白髪の令嬢「――――――(晴天。差し込む陽光を遮るゴシック調の日傘をくるクルクルと回しながら憩いの地へと歩を進める女性がいた。コツコツと白いブーツで足音を小刻みに鳴らしエントランスから入館。ロビーへと緩やかに、絶え間ないペースで進みだす) 」
ザワザワ…(あらゆる日常を受け入れる寄宿舎には、昼夜問わず様々な住民たちがいる。ここに住居を構える者、他所から訪問する者、千差万別。だが今日は、そんな彼らでも密かなざわつきを覚えた。年季の入ったこんな良くも悪くも古めかしい建物に似つかわしくない風貌をした女性が訪問したのだから。「あれは誰だろう」「誰かの客人だろうか」「またしても異世界からやってきた人だろうか」…そんな考察を小言で交えながら―――)
白髪の令嬢「――――――(女性――少女とも取れる童顔だが――は囁くような喧騒に歯牙にもかけず、足取りを止めることなく廊下を歩く。ロビーの受付にわざわざ顔を出さないことから、少なくとも彼女にとってここは見知った場所なのだろう。しかし、誰も、彼女のことを知る者はいない。そんな人々の視線を背に浴びつつも、入管時に閉ざした日傘を杖代わりに歩き出す) 」
白髪の令嬢「――――――(住民らが目を引くのも理由はある。その容姿だ。フリルのついた紺色のゴシックドレスという日常社会でも見慣れない風変わりな衣装。そして、両翼で包みこんだかのようなサイドテールにカールの巻いた純白のロングヘアー。宛らどこかの御令嬢と思わしき相貌に、擦れ違う人たちは二度見せざるを得ない程の独特なオーラを纏っていたが故に―――) 」
白髪の令嬢「―――――― コ ツ … (そんな時、やにわに歩みを止めた。彼女の視線の先には建物内部に構えられたレトロな趣を醸し出す小さな喫茶店。寄宿舎が建設された頃からずっと経営されているのだろう。この店もまた入口からかなりの年季を感じる。擦り傷のついたショーガラスに並べられたメニューのサンプル。その中にある「パフェ」を呆然と見つめていると、まるで誘われるかのように入店する) 」
カラン、コロン…♪
ウェイターの老婆「いらっしゃい。おひとりさんかい?今は空いているから、お好きな席へどうぞ。(物腰の柔らかそうな老婆が客人をもてなす。長年いろんな客人を相手にしてきた為か、令嬢風貌の彼女を見ても驚く様子などなく、すんなりと受け入れると、席に着いた彼女へ水とおしぼりを差し出す)決まったら呼んでねぇ~。 」
白髪の令嬢「……イチゴパフェ。それから、ミルクティーを。(卓上にある黄ばんだメニュー表に目をくれることもなく即答で注文する) 」
ウェイターの老婆「はいはい。イチゴパフェに、ミルクティーねぇ~。セット価格で通常より300円安くしておくわねぇ~。(朗らかに注文を受けると厨房へ向かう。カウンターバーの向こうには老翁が一人猫背でコーヒーを淹れている。恐らく夫婦で経営しているのだろう。手慣れた様子で注文内容を交わしていた) 」
白髪の令嬢「………(ふと、店内を静かに見渡してみる。正午のランチタイムも過ぎたこともあり、店内にいる客人は自分も含めてほんの3~4人。ボサノバのBGMが流れ、喧騒の無い、ゆったりとした時間が流れている。年季の感じる店内をぐるりと、そのルビー色の瞳に収めていく。この様子から、喫茶店自体は初めての入店だったことが伺える。壁に飾られた有名人のサインが何枚か飾られている。それらを呆然と見つめていたが、見知った名前がないことを知ると興味を失せてスマホに視線を落とした) 」
ウェイトレスの老婆「はいはい、おまちどうさん。イチゴパフェと、ミルクティーねぇ。ごゆっくりねぇ~。 」
白髪の令嬢「………(スマホに夢中で気づかなかったが、いつの間にか注文したものが来たことでスマホの画面をそっと伏せる。目の前に運ばれたのは、イチゴパフェとミルクティー。パフェは至って普遍的なそれである。女性の小さな胃袋に収まるくらいの量。生クリームに覆われたスポンジケーキに、下層にぎっしり敷き詰められたフレーク。そして、メインとなるイチゴで彩られている。なんてことのない普通のパフェを、その可憐な唇の中へ。) 」
白髪の令嬢「………(静かな咀嚼を繰り返す。生クリームの甘さとイチゴの甘酸っぱさが見事に調和している。どこでも味わうことのできる普遍的な味。故に、余計なものなどはない。ただその甘みと酸味を舌先で感じ入り、喉へと通す)…スス…… コ ク … (微かに湯気を立てながらもほんのりとした風味を漂わせるミルクティーで喉を潤す。可憐な令嬢の優雅なアフタヌーンティー。傍から見ればそれだけで絵になりそうな光景。誰かと言の葉を紡ぐこともなく、誰かの視線を感じることもなく、ただ一人静かに過ごす憩いの時間) 」
カラン、コロン…♪
白髪の令嬢「――――――(ゆったりとしたアフタヌーンティーを堪能し、店を後にする。寄宿舎へ入館した時から一切崩すことのなかった無表情。だが、その目には満更でもないような心地よさにも似た雰囲気が流れていたような気もした。再び廊下を歩む。ギシギシと軋む老朽化した床の音をBGMに、泰然たる足取りで。時折擦れ違う人たちの視線をまたもや感じるが視線を合わせることはない。まるで自分以外など存在しないものだと割り切っているかのように。) 」
バチバチバチバチバチバチバチ……(突如虚空から走る電撃。丸い何かが空中に形作られる)
アーニャ「(だる)(おへそ隠さなきゃ) 」
はらぺこあおむし「(超常現象が起きようと寄宿舎でハロウィンのアルバイトをしている) 」
ゴッド・エネップ「ヤハハハ!我は救世主(メシア)なり!(外で自慢の避雷針(長鼻)で雷を退けようとしている) 」
ルフイ「ウソップウウウウウウウウウウウ!何やってんだお前えええええええええええええええ!死ぬぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!そして俺は効かないねえ!?ゴムだからあ!!?( ド ン ! ! ! ) 」
ヤムチャ「俺も効かねえなぁ!!ヤムだから!!!! 」
コンラード「(ふわふわオムレツ教室の講談に寄宿舎へ訪れていた食品会社CEO・コンラード) ┣"ッ ┣"ッ ┣"ッ ┣"ッ ┣"ッ ┣"ッ ┣"ッ (雷めっちゃなっとるやんけ……こわいよぉ……) 」
バチバチバチバチバチバチバチ……
白髪の令嬢「――――――(外で轟く雷雲の轟音も、それに騒ぎ始める住民も意に介さず、彼女はただ廊下を歩き始める。その道中、偶然にもコンラードと擦れ違う。"あの"コンラードと。しかし、それでも少女は振り返りはしない。ただコツコツと足音を立てて進むだけ。まるで、目的の一室があるのかのように) 」
???「…………(電撃の中から、ゆっくり立ち上がるように現れる) 」
ヒロ「雷なんて効かないねぇ、土人間だから!!!!(ドン!!!! 」
キャロル「 厚 切 り ジ ェ イ ソ ン (ピポザルマスクの少女が、ドアを厚切りにし部屋から飛び出してくる) 厚 切 り ジ ェ イ ソ ン (そのまま突き進み廊下の壁を厚切りにし。外へと垂直落下していく) 」
ヌマクロー「(ヒロの前に仁王立ちし雷耐性で張り合っている) 」
リム「(どうせ厚切りならベーコンだよなぁ…と呆けた顔で落ちていくキャロルを見下ろしている) 」
渋井丸ムスカ「 王女様ー!! ぶううううううううん 私、渋井丸ムスカ大佐だ。 略して渋ムス、王女様今暇? 上出来ではないか! 流行りの服は嫌いですか? 王女様に素晴らしい破壊力を持つムスカ大佐の力を存分に見せてもらおうと思ってね! はっはっはっは! 何処へ行こうと言うのかね!? (すごいつきまとってくる) 」
ドッスン「エ゛ェ゛ン゛ッ゛!!!!!!!!(寄宿舎の天井を突き破ってムスカを踏みつぶし、そのまま天へ垂直に上るように帰っていく) 」
白髪の令嬢「――――――(ぶっとんだ暴走行為に走るキャロルとすれ違い、その余波で髪が靡く。しかし不愉快に眉を顰める様子もなく無反応のまま真っすぐに廊下を淡々と歩いている)―――――― コ ツ … (辿り着いた目的地は、図書室。静寂に包まれたその一室へ入っていく。埃っぽく、何処か黴臭さも否めない古い図書室。故に、ここで取り扱っている書物は街中の書店にはない珍しい書物があることで噂にもなっている。少女が踏み込んだのは、歴史コーナー。並べられた分厚い書物の中から一冊を手に取り、冒頭…ではなく、あろうことか末尾のページを見る) 」
ヒロ「ほぅ?貴様にも雷耐性があったとは見た目によらないものだ(ヌマクローを見て)この勝負、先に雷でやられた方が負け… 」
白髪の令嬢「――――――(図書室や図書館などでは、一般的に末尾のページに本の貸出記録のカードが挿入されているものである。そのカードを抜き取り、日付を遡っていくように下か上へと目を動かす。日付の横には貸出人のサインが、本人によって記されている。日付とサインを交互に見比べた末に裏面も同様に確認するが、目的のものが見つからなかったように小さく落胆すると本を読まずに棚へと戻す。そして、その隣の本を手に取り、同様に貸出カード"のみ"を確認しはじめる) 」
ヌマクロー「コクリ(頷いて同意を示す)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ヘクシッッッ(>>風邪にやられる<<) 」
ルッジェーロ「 コツ コツ コツ (白髪の令嬢とは対局。シルクハット、深緑のコート、茶のベストにスラックス、黒揚羽をかたどった蝶ネクタイ、オイルで整えた口ひげ。二世紀ほど前の欧州でようやく見そうな紳士然とした振る舞いの男が、ステッキで円を描き本棚の背表紙に指を添え、タイトルの頭文字を次々となぞりながら歩を進めていく)ーーーー近代経済史……近代経済史……近代経済 史 (指を動かした先、貸出中なのか本の列に穴が空き、指を離す。その向かう先には令嬢が佇んでおり ッスゥゥゥゥ~~~~ (眉をひそめ、指で円を描き令嬢の目の周りをぐるぐると謎るように空を撫で) 」
ルッジェーロ「……ンン!失敬、レディ。もしかしてそのお手に取った本……僕の求めているものだったり……なかったり……やっぱりそうだったり…………? 」
白髪の令嬢「………(声をかけらて、初めて他人と視線を交わす。目と鼻の先に佇む欧州紳士に対し無礼なまでの朴念仁。だが、手にしている本が自分にとって目的のものでないと判断すると――)――― ス (その本を、紳士へ無言で差し出す) 」
ルッジェーロ「 おお、どうもありがとう!(ニッコリと微笑み片手でシルクハットを持ち上げ会釈、片手で素早く本を手繰り、漫画を立ち読みするかのようにパラパラと雑にめくり) うん違った!(雑に本棚へ押し戻す。その際、何かに気づいたのか) 二度手間だろう、私が省いておくよ(令嬢が等の本の"貸出カード"を持っていると既知なのか、ホレホレと手招きをする) 」
白髪の令嬢「………(無機質な動作で会釈しながら貸出カードをも差し出す。それでこの紳士との縁は終わったものだと区切りをつけたのか、少女はお礼を口にする間もなく踵を返そうとする) 」
ルッジェーロ「 汝、求める者あらば、その者の欲するものを求めよ。 (背合わせに、証明に貸出カードを透かすようにして目を凝らしながらどこへ向けるでなく声を発する) 隠れん坊の鬼、得意だったろ? 僕は『もう5時になったぞ、みんな家に帰ろう』って声高らかに叫んで引っ張り出すけどね。お陰様でハーメルンの笛吹き男が通り名となってしまった。 」
ヒロ「……………………何ちゅう幕切れや(風邪をひいたヌマクローを見て)具合を考えると雷じゃないから続行していいものか微妙だな 」
ンマクロー「(このままでは負ける。だが気合で乗り切ってやるという意思もある。しかし、それでは彼も体調を崩すのではないのだろうか)・・・・・・。(白旗を上げる) 」
白髪の令嬢「―――― コ ツ (背後から発せられた男の声に、歩みを止める。目に映るものすべてが無関心のように見えているような瞳を閉ざし、唇が開かれる) 渇き飢える者は来るがよい。命の水が欲しい者、価なしに飲むがよい。 (紳士の発した言葉に対するものなのか、はじめて他者にその言葉を発した) イザヤ書55章13節。それに似たフレーズ。聖書は飽きるほど読んできた。もはや聞き飽きた。幼い頃に聞こえた姦しい子どもの声と同じくらいに。だから私は、耳を塞いだ。他人の一切の言葉に興味はないの。用があるなら、手短に。 」
