刺青ノ聲』どころか零シリーズ全般に通じるような“あなたの聲が雑踏になる”のフレーズに痺れる。
前作にてゲームのヒットと共に話題となった『蝶』に続くコラボ曲であり、今回は開発途中からの依頼ではなく、最初から彼女に依頼することを前提に企画が進められた。
そのため、つっこさんとしても懇意となっていたたスタッフと前回以上に入念に打ち合わせを繰り返す中で出来た楽曲であったとのこと。
2023年には、つっこさん自らゲーム本篇の内容と共に、シリーズでも「一番良い(出来)」と振り返っている。



【あらすじ】


1988年の冬。
フリーカメラマンの黒澤怜は、過去に起こしてしまった自動車事故により、同乗していた婚約者・麻生優雨を失っていた。
その罪悪感と癒えない心の傷を抱えたまま、哀しみを振り切るように仕事に没頭していた怜は、北東北の山中に残る、かつては広大な日本家屋の一部であったらしい廃屋を訪れる。

そこは「幽霊屋敷」と噂されている場所であり、写真を撮っていた怜は、ファインダー越しに優雨らしき人影を見かけてしまう。
思わずその背中を追ってしまった怜は、その途中で全身に刺青が刻まれた女に襲われる恐ろしい白昼夢を体験するのだった。

我に返ってから慌てて帰宅した怜は、自宅にて廃屋で撮影した写真を現像してみるのだが、そこには確かに優雨の姿が写っていた。
……それならば、あの恐ろしい白昼夢も現実だったのか?

━━その夜から怜は、恐ろしい真実の姿を見せるようになったあの廃屋……「眠りの家」へと迷い込むようになる。

優雨の姿を探す怜だが、一向に追いつけないばかりか再び“刺青の女”に遭遇してしまう。
腕を掴まれると同時に激痛に苛まれ、悪夢より目覚めたはずの怜だが、“刺青の女”に握られた腕から、刺青のような紋様が痛みを伴いながら全身に拡がっていく幻覚に苦しめられる。

そして、怜が怪異に囚われたことがきっかけとなり、その“呪い”は同居している雛咲深紅、そして噂を聞きつけて姪の澪の回復方法を求めてやってきた天倉螢にも……。

果たして、彼等が“夢”の果てで目撃した「眠りの家」━━久世屋敷の真実とは。



【ゲームモード】


◆ストーリーモード
本作のメインとなる、「眠りの家」を巡る遺された者たちの物語。
ストーリーは「一ノ刻」「終ノ刻」全十四章で構成されている。

初回プレイから難易度選択が可能で、初回プレイで選択可能な難易度が「EASY」「NORMAL」のみである点は前作と共通。
ただし、本作では高難易度モードの解禁条件が緩和されており、前作では「NORMAL」をクリアしないと解禁されなかった「HARD」が、「EASY」のクリアでも解禁されるようになった。
「HARD」をクリアすることで、最高難易度である「NIGHTMARE」に挑戦できるようになる。


◆ミッションモード
ストーリーをクリアすると解禁されるおまけモード。
各ミッションごとに様々なクリア条件が設けられており、本作では主人公が三人となったことでミッションのバリエーションもかなり増えた。



【射影機】


本作、及びシリーズにて主人公たちが武器として使用する怨霊の姿を捉え、撮影することで霊体を封印してしまう機能を持つお馴染みのトンでもキャメラ。
敵である怨霊との戦いはもちろん、収集要素である浮遊霊の撮影や開かない扉を解錠するための謎解きもほとんどが射影機での撮影で行われる。
製作者はシリーズ通しての重要人物である異界研究者の麻生(あそう) 邦彦(くにひこ)博士で、本作では各々の夢の中だからとはいえ三人分の全く同型の射影機が登場してくる。
本作の射影機は、前作の射影機と似た長方形で中央のレンズ部分が蛇腹の折り畳み式になった「スプリングカメラ」に近いデザインだが、蛇腹の開き方が左開きになっている点が特徴。

通常画面の画面隅とファインダーモードの画面上部にそれぞれ表示されたランプのフィラメントが敵を感知し、地縛霊などのその場から動かない霊は、怨霊や浮遊霊はにランプが点灯するのは前作までと同様。
ファインダーモードの画面中央に表示されたキャプチャーサークルという円に敵を捉える点も同じだが、敵との距離に応じてダメージが上乗せされる形式に変更されていた前作と異なり、本作では初代の怨霊の姿をキャプチャーサークルに捉え続けることで攻撃のための霊力をチャージする形式に回帰している。
チャージされた霊力の値を示すゲージも、初代(Xbox移植版)と同じような、キャプチャーサークルの円周上に配置された梵字が時計回りに点灯していくスタイル。

基本性能の強化カテゴリは以下の三つだが、前作とはまた名称が違っている。
前述の通りで入手した強化ポイントは三者共通となるので、全員を育てるには周回プレイとクエストでもこなしながら集めていこう。


◆最大値
霊力チャージ上限値上昇
お馴染みの、怨霊をチャプターサークルに捉えると梵字が光っていくアレ。
強化することで霊力のチャージ量(梵字の数)が増大し、溜め時間が増える分だけ最大攻撃力がアップする。
深紅のみスタートがLv2からな上にLv5まで強化可能。
螢はスタートがLv0な上にLv3までしか育てられず、他の二人と違ってゲージとなる梵字の数も増えないが、攻撃力自体はしっかり上昇するので強化させる意味はある。

◆範囲
キャプチャーサークル拡大
ファインダーの(横方向の)範囲を拡大させて、中央に捉えずとも怨霊に攻撃出来るようになる。
プロカメラマンとあってか、怜はLv2からのスタートとなり、螢もLv1からのスタートだが同じくLv4までは強化可能。
反面、カメラマン志望の癖に深紅はLv0からのスタートな上にLv3までしか育てられない。(まぁ、バランス取りなのだろう。ぶっちゃけ攻撃力と特殊能力でお釣りが来るし。)

◆感度
チャージ速度・射程距離の強化
霊力のチャージ速度と、ファインダーの(縦方向での)射程を強化する。
つまり、怨霊に攻撃するまでの速度をアップさせつつ、離れた状態でも攻撃可能になるということなので、何よりも優先すべき強化ポイントと言える。
こちらも、深紅のみLv2からスタートしてLv5まで強化可能。
螢はLv0からのスタートでLv3までしか育てられない。



【フィルム】

射影機に使用する専用フィルム。
本作の登場フィルムは前作と同じく、〇七式一四式六一式九◯式零式の五種類。
最強フィルムである零式以外は数字が増える程に強力となり、怨霊へ与える基本ダメージが増加する。
強力な怨霊用に強力なフィルムを装填したまま、うっかり浮遊霊の撮影や仕掛けの解除を行ってしまって後悔するのはお約束。

