謎の老剣士
こんなジジイを大将の喉元にまで踏み込ませ誰一人気がつきもせんとは、なっとらんぞ
謎の老剣士
まったく、薩摩隼人が聞いて呆れるわい……鍛え直してやらねばならんかのう
島津義久
……
島津義久
貴方様の前では精強たる島津の兵も形無しに御座いますな
謎の老剣士
ほほう、もうちっとばかり驚くかと思いきや、即座に状況を理解しおったか
謎の老剣士
どうやらわしの言いつけをよく守っておるようじゃのう、義久よ
島津義久
「大将たる者は腹を据えて動じないことが勝利の根本である」他でも無い貴方様のお言葉です
謎の老剣士
貴方様などとつれない事を言わず、ワシの事は日新斎おじいちゃんと呼ばんかい
島津義久
日新斎殿は相変わらずでございますな……ですが、ご無事で何よりです
島津義久
ただ一筆、妖魔界見物とだけ書置きを残されあれから何年が経った事でしょうか
島津日新斎
ふん、島津をお前らに預けた以上は余生をどう楽しもうがワシの勝手じゃからな
島津日新斎
して義久よ、ワシが思うにこのいくさ、一方的でつまらん、これでは島津の糧とはならんぞ
島津義久
それは私も薄々とは、義弘の人智を超えた奮戦振りが原因の一端かと思いますが
島津日新斎
義弘めは遠征となればやけに張り切るからのう、それが異国の地となれば言わずもがなか
島津日新斎
よし、では戦力の均一化を図るべく、お前ら兄妹には兄妹喧嘩をしてもらうとするか
島津義久
ちょうど私もその悪巧みを考えていた所です、割り振りはどう致しましょうか
島津日新斎
わしは歳久を連れて向こうの狐に下ろう、義久は残り二人と共にこの陣営に居残りじゃ
島津日新斎
公平とは言えぬ布陣じゃが、歳久にはたっぷりを経験を積ませてやりたいからのう
島津義久
では、すぐにでも動かれますか?
島津日新斎
このいくさが落ち着き次第としよう、天狐を名乗る連中への義理立てとしてな
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