ルッジェーロ「おっと、声が大きすぎたかな。呼び止めるつもりはなかったんだ、ただこう……クチャ (身振り手振りを加え間を喧しく誤魔化し、言葉に詰まった咀嚼音を発し) 恐らくその方法は効率的でない。川の上流に向かって鮭を取る熊より、餌で釣り上げる人間のほうが多く欲する物を得ている。 得たいものがあり、ソレに足と手足があるなら、そっちから来て貰ったほうがいい。 ………という持論を他人が試した時、本当にそうなるか観察したかっただけ。夏休みの自由研究で提出するから、駄目? 」
ヒロ「…………なっ(白旗を上げたヌマクローを見て)こ、降参……だって…?この勝負は終わった…と言うことか 」
ズラ丸「やめるズラ。(先に見抜いてたのか堕天使の泪なるたこ焼きを持ったヨハネにタイキックを見舞う) 」
白髪の令嬢「………"解っている"つもり、なのです。(まるで言い当てられたように目線を逸らす)こんな回りくどい方法で「目的」に辿り着こうとすることの浅ましさなど、他人に言われるよりも自分自身よく理解している。だけど…違うの。私は…来てもらいたいんじゃない。自分から近づきたいだけ。欲するもの、手繰り寄せる手段、そして望んだものを得たかどうかなんて人によって異なる。故に私は、私だけの方法で、近づいている。理解されなくてもいい。理解されたくない。これは…私だけのものだから。(お別れの会釈をひとつ残し、紳士の前から今度こそ踵を返していった) 」
白髪の令嬢「―――――― ! (紳士との問答を終えた少女が断念したように図書室を後にしようとすると、ふと目にしたところにあった一冊の小説が視界に入った。気が付けば、直感的にその一冊を手に取り、またカードのみを確認すると…初めて驚愕を露わにしたかのように半目だった眼が微かに見開かれた。) 」
本の表紙に記されていたのは―――――――『 Endless Possibility 』
白髪の令嬢「………(その一冊を手にし受付へと向かい、係員に無言で本を差し出す) 」
受付嬢「こんにちは。本の貸し出しですね。ではこちらのカードに日付とサインを……あっ? すみません…どうやら貸出カードの記入欄が既に埋まっていたみたいですね。今新しいものを発行しますので、そちらにサインをお願いします。(そう言って淡々とカードの交換作業に入る。既に数十名によって欄が埋め尽くされた古いカードを処分用のボックスに投入し、新しいカードを手に取るが…) 」
白髪の令嬢「………あの。(その行為を、見逃しはしなかった。ここまで無言だった少女が初めて小さな声で呼び止める)……そちらの古いカード、処分されるのですか。よろしければ、私に譲っていただけませんか? 」
受付嬢「へ……?(貸出カードの譲渡をお願いされ素っ頓狂な顔を浮かべる。ここは図書室。書物以外の物を差し出すことなどあり得るはずがない。あまりにも不自然な要望に数秒間茫然としていたが…)……は、はあ……かまいませんが… 」
白髪の令嬢「ありがとうございます。(既にサインを記入した新規カードと引き換えるように古い貸出カードと貸出本を受け取り、軽く会釈。そのまますたすたと図書室を後にした)…………―――――― ギ ュ ッ (廊下に出てすぐ本の表紙、そして、古い貸出カードに視線を落とす。ほんの微か、緩やかな弧を表す程に細めた目。カードを収めた本を大事そうに抱え、少女はまた寄宿舎内のどこかへ姿を消した―――――) 」
白髪の令嬢「………(あれから、寄宿舎のロビーにて、借りた小説本を読み耽っていた。近くの自販機で購入したであろうホットコーヒーの入った紙コップを傍に、ただ静かに優雅な読書を堪能していた。その傍らには、日付と数十名以上の名前が記されたあの貸出カード。しかしよく見れば、そこに記されていたものが悉く黒いマーカーによって一本線で塗り潰されていた。ある特定の、一つの日付と名前だけの欄だけを残して――――――) 」
ニュースキャスター「えー、次のニュースです。先日13日の午後23時頃、エクトリヌカンパニー所属の46歳男性職員が殺害される事件が発生しました。警察の調査によりますと、犯行現場には大きな陥没痕があり、男性は巨大な何かに踏み殺されたものであることが推測されております。防犯カメラを確認したところ、武装した大柄の男性らしき人物が徘徊していたこともあり、警察は事件の関与を見て調査を続けると共に―――――(ロビーにある壁掛けのテレビジョンでは、いつものように何らかの事件を発表するニュースが流れていたが、これに関しロビーにいるものたちは「恐ろしいな…」という心の中で軽い感想を馳せる程度であった) 」
白髪の令嬢「―――― (ゆったりとしたペースで一枚、また一枚と頁を捲る。小説の中の物語を夢中で読み進める少女には、外の世界での話題など、今は眼中にない。時々生暖かいコーヒーを口に含み、そしてそのついでに黒く塗りつぶした貸出カードに視線を落としては唯一残された一部の欄に目を細めて、また物語の世界へとダイブする) 」
薬師寺九龍「(寄宿舎ロビーにて絶賛サボり中)へぇ~、そんな事件あったんだ。しかも武装した大男ねえ。おいおい、まだそいつ掴まんねえのかよ。やっぱ警察ってクソだな(ぇ (ズズズと缶コーヒーをすすりながら) 」
ピーポ君「(誠に遺憾であるという顔で九龍の隣でストゼロをぐびぐび飲んでいる。今日は非番なのでセーフ(そういうことじゃない)) 」
ヒロ「あーさむさむ……(ヌマクローとの激戦を終えロビーに入ってくる)あ、警官と思しきオッサンまたサボってる 」
ブ ル ル … (そんな時、少女のスマホが振動する。マナーモードによって着信音は鳴らないが、誰かから着信電話が入った)
白髪の令嬢「………(貸出カードを栞代わりに頁の途中に挟み込み取り出したスマホの画面を見つめる。着信相手の名前を確認すると静かに応答ボタンをタップし電話に出る)………もしもし。 」
「ああ、もしもし。お休みのところすみません。つかぬ事をお聞きしたいのですが…今、どちらにおられますか? 」
白髪の令嬢「……寄宿舎。今、読書している。 」
「そうでしたか…では、大丈夫みたいですね。ああ、いえ。近頃、そちらの近辺で不審な事件が発生していると小耳に挟んだので、お節介ながら注意喚起をひとつしておこうと思いまして… 今の季節は暗くなるのも早いですし、どうかお気をつけて…」
白髪の令嬢「心配性なところはいつまでたっても治らないのね、「お義兄様」。(やれやれと小さな溜息を零しつつ当てもなくテラスの方角へ視線を向ける) 」
「大切な「妹」を気にかけるのは、「兄」として当然のことです。しかし貴女のことです。杞憂だと信じておりますが、くれぐれもご注意を。」
「白髪の令嬢「要件はそれだけ?もう、いい? 」
「ああ、それと… 今回は「お求めのもの」は収穫できましたか?」
白髪の令嬢「…………うん。 」
「そうですか。それはよかったですね。『 リラ 』が"幸せそう"で、私も嬉しいです。」
白髪の令嬢「 じゃ。 (それ以上のことは何も要件がないものだと判断し、一方的に容赦なく着信を切るとスマホの画面をテーブルに伏せた)」
セイン「……?おやおや…どうやら"お楽しみ"のところのようですね。(通話相手の若き『紳士』は風光明媚の景色が一望できる豪邸らしき建物の一室にて、「ははは…」と乾いた苦笑を零しつつ深紅のスマートフォンを耳元から離した)さて、そろそろ私も支度をしましょう。(重厚感のある壁掛け時計の時刻を確認し、白いコートを手繰り寄せて一室を華麗に後にした) 」
白髪の令嬢 → リラ「――――(栞として挟んでいたカードを抜き取り再び物語の世界へ没入する白髪の令嬢。『 リラ 』という名前を持つ彼女の瞳にハイライトはない。しかし、物語の中の活字を読み進める度に何処となくその赤い瞳に活気の煌めきが走ったような気がした) 」
『 リラ・ライラ 』 ――――― 世界最強の剣士を兄に持つ義妹。しかし、彼女にとってそれは特別な事でも最たることでもない。彼女が求めているものは、ただひとつだけ。それは、決して他人には安易に口に出せない、知る由もない事実なのだから。
リラ「――――………(物語に没頭した末に読了したのか、満足気に小さな溜息を零して余韻に浸かるかのように本をゆっくりと閉ざす。ふとテラスの外に視線を送れば、日が暮れていた。そろそろ、お暇する頃だ。貸出カードを本へ収納し、紙コップと本を両手に立ち上がる。ゴミ箱に紙コップを投げ入れ、ロビーで入口へと向かう) 」
テツヤ「ふぅ…ここか。(寄宿舎の駐車場に停車した軽トラから作業工具を両手に歩いてくる) 依頼内容の再確認…雨漏り対策による屋根の改修、ネット回線の見直し、廊下のワックスがけ、エトセトラ… (これら全部をこの予算に抑え込むとは…相当頭のキレる経理がいるみたいだが…まずは、依頼主のウィラームさんに挨拶しないとな。どこで嗅ぎつけたか、『
ジャンクション』の裏の顔を知った「お得意さん」だからな。)(そうぶつぶつと独り言を呟きながらロビーへと向かうが――――) 」
―――――― ド ン ッ
テツヤ「っと…悪い…!つい前を見ていなかった… 」
リラ「………(擦れ違いざまに向かい側のテツヤと肩をぶつけた。だがかくいう自分もどこか満足気に目元を綻ばせていたため前方確認が怠っていた。こちらも謝罪の意を込めて軽い会釈を横目に行い、何も告げずすたすたと立ち去っていく) 」
パ サ … ――――――――(その時だった。ぶつかった衝撃によるものだろう。リラが抱えていた本の隙間から、一枚の貸出カードが知らぬうちに地面へ落ちてしまう)
テツヤ「………(変わった服装だな…
あいらが好みそうだ。)(流行の疎さか、あるいはファッションへの無頓着故か、リラの不愛想振りよりもその容姿に僅かに目を奪われていたが…)……?(そんな中、ふと視線を落とした先に落ちていた貸出カードをゆっくりと拾い上げる) 」
テツヤ「……これ…――――― あっ (きっと、さっきすれ違った少女のものだろう。そう思い顔を上げた時にはその行方を眩ませた。)………あとで管理人に預けておくか……?(だが、そのカードを見て気がかりなものを目撃する) 」
ヒロ「……………?(ロビーに座りながら横までリラの姿を見て)見かけない子だな,一体何者なんだ…? 」
青年が目にしたのは、図書室で利用される本の貸出カード。そこには本を借りた日付と本人名義のサインが記されているものである。表と裏、それぞれに15の記入欄があり、最大30名のサインが1枚のカードに記入できるものだった。だが、その裏面の欄はすべて黒く塗り潰されていた。表面も例外なく黒いマーカーのようなもので悉く潰されていたが、例外的に、ある一つの欄に記された日付と名前のみは無事だった。そこに記されていたのは―――――
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貸出日付:2011年03月09日――――――貸出人名義:『 □□□ 』
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テツヤ「………この『名前』……(見覚えはない。少なくとも自身にとっては。だが、本来あり得ないように黒く塗りつぶされたカードの中で唯一免れた『サイン』に眉を顰める。その不自然さ故に。)………?おっ、ヒロか。こんなところで会うなんて奇遇じゃないか。(ヒロとの再会にカードをいったんポケットにしまいこむ) 」
澁谷千手観音菩薩様「もうホワイトデー過ぎたんだからお供えはしないでね?!(ぬるま湯掛けからの金だらい投下と言う名の天罰を終え) 」
テツヤ「ホワイトデー…そういえば、バレンタインデーにあいらからチョコを貰ったんだったな… この仕事が終わったらお返しの品を買いに行くか。さて、と…(工具を手に寄宿舎へ入館。そのまま受付へと向かう)こんばんは。依頼されていた工事の一件で参りました『ジャンクション』の栗藤哲哉です。作業の本題に入る前に、こちら…玄関口で擦れ違った人の落としものです。一応こちらに預けておきますね。 」
稔「あっ、こんばんは。お世話になっております。お話は聞いております。管理人の
ヴォイドさんはただ今席を外しておりますので、私の方で依頼内容や見積もり等の話をさせていただきますね。……?忘れものですね、届けてくださりありがとうございます。(テツヤから本の貸出カードを両手で受け取る) 」
ヒロ「ん,あんたはこの前の店の……なんだ,仕事か?(なんだ,あのカード…?(テツヤを訝しむように見ながら) 」