本作では、〇七式一四式「眠りの家」から現実世界に帰還すると難易度に応じた数まで自動的に補充される一方、六一式以上は三人の主人公が個別で取得する形になる。
つまり「再配置されるもの以外は誰か一人が拾った時点で他の二人には使えなくなる」仕様であり、特に高難易度では「誰に取得させるか」は結構な重要ポイント。
「拾いますか?」といった確認画面もなく調べたら即座に拾ってしまうため、実質的な詰みを回避するためにもこまめなセーブは欠かせない。

また、本作では前作にあったフィルム「装填時間」の概念が零式を除いては撤廃されており、ある程度は素の状態でも連写が可能になっている。
しかし、上記の通りで最強の零式のみは、相変わらず高威力だが再装填までに時間がかかる“一撃が重い”タイプのフィルムとして設定されている。



【シャッターチャンス/フェイタルフレーム】

相対する怨霊が攻撃してくるタイミング等に生じる、大きなダメージを与えられる瞬間のこと。
成功させると大ダメージを与え、敵を吹き飛ばして距離を離せるノックバック効果など、様々な恩恵を受けられる。

シャッターチャンスの発生時には、目印としてキャプチャーサークルが赤く発光する。
フェイタルフレームは装備機能の「報」を獲得することで解禁され、目印としてファインダーモードの画面中央上に設置された小さなランプが赤く点滅すると同時にカンカンと警告音が鳴る。

フェイタルフレームは多くがシャッターチャンス中の更に短い一瞬に設定されているが、成功させればフェイタルフレームコンボで相手に反撃の隙を与えないまま大きく吹き飛ばすことが可能。
前作ではコンボは最大三回までだったが、本作では撮影に失敗するか敵が射程距離外に吹き飛ぶまでは無制限となった。
敵が壁や障害物にめり込まないよう上手く吹き飛ばすことができれば、六回以上のコンボを叩き込むことも可能で、緊張を強いられる怨霊戦の中では貴重な爽快感を得られる。

撮影に失敗した際に攻撃を受ける危険性は上昇するが、手に入る霊力ポイントも大幅に増加するので積極的に狙っていきたい。



【霊力ポイント】

敵である怨霊や浮遊霊・地縛霊を撮影することで手に入るポイント。
射影機の基本性能や後述の強化レンズの強化、おまけ要素のアンロックなどに必要となる。
条件を満たすとボーナスが発生して入手できる霊力ポイントが増加する仕組みとなっており、前作同様に以下のようなものが存在する。

  • 敵をキャプチャーサークルの中心に捉えて撮影する「CORE SHOT」
  • 敵と一定距離内に接近して撮影する「CLOSE SHOT」
  • 複数の敵を同時に撮影する「DOUBLE SHOT」及び「TRIPLE SHOT」
  • 敵の残り体力と最後に与えたダメージの差が一定以内であった場合に発生する「JUST SHOT」
  • シャッターチャンスもしくはフェイタルフレームを撮影する「ZERO SHOT」



【強化レンズ】

射影機に装備することで様々な効果を発揮することが出来るようになるアイテム。
探索中に「射影機のパーツ」として拾得したり、条件を満たすことで解禁することができる。
強化レンズ自体にも強化段階が存在し、霊力ポイントで強化することが可能。

使用するには戦闘の中で蓄積可能な「霊子」を消費する必要がある。
「霊子」は、強力なレンズ程に消費ポイントが大きくなる傾向がある。
本作では実質的に怜と螢のみが使用可能で、使用できる種類と入手時期には少し違いがある。
深紅も専用の強化レンズ「重」を使えるのだが、代わりに他の強化レンズは使用も所持も出来ない。




【装備機能】

入手することで使用できるようになる、射影機の追加・補助機能。
前作における「追加機能/装備機能」が一つに纏められたもので、全九種類。
強化レンズと同様、探索中に「射影機のパーツ」として拾得したり、条件を満たすことで解禁することが可能。

強化レンズと違って同時に装備可能だがオプションにてON/OFFは選択できる。
また、こちらは入手さえすれば三人共に共通して使用可能である。




【アイテム】


◆万葉丸/御神水/鏡石
シリーズ恒例となった回復アイテムたち。

万葉丸は体力を2/5回復。
本作では、「眠りの家」から現実世界に帰還すると再配置される実質的な無限アイテムになっている。

御神水は体力を全回復。
ここぞという時に温存しておきたい。

鏡石は、所持していると体力が尽きた瞬間に自動的に全回復してくれる特殊アイテム。
ただし、発動と同時に割れて消費してしまう上に一度に一個ずつしか持てない。

万葉丸以外の回復アイテムはフィルムと同様、「再配置されるもの以外は誰か一人が拾った時点で他の二人には使えなくなる」仕様なので注意が必要。


◆現像前のフィルム
夢の中で写真を撮影すると、現実世界の黒澤邸にある「壊れた射影機」の中にキーアイテムとして現像前のフィルムが出現することがある。
現実世界の黒澤邸でこのフィルムを現像し、深紅に調査を依頼すると、物語が進行したりファイルを入手することができる。

この「現実世界に存在する壊れた射影機」は、元を辿ると民俗学者の柏木(かしわぎ) 秋人(あきと)が久世屋敷に持ち込んだもの。
久世家当主・夜舟の手で屋敷内に隠された射影機は、調査のために廃墟と化した現実世界の久世屋敷を訪れた螢が発見し、優雨への相談の手紙と共に黒澤邸に送られていた。
夢の世界に登場する三人分の射影機も、この「柏木秋人が久世屋敷に持ち込んだ射影機」を元にした存在と思われ、夢で撮影した光景が現実世界のフィルムに焼き付くという現象を起こしている。


◆祓いの灯火
十ノ刻以降、「眠りの家」の各所で手に入るようになる、白地にの模様が入った蝋燭。
物語を進めると「眠りの家」の中に瘴気が立ち込め、この蝋燭によって瘴気を祓わなければ画面がモノクロとなり、射影機では撃退できない「刺青の巫女」が出現する。
瘴気を祓う効果は時間制限があるので、探索の際には補充箇所に注意が必要。
また、「祓いの灯火」は一部のフィルムや万葉丸と同様、現実世界に帰還すると再配置される。


◆カセットテープ
収集アイテムの一つで、「眠りの家」の都市伝説に関する内容が記録されたカセットテープ。
自室に置いてあるラジカセで内容を聞くことが可能で、多くは「眠りの家」に迷い込んだ犠牲者が失踪前に残した証言が記録されている。


◆フィルムリール
収集アイテムの一つで、映写機用のフィルム。
「眠りの家」の中には映写室があり、そこで内容を見ることができる。


◆ファイル
収集アイテムの一つであり、「眠りの家」と化した久世屋敷に関係した様々な文書。
かつて久世屋敷で暮らしていた人々の日記や「眠りの家」に迷い込んだ犠牲者が残した手記、新聞記事の切り抜きやメモ、儀式に関する古文書など、設定を理解するための様々な資料が用意されている。



【主要登場人物】


黒澤(くろさわ) (れい)
声:皆川 純子
本作のメイン主人公。23歳。
まだ若い女性だが、フリーカメラマンとして独立して活動している。ネグリジェ派。
右目の泣きぼくろと、ショートカットの黒髪にパンツスタイルの活動的な姿が特徴的。
本作のテーマカラーでもあるをベースにしたトップスは、胸元や背中が大きく開いた露出度の高いもので、裾からヘソが覗くなど全体的にセクシー。
十代の少女であった今までの主人公とはまた異なる、オトナの魅力を感じさせるデザインとなっている。
平成に入ったばかりとは思えないのはいつものことである。

過去*4に婚約者の優雨を自動車事故で失っており、詳細は明かされていないものの自身が運転していた状況での死亡事故であったために、未だに過去に引き摺られている。
アンティーク好きなのか、古い型のキャメラを愛用しているとのこと。
その心の傷ゆえにか、廃屋と化した「久世屋敷」に足を踏み入れたことをきっかけに「眠りの家」の呪いに強く惹きつけられてしまい、優雨の幻の存在もあってか半ば望むような形で更なる深みに囚われ……と、主人公でありながらプレイヤー視点では結構な怖い目に遭わされる元凶となっている。

最も平均的な能力を持っており、強化レンズも幅広く使用可能。
そういう意味では、前二作の主人公の特徴を引き継いだキャラクターと言える。
固有スキルは「フラッシュ」で、前作『紅い蝶』版の追加機能「避」と似た能力。
戦闘時に怨霊に浴びせることで強制的に隙を作ったり、怨霊の遠距離攻撃を相殺することが可能で、この時にシャッターチャンスが生じる怨霊も存在する。
とはいえ効かない怨霊も存在し、使用回数にも限りがあるので無闇な連発は禁物。
回復手段は現実に戻ることで、強化させることで使用回数がアップする。

この他の強化要素は「蓄積」で、強化させると霊子の蓄積量が増える。怜の最大容量は5。


麻生(あそう) 優雨(ゆう)
声:黒田 崇矢
苗字を見た時点でシリーズ履修者なら「あっ…(察し)」となってしまう怜の婚約者。故人。
職業は編集者で、真冬の同僚。
更に、螢とは仕事を通して出会っており彼の著作を出版。真冬と共に親交を結んでいた。
案の定で異界研究者である麻生邦彦博士の子孫であり、一族で引き継がれてきた代々の形見なのか、屋根裏部屋には麻生博士の発明品で霊の声を受信する機能を持つという「霊石ラジオ」が保管されていた。
また、「眠りの家」の調査を行っていた螢から、久世屋敷跡地で発見した射影機の試作品を預かっており、それは怜の手に渡ることになる。
血筋が血筋だからなのか、オカルト関連での知識は豊富に持っていたらしく、澪の件で螢からの相談を受けていた。
外見はいかにもな『零』風優男な美青年なのだが、そんな優雨から聞こえてくる声が激シブな桐生ちゃんなことをネタにされる。
……婚約者を守れないなど、色々とあってもっと強くなりたいと思って転生でもしたのだろうか?(初代『龍が如く』は同年冬に発売。)


雛咲(ひなさき) 深紅(みく)
声:涌澤 利香(現:わくさわ りか)
前々作である無印『零』の主人公。19歳。
「氷室邸」での出来事を経て大きな喪失感を抱えていたものの、兄の仕事上の縁からなのか優雨と怜の世話になることになった模様。
現在はカメラマンを目指して、怜の助手兼同居人として暮らしつつ怜を支えている。
白いシャツに黒いスカートと、服装は初代のものと共通した要素を持っているが、薄紅色のインナーは丈が短くヘソが覗くなど、初代から二年が経過したこともあって若干大人びた印象になっている。
プレイヤーにとっても癒しとなる黒猫のルリは、無印時の家族設定とは矛盾しているのだが、兄の真冬の失踪後に傷心の深紅を心配した両親から贈られたという記述がある。*5

華奢な見た目の割には、過去の経験もあってか精神的にはタフ(なにっ)で、芯の強い娘である。このため、TECMOの手を離れて以降のシリーズでの深紅の行動と姿に違和感を持ってしまったファンも少なくない。
また、前々作では境遇もあってか浮世離れした性格なのかと思いきや、本作では怜からの「写真の鑑定」という無茶振りをサラリとこなす意外な姿も見られる。
深紅が怜と出会った頃には優雨もまだ存命であったようで、終盤のあるタイミングにて話しかけると、件の交通事故が「怜のせいではない」と語る深紅の姿が見られる。
前々作のエンディングの通りで生来の霊感も生還後には消えていた……と思われていたのだが、兄を失ったショックから無意識の内に自ら封印していただけだった模様。
そして、怜が呪いに巻き込まれたことをきっかけに霊感を取り戻した深紅もまた、「眠りの家」に━━そして、深紅自身の悔恨の記憶から夢の中で再現、繋がりが生まれた「氷室邸」へと誘われることになり、怜は悪夢を通して深紅の「眠りの家」での探索を追体験することとなる。

体力は最も低いが固有スキルに恵まれており、戦闘時には怨霊にスロー効果をもたらす「御神石のお守り」と、専用の特殊レンズである「重」を使用可能。
「御神石のお守り」は使用すると自分も遅くなるので使い始めは戸惑うかもしれないが、怨霊よりは早く動けるのでそれを利用して通常スピードよりも的確に撮影ポイントを測ることが出来るようになる。
「重」は専用のチャージショット。
射影機の強化の幅はメイン主人公の怜より狭いものの、その分だけ最もソリッドで攻撃に特化した調整となっているのは、既に死地(NIGHTMARE/FATAL)を経験した過去があるからだろうか?
攻略本でも強化は後回しにしてもいいと書かれる位に強い。
強化させるにしても、深紅の場合は射影機よりも上記の二つから強化した方が有用だろう。

この他の特徴としては、体格が小さいことから床下に設けられた狭い空間を移動可能で、そこ限定で登場する怨霊とも遭遇可能


天倉(あまくら) (けい)
声:織田 優成
前作『紅い蝶』の主人公である澪と繭の叔父にあたり、まだ年齢は若いものの据え膳は食わない姪萌えの紳士ノンフィクション作家として活動している。26歳。
それが縁で、編集側の人間だが年齢の近い真冬や優雨と出会った後に個人的な親交を結んでいた。
揃いも揃ってイケメンばかりで、取材するよりされる側に回ったほうが良さそうな連中である。

三か月程前の夏、前作の「皆神村」での一件が発生したことにより、姪の片割れである繭が行方不明になっている。
螢にとっては年齢の離れた姉である双子の母(しず)はそのショックから臥せりがちになっており、螢は家族として澪の世話を手伝うなど、残された母子を気遣っていた。
しかし、姉と離れ一人生還した澪は深いトラウマに苛まれており、やがて人事不省に陥った末、現在はほとんど寝たきり……というか眠ったままとなってしまっている。