テツヤ「よろしくお願いします。(稔に会釈し再びヒロへ振り返る)まあ、そんなところだ。俺の店…「ジャンクション」のことは、常連のお前なら今更言うまでもないよな。だが、「ウチ」には二つの顔がある。表向きはリサイクルショップとして。そしてある時は、インターネット上に寄せられる単発業務の依頼をこなす…言わば、『便利屋』としてだ。今回は老朽化した寄宿舎の屋根の工事やネット回線などの見直しをしに来た。「便利屋としてのジャンクション」は、表沙汰にはしていない。言わば知る人ぞ知る一面性だ。ここの管理人は、どこかでそのことを聞きつけて俺に依頼を出してきたわけだが…。 」
稔「はい。実はこれまで数多くの業者に修繕費の見積もりを出してきたのですが、何処かしこも予算を遥かにオーバーしてしまう現実に参っていたところです。そんな時、当管理人が個人経路でジャンクション様の存在を認知したのです。少なくとも今までお会いした業者の中では限りなく費用を抑え、かつ腕の利く方だと判断したためです。 」
テツヤ「しっかし…そうはいってもなかなか無茶な見積もりですよ。この●●●(※規制音)という額で受け持つのはなかなか骨が折れる。だが、それもこの寄宿舎という建物が、多くの人間に愛されているが故だ。ここほど深い"愛着"を持った建造物はない。俺故人としても興味があったものだから、今回の依頼を引き受けたわけだ。(稔からヒロへ視線を移す) 」
はらぺこあおむし「(罅割れた壁の中からひょっこり顔を出してハロウィンのアルバイトをしている) 」
ネモ(LoR)「契約には穴が付き物!愛着や信頼で築かれた書類程見落としがあると後でとんでもない目にあったりするので気を付けましょう!(唐突に現れた全身義体の男が、稔とテツヤのちょうど中間から僅かに外れた位置で杖を持ち、にっこにこで契約を取り持っている)青色の陰湿クソ色男に唆されて図書館に入った後、 」
ネモ(LoR)「青色の陰湿クソ色男に唆されて図書館に入った後、本にされてしまってからすべてが終わりだと思ったものですが…… 」
ネモ(LoR)「いざこの
ケイオスとかいう訳わからん事しか起こらない都市より奇妙奇天烈な世界で契約を見守るのも悪くないですね!はっはっは!!!おっと独り言が多かったですね。気にせず契約内容の確認を続けてください!私は準備しますので! 」
テツヤ「Σうおわあぁっ!?(唐突に現れたスーツ服姿の恵田の知れぬ人物に過剰反応)え、えっ…あ……?あ、あぁ……(とはいってもそれは無理な話だろ…つーかその顔がめちゃくちゃ気になるんだが…)(ネモを他所目に工具を足元に置き、取り出したファイルから契約書を稔へ差し出す) 」
稔「Σひゃぁっ!?(同様の反応である)コ、コホンッ…!よ、余計なことは結構です!これは我々だけの問題ですので…!(寄宿舎の経理をして数年を経験している為か、テツヤほど人外相手への反応は差ほど抑えている方である模様)あ、はい。では、確認いたします。(テツヤから契約書を受け取る) 」
ヒロ「……………な、なんだありゃ…(ネモを見て) 」
ブロリー「な…なんて奴だァ……!(ヒロの隣で謎便乗) 」
あれはなんだ!?(あれはなんだ!?)「 あれはなんだ!? ( > > > あれはなんだ!? < < < )(ヒロの隣にいるブロリーの隣にいるあれはなんだ!?) 」
稔「なんだか頭痛がしてきました 」
テツヤ「(これが噂に聞く寄宿舎での片頭痛現象って奴か…) 」
ネモ(LoR)「しっかしよくもまぁこんなオンボロハウスで経営が成り立つものです。相当な経営手腕や人脈でもない限り不可能に近いものだとは思いますが 」
ネモ(LoR)「住めば都ともいいますからね!どこぞの馬の骨の肥しにならんとするバカ高い税金払ったりする必要がないのであれば、私の食費のことだけ考えればいいだけですし!カネの匂いはしませんが私も身を寄せさせてもらいましょう!部屋の鍵をよこしなさい!! 」
テツヤ「ここの関係者かと思ったらただの部外者じゃねーか 」
稔「これはこれは随分偉そうな客人が来たものですね。傲慢税で1泊340万円になりますがよろしいでしょうか?(半場キレ気味に) 」
テツヤ「(こっちの経理もイカれてんだろ) 」
ブロリー「ハァ~~~~?なぁに言っちゃんてんのお前ェ……???まずお前から血祭りにあげてやる…!(ネモに迫ろうとするがヒロに止められる) 」
ネモ(LoR)「ん?通貨レートはどうなっている……?ガーピピピ(画面が砂嵐になり、情報を模索しはじめる) 」
ネモ(LoR)「ボッタクリではありませんか!!!だからオンボロなんですよ!利益率だけ求めていては破綻の道に赴くだけ!慈善の心で客をもてなせ!!! 」
稔「親切心だけで飯が食えると思ったら大間違いです。働かざる者 食う・寝る・生きるべからずです!あと図々しい方は後々トラブルを巻き起こしかねないので超高等価格で料金を頂戴しております。反論数に応じて更に加算いたします!1泊料金550万と9000千円ですね!!! 」
テツヤ「(俺まで頭痛がしてきた…)あー…その、なんだ。業者の俺が割り込むのも何だが、大目に見てやってください。多分本当に寝所がないんでしょう。金なら代わりに俺が払っておきますので… 」
ネモ(LoR)「なら私は該当しますね!常に稼働し続ける完全義体装備!都市の星絡みの依頼を11件も片付けているんですよ!! 」
ネモ(LoR)「小娘如きにこの成果がどれほどのものなのかは計りしれないでしょうが…… 」
ネモ(LoR)「事務所の職員に対する給料のピンハネなんてしたこともありません!それだけ経済能力の高い事務所を率いていた私が!は!は!は!まさかケツの青い小僧にフォローされる日がくるとは! 」
ネモ(LoR)「本来であれば金銭など腐るほどあるのですがね、こちらに飛ばされる前に預金口座をインプットしておくべきでした(ブツブツ) 」
AKYS「おーーーーーーーーーーーーーい 皆で、死ぬゆーーーーーーーん!!!!!!!! 」
稔「あなたの業績など知ったことじゃありません。支払いor死去の二択だけです。デッドオアマニーです。むぅ……テツヤ様がこんな…コホンッ、こちらの方の肩代わりをするのは私としても気が引けますが…まあ、料金を支払っていただけるのでしたらそれ以上は止しましょう。(そう言うと渋々受け取り口にネモの部屋の鍵を差し出す) 」
テツヤ「悪いな…できれば何事も穏便であってほしいだけなんだ。とはいえ、これから工事に入るからうるさくなるかもしれないが、申し訳ない。 」
ネモ(LoR)「感謝します!最終的に相手が折れるまで交戦を続けるのも契約するための戦法ではありますが、あまり美しいとは言えませんね!(稔から鍵を受け取り、金属の指で鍵の形を確認する) 」
ネモ(LoR)「やはりF社やJ社のような文様はないか……まぁいい。管理人補佐のお嬢さん、今後の契約については私を通していただければ公正に厚い面談を進められますよ!住まわせていただける対価として私の労働力を提供いたしましょう! 」
ネモ(LoR)「それと!栗みたいな青年、貴方に借りたものはいずれ返しましょう!いつになるかはわかりませんが、老いるまで待っててください! 」
テツヤ「(なんか知らねえけど丸く収まってよかった…)お、おう。できれば老いる前に頼む… 」
稔「でしたら、テツヤ様のこれからの工事を手伝っていただけるのでしたら今回の料金を適正価格に引き下げましょう。 」
テツヤ「ん?????(ちょっと待て。適正価格…?つーことは…俺は今550万と9000円の借金をしている…ということなのか……?) 頭が頭痛で痛くなってきた (白目をむいて倒れる) 」
AIさん「この寄宿舎増改築繰り返してるから下手したら億越えもあり得るねっ!?♪(一年間の修繕費用をはじめ各種費用を出力し) 」
― 某採掘場 ―
ズシィン―――ズシィン―――――ズシィイン――――――!(午後20時過ぎ。某採掘場にて。地響きの音と共に出入口から微かに砂塵が撒き散らされる中、内部より出でる者を迎え撃たんと、外には20名状にも及ぶ警察官やパトカー数台で完全包囲が行われていた――――) 」
ハンサム「こちら、コードネーム「ハンサム」。エーテル採掘場BR-5地点のエントランスを包囲した。これより襲撃犯を拘束する。(トランシーバーを手に他の警察官らと共に何者かを待ち構えている) 」
巨腕の鉄仮面「ズシィン―――ズシィン―――――ズシィイン――――!(採掘場内部での地響きが次第に高鳴る。その内部より出でるは、全身を武装した巨漢。素顔を鉄仮面で覆い尽くした筋骨隆々の男。特徴的な左腕には巨大な義手武装が装着されいる。重量感のある左腕によるものか、歩行バランスは凡人より歪な様子が見られるも決して地面を引きずらないだけの筋力が垣間見えていた)……小賢しいな。政府の犬どもが。もう駆けつけていたか。(しかし男の声音に焦燥感はない。それどころか何度も見飽きた凡人を相手するかのような佇まいでその包囲網の注目を浴びていた) 」
ハンサム「……!出てきたぞ、構えろッ!!(警官たちと共に拳銃を構える)……"巨腕"の『プレッシャー』。ここ近頃お前による被害が各所で相次いでいる…!何十人もの命を奪い、ある時は施設を狙う…目的は何だ!? 」
巨椀の鉄仮面→プレッシャー「貴様に答える義理などあると思うか?国際警察官のハンサムさんよ。(鉄仮面の内側よりくぐもった声が発せられる) 」
ハンサム「……!私のコードネームを知っている…?一体どこで… 」
プレッシャー「忘れてしまったようだなァ。そりゃあそうだろうなァ。なにせ世界を股にかける国際警察官サマともなれば何十、何百、何千というゴロツキを相手にしてきてるもんだろう?いちいち顔なんか覚えているワケもねェ。だが、『俺』は貴様のことを忘れやしない。"14年前のあの日"…貴様が割り込んでこなけりゃあ、俺は今頃大富豪になっていたかもしれねェんだからなァ……! 」
ハンサム「……!?(14年前…?私は…過去に「この男」を捕まえ損ねていたのか…?そういうターゲットも未だにたくさんいるが……やはり、すぐには思い出せんか…)……なるほど、わかった。だが、お前が何者であろうと、ここを襲撃したお前をこのまま見過ごすわけにはいかない。大人しく投降しろ!さもなくば―――― 」
モブ警官A「で、なんで俺らアイツと戦わないといけないんスか?あの野郎の動機が見えてきません。ただの強いだけのバカで野蛮人でしかないってんなら警察官が相手するのに単純で分かりやすくて助かるんですけど 」
プレッシャー「さもなくば…―――(重量感のある外見を覆す程の大跳躍。一気に跳び上がり落下した先にいたパトカー一台を目で捉えると)――――"こういうこと"になるぜ ( ズ ガ ッ シ ャ ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! )(鉄槌。剛腕たる左腕によるアームハンマーが車体を紙屑の様に叩き潰し、爆炎が爆ぜた) 」
警察官『ぐわあぁぁぁぁああ!!? う、撃てッ!撃てェッ!! (拉げて爆発したパトカーの衝撃に数名が転倒。顕在する警官は既に構えていた拳銃で鉄仮面の男へ一斉射撃を行い牽制を試みる)』
モブ警官B「チィ!!暴れ出したぞ!!(パトカーを叩き潰したプレッシャーを目で追い、爆炎の中銃口を向け)発砲の許可は!? 」
モブ警官C「今更誰も発砲許可なんて待ってねえぞ射殺しろ!!! 」
プレッシャー「チュン、カキュンッ、キィンッ―――――(完全武装した巨漢の肉体に次々と撃ちこまれる鉛玉。しかし銃弾は肉を食い破り貫くことも敵わず、儚く地面に散乱してしまう。この男にとって銃弾など豆鉄砲以下にも等しく、その程度の牽制で進撃を止めることは出来なかった) ムォォォォオオオオッ!! ("巨腕"を振り回して警察官共を一撃のもとに叩きのめすと、停車された二台目のパトカーを片腕のみで持ち上げ乱暴に投げ飛ばし横転させた) 」
モブ警官A「いや初撃は威嚇射撃でしょうが警察として!!(大型拳銃、スコーピオンを構えて目標に向けて射撃) 」
モブ警官C「人間(パンピー)用の弾丸(タマ)なんか役に立つかよ!!神経断裂弾だ神経断裂弾!! 」
モブ警官D「人間相手に神経断裂弾を撃つんですか!? 」
モブ警官C「G3(オレら)駆り出されるような相手が人類であってたまるかよ!!(大型拳銃スコーピオンにグレネードランチャーサラマンダーを装着しながら神経断裂弾を装填、容赦なく発射する) 」