澪の覚めない夢の原因と治療の方法を探る中、「眠りの家」の都市伝説めいた噂話に辿り着いた彼は、山間部での調査中であったため優雨の死を知らないまま、優雨に宛てた相談と調査報告を兼ねた手紙を送り続けていた。
やがて、彼自身も澪の背中を追う形で「眠りの家」に足を踏み入れることとなり、螢からの手紙を読んでいた怜は深紅の時と同じように、悪夢を通して彼の「眠りの家」での探索も追体験するようになる。
そして、山を降りて優雨に連絡を取ろうと黒澤邸に電話した彼は、優雨の死や「眠りの家」の呪いに怜と深紅も巻き込まれていることを知らされ、黒澤邸を訪ねてくることとなる。
主人公の一人だが初回プレイはバッドエンド確定の可哀想な人。何故か(……いや、当然なのか?)ネタキャラ扱いだし。
物語を進めていくと、螢もまたシリーズのお約束になりつつある過去の時代に舞台となる因習極まる怪しい屋敷を訪れた男性のそっくりさん(生まれ変わり?)であることが分かる。

男性のために圧倒的に体力設定は高い反面、深紅や怜よりも攻撃力が低く、様々な点でハンデを背負っている。
これは、性別による物理的な体力の高さに加え、霊感がなく霊からの影響も受けにくいことが反映されているのだろう*6
そのため、射影機のポテンシャルを深紅は言うに及ばず怜ほども引き出せていないのか、強化の幅が狭く基本となる攻撃力が低い。おぐふぁああ!
その代わりに霊子の蓄積量に恵まれており、低い基本能力を体力と強化レンズで補いながら戦うのが螢の特色となる。

固有スキルというか固有アクションとして、怨霊が迫っている時に細身ではあるが女性陣よりデカい体を縮こめる「隠れる」を使用可能。逃げたほうが早いとか言うな。
また、進行の中で障害物をどかしたり屋根を飛び越えて隣の建物に移動する場面がある。
螢が障害物をどかすことにより、他の二人も通行可能なショートカットルートが開通する場所も存在するので、動かせる障害物はとりあえずどかしておこう。
強化要素は「蓄積」で、何と螢の場合は7つまで霊子の蓄積量が増える。
基本能力の上限の低さを考えると、螢も射影機よりも「蓄積」や強化レンズからポイントを振るべきなのかもしれない。

より詳細なネタ情報は個別項目へ。


天倉(あまくら) (みお)
本編では螢の夢の中のみに登場。
螢は澪の姿を追いかける形で「眠りの家」に、そして澪の記憶から繋がりを得た「皆神村」に迷い込むことになる。

本作は、前作における「紅い蝶」エンディングから続く世界線であり、姉の繭は表向きは行方不明となっている。
前作のエピローグでは、ビターエンドなれども前向きに生きる決意をしていた……と思われていた澪だったものの、やはり心に負った傷は大きかったのか、「眠りの家」の呪いに囚われてしまい、繭の姿を求めて眠りから覚められなくなってしまった模様。
螢から優雨に送られた手紙には、螢が久世屋敷の跡地から持ち帰った「壊れた射影機」を見た澪が酷く怯えていたことが記されており、皆神村での経験が彼女に残したトラウマの深刻さが窺える。


【その他の登場人物】


瀧川(たきがわ) 吉乃(よしの)
「眠りの家」に囚われた犠牲者の一人で、数年前に旅客機事故に巻き込まれ、婚約者と両親を失いながらも唯一の生存者となってしまった若い女性。
生還できたことだけを見れば幸運ではあったもの、山間部への墜落であったため救助に時間が掛かり、家族や他の乗客の死体に囲まれながらただ待つしかできなかったその境遇は悲惨の一言。

凄惨な事故の記憶と、自分だけが生き残ってしまったことへの罪悪感から「眠りの家」に囚われ、やがては目覚められなくなった悪夢の中で逃げ惑った末に自らも怨霊と化す。
序盤のエピローグとなる後の現実世界にて、彼女が煤となって消失するシーンは衝撃的。


久世(くぜ) 雨音(あまね)
久世屋敷で行われていた神事の補佐を行う「鎮女」の一人で、役目に就いてからの日にちも浅く、最も年少であったと思われる。
実は、四人居る当代の「鎮女」の中で雨音のみは儀式のために集められた孤児や貰いっ子ではなく、久世の直系の娘(鏡華の娘で夜舟の孫)である。
……にも関わらず、新たに「刺青ノ巫女」として迎え入れられた零華の世話をする中で、「響石の耳飾り」の話をきっかけとして彼女の想い人である乙月要自分の異父兄であることに気付き、彼女に「鎮女」としての役割を超えた思い入れを抱くようになる。
更には、当の要自身が零華の身を案じて久世屋敷にやって来たことで肉親の情が募ってしまった結果、外界への未練を断ち切らねばならない零華と要の逢瀬を手助けしてしまう。

ここまでの手助けをしても雨音は自らが妹だとは名乗っておらず、その行動は純粋に兄と零華を慮ってのものであった。
しかし、雨音が掟を破ったことは当主の夜舟に知られることとなり、夜舟の命を受けた他の三人の「鎮女」によって「涯」へ向かう螺旋階段の底に打ち付けられるという最期を迎えた。
兄・真冬への強い想いから「眠りの家」に引き込まれた深紅は、兄を慕う雨音の心に共感し、彼女の霊に導かれる形で「眠りの家」の最深部へと進んでいく。

上記の事情から、「鎮女」の中でも彼女のみはストーリー中で怨霊として登場することがないが、ミッションモードでは彼女と戦うことが可能。
霊リストにもしっかり載るため、本作では霊リストのコンプリートにミッションモードの進行が不可欠となる。


久世(くぜ) 鏡華(きょうか)
久世家当主・夜舟の娘。
いずれは屋敷の儀式を司る立場に就くことを期待されていたのだろうが、ゲーム中で垣間見られる過去の時点では、母親の夜舟が年齢を重ねても当主として陣頭に立っているのに対して、鏡華は屋敷の神事に関わることもなく浮世離れした生活を送っていたことが窺える。

男子禁制の久世家に生まれた“久世の女”として、「ニイナエ」と呼ばれる客人を招いて交わり次世代を残すのが仕事であるが、「ニイナエ」の一人に過ぎなかったはずの若き民俗学者・柏木秋人には心から惹かれ、彼が去った後もいつの日か彼が帰ってくるのを夢見ている。
秋人が姿を消した時点で既に彼の子供を身籠っていたが、生まれた子供は男子であり、男子禁制の久世家においては四歳になった頃に「流す」、つまり殺害されることになっていた。
そんな我が子の行く末を憂いた鏡華は、「要」と名付けた我が子に愛する人から贈られた「響石の耳飾り」の片方を持たせ、僅かな希望を託して井戸に流す。

やがて別の男性との間に雨音を授かり、彼女に異父兄である要のことを教えていた。
今も秋人に恋焦がれる彼女は気づいていなかったが、その血筋が更なる悲劇と「破戒」を呼んだ。


久世(くぜ) 夜舟(やしゅう)
儀式が失敗した当時の久世屋敷の主で、彼女自身も“久世の女”として、客人を招いて血筋を守ってきた過去がある。
いかにも掟に厳しい老婆といった印象だが、久世屋敷の建物修繕を担っていた先々代の木工頭(もくのかみ)は夜舟に想いを寄せていたことが霊リストのテキストで判明しており、若い頃は鏡華に似た美人であったのだろう。

直系の娘で後継者として鏡華が居るはずだが、老婆と呼べる年齢となっても当主として儀式を取り仕切っているのは鏡華が恋に狂ってしまったからだろうか。
新たに零華を迎えて行おうとした儀式は、孫である雨音の純粋な優しさからの行動から綻び始め、最後には夜舟自身の人心を軽視した行動が引き金となって最悪の結末を迎えた。


乙月(おとつき) (かなめ)
最後の「刺青ノ巫女」である零華の幼馴染で、彼女とは相思相愛の仲であった。
その正体は久世鏡華と柏木秋人の間に生まれた子供であり、雨音にとっては異父兄。

鏡華の手で久世屋敷から逃がされた要は、久世屋敷近辺の村で暮らす夫婦に拾われて成長し、やがて都会に出ることを決意する。
彼は零華に一緒に村を出ることを提案するが、家族や故郷を捨て切れない零華は迷った末にその誘いを断り、要は一人で村を離れた。
その後、しばらく都会で暮らしていた要は意味深な夢を繰り返し見るようになり、「生と死の境としての夢を研究するための被験者」を募っていた異界研究者・麻生邦彦博士に面会し、夢の内容や故郷の風習について語る。
そして夢の内容を整理していく中で、夢に出てくる「刺青ノ巫女」が零華であることを確信した要は、彼女に二度と逢えなくなるかもしれないという思いに駆られて麻生博士との面会を切り上げ、着の身着のままで久世屋敷へと向かった。

「久世ノ宮」への参詣者に紛れて屋敷内に入ることに成功した要は、そこで出会った雨音に事情を話し、彼女の協力を得て最深部へと辿り着くことに成功するが、そこで起こった悲劇が久世屋敷を異界に閉ざすきっかけとなる。


久世(くぜ) 零華(れいか)
声:皆川 純子
本作のラスボスで、都市伝説となるまでに広がった「眠りの家」の呪いを撒き散らしている存在。
生前の名前は久世(雪代)零華。

久世屋敷近辺の村で雪代家の娘として生まれ、想い人の要との未来を夢見る美しいが平凡な娘であったが、村を出て都会へ行くことを望んだ要に対し、彼女は悩んだ末に家族や故郷を選んで彼と離れることとなる。
その後、両親と弟を失い天涯孤独となったことから、人々の悪夢を引き受けて黄泉へ流す「刺青ノ巫女」とされるために久世屋敷に迎え入れられることとなる*7

要と離れ、家族をも失った零華の心の奥底には、「大切な人に置き去りにされてしまった」という孤独感や諦念があった。
……その境遇から来る心の傷は主人公である怜と非常に近しいものであり、怜も「眠りの家」からの生還を目指す中で、恐怖の対象であるはずの零華の想いに少なからず共感を覚えていくことになる。
そのためなのか、明確に対比として演出されている訳ではないのだが、同じ位置(右目の下)にほくろがあったり中の人が一緒(一人二役)だったりする。



【用語解説】


◆眠りの家/久世(くぜ)屋敷
本作の舞台であり、東北の北部、かつて「陸奥国」と呼ばれていた地域の山中に存在する屋敷。
現実世界では廃屋となって久しいが、かつては中心部に久世(くぜ)(みや)と呼ばれる神社を備え、多くの参詣者が訪れていた。

「破戒」と呼ばれる災厄によって滅びた屋敷は、現世と常世、現実と夢の境界に存在する「狭間」の世界に取り込まれており、雪が降り続く闇の中で、夢を媒介として呪いの犠牲者を増やし続けている。
屋敷の各所には木製のく光る灯篭」が設置されており、セーブポイントの役割を果たす。

物語の進行に従って探索エリアが拡大し、深紅の記憶を元に「氷室邸」の一部が再現されたエリア、澪の記憶を元に「皆神村」の一部が再現されたエリアを探索できるようになる。
部屋の繋がり方が変わっていたりと歪んだ形での再現ではあるが、前作・前々作をプレイ済みのプレイヤーは懐かしさに浸れるだろう。


◆黒澤邸
本作におけるもう一つの舞台で、怜が深紅と同居している自宅。
二階建てで、一階にはリビングや水回り、二階には怜と深紅、そして優雨の部屋がある。
写真を現像可能な暗室が設けられているのは、プロカメラマンとその助手が暮らす家ならではの要素だろう。
怜の寝室の机の上には、優雨の部屋で発見した「壊れた射影機」が置かれ、現実世界でのセーブポイントの役割を果たす。

まだ若い怜には分不相応で手に余るような一軒家だが、元々は優雨との結婚生活を見込んで購入したという哀しき過去…がある*8
そして、その広くて瀟洒な一軒家は怜や深紅の夢を通じ、どんどん「眠りの家」の影響に浸食されていくこととなる。

現実世界では怨霊との戦闘にならないことが唯一の救いだが、安心できる場所であったはずの自宅が次第に怨霊がアピールしてくる幽霊屋敷と化していく様子は、「眠りの家」の中とはまた違う形の恐怖を感じさせる。


刺青(しせい)ノ巫女
かつて「久世ノ宮」にて行われていた神事の主体となっていた存在。
久世屋敷周辺では、生者の死者に対する哀しみや執着が忌目(ゆめ)を引き寄せるとされ、「刺青ノ巫女」の役割は縁者や愛する者と死に別れた人々の想いを(ひいらぎ)」と呼ばれる蛇を象った刺青として背負い、悪夢を祓うことであった。
目を除く全身を「柊」が埋め尽くすと任期を全うしたことになり、後述の(かい)()が執り行われて眠りに就く。
眠りに就いた彼女たちは共通して上半身裸にい袴という恰好であり、全身にびっしり刻まれた刺青とPS2のグラフィックの粗さがなければ色々アウトになりそうな際どい姿をしている。

上記の情報の時点で色々と察せるかもしれないが、行われる儀式も結末もやっぱり鬼畜


鎮女(しずめ)
儀式のため、近隣の村から久世屋敷に迎え入れられ久世の姓を与えられた少女たち。
「柊」を刻まれた「刺青ノ巫女」の世話役や、人形を壁に打ち付けて「刺青ノ巫女」が背負う痛みが和らぐよう祈る咎打(とがう)ち」を担い、「戒ノ儀」を終えて任期を全うすると基本的に故郷に戻される。