プレッシャー「(G3部隊に撃ち込まれる重火器、神経炸裂弾を受けて初めて怯みを見せたかのように数歩後退した…しかし―――)……貴様等程度に止められる俺ではない!もはや"14年前"とは違うということを見せつけてやるッ!( ガ チ ャ ゴ ォ ン ッ )(並大抵の人間であれば身動きを取ることさえ不可能な神経炸裂弾を受けても尚悠然と佇む男。その左腕のアーム内部にて、何かがプレスされるような重機音が轟いた) 」
ハンサム「くッ……!?(発砲に動じない巨漢の横暴を目の当たりに一旦距離を置き始める)………!(今まで数多くの犯罪者を相手にしてきた…この類に似た人物も少なからずいた… だが…やはり皆目見当がつかない……!いや、今は過去の詮索よりも先に現状打破を先行せねば…!G3ユニットも前線を張ってくれているが…)やはり"特S級犯罪者"の強さは伊達ではないか………!?(なんだ…嫌な予感がする……!) 」
プレッシャー「 "撃砲(ショック)" ( ┣¨ ォ゛ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! )(突き出されたアームから解き放たれるは衝撃波。扇状に前方90mを越える範囲にいる対象の一切を豪快に"消し飛ばす"痛烈な一撃が、迎撃部隊を無慈悲に一蹴した) 」
モブ警官A「神経断裂弾、効果あり!!……っ、な、何かしてきます!! 」
警察官『何をする気だ…!?とまれェ―――――うぐあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!(射程範囲内にいた警察官やパトカーが、竜巻に呑まれ吹き飛ばされていくかのように中空へと舞い上がり、途方の彼方へと吹き飛ばされていくのだった)』 」
モブ警官D「ぐあああ!!(生身の人間より随分重いはずのG3の装甲を着込んだ人間が容易く吹っ飛び、パトカーに激突してバウンドする) 」
モブ警官B「衝撃波!?腕を勢いよく振ったわけでもない、何処からこんなエネルギーが!?(吹っ飛んでいくパトカーたちを屈んで躱しながら、プレッシャーのアームを観察する) 」
モブ警官G「くっそっ……!!G3ユニットがここまで………!!ぞ、増援を!!増援を呼んで……いや、撤退の指示を!!このままじゃ、全員…!!(パトカーから顔を出し、プレッシャーに向けてショットガンで応戦しながらハンサムに叫ぶ) 」
モブ警官C「ちっくしょう!!火力が足んねえぞ!!ケルベロス持ってこい!!!(悪態を付きながら、グレネードランチャーを放ち後退りながら更なる火器を要求する) 」
モブ警官F「神経断裂弾も、G3のグレネードも通じないなんて……そんな、どうすれば……!! 」
モブ警官A「ケルベロスゥ!?あんなのの使用許可流石に下りるわけないじゃないですか!!! 」
ハンサム「なッ――――がああぁっ!!(幸い射程範囲外にいたものの、その余波によって生身の人間である自身も軽々と吹き飛ばされてしまいその辺の建物の壁に激突・落下してしまう)…ぐっ…ぅ……!何が、起きて……っ……?(とてつもない、力だ……!やはり、政府本部の手を借りなければ……)(しかし、トランシーバーはおろかスマホさえも吹き飛ばされたことで助けを呼ぶ手段を失ってしまっている) 」
あおむし警官「(警察帽を被ったあおむし警官は、このような非常時にもハロウィンのアルバイトをしている) 」
モブ警官C「うるせえ相手は"特S級"だぞ!!ケルベロスでハチの巣にすんだよさっさと持ってこい!!! 」
モルカー(パトカー仕様)「ブルブルブルブルブルブルブル(吹き飛ばされていくパトカーに慄いて隅っこで号泣している) 」
モブ警官H「……なっ、ハンサム捜査官!!無事ですか!くっ………(G3のトレーラーを背後に見据え)……ケルベロス、GX-05ですね…!俺が取りに行きます、責任何てクソくらえだ、後で辞めてやる…!!待ってください!今取って来ますッ!!(ショットガンをその場に置き、トレーラーに向かって一目散に走る) 」
モブ警官B「…………(更なる武装を要求する同僚を横目に、右腕に振動ブレードデストロイヤーを装着し)……銃撃で駄目なら格闘戦を試みる。距離を取ってもあまり意味は無さそうだ(そう言って、ブレードを起動し真っ直ぐに、警棒を振るうように斬りかかる) 」
モブ警官D「……きっつ……(横転したパトカーの下敷きから強引に脱出し、右腕にワイヤーフックアンタレスを装備)……援護します(それを引っ掛けプレッシャーの動きを制限しようとする) 」
プレッシャー「無駄だ…――――― ド シ ュ ゥ ウ ン ッ ! (再び突き出すアームの構えに、誰もが二度目の衝撃波を放つものかと警戒したが、違う。なんと巨大なアームが蛇腹状に伸び始め、近接戦へ持ち込もうとする警官Bを瞬く間にその巨大な手で全身を丸ごと鷲掴んだではないか) ムォォォオォオオオオオ――――――フンガァァアアッ!!!( ズ ッ シ ャ ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! ! )(持ち前の怪力を発揮し、掴んだ警官Bを豪快に振り回しつつ周囲の景観共を巻き添えに薙ぎ払い、トドメの一撃と言わんばりに警官Bを脳天から地面へ埋め込む勢いで叩きつけたのだった) 」
モブ警官B「伸びるのかよッ……!!(激突の衝撃をブレードで受け止めるも、そのまま掴まれて振り回され)がッ!!(脳天から地面に激突。そのままめり込んで火花を上げる) 」
モブ警官C「まじふざけんなよ……(拳銃弾とグレネードランチャーを放ちながらプレッシャーに近づく。弾切れしたと見るやそれを投げ捨て)……上等だ。その御自慢の腕ぶった切ってやるよ(左腕部分から電磁ナイフユニコーンを取り出し、刃を展開して構える) 」
プレッシャー「パラパラパラ…ッ……(舞い上がった土埃が折り変えるように降り注ぐ最中、砂塵の中で巨漢を映す影が揺らめいていた)……皮肉なものだな。"あの時"、貴様等に怯えて逃げる立場だったこの俺が、今や貴様を蹂躙する側に回ることになろうとは…!"新時代"を迎えた
政府軍はその態勢を整え権威を振るってきた…だがッ!その水面下で…この俺もまた虎視眈々と復讐の機会を伺っていた…!俺は"力"を手にした!何物をも蹂躙する圧倒的な力を!これをもって、次は貴様等に反旗を翻す時が来たということだ…! 」
モブ警官A「ハァ……ハァ……なんで一応人類の奴に戦車も一撃で撃破しうる対戦車榴弾がこうも効かないんだよ……ケイオスいい加減にしろよ……(特殊徹甲弾をリロードしながらパトカーの残骸の後ろに隠れている) 」
プレッシャー「今こそ見せしめてやろう…この俺の脅威をッ!!(バジッ、バリバリバリィ…ッ…!)(広域展開したアームが元に戻った矢先、その表面のハッチが展開。それはまるでネジが巻かれるように顔を出した四基のユニットが帯電をはじめた) 」
モブ警官H「(横転したトレーラーに乗り込み、中身を物色)見た事がある……!確かあれは、アタッシュケース型にロックされていた筈………あ、あった、これだ…!(四角いアタッシュケースを抱えてトレーラーから飛び出し)あ、ありました!!これを使ってください――――ッ!!(G3部隊に向け、そのアタッシュケースを全身の力を使って投擲) 」
モブ警官C「ほざけ、テメェはここで死ぬんだよ。逃げ回ってた方がまだマシだったって後悔するぜ(電磁エネルギーがナイフを覆う。グレネードランチャー部分を投げ捨て純粋なサブマシンガンとなった銃を左、コンバットナイフを右手に持ってじりじりと近寄り) 」
モブ警官A「うぇ、俺!?なんで要求した本人がインファイトしてるんだよクソッ……!!(警官Hから受け取ったアタッシュケースを持ち、プッシュキーを見て)……えっと、ロック解除は1-2-3だっけ? 」
《バンゴウガチガイマス》
モブ警官A「嘘だろ順番じゃねえのかよ!!……単純な三桁パスワードだし総当たりで行けるか?いやでもそれだとロックかかるんじゃ…… 」
杉下右京「撃ってはいけませえええええええええええええええん!!!!!撃ってはいけませえええええええええええええええん!!!!! 」
バナナ猫「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭(パトカーと一緒に車内に隠していたバナナも同時に潰されたことで泣いてしまう) 」
モブ警官G「駄目じゃねえか!!ああ、くそっ……!!G3部隊がやってくれなきゃ、俺たちは全滅だ…… 」
刑事猫「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!(ヨシ!名ゼリフ決まった!これで名言入り確定だな!) 」
モブ警官F「ハンサム捜査官!!とにかく下がって!!前線はG3部隊が、まだ持ち堪えてくれています……!(ハンサムを両脇に抱え、横転したパトカーの陰まで運ぼうとする) 」
警察猫「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアいってえええええええええええええええええええええええええええちきしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんぶうううううううううううううううううううううううううううう!(吹き飛ばれ、ボロボロになった警察猫は涙を零している) 」
中務キリノ「大丈夫です!ここは冷静に、まず防寒を無力鎮圧化することから初めましょう!(ハードルを下げないスタイル) 催涙ガスで機動性を削ぐことから試みます!! とうっ!!(横転したパトカーを遮蔽物とし、一瞬だけ姿を表して催涙弾を発射) ボンッ >>MISS<< ボンッ >>MISS<< ボンッ >>MISS<< ボンッ >>MISS<< (全く見当違いの場所に着弾!全く見当違いの場所に着弾!全く見当違いの場所に着弾! ) あれれ……? 」
ハンサム「ぐぅ…すまない……!(警官Fに支えられながら後退していく) 政府本郡へ増援要請はしているな…?なんとかそれまでこの包囲網を維持したいが……! 」
モブ警官A「(クソッ!よりによって俺がもたもたしてるせいで混乱の波が伝播し始めた!!)あの先輩!!ケルベロスのパスコードって!!何番でしたっけ!!! 」
バナナ猫「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭😭😭(外した催涙ガスの巻き添えを喰らってさらに号泣を重ねる) 」
アライさん「やばいのだ!今こそ警察官のアライさんがなんとかするのだ!行くのだアライさん!! 」
新井さん「今の俺は極道ですから…… 」
アライさん「さっさと逝くのだ新井さん 」
プレッシャー「目障りな警官諸共――――― 滅するのみッ!!( バ ゴ ォ゛ オ゛ ン゛ッ゛ ! ! ! )(帯電出力を高めた左腕を掲げてその場で振り下ろす。叩きつけられた地点を起点に放電が半径50mに及び、範囲内にいる者たちを次々と感電させる) 」
モブ弁護士「俺は弁護士だ,お前ら警官とは違あああああああああああ!!!!(あっさりと吹っ飛ばされる) 」
刑事猫「ぎょええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!(盛大に感電してしまう) 」
ノーベンバー11「(工事現場のヘルメットを被りツルハシを構えつつ徐々に後退していく)くっ………金のキノコが栽培できると聞いてきてみればなんというザマでしょうね……! このままでは金のキノコは愚か、松茸すら掘れません!!一時停戦とし協力してあの暴漢を沈めましょう!! 」
モブ警官K「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!(プレッシャーの放つ電撃で吹き飛ばされる)こいつ、なめてやがるな・・・・・!!!なめてんじゃねーぞおおおおおおおおおおおおおっ!!!!しゅんしゅん!!しゅん!!!!じゅばあああああっ!!!!(醜いマスターソードを起立させながらプレッシャーに飛び掛かり、両足を斬りまくる) 」
アーニャ「(うそだろぉ~?)(うそだろぉ~?)(うそだろぉ~?)(採掘場のアルバイトに来ていただけなのに巻き込まれて感電してしまう) 」
モブ警官C「嘗めんじゃねえ(咄嗟にG3の与える怪力をもって土を巻き上げ、放電を遮断しながらその陰に隠れて肉薄)ッ!!(突撃銃を連射しながらその巨体にナイフを突き立てる) 」
エドガー「(同じくヘルメット、ツルハシという採掘スタイルでノーベンバー11と足並みをそろえ漫画走りで後退しつつ)待て待て待てーい!!ここで掘れるのは金のたけのこって話だったじゃねーか!!キノコなら冷蔵庫にしいたけまんが敷き詰められてるって間に合ってるって!!これ打ち合わせしてきたんだよな俺等!!(シュッタシュッタシュッタシュッタ) 」
モブ警官A「もうやだ 」
ピカマッツ「金のマツコを掘れる♀って聞いてきたんだが!!!? 」
権田原 進「金のおしゃぶりがあるって来たんおぎゃ!?どうなってるだうー!!(シュッタシュッタ) 」
モブ警官G「クソっ、効いちゃいない……!ショットガンの00バックじゃあ、毛ほども効きゃしねえ……っ!!おい、何かやる気だ!!皆、遮蔽物に隠れ………ぐわあああああああああああああああああっ!!!!!(慌てて後方の警察部隊に指示を出すも、藩王が遅れて電撃を浴びる) 」
プレッシャー「ムォォォォオオオオッ!!(ガシッ―――――ズオァァァアアアッ!!)(まずは斬りかかってきたモブ警官Kの顔面を前から鷲掴み、同時に進撃する警官Cへ投げ飛ばしてその攻撃を妨害しつつ、二人まとめてタックルで突き飛ばした) ……政府からの増援だと?流石にそれは面倒だな。ならばその前にここにいる連中を皆殺しにしておくかァ!!( ガ チ ャ ゴ ォ ン ッ ! )(左腕のアームの内部より起動音を掻き鳴らす) 」
フレアチューバー剣車「どうせ何不自由なく生きている俺に嫉妬してるんだろ?(ランボルギーニでプレッシャーに欲望を吐き出しながら突撃するも死亡する) 」
モブ警官F「……っ!まだ、到着はしていません!!くそっ、こんな時に……!!精鋭の彼らがいてくれたら……!! 」
モブ警官H「うわああああっ!!畜生、畜生!!また大勢やられた!!!増援はまだ来ないのかよ!!! 」
エドガー「「『金の』しか合ってねえよ採掘メンバー!!もう金掘りに来たほうがややこしくなかったわ!!(ヘルメットを床に叩きつけ) だァー!!(攻撃の余波で吹っ飛んできた瓦礫を屈んで回避) クソッ、こんなことなら真面目に……まじ、めに…… 真面目に賞金稼ぎしてればよかった!!(真面目に不真面目) 出たとこ現役復帰だ、精々金が弾む首であってくれ――――― トンッ よッ!! (倒壊した採掘場の足場を蹴り倒し埋没した地形に橋をかける。波状攻撃の影響を受けない即席の足場をスライド移動で駆け抜け、プレッシャーへすれ違いざま、加速の乗ったボディブロウを仕掛ける) 」
モブ警官C「チッ!!(タックルを受けるも、それと交差するようにナイフで生身の方の腕の腱に傷をつけながら自ら回転し衝撃を受け流し、地面に転がってそのまま飛び上がるように体勢を立て直す)……おい!!ケルベロスの暗証番号は1-3-2だぞ!! 」
モブ警官K「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!(醜く起立したマスターソードから欲望を大量に吐き出し、両手両足が潰れてしまう)うぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!!両腕両足なくなったああああああああああああああああああああああああっ!!!!!! 」
モブ警官A「マジスか先輩!!! 」
モブ警官C「っせえ返事してる暇があったらさっさと展開してコイツぶっ殺せ!!(今度は首狙い。拳銃を撃ちながら自らを地面から蹴り出して、その首筋に向けてナイフを突き刺そうと体重を乗せる) 」
プレッシャー「 ぐふゥ…ッ……?! (そんな折、エドガーの緊急参戦によって繰り出されたボディブロウを受けて数歩退く)……なんだ…貴様…?サツの人間ではないな…?まあいい…俺にたてつく輩は全て根絶やしにしてくれる!! ズシィン――ズシィン――――ズシィイン―――――――! (ついに本気の"殺意"を全面に向きだした巨漢が動き出す。一歩を踏みしめる度に地響くような音が大地を微かに揺らし、自らを包囲する者たちを威圧する) 」
プレッシャー「 ガ チ ャ ゴ ォ ン ッ ――― "一葬(アルマート)" ――― ズドドドドドドドドドドァッ!!!(アームの先端から顔を出したガトリング砲台。そこから連射されるは一発一発が高熱を帯びたエネルギー弾。被弾すれば鉄を模瞬間的に溶かしつくす高熱の弾丸を、360度に渡って放ち続ける) 」
フレアチューバー剣車「(間に合ってランボルギーニで再度突撃するものの高熱の弾丸が直撃して一生欲望を吐き出せなくなり死亡 」
モブ警官D「……(私はもうなんかいいや……) 」
プレッシャー「チュン、カキャン…ッ、舐めるなァ!!( ブ ォ オ ン ッ ! )(ナイフを突き立てる警官Cの接近を、剛腕を振るって薙ぎ払う) 死に晒してやるッ!!!(メゴォンッ!!メゴオォンッ!!メゴオオォォォンッ!!!)(そして、足元に転がっている肢体を失った警官Kを容赦なく踏みつぶす) 」
エドガー「"サツ”マイモ掘りでもねえ……よッ!!(周平の無差別攻撃。回転しながら放たれるソレに対し、一周目の回転を伏せて回避し、二周目が来る直前昇竜の拳を銃身に叩き込んでかち上げる→ 浮遊状態から顔面へ前蹴りを入れ、牽制しつつバックステップ) 見ろよこのザマ!!俺達は……あーいや、俺は!!ここに金のタケノコを掘りに来ただけだってのに、これじゃァ炭しか取れやしねえ!!(両腕を広げ惨状をぐるりと見渡し)……(見渡し……)……。なんか割とマジな状況かこれ 」
モブ警官C「チィ!!(相手の攻撃を利用して、大きく上空に跳ね飛ぶ。空中で回転しながら熱弾を躱し、そのまま重量を乗せてプレッシャーの背後に勢いよく取り付いた)よおく見えるぜ、お前の柔らかいところ(背中から何度も、ナイフを突き入れて抉り込む) 」
プレッシャー「むおッ――――!?(かち上げられた銃身に仰け反る巨漢。続けてその鉄仮面に強い蹴りを叩き込まれてさらに退いていく)…グゥゥ……!ちょこざいなァ…!!だがこれしきで退けられると思うなァ!!( ド シ ュ ゥ ゥ ン ッ ! ! )(アームが蛇腹状に伸びてエドガーへ掴みかかる…が、アームは難なく避けられてしまう。だが、その後方にあった大きな鉱石―― 一般男性の1.5倍ほどの大きさを誇る――を掴み、勢いよく引き寄せることでエドガーの背面目掛けて鉱石で殴ろうと画策する) 」
プレッシャー「おのれェ…!!(がら空きの背中をナイフで何度も突き刺されて初めて流血…しない。確かにナイフは肉体を突き刺している感触こそあれど、そこから垂れてくるのは赤い血ではない。寧ろそれは…"金属を突き刺しているような感覚"であったのだ)ムゥゥウンッ!!(警官Cを振り落とし、横転したところで踏みつぶそうと足を上げる) 」
一般男性「当職より大きい石ナリ,どうしようもないナリ!!( 」
一般デブ社員「おらおらおらおらおらあああああ!!!!(腕を岩と化してプレッシャーの顔を踏み潰そうと試みる) 」
プレッシャー「オラァァァァァアアアアアアアアアアア!(しかし、こちらの顔を踏みつぶそうとするデブ社員を更に押しの退けて粉みじんに踏み潰し、その立派な岩の腕も粉々に粉砕した) 」
キャロル「 ホァ っっっっちゃァァァ~~~―――――――ッッ!!!(口のような栗から掛け声を発しスケボーで滑り込み参戦。倒壊する鉄骨、電柱、機材、それれらを蛇行で尽く回避。スケボーから飛び降りると同時にスライディングを警官Cに入れかっ飛ばし踏みつけの範囲外へ) 秘剣・村人K!! (とっさに取り出した村人Aを水平に構え踏みつけを受け止め拮抗状態になる)グニニニニニーーーー!!! 」
モブ警官C「ッチ、なんだこれ?(手応えに違和感を感じながら、肉を抉る。だが、血は出ない)がっ!!(振り落とされて金属音が響く。地面との衝撃を逃しながら、仰向けになり)ッ!!(ナイフで踏み付けを受け止め、火花を上げながら競り合う)……オイ白髪のガキ、手を貸すなら真面目にやれ。見ての通り鉄火場だぞ!! 」
久米「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!!!!!(秘剣・村人A) 」
エドガー「ナイスカバーだキャロ………なんか人柱になってない?え、大丈夫ソレ?普通に死なない? 真面目に労働しに来たつもりだよ、荒事は業務外だふざけんな(スッと武器を構える感覚でツルハシを取り出し二度見、後方へ投げ捨てフリッカーの構えを取る) 金属音したよな、刺突は入っていたはずだが出血は確認できない。相性は最悪な方だ、貧乏くじの中でも貧乏くじ引いた臭いぞこれ 」
アントニオ猪木「(無言でプレッシャーに一撃を見舞い、砕く) 」
五鬼上「ブゥォォォン!!(額に角の生えた背の高い女性が、警官隊の後方から、白バイで派手にジャンプしながら現れ……空中でバイクを手放して軽く跳び、バイクの車体の身をプレッシャーへとぶつけ、自らは警官隊を背に着地)………あれ、増援は私が一番乗り?非番だったのに………中央警察の五鬼上です。到着が遅れて申し訳ありません……負傷者を下がらせてください、私が盾になりますの…で!(身の丈よりも大きなライオットシールドを展開し、仁王立ちでプレッシャーと相対する) 」
プレッシャー「……気づいたようだな…そうだ、14年前の雪辱を受け、俺は"力"を得る代償に肉体を捨てた! だが、それでいいッ!武器も異能力もだいたいものは軽減できる頑丈なボディ!それがあってこそ俺の武装『ゴーラムを自在に振り回せるというものだ…ッ!!(ガチリッ―――!)(アームの内部で何かが弾ける) "襲巻(サラマンダ)"ッ!! ( ズ ド オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ ン ッ ! ! ! )(アームの先端を眼下の地盤へ盛大に叩きつけると、今度は自身を核に炎の竜巻を生成。燃え盛る竜巻はみるみるとフィールドを焼き尽くし、瓦礫群を呑み込んで焼却していく) 」
モブ警官C「んだてめー格闘家みたいだが人体破壊に特化してるタイプか。まあ格闘家なんてみんなそんなもんか(蹴り飛ばされた先でひっくり返るように起き上がり、同じく構える)関節は多分あるだろ。ブチ折れば動けねえはずだ。それにグチャグチャにすりゃ肉体(ナマ)だろうが機械(メカ)だろうが動かねえよ 」
ハンサム「増援のほど感謝します!しかし、対象の男は更に暴走行為を強めている…!このままでは被害が拡大する一方だ…!G3部隊以外の者たちは後方撤退!急ぐんだ!! 」
モブ警官D「こっち!!撤退ルートはこっちです!!(撤退の殿務めるって体で私も下がるか…) 」
エドガー「ゴリラに言えそういう理屈、あとグラップラー。 っとォ!!キャロルも下がれ!ていうか帰れもう!!村人Aは置いてっていいからッ!!(大きくバックステップを踏み後退、範囲外まで下がるが熱風で僅かながらダメージを負う) おいやめとけって、人間以上に保った機械なんざあっても曰く付きだぞ、ろくなことになんねえって。(警官のおっさんの言う通りこのままじゃ二次被害が拡大する。あんまやりたくねえが速攻で沈めに行くしかないか……) 」
モブ警官H「っ……た、助かった……あ、後は頼みます!!おい、しっかりしろ!!撤退だ!!(負傷者達を背負いながら、後方へと離脱していく) 」
プレッシャー「やれるものならやってみろッ!一筋縄では崩せんことを証明してやるッ!!(竜巻が消滅し、中より現れ出でた巨漢の肉体もまた赤熱を帯びていた) ガ チ ャ ゴ ォ ン ッ ―――― "撃砲(ショック)" ―――― ┣¨ ォ゛ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! (先程警察官共を瞬く間にその8割を壊滅させた強烈な衝撃が、再び放たれた) 」
五鬼上「ささ、下がってください。とりあえず今私がするべき事は、死傷者の数を減らす事。相手の戦力はまあ……今の所は分かりませんが……何とかしますよ。(警察官らしからぬ、派手な色のスカジャンを羽織り直して気合を入れ)そこな民間人の……ああいや、アレか……エドガー・アルクィンとキャロライン・ヴァン・シュテインですねあの二人……じゃあ逃げて貰わなくてもいいや、交戦してるみたいだし。それじゃあ、気張りましょうかね…!(警察官らしからぬ派手な柄のスカジャンを羽織り直し、自身の前面に、ライオットシールドを前面に構え、それ一本で強引に熱風を遮りながらプレッシャーへとにじり寄る)ああっつッ……!! 」
モブ警官C「(熱は問題ねえ、衝撃波は……ッ)躱わすしかねえかッ!? 」