また、最初から「人柱」とすることを盛り込んで集められた宮大工たちが逃亡しないように見張ったり、儀式の失敗を受けて招いていた客人を「流す」……つまり殺害する役目を負っていたりと、屋敷の暗部に関わる多くを任されていた。
……これは、流石に峻厳な掟を課された久世屋敷の人間にとっても目を背けたくなるような仕事でも、まだ人格が定まっていない年端も行かぬ子供なら罪悪感を感じにくいだろう━━という、身勝手な理由により任ぜられたものだったのだが、実際には下記の通りで少女たちは既に個人としての自我を備えてしまっており、各々で“折り合い”を付けて役目に従事していたというのが真実だった模様。
将来的には病んだり、水面のように危ない性が目覚めた娘も居たかもしれない。
そして、最後の鎮女となった今作の少女たちに至っては彼女たち自身も帰されるどころか犠牲とされている。


紫魂(しこん)()刺魂(しこん)()
かつて「久世ノ宮」で執り行われていた神事。
「紫魂ノ儀」は生者と死者の血を混ぜ合わせて「紫魂ノ墨」を作り上げる儀式、「刺魂ノ儀」は完成した「紫魂ノ墨」を使用して「刺青の巫女」の身体に刺青を刻む儀式である。


破戒(はがい)
かつて久世屋敷を襲った災厄。
任期を全うした「刺青ノ巫女」を正しく眠らせることができなかった場合、刻まれた痛みを跳ね返し、周囲を「狭間」の世界に取り込んでしまう。
古文書にもその名が残っているが、暴走した「刺青ノ巫女」を一定の場所に彷徨わせて鎮まるのを待つということしか明確な対処方法が伝わっておらず、そのために「久世ノ宮」を取り囲むように狭間(はざま)(みや)(ねむり)(みや)が建立された。


(はたて)
久世家の地下深くに存在する場所であり、その正体は黄泉の国(死者の世界)へと繋がる果てしない海
つまり三途の川ならぬ三途の海である。
「刺青ノ巫女」は背負った思いをこの海に流し、黄泉へ送る。


(かい)()
かつて「久世ノ宮」で執り行われていた神事の中で、最も重要な役割を持つ儀式。
「柊」の持つ想いを黄泉へと流すため、「涯」の手前に設けられた棘獄(しごく)という石室の中で「刺青ノ巫女」を眠らせるために執り行われる。




【怨霊】


本作では、人々の心痛が具現化された「柊」と呼ばれる刺青が「眠りの家」に関する呪いの重要な位置を占めており、登場する怨霊の多くは攻撃を行う際に全身に刺青の文様が浮かび上がるという特徴を持っている。
また、攻撃を受けた際の怜たちの身体にも刺青の文様が浮かぶようになっている。

◆彷徨う母娘(母/娘)(葛原(くずはら)蒔枝(まきえ)(こずえ))
怜が射影機で初めて戦うこととなる、着物姿の母娘。
作中では彼女たちの失踪を報じる新聞記事の切り抜きが手に入り、蒔枝の夫で梢の父である男性が失踪してしまい、その行方を尋ね回っていたこと、「明神村」という村の住人であったことが分かる。

前述のように夫/父の行方を捜しており、「眠りの家」を訪れた者にも行方を知らないかと尋ねている彼女たちだが、彼は失踪したのではなく梢が落とした毬を拾おうとした際に転落死したというのが真相。
自分のせいで父が死んでしまったことでパニックになった梢は、母に対して咄嗟に「父様が居なくなった」と嘘をついてしまい、罪悪感と母を悲しませたくない気持ちから真実を口にすることができなかった。
母・蒔枝も言動から途中で真相を察していたことが窺えるが、真実を問うことが娘を追い詰めるかもしれないという思いと夫の死を受け入れたくない気持ちから梢の嘘に騙された振りを続けていた。
こうして真実と向き合うことができなかった母娘は夫/父の姿の背中を追い、「眠りの家」に取り込まれることとなった。

ストーリー中では、二人一組で襲ってくるのは最初の戦闘時のみであり、チュートリアルも兼ねているため娘はおまけ程度の存在。
ワープを繰り返しながら距離を詰めてくる母親と、いきなり至近距離にワープして掴んでくる娘のタッグには、ミッションモードで本格的に向き合うことになるだろう。


◆生き残った女
怜の目の前で「眠りの家」の呪いに呑み込まれ消失した、瀧川吉乃の成れの果て。
現実世界から消え「眠りの家」の一部と化した彼女が救われることはなく、罪悪感が具現化した黒い人影に取り囲まれ、恨み言をぶつけてくる彼らに怯え続けるという苦痛を味わい続けていた。

戦闘時には、前述の黒い人影を複数引き連れて数の暴力で襲い掛かってくる。
黒い人影は体力が低く攻撃パターンも頭突きのような体当たりしかないが、吉乃本体を倒さない限りは無限に湧き出てくるため、位置取りに注意しながら本体に攻撃を集中させたいところ。


◆四つん這いの女(浅沼(あさぬま) 切子(きりこ))
とある事件で両親を殺され、一人だけ生き残った女性。
自身は押し入れに隠されたことで生き残ったものの、両親が殺される様子を目撃してしまい、その恐怖と絶望から「眠りの家」に引き込まれてしまった。

正気も人としての生命すらも失い、それでも必死に出口を求め狭い空間を這い続ける彼女は久世屋敷の怨霊達の中でも最もアグレッシブに狭間を広げ続けており、怜の夢を通じて現実世界にも侵食する。
深紅と螢が巻き込まれた直接の犯人説もあり。
本筋には無関係なのに中盤では至る所に出現する上、彼女が登場する場所は狭いために視点が一人称視点で固定されて見通しが悪い。
そんな場所を四つん這いで這い回る彼女の姿は強烈な恐怖と生理的嫌悪感を感じさせるものであり、その秀逸なデザインから、ファミ通にて零シリーズ21周年を記念して行われた『最恐の霊は誰? キャンペーン』では堂々の第一位に君臨することになった。

本編中では主に深紅が潜り込んだ床下の狭所で交戦することになるが、クリア後のミッションモードでは怜の部屋内に出現。
部屋を這い回るように動くその姿はまるで蜘蛛のよう。
詳細は個別項目も参照。……なんで個別項目が?


◆乳母車を押す老婆
幼い孫が死んでしまったことを受け入れられずに心を病み、孫の遺体を墓から掘り起こしては乳母車に乗せるという行動を繰り返していた老婆。
「眠りの家」に引き込まれた後も、村人に隠された孫の身体を捜して彷徨っている。

乳母車で突っ込んで轢き逃げしてくる様子は若干シュールだが、体力が低くほぼ一撃で倒せる代わりに攻撃力がやたらと高く、突っ込んでくる瞬間のフェイタルフレームを的確に捉えないと痛い目に遭う。
サブストーリーのクリアを目指さないなら倒す必要はない点が救いだが、ミッションモードでは彼女がジェットストリームアタック複数体で進撃しプレイヤーを追い詰めてくる。


◆白装束の男
「破戒」の発生後、巫女が鎮まるのを待つための「狭間ノ宮」と「眠ノ宮」を建立するために招集された宮大工たち。
詳しい事情を知らされずに集められた彼らは、作業が完了した後に次々と殺害され、人柱として捧げられることとなる。