エドガー「(先の広範囲攻撃、一方通行。なら根本は――――)―――― トッ (撃砲(ショック)射出より0.2秒前。射出前に懐に潜り込み0距離へ。 ) ┣¨ ォ゛ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! (撃砲(ショック)射出。轟音に包まれる中、踏み込みと同時に貯めていた拳を正面、プレッシャーの右腕部へ……) ゴ ッ ッッッ (突き穿つ。狙うは、右腕部の第一関節(ジョイント)、可動域を担うナット。そこへ鉄拳による打撃をねじ込み"関節破壊"を狙う) 」
キャロル「おあ~~~~~~~~・・・・・・(難なく衝撃波でふっ飛ばされ、気をつけの姿勢のまま回転し飛んでゆく) 」
《カイジョシマス》
━━━バ ラララララララララララララララッ(その瞬間。衝撃解放の次の瞬間に、その空を突き破って無数の徹甲弾がその機体を抉り取るべく飛来する)
プレッシャー「なにッ―――――(いつのまにッ!?)(衝撃波を放った直後…否、放つ直前に潜り込まれたエドガーの姿を捉えるもその反動によって対処することは叶わず、強靭かつ頑丈な造りをしたアームの関節部位へ繰り出された衝撃を受けて―――)―――ボグゥォォオンッ!!( !!? )(初めて、内部より爆ぜるような音が轟いた。外装にもその損傷の兆しが表れ始めた)ンのれぇぇぇぇええええええッ!!(左腕…ではなく、何も装備されていない右腕を振るってエドガーへラリアットを繰り出そうとする) 」
プレッシャー「(――――!!)ンヌガァァァァアアアアアアア!!!?(ボギュンッ、ボガァンッ、ズドオォンッ、ズッガアアァァァアアンッ!!!)(何かが解き放たれる音に振り返る。すると、すぐ目の前の視界を覆い尽くさんばかりに飛来する徹甲弾の雨に驚嘆。唖然するが故に対処への反応に遅れ、真っ向からその爆撃が直撃。張り叫ぶ断末魔から、今度は確実に効いていた)ズガガガガァー…ッ……!(後方へと盛大に吹き飛ばされるが滑るように着地する)……グゥゥ……おのれェェェェ……ッ…!!ふざけた真似をォ……!! 」
リラ「 コツン…コツン…コツン…―――――――― (喧騒止まぬ採掘場での騒動。そんな現場に不釣り合いな雰囲気を醸し出す一人のゴシック少女が、吹き荒れる砂塵の中を悠然と横断していた) 」
ハンサム「……!あのプレッシャーを追い込んでいるぞ…!このままいけば、もしや―――――!?(着実に攻め落としている様子だったのも束の間、殺伐とした戦場に迷い込んできた一人の少女に驚愕する)い、いかん…!一般人が紛れ込んでいるぞ…!!先程の衝撃波の影響で通路の封鎖が解除されてしまったか…!? 」
エドガー「 ┣" ゴッッ ( 被 弾 。 ラリアットはエドガーの顔面を的確に捉える。だが"動かない"。前後へ開いた足が地面に突き刺さり、そこから根が広がるかのように衝撃が流れ、亀裂が刻まれるのみ。 口端から赤を垂らしつつも、掌に拳を重ね関節を慣らしつつ顔を上げ) 何にキレてたかは知らねえがな、痛みの伴わない拳じゃ何も感じ取れねえ。残念だったな、あんたはもう干上がるしかねえよ (包拳礼のようにして肘を突き刺し間合いを離す→ バックステップで僅かに後退し、助走をつけてからの) ┣" グッッッ (スライド移動と同時に放つ右ストレート。狙うは左腕の"関節部(ジョイント)) 」
五鬼上「(衝撃を受けても尚動じず、新たな乱入者を認めると盾を軽く払い)おや、おやおや、良い弾幕じゃん……ああ、いや、弾幕ですね……何にしろ、仕事が楽になりました……!(プレッシャーの足元へと一気に駆け寄り、盾を大きく振り上げ……)こういう時こそ、シンプルに……ごおらっしゃァッ!!(プレッシャーの左足目掛けて盾を叩き付け、その脚を砕きに掛かる) 」
プレッシャー「 ぐふッ――― ゴ ァ ァ ァ ア … ッ゛ … !? (肘打ちが腹部にクリーンヒットした直後、渾身の右ストレートによって更なる追い打ちをかけてアームの関節部に負荷が与えられる)うぐぉあ…ッ…!(連携を取り始めた五鬼上に左足に一撃を受けてさらに後退し始める)お…ぉぉ…ッ……?!(い、いかん…ッ!まだ"調整"が終わっていなかったか…ッ!おのれ…このガキ…!細いなりをしてデタラメな火力を…!)……!(エドガーを前に尻込みをしたのも束の間、そこにふらりと迷い込んできた謎の少女「リラ」を目撃して何かを閃く) 」
プレッシャー「……かくなる上は…―――― ガ バ ァ ッ ! (追撃をしかけ…ない。なんと、付近に現れたそのリラを人実に取るように彼女を右腕で強引に抱き寄せたのだった) 動くなァッ!!動けばこの小娘の命はないと思え…ッ!! 」
モブ警官C「ケルベロス、遅えーがベストタイミングだ(何が起きたのかを理解した様子で、再びプレッシャーの背中に張り付く)ラウンド、ツゥゥゥゥ……(再び、彼のナイフが電振を帯びて、彼の致命(バイタル)へと突き刺さる) 」
モブ警官C「人質ッ、ねえ。てめえみてえなのの、やりそうなことだぜ。どうだ、その嬢ちゃんの死とてめえの死、どっちが早ぇか、試して、みるか? 」
エドガー「いい盾じゃねえか、フライパンより効く鈍器がこの世にあるなんてな(警官かこいつ……おっかな、世話になりたくねぇー……) !! おい現場入られてるぞ黄色いテープ貼ったのか!?(――――気配を感じなかった、それに呼吸の乱れ一つ無い……五感のどっかが麻痺しているのか……!?くそ、あんな華奢な体じゃ奴の親指で簡単にちぎれる。意識を失った後の硬直ですら危うい……!) 」
リラ「………――――――――― (騒動に微塵も振り返る様子もなく、ただただ目の前の道を歩くだけだった少女。気が付けばその身を強引に寄せられ、巨漢の右腕に抱かれてしまう。半目だった眼が、驚愕で微かに見開かれるが、不気味なほどに動揺も狼狽も露わにしない。崩されることのない無表情を保つ少女は大人しく人質を演じるかと思われた、次の瞬間だった――――――) 」
リラ「 ジ ャ ラ ァ ――――――― ッ ! (ぶらりと垂れ下がった少女の右腕の袖の内側より、十字架のアクセサリーが顔を覗かせた) 」
キ ュ ガ ア ァ ――――――――― ッ ! (次の瞬間、十字架より蒼白い閃光と衝撃が迸り、夜の世界を眩く照らしだす。蒼い光源が殺伐とした空間を青一色に染め上げていた―――)
プレッシャー「ぬおぉぉあ…ッ……!?(人質にして痛い少女から迸る閃光、そして衝撃に吹き飛ばされて思わずその身柄を解放してしまう)…なんだ……この小娘…ッ……?! 」
五鬼上「どうもどうも、ま、物理攻撃の基本は質量ですので……結局の所、小細工を弄するよりこういうやり方が都合が……(プレッシャーがリラを掴んだのが目に入り、二撃目に移行しつつあった動きを止める)………っと、吹き飛ばしましたかぁ~………何かあるのは間違いないと思ったんですが、まさかここまでとは 」
リラ「 コ ォ ――――――― ン (大気を震わせる微かな蒼い衝撃。巨漢を退けた少女がその冷ややかな眼差しを向けるかのように振り返ると…何もなかったはずの右手に白い弓が握られていた) 『 追明星の炫耀《 アスピレート・デルージ 》 』 (おそらく、顕現された武装の名称だろう。覇気のない声音で囁くと、今度は左手の手中に「矢」を生み出しす。弦に添わせる様に射手の構え。その矛先を巨漢に向けると―――)―――― ヒ ュ バ ッ (一矢を、放つ) 」
プレッシャー「……弓矢か…何者かは知らんが、まさかそんな「矢」如きでこの俺を射抜こうとは思わないだろうな?無駄だッ!!銃弾にも劣る「矢」如きで俺を屠ろうなど―――――――― ッ゛ ! ! ? (――― バ ゴ ォ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! ! )(―――しかし、"射貫かれてしまった"のだ。自身を象徴付ける強靭なアームが。あのエドガーの爆裂級の打撃や、G3部隊が誇る切り札を受けても尚完全破壊に至らなかった、あのアームを)が…ッ……あ……!?(射貫かれ、瓦解するアームの残骸に言葉を失う) 」
モブ警官C「っとてめえ動くんじゃね……わお。 」
エドガー「なるほど道理だ。そこにああいう―――――(貫通、一点突破で"全体"が粉砕されるアームのし獣を見つめ口端を引きつらせる) 精密性をもってこられたら装甲なんざ紙ペラだな……(野次馬か……?元々採掘場かなんかだよなここ、何をしに来たんだ……) 」
リラ「……汚らわしい。吐き気を催す程に。貴方程度の低俗な蛮人如きが気やすく触れるなど、『神』が許しても私は赦さない―――――――― 有 罪 (ハイライトの無い瞳に、殺意の眼光が揺らめいた) キ ュ ガ ア ァ ッ (再び何もない左手に矢が一本生成される。無から有を生み出すその仕組みに、エドガーは既視感があった。大気中のエーテル物質を「矢」の形に落とし込んでいるのだ) グ ッ ―――――― ジ ャ キ ィ ン ッ (弦に重ねた一矢が、その時点で「6本」に一斉分裂) ヒ ュ バ ッ (すると今度は巨漢本人ではなくその頭上目掛けて6本の矢を放った) 」
ガッ―――ガッ―――ガッ―――ガッ―――ガッ―――!(6つの矢が巨漢を取り巻くように周囲に突き刺さると――)―-―― ギ ュ゛ ガ ァ゛ ッ゛ ! ! (6本の着地点を結ぶように走り出した蒼い光線が六芒星を描き、宛ら固有結界の様に展開された陣中に男を"拘束"した)
プレッシャー「何を言って……?馬鹿め…何処を狙って――――――ンぐぅぅぅううッ!!?(6本の矢が生み出した結界に捕らわれて身動きを封じられてしまう)(なんだ…ッ…身体が、動けん……ッ……!?まさか…あの小娘の術式か何かか…!?おの、れェ……!!!) 」
五鬼上「……まあ、膂力と質量でどうにかならなかったら気合か回避か魔力ですかね、彼女のは……最初のですかね。(似たような魔術を見た事がある……様な気がする。
ウェルドにでも調べさせるかな、あいつ多分喜ぶだろうし)……拘束出来るほどの持続的な出力。怖いですねぇ 」
リラ「 カ ツ ―――――――― ン (白いブーツで一歩を踏みしめて靴音を掻き鳴らすと共に、展開された青い結界に向けてしなやかな右の人差し指を突き出す) ピ チ ョ ――――― "蒼茫ニ染マル楽園(カエルラ・レクイエム)" ――――― ン (指先から滴る雫が、今、結界の中へと静かに落ちる―――――) 」
┣¨ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! (夜空を、瞬く間に青が染め上げる。六芒星の結界から光柱型の爆炎が天に向けて登り、内部に捉えた巨漢を瞬く間に裁きの光で滅す――――――)
プレッシャー「 ォ゛ ゥ ッ゛ ? ! ! (瞬きをした直後、気が付けば自身は宙空へ打ち上げられていた。何が起こったのか理解できない。超新星の如き大爆発を受けて、その強靭な肉体が焼け焦げて蒼い残り火が付着している。そのまま弧を描く様に暗闇の森林の中へと煙を上げながら墜落し、以降採掘場に戻ってくることはなかった―――――) 」
エドガー「―――――(知っている。 無から有を、そして己から発するでなく、周囲にある力を我が物とし使役する"神からの寵愛"がごときその魔力の使い方を。その切っ先が、自身に向けられたことに覚えがある)――――。通行人にしちゃ場違いが過ぎないか……?(倒した。結果だけ見ればそれで万事よしだが……) 」
モブ警官C「ちょっと焦げた(プレッシャーに張り付いていた彼は、爆炎から投げ出されて勢いよく転がった)……あれなんなん? 」
ハンサム「……………―――――― ハ ッ ! (その衝撃の一部始終二対見惚れていたのも束の間、我に返ると慌てて身を乗り出す) 対象は2時の方角へ吹き飛んだ!あの重症体だ、そうすぐには逃げ出せるとは思えない!すぐに奴を追跡して捕獲を!(他の警官たちに指示を出し、自身はリラのもとへ駆け寄っていく)君…!大丈夫かい…!?どこか、怪我はないかね…!? 」
五鬼上「……(アレ見てた上で) 」
五鬼上「……(アレ見てた上で"大丈夫かい"か。嫌いじゃあないんだけどなあ………)通行人にしちゃあ、確かに余りにも場違いですよねぇ……迷い込んだにしちゃあ、あのフリフリのおべべに汚れが少なすぎる様に見えますし、警察が反封鎖してた坑道に居る訳が無いんですよ。目的をもってアレや私たちの前に出て来たのでなければ……あっ、これ憶測の独り言ですのでお気になさらず 」
リラ「………(気にかけてやってくるハンサムに振り返る様子もなく、少女はその手に握らていた弓を消失させる)………"あの時"と同じ。結局貴方はは何も救ってくれはしなかった。警察なんて、いつもそう。陰に血を流して身を投じ、決して光に当たろうとしなかった"英雄"とは違う。(はじめて他人と視線を交わすも、その眼光はあの巨漢に向けたものと大して変わらない敵意を剥きだしていた。すぐに視線を逸らすと何事もなかったかのようにハンサムを、そしてエドガーの目の前を横切っていく) 」
ハンサム「………???(リラの言葉の意味を理解できないのか、困惑気味に小首をかしげていた) 」
エドガー「ソレに関しては普通に検証して次に活かしてもらいたいね。ちなみに俺は元々ここで金のタケノコ掘りしてた善良な一般市民です。テープは超えてません。はぁ……金の……タケノコ………一本で30万………(額を抑え項垂れる。その最中も指の隙間からリラを見据え)…………。(想定している身分は3パターン。だがどれも往来をぶらついているようなそれじゃない……あのゴリラが連中に追われるような重要人物とも思えない、というかそうならふっ飛ばさずに拘束してたしな) 」
ネオメタルキャロルチャン「ついてく…ついてく…ついてく…(大量のキャロルちゃんがリラに続いて歩きハンサムの眼の前を横切っていく) 」
エドガー「増えるな着いてくな 」
モブ警官C「っつう……きっつ〜。あれなんなんすかね(左半分が焦げたアーマーを引きずり、ハンサムたちの元に近づく)あ、そこの銀髪のガキも協力サンキューな 」
ヒロ「(今日のヒロ、いつのまに踏み潰されてた) 」
五鬼上「お宅の関係者は奇行が多いのでそこはまあ、今更突っ込みませんよ。アレも込みで(分裂したキャロルちゃんを指さしながら) ……この図体と歳でゴスロリ着る訳には行きませんからね、現場検証担当は別に用意してもらうか……捜査畑からは外れて久しいしなあ…… ああ、行ってらっしゃいお気を付けて……あっ、あと一つ……成果は芳しくないかもしれませんが、警察官は結構血も汗も流して頑張ってるんですよ、とだけ頭の片隅に留めといてくださぁい……(胸元に仕込んだペン型の隠しカメラでリラを密かに撮影しながら、もう片方の手を振り)……さて、それじゃあ私は吹っ飛んでいった人を探しに行きますかね。バイクぶつけなきゃよかった 」
リラ「………(立ち去ろうとする最中、エドガーの視線に気づいたのかどうか定かではないが、歩みを止めて彼の方へと振り返る)………あの男の「腕」。既に大きな罅が入っていましたが、アレは貴方が?おかげで簡単に仕留めることができました。(あの一連の騒動の中で、この少女は既に見抜いていた。人質にされた際に巨漢のアームが既に破損状態であったことを静かに観察していたのを。その脆弱性を貫けば簡単に瓦解することも。男を射抜いた潜在能力に留まらず、常人には決して理解できない推察眼を持っていることが伺えた) 」
エドガー「幸い俺の知り合いのサツは真面目で勤勉で……あっ、ギャン中がいたけどまあ、筋がっ通ったのばっかだ。そこは疑ったことはねえよ(ひらりと手を降って五鬼上を見送り、自身もその場を後にしようとした目線を変えると) いっ(リラに呼び止められ足を止める)――――液体金属、形状記憶合金。接合部を必要としない金属生命体なら、あんたの矢も含めて容易くなかったろうな。機械である以上分解すれば終いだ、工程が丁寧か雑かの違いぐらいだな。あんた一人でもわけなかったろ 」
モブ警官A「いやーケルベロスって反動めっちゃきついっすね。あ、どうも。ご協力感謝します。……ってかあのコどっかで見たような?(ケルベロスを担ぎながら、彼らに合流する) 」
リラ「さて、どうでしょう。少なくとも余計な手間を省くことができましたので。(含みを利かせるような物言いを覆い隠すように口元に手を当てる) 時代は移ろい、"英雄"様の姿形は見えなくなりました。しかし、その威光は脚光を浴びるものです。私からすれば、他ならぬ私も含めて凡人などその足元にも及ばない。残念ながらこの世は有象無象であふれ返っている。だから先のような男が蛮行を繰り返す。だからこそ、いつの世も"英雄"が求められるのです。 」
リラ「不思議ですね。貴方を見ていると、何故だか思い出します。私が憧れていた"英雄"様の後ろ姿を。……ふ…… なんて、戯言ですね。(はじめて零した微かな笑み。感情など捨てたものだと思われた少女が初めて垣間見せた本性の一片。慎ましさの中にある秘められた純愛の如き微笑みは、エドガーにはこれまた見覚えのある誰かを彷彿とさせた)……与太話が過ぎましたね。失礼いたしました。(軽く会釈をし、今度こそ踵を返して優雅に立ち去っていくのだった―――) 」
リラ「(採掘場から離れた暗闇の地を、淡々とした足取りで進みゆく)――――(ああ、汚らわしい。なんて、汚らわしい。『神』に純血を捧げると誓った以来、お義兄様にさえ抱かれることのなかったこの体に。ダニのような輩如きに…)………帰宅したらすぐに聖水で清めなければなりません。『貴方様』にこの身をいつでも捧げられるために。 」
リラ「……嗚呼……それにしても…今日は大きな収穫を得ました。また一歩、『貴方様』に近づけたことの喜びを。この喜悦のひとつひとつに大切にしていきますね…愛しき運命の人 ――――――――― 」
――――――――――― 『 清辿様 』
プレッシャー「―――――……ッハァ……ハァ……!(一方、思わぬ乱入を受けて致命傷を負った巨漢は渓谷の川沿いで伸びていた体を起こした)…調整を怠ったが故の油断…そのツケが回ってきたか……!まだまだ侮れない連中もいる……だが…あの小娘……何処かで見覚えがあるような…… 」
プレッシャー → ×××「カシュゥゥー……―――(エドガーの回し蹴りを受けて罅割れた鉄仮面の表面に手をかけると、その装着部が解除され。内側より蒸気が噴き出す。明かりひとつない暗闇の渓谷に曝け出された「素顔」は、歯ぎしりをしていた)……まあ、いい… そのうち思い出すことになるだろう。それよりも、エーテル採掘場で得た『コイツ』を差し出さねばな……『財団』に……――――――(大きな手中に握られたアンプル。透明な容器の中にある奇妙な色をした液体が、闇夜の中で不気味に輝いていた――――) 」
― 翌日・寄宿舎 ―
テツヤ「……ふぅー…今日から本格的な工事の開始だな。(借り上げた一室から工具箱を手に現れる)泊りでの作業になるからと部屋を安い金額で貸してもらえるのはありがたい。一度この建物には訪れてみたかったところだから仕事の合間にゆっくりと館内を見物できるしな。さて、今日は客室部のネット回線の配線工事か。明日に回さないように早急で片付けないと……ん…?(ロビーへ移動したとき、何かを発見したかのように眉を顰める) 」
稔「お待たせいたしました。お忘れ物の「貸出カード」はこちらでしょうか? 」
リラ「……! コ ク リ … (稔から差し出された1枚のカードを見て食いつくように受け取った) 」
テツヤ「……あれは…昨日の…… 」
稔「……?ああ、おはようございます、テツヤ様。ちょうど、こちらのテツヤ様というお方が貴方様の忘れ物を届けてくださったんですよ。(テツヤがロビーにやってきたのを見るや否や、目の前にいるリラに彼の存在を促した) 」
リラ「…………あの (稔に促されてテツヤへと振り返る。昨日は互いに視線を交わす間もなく擦れ違うだけの赤の他人同士だったが、ここで視線と言葉を初めて交える) ありがとうございました。とても大切なものでしたので、すぐに届けてくださったことを感謝します。(深々とお辞儀する) 」
テツヤ「ああ…いやいや。落し物が無事に持ち主の元へ戻ってこられて本当に良かった。俺は生業上リサイクルショップを営んでいてな。生前の持ち主の品物に触れる毎日だが、その中には持ち主を失った「寂しそうな物」もある。そういうのに触れると、心の底からあるべき場所へ帰られるといいなと思う。もしも見つからなかったとしても、新たに帰る場所が見つかることも、同時に祈っている。だから、「そいつ」が無事に誰かの手に渡った瞬間を見届けられて、俺も嬉しいよ。 」
リラ「………詩人みたいなのです。 」
テツヤ「よく言われるよ。だが本心に偽りはないよ。吟遊詩人でもミュージシャンでもないからな俺は。(はははと乾いた苦笑を零す)……ご紹介に預かった「テツヤ」だ。リサイクルショップ「ジャンクション」を営んでいる。今は縁あって、この寄宿舎へ工事にきている。表向きは中古屋だが、裏の顔は便利屋なんだよウチは。……あんたは、この辺じゃ見かけない形(なり)をしているが…まさかこの辺の住民とかじゃあないよな…? 」
リラ「……テツヤさん、ですね。はい。私は遠い地より「ここ」へ参りました、『 リラ・ライラ 』と言います。 」
吉良吉影「そして私の名は吉良吉影 」
虹村凶作「そしてこの私はその寄宿舎の建築技術を全て受け継いだ正統後継者である♬ 」
稔「聞いてちゃいねーです(しゃしゃり出る野郎どもを一蹴) 」
テツヤ「……?遠いところから、わざわざこんなところへ足を運ぶなんてな。しかも、わざわざ「そいつ」(貸出カード)を受け取りに来るあたり、なにか縁があると見るが…ああ、いや、俺故人の軽い疑問符だ。気にしないでくれ。………(ふと、貸出カードを大事そうに握っているリラのその手元に視線を落として眇める) 」
テツヤ「……だけど個人的に一つだけ、どうしても気になることがある。答えづらいなら無理に口にしなくてもいいが、あんたが持っているその「カード」。そこからただならぬ"愛着"を感じる。いや…もはや"愛着"以上の深い執着ともいうのか…そいつを拾った時に直感的に気付いたんだ。そこに記された『名前』のことも。その時感じた。あんたは、カードそのものではなく、その『名前』に何か深い縁があるんじゃないかって。 」
テツヤ「 探しているのか ――――― 『 清辿蒼 』って人を 」
リラ「――――――――――――――――――― 」
リラ「………………貴方は、"運命"というものを信じますか? 」
テツヤ「……? 」
リラ「私は、この目で視たことがあります。概念的で、抽象的で、決して一概に説明のつくものではないものだと、あの時の私もそう思い込んでいました。ですが"運命"というものは、直面した一人一人によって視えたり視えなかったり、姿形さえも種々様々。私が視た"運命"は、まさに、『あのお方』だったのです。(手に握られた貸出カード。全体的に黒く塗りつぶされたその表面に唯一顕れていた『サイン』に、少女は静かに視線を落とす) 」
貸出日付:2011年03月09日――――――貸出人名義:『 清辿蒼 』
リラ「……少しだけ長くなりますが、聞いていだけますか?断ったとしても語らせていただきます。これは、語らわずにはいられないのです。私の…『 運命の人 』と出会ったお話を―――――― 」
16年前 ―――― 2009年11月30日
あれは、15年以上も前の出来事です。今の『 リラ・ライラ 』と名乗るよりも以前に、私には『 アリス・ヴェーハー 』という本名がありました
その当時は大企業だったエーテル産業企業「
シェルベール Co.」の代表である両親のもとに生まれた一人娘でした。 裕福な家庭に生まれ、何不自由のない悠々自適な生活を送っていました。しかし裕福であるが故に、お金で買えないものはない成金至上主義だった両親からの寵愛などなく、幼き日の私は広い部屋の中でただ一人寂寥感を共にするだけの日々でした
そんな生活を送り続けて7歳を迎えた頃です。会社で起きた不慮の事故により父上が殉職されました。しかし後に知りましたが、それは表向きに発表された虚偽報告。実態は、家族に内密で違法で淫らな饗宴へ定期的に赴いていた父上を突き止め愛想をつかした母上が、会社の実権を奪うべく雇用した殺し屋の男に殺害されたのが真実でした
ですが、殺し屋の突然の裏切りによって母上も殺害されてしまいました。因果応報の報いと言われればそれまでのことです。しかしその男は、令嬢である私を人身売買として売却するために邸宅を襲撃してきました。幼き日の私は…その恐怖のあまり逃げてしまったのです
アリス(※当時7歳のリラ)「 ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ (燃え盛る豪邸。爆ぜて砕け落ちる窓ガラスの炸裂音。燃え移った木々が倒壊する地響きの音。幼き少女にとって地獄とも呼べる光景が、すぐ背後に広がっている。これは悪い夢だと自分に言い聞かせながら必死に逃げ出している。帰る場所を失った少女に、行く宛などないにもかかわらず―――――) 」