簡素な白装束に烏帽子姿で、素手の「埋められた宮大工」と武器を持った「斬殺された宮大工」の二種類が存在し、霊リストにも別々に載る。


◆刺青を刻まれた男(守谷(もりや) 重臣(しげおみ)守谷(もりや) 辰巳(たつみ)守谷(もりや) 戌亥(いぬい)守谷(もりや) 楡井(にれい))
久世家の保全を一手に担う宮大工の一族・守谷家の番匠であり、「顔を隠した男」こと鳴海天涯の部下。
鉈を手にした白装束の怨霊で、その名の通り、通常時から身体全体に刺青の文様が浮かび上がっている。

「狭間ノ宮」及び「眠ノ宮」の建立後、作業に携わった宮大工たちを人柱とするために次々と殺害し、最期は天涯の手によって彼らも人柱とされた。

霊リストの一部、フェイタルフレームを撮影した際に埋まる部分でしか確認できないが、登場する四人全てに名前が設定されている。
それによると「座敷のある広間」で戦闘となるのが重臣、「布団の間」で戦闘となるのが辰巳、「玄関」で戦闘となるのが戌亥、「階段廊下」で戦闘となるのが楡井であるとのこと。


◆針を刺す女((きざ)())
「刺青ノ巫女」の身体に刺青を刻む役目を持っていた、二人の女性の霊。
巫女に刺青を刻むための特殊な墨・紫魂ノ墨の準備を行うのも彼女たちである。
両目が抉られ、両手に無数の針が突き刺さった痛々しい姿をしているが、これは「人々の想いを巫女に刻む」という役目に必要とされるため。

ワープを繰り返しながら接近し、針だらけの腕で抱き締めてくるため、壁の中からの不意打ちに注意しながらの立ち回りが要求される。


◆顔を隠した男(鳴海(なるみ) 天涯(てんがい))
「久世ノ宮」に仕える宮大工の一族・守谷家の長であり、久世家建立の技をただ一人受け継ぐ木工頭(もくのかみ)鳴海天涯が怨霊と化した姿。
血に汚れた白装束に烏帽子姿で、その名の通り顔は仮面で隠されている。
その手には、宮大工たちを人柱とする際に使われた大きな鉈が握られており、「眠りの家」に引き込まれた犠牲者に対してもその凶器を振るう。

守谷家の番匠と近隣から集めた宮大工を指揮し、「狭間ノ宮」と「眠ノ宮」を完成させた天涯は、守谷家の番匠の力を借りながら、事情を知らない宮大工を次々と殺害し人柱に加えていく。
しかし、巫女の持つ怨念は予想以上に強く、協力してくれた守谷家の番匠を人柱に加えても抑え切ることができなかった。
本来、守谷家の長である彼は技術を伝承し次代の木工頭を育成する役割も持っていたのだが、最期は足りない人柱を補う最終手段として自らも腹を斬り、命を絶った。

移動速度が速く、手にした鉈のせいで攻撃範囲も広いが、攻撃は大振りなので冷静にカウンターを合わせたい。


◆髪を梳かす女
愛しい人の再訪を待ち続けながら「狭間」に呑み込まれた女性・鏡華の霊。
偶然か必然か、彼女が愛した柏木秋人は螢と顔立ちが瓜二つであり、彼を秋人だと思い込んでストーカー執着する。

秋人が褒めてくれた美しく長い髪の手入れを欠かすことはなく、ひたすら秋人を待ち続けていたが、「破戒」が発生してからは瘴気に蝕まれたのか、自分の抜けた髪を壁に打ち付けるなどの狂気的な面も垣間見える。
秋人が既に夜舟の手で殺害されているという残酷な真実を知らずに済んだのは、彼女にとって幸いだったのかもしれないが……もしかしたら怨霊と化すよりも以前から、既に彼女の心は狂っていたのかもしれない。

怨霊としてはワープの頻度が高く姿を捉えにくい。
針のように髪の毛を飛ばす遠距離攻撃や、空中を泳ぐように突進してくる攻撃に注意が必要である。


◆巫女姿の少女(久世(くぜ) 氷雨(ひさめ)久世(くぜ) 時雨(しぐれ)久世(くぜ) 水面(みなも))
その名の通り巫女服を着た、木の杭と槌を手にした少女たち。
「鎮女」としては上から順に氷雨、時雨、水面、雨音の四人一組だが、雨音は怨霊としては登場しないので戦闘となるのは三人のみ。
登場する場面によって行動パターンが二種類に分かれており、周囲を高速で旋回ながら杭を打ち込もうとしてくるパターンと、空中を浮遊してこちらに掴み掛かってくるパターンが存在する。

・久世 氷雨
「鎮女」の中では最も年長で責任感が強い。
姫カットで子供ながら美しく整った容貌をしている。
……最終的には、夜舟からの最後の命令として「共に生き残っていた時雨と水面を人柱として打ち付ける」ことを命じられ、その任務を果たして「狭間」に呑み込まれた。
怨霊となった後も役目に忠実で、迷い込んできた怜を新たな巫女として狙っている。

・久世 時雨
「鎮女」の一人で、少し地味な風貌。
年長の方で善悪の判断ができる年頃になったためなのか、自分の役目に疑問も抱え始めているのだが、立場と常識人であるが故に逆らえず、自分自身に言い聞かせるように掟に従う。
攻撃の際に「眠るの……」と言ってくるのが彼女。
雨音を打ち付けねばならなくなった時も本心では悔やんでいたのが日記からも窺える。

・久世 水面
「鎮女」の一人で、額を出して髪飾りを付けるなどイケイケ(死語)な風貌。
時雨とは反対に、少女らしい無邪気さから自分の役目にサディスティックな快感を見出してしまったらしく、早く巫女を打ち付けたいとか日記に書いちゃうアブない娘。
ゲーム中でも、最も積極的に怨霊として襲いかかってくる。
攻撃の際に嬉しそうに「痛い?」と聞いてくるのが彼女。


◆縄の巫女
深紅の記憶を辿って「眠りの家」に出現した、かつて「氷室邸」の「裂き縄の儀式」で贄とされた「縄の巫女」の怨霊。
その正体は初代に登場した霧絵ではなく、霧絵よりも前の時代に「裂き縄の儀式」を行った氷室(ひむろ) (きずな)という女性。
深紅「おい門から漏れ出てるぞ。イチャイチャしてねえで働けや(# ゚Д゚)」

「裂き縄の儀式」によって引き裂かれた両手や首は胴体から離れて浮いており、初代に登場した「昔の縄の巫女」よりも更に悍ましさが上昇している。


(くさび)
澪の記憶を辿って「眠りの家」に出現した、かつて「皆神村」で儀式の失敗によって代理の贄とされたマレビトの怨霊。
外見は前作の「楔」によく似ているが、民俗学者・真壁清次郎が怨霊に変じた前作における「楔」とは違い、本作の「楔」は真壁よりも前に「楔」とされた全く別のマレビトの成れの果てである。

また、前作にも登場した槙村真澄や、本作が初登場となる昔の「双子巫女」、逢坂(おうさか) (つづり)逢坂(おうさか) (むすび)の姉妹*10も浮遊霊として登場する。