ガイル「――――― ズ ガ ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! (瓦礫で埋め尽くされたエントランスを吹き飛ばし、灼熱の業火をバックに姿を現した大柄の男。黒尽くめの格好はいかにも殺し屋の相貌を彷彿とさせるが、特徴的なその左腕には簡素な造りをした伸縮自在のアームが装着されていた) 何処へ逃げようが無駄なことだ、小娘。由緒あるヴェーハー家の御令嬢…テメェは奴隷として高く売り捌ける。いや待て…あるいは、小娘を利用し…この俺が企業の実権を総取りするのもアリか…?まあいい。いずれにせよ生け捕りに変わりはない。 」
『 ガイル・ハールディン 』 ―――― A級犯.罪者 懸賞金52万
どれだけ逃げおおせようとしても、向こうがどれだけゆっくり迫ろうとも、不思議とその距離が縮まることはありませんでした。屋敷の召使をはじめ、助けに来てくれる人など当然いません。暗いくらい、足元も悪い森林地帯の中へ飛び込んで隠れようとしても、男はこちらの居場所など把握しているかのように容赦なく攻め立ててくるのでした。
アリス「 ハッ、ハッ、ハッ…――――――― あ っ (お気に入りのドレスは既に襤褸切れ同然のようになれ果てて、白い頬にできた擦り傷から赤い弧線が糸引くように描かれている。そんな満身創痍の体でようやく森林を抜け出せたのも束の間、そこは町から遠く離れた闇の川沿い。街灯などの明かりもない暗がりの開けた場所で足がもつれて転倒してしまう。すぐに起き上がらなければ、逃げなければ。でなければ、あの男に掴まってしまう。愛を教えてくれなかった両親の跡を辿るかもしれない。必死の形相で地面を這い蹲り、腕に力を込めて立ち上がろうとするが、うつ伏せから仰向けに寝返るだけで精いっぱいであった) 」
ガイル「 ズ シ ィ ィ ―――――― ン … ッ … ! (やがて男は幼女へと辿り着く。進路を遮る木々の何本かをそのアームで鷲掴み、ぽっきりとへし折り、あるいは引っこ抜いて乱雑に投げ飛ばし、拓けた先に彼女をその目に捉えたのだ) おじさんとの鬼ごっこはお終いだ。さあ、一緒に来てもらおうか。安心しな。殺しゃしねえよ。愉しいことをしようじゃねえか…なァ…?(アームの先端部をガチガチと掻き鳴らしながら、着実にその距離を縮めていく) 」
アリス「 ヒ ッ ―――――――――― 」
冷徹。無情。退屈。悔恨。欺瞞。背反。殺戮。乖離。孤独。恐怖。戦慄。そして、絶望。幼き日の私が大人から得たものは、今でも忘れがたいものでした。そして間もなく、死去を知るのだと、その時の私は直感しました。こんなに息が詰まりそうな程に苦しいのなら、もういなくなりたい。生まれてこなければよかった。
心の何処かで、迫る絶望を受け入れようとしている自分がいたことも、忘れたわけではありません。目を瞑れば、次の瞬間には生まれ変わるかもしれない。今度は素敵な人生を歩めますように。そんな一縷の望みを祈りながら。
ガイル「 オ ゥ ―――― ッ ! 」
しかし祈りは――――
ガ キ ィ ―――――――― 魔の手を弾く刃の閃きが闇夜を照らす ―――――――― ン ッ゛ ! ! 」
ガイル「な……に……ッ……? 」
―――― 思いがけない程に早く届いてしまったのです 」
アオ「―――――――――――(そこに、人影があった。闇夜の中に確かな輪郭を帯びて。既に振り抜かれたその右手には、鋭利なナイフが握られている。スローモーション化した世界において、散らされた火花の中で強い眼光を男に突き刺すように向けていた。徐々に明るみになるその姿は、黒い短髪の青年。爽やかな紺色のジャケットに身を包んだ、どこにでもいるようなただの好青年。しかし、その表情は凡人には持ちえない覚悟を表していた) 」
アリス「 ! ! ! 」
『 運命 』を ―――――――――― 手繰り寄せたのです
ガイル「……貴様…何者だ…ッ……!? 」
アオ「(男の問いかけに応える様子はない。それどころか、殺意を剥きだす男を前にして、青年は背後に倒れている少女に横目を向けだした) もう、大丈夫だ。君を助けにきた。 (晴天の空を照らす太陽の様なあたたかさを表現した青い眼差しと共に、少女を落ち着かせるような不敵な笑みを送った) 」
アリス「………!(はじめて家族以外に向けられた笑顔。しかし、張りぼてを演じていた両親のそれとは何かが違う。そこには嘘も偽りもないような、心の底からの微笑みであることを、後になって感じ入る。見つめられるだけで、不思議と安心感が込み上げてくるような感覚を得た) 」
ガイル「この俺を…――――――― 無視するなァアッ!!!( グ ォ ゥ ン ッ ! ! )(大木をなぎ倒す怪力を有する大きなアーム素を装着した左腕を振り上げ、対峙する青年に向けて殴りかかろうと迫る) 」
アオ「 ヒ ュ ッ ――――― ガ リ ギ ャリ リ ィ ッ ! (柔和な瞳が瞬く間に鋭さを帯びる。向かい風を纏う男の鋼の巨腕を前にナイフ一本で立ち向かう。解き放たれたアームの先端、関節部、左肩に至るまでの表面を、その小さな刃のみで削り抉るように振り抜く。背後の少女に被害を及ばせないためか、弾かれた方角は120度の方角。男の不意討ちをものともしない返しの一手。鋼の装甲に熱線を描き、火花を散らし、ついに男の左肩を切り抜いた) 」
ガイル「なにッ…!?(この餓鬼…一瞬の判断でかわした…ッ…?)―――――貴様ァッ!!(上空へと弾かれたアームを引き寄せるように身を翻し、背中合わせになったアオをそのまま薙ぎ払おうと迫る) 」
アオ「 ヒ ュ バ ッ (背後から横一文字に薙ぎ払おうと迫るアームをナイフで再び弾――――かない。そうすれば体格差で押し負かされ、その反動で隙を晒してしまう。咄嗟の判断で身を屈めてアームが頭上を過ぎるのを、辛うじて闇夜を照らす月明かりが齎した影のみで判断。反撃の瞬間を捉えると――)――― で ぃ や ぁ ッ ! ! ( ザ ギ ィ イ ン ッ ! )(瞬時に逆手持ったナイフによる、昇竜拳のモーションで繰り出される切り上げで男の左肩を切りつけた) 」
ガイル「グォ…ッ……?!(大振りの巨腕が空ぶったことで無防備な左肩を曝け出し、そこに一撃を加えられて怯むように後退していく)舐め…――――るなよォッ!!( ド シ ュ ゥ ウ ウ ン ッ ! )(突き出した掌で青年に狙いを定めると、アームが爆発したように一気の伸び出して掴みかかろうと迫った) 」
アリス「 あ っ (「危ない」――――心の中でそう叫びかけるが…) 」
アオ「――――!(男の隠し玉。伸縮するアームの接近には流石に驚きを隠せずにはいられなかった。それでも――)――― ぎ ぃ゛ ッ゛ ! ! ( ギ ャ リ リ リ リ ィ ―――― ズ ガ ガ ガ ガ ガ ッ ! ! )(5方向に開かれたアームの掌の表面を、真正面からナイフの切っ先で突き出す様に受け止めにかかる。圧迫する衝撃を緩和せんと両足を踏み込んだ大地に、双脚の跡が描いてく) 」
ガイル「ニィッ―――――甘いッ!(まさか受け止められるとは思ってもみなかったが、まだ終わりではないと口角を吊り上げる。開かれた大きな五本指で青年をそのまま鷲掴んだのだ)――― ゥゥゥゥォォォオオオオオアアアアアッ!!!(豪快に頭上で振り回し、大きく投げ飛ばした) 」
アオ「―――― ッ ! ? (がっちりと鋼の手に掴まれ、その身体が浮かび上がる。絶叫マシンよりも生死を感じ程スリリングな回転に巻き込まれて歯を食いしばる中、その身体が水平に投げ飛ばされる)……ッ……ッ……!!(森林地帯へ放り込まれていく中で、まだ成熟しきっていない若木の表面に、横たわった態勢を維持したまま着地。辛うじて弾力性のある若木をバネのように踏み台とし、Uターンするように飛び出した) 」
アオ「 ぁ ぁ ぁ あ あ あ ッ ! ! ( ザ ッ ギ ィ ィ ィ イ イ ン ッ ! ! )(ロケットのように飛び出したその勢いを利用した横一文字の断裂を、大柄な男の体表へと斬り伏してすべるように着地した) どんな理由があろうと、か弱い女の子を大の大人が執拗に突け狙うもんじゃないな!(追撃に叩き込んだソバットを起点に、反撃として繰り出される男のアームによる打撃をナイフ一本で退ける) 」
ガイル「 ぐ ゥ ゥ ゥ ゥ … ッ … … ! ! ? (あの態勢から復帰するなど予想だにしなかったのか、身構えていない態勢で反撃の斬撃をその身に受けて致命傷を得る) グゥッ…!小僧…!貴様には関係のないことだ…ッ!!(蹴りを叩き込まれて嫌悪感を剥きだしながらアームを縦横無尽に振るう。その度に避けられ、あるいは弾かれてしまう中で、相対するこの青年にようやく危機感を覚え始める)(この餓鬼…タダ者じゃない…ッ…!デキる……!!)ゥゥゥウウウオオオオオッ!!!(剥がされた距離を、再び伸び出したアームで補う。再度アオを掴み、今度こそ仕留めようと躍起になるが―――) 」
アオ「それでも―――― バ ッ (伸び出たアームをギリギリまで引き付け、ここぞというタイミングで跳び上がるとその長い鋼の腕に飛び移った) タ ッ タ ッ タ ッ タ ッ タ ッ タ ッ ! (地面よりも不安定な鋼色の綱渡りを、華麗に駆け抜けていく) あんな怯えた目をした女の子を放っておけるわけがないだろッ!! (啖呵を切ると共に水平に振り抜かれた刃。その軌跡は何処か蒼く煌いていように見えた) 」
アリス「――――― ! (青年の張り叫んだ言葉を聞き逃しはしなかった。両親からの愛情を受けてこなかった当時の彼女にとって、彼の言葉は衝撃だった。"愛情"というものを生まれて初めて知ったのだから――――) 」
アオ「 は あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ―――――― タ ン ッ ――――― あ ァ ッ ! ! (間合いを詰めたところでついに飛び出すと、男の顔面部目掛けて殴りかかるような姿勢。目一杯振り抜かれたナイフを素早く振り上げ、その顔面部を切りつけた) 」
ガイル「 ヌ゛ ガ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ッ゛ ! ! ? (顔面に刻まれた斬痕。左頬から額部にかけて――青年の慈悲によるものか、幸い眼球部はその致命傷を免れていた――深い切り傷が瞬く間に走り、鮮血が噴き出す。慌ててアームを縮ませると素手で顔面部を覆い尽くし後ずさりしていく)…き…貴様ァァァア…ッ!!!(憎悪を孕んだ激昂を。顔面部を片手で押さえつけながら青年を血走った眼で睨みつける) 」
アオ「 ス タ ン ッ … ―――――まだ、やるかい?(着地後、狂気の眼光を露わにする男と対比するように落ち着いた構えで尚もナイフの先端を突き付けたまま一定の距離を保つ。致命傷は与えた。誰の目から見てもこちらに優位がある。そう思われたが―――――) 」
ソニック「シタタタタタタッ――――――ん?あれは…アオか!(ちょうどその頃、川沿いをランニングしていた青いハリネズミが現場を目撃。知人のアオの姿を捉えると一目散に彼のもとへ駆け寄っていく)おーい、アオー!そこで何をして……Oops!?(あまりにも暗い夜道だったためか、普段転倒することのないソニックですら石ころにつまずいてしまい図らずとも頭からアオの背中へ突撃してしまう) 」
アオ「ん…?今誰かの声が聞こえたよう―――――― な゛ぁ゛!?(振り返ろうとした矢先、背中に強打したソニックの頭部によってシリアスな表情が崩壊。コメディカルな白目を向いて吹き飛んでいく:1hit) 」
ネス「おーし、来週の試合に向けて今日から練習すっかー!(ちょうどそこに何も知らないただの住民が現れ、バットの素振りを始める。不幸にも、吹き飛んできたアオをかっ飛ばしてしまう) 」
博麗霊夢「なにが強欲の壺よ!入れた賽銭が次元の彼方へ消えちゃったじゃない!あの詐欺教祖やりやがったわね!?絶対許さない!!!(騙されて購入させられた強欲の壺を適当にぶん投げるとアオに直撃してしまう) 」
ハンマーカービィ「ぽよぽーよ!(その辺の大木を使って達磨音として遊んでいたがハンマーが飛んできたアオを殴り飛ばしてしまう) 」
スライム「プルプル…ボク、スライム博士じゃあないよ…!(吹き飛んできたアオをぼよんと撥ね飛ばす) 」
海馬瀬人「ウワハハハハハ!!深夜のカードショップへ全☆速★前☆進★DA!!(猪突猛進で驀進し、吹き飛んできたアオをも吹き飛ばして突き進む) 」
メタルマリオ「くそっ!!!!!!パフェがああああああああああああああ!!!!パフェが