◆久世家当主
久世家最後の当主・夜舟の霊。
白装束に誌公帽子のような頭巾を被った祭主らしい姿だが、背後に浮かんだ無数の亡者の腕が禍々しさを感じさせる。

久世家の掟を守るためならば非情な行動も辞さない覚悟を固めており、鏡華との駆け落ちを視野に入れていた秋人を密かに殺害し、射影機の試作品を含む彼の遺品を鏡華に見つからないよう隠していた。
その後は零華を「刺青ノ巫女」として迎え入れ粛々と儀式を続けていたが、孫である雨音が掟を破って男性を引き入れたことを知って激怒。
他の「鎮女」たちに雨音を罰するよう命じた上で「棘獄」へ向かうが、その時点では侵入者の正体がもう一人の孫である要だとは気付いていなかった。
そして、「棘獄」で眠っていた零華が要の呼び掛けによって目覚めていることに気付かず、有無を言わさぬ強硬手段に出たことが、彼女の運命を決定付けることとなる。

「破戒」の発生を招いてしまった彼女は、その報いとして零華が“返した”痛みと狭間より溢れ出した瘴気を至近距離で全身に浴びることとなった。
跳ね返された「柊」に全身を蝕まれ、這々の体で屋敷まで逃げ帰ったものの、その後は命が尽きるまで満足に動くことも出来ない程の痛みに苦しんだ末、悍ましい怨霊と化した。
……夜舟自身の、そして久世家のやって来たことを考えれば溜飲が下がる末路━━ではあったものの、掟に縛られた末に自分の直属の娘や孫を愛するという意識すら持てなかった老婆の姿には憐れさも感じる。

ぐるぐると周囲を旋回しながら、時折背後に浮かんだ腕を飛び道具の如く飛ばしてくる行動が特徴。
飛んでくる腕には、ファインダーモードの画面に白い手形を浮かび上がらせ妨害してくるものと、拘束してダメージを与えてくるものの二種類がある。


◆刺青の巫女
本作のラスボスであり、久世屋敷を「狭間」の世界へと閉ざした最後の「刺青ノ巫女」

「刺青ノ巫女」として人々の想いを肌に刻まれ、「戒ノ儀」によって久遠の眠りに就いた零華。
要への想いを完全に捨てることはできなかったが、その想いは零華の心を乱す未練にはならず、穏やかに眠り続けるはずだった。
しかし、そこへ雨音の手引きで「棘獄」まで辿り着いた要が現れる。
要の呼び掛けに目を開いた零華は、愛しい人との再会に薄く笑みを浮かべるが、そこへやってきた夜舟は零華が目覚めていることに気付かず、手にした鉈を要の背に振り下ろした。

零華の眼前に倒れた、目を見開いたまま息絶えた要の亡骸。
それを見た零華の目に、決して「柊」を刻んではいけなかったその目に、「愛した人の死」という「柊」が刻まれた。
こうして彼女の絶望は久世屋敷を呑み込み、狭間が現世に溢れ出す「破戒」が起きてしまうことになる。
零華が絶望するまでの一連の場面は、想像させる形だった前二作に対して明確にムービーとして流れるので、プレイヤーにとっても絶望必至の渾身の作となっている。

怨霊としての彼女は、画面が白黒になる即死攻撃のターンと、ワープを繰り返しながら攻撃してくる通常行動のターンを繰り返すことが特徴。
即死攻撃のターンは、水中を藻掻くかのように近付いてくる零華から逃げるだけだが、こちらも水中に居るような鈍い動作しかできなくなっているので要注意。
通常行動のターンでは、空中に浮かんでから猛禽類の如く急降下、一定距離を突き進むとターンしてもう一度突進してくるという攻撃を持ち、フェイタルフレームが発生するのはこの突進攻撃のみ。
超高速の突進でフェイタルフレームの判定がほんの一瞬しか発生しない上に、通常は急降下時とターン後の二回発生する判定が、高難易度だと急降下時にしか発生しない。
そのため、無理にフェイタルフレームを狙わず、組み付き攻撃の際のシャッターチャンスを狙った方が確実。



【エンディング】


  • エンディングその一
    • 一周目で辿り着くノーマルエンド。
    • 前作までと異なり、本作では二周目以降のエンディングがトゥルーエンドとなっている。
  • エンディングその二
    • 二周目以降に辿り着くことができるようになるトゥルーエンド。
    • 本作ではエンディング分岐に難易度が関与しなくなっており、螢の操作時にサブストーリーを最後まで進め、「鏡華の耳飾り」を入手することが条件となっている。
    • ストーリーの流れが大幅に変わるということはなく、スタッフロールにその後の怜たちの様子を描く数枚の静止画が挿入されるだけなのだが、どの画像も「悪夢の終わり」「三部作の締め括り」に相応しい、カタルシスを感じられるものとなっている。



追記修正は夢から醒めてからお願い致します。

この項目が面白かったなら……\はーたーてー/

最終更新:2025年10月10日 18:29

*1 北米版のみPS3向けのダウンロード販売もされている。

*2 『濡鴉ノ巫女』リマスター版公式サイトに掲載された「『零』シリーズ20年のあゆみ」でも、コンセプトカラーが「青」であることに触れられている。

*3 最初は「眠りの家」の入り口となる一箇所のみだが、「氷室邸」を再現したエリアと「皆神村」を再現したエリアにも「玄関扉」として扱われる扉が存在し、最終的には三つの扉から現実世界へ戻ることが可能になる。

*4 とはいえ、螢からの手紙の内容や彼が優雨の死を知らなかったという作中の描写を踏まえると、事故から三か月以上は経っていないと思われる。

*5 本作の攻略本である『導魂之書』より。無印当時は、両親を早くに亡くして兄妹のみが残されたという設定で、深紅にとって真冬は「唯一の家族」とされていた。しかし、ゲーム中では兄妹の父親・真人は名前すら登場せず、設定が語られているのは公式サイトのコラムのみであるため、「父親は存命で後添い(深紅にとっては義母)を娶った」という設定に変更された可能性は否定できない。

*6 本作の攻略本である『導魂之書』ではリアリストと紹介されており、優雨に送った手紙の内容からも、彼が元々はオカルトや心霊現象に対しては懐疑的なスタンスであったことが窺える。

*7 天涯孤独となった直接的な原因は触れられていないが、攻略本である『導魂之書』では「久世屋敷が存在した東北の北部は雪崩災害の記録が数多く残る地域であり、そうした天災に巻き込まれたのではないか」と推測されている。

*8 一応、買値については「事故物件の疑い」があるので相場よりは安かったのかも知れないが。(※かつて住んでいた子供がエラい所で浮遊霊として撮影できてしまう。)

*9 名前に「木」と付いてはいるが、石製。

*10 ただし、二人の名前はゲーム内では明かされておらず、名前が登場したのはかつてテクモ公式モバイルウェブで入手できた待ち受け画像や本作のアンソロジー程度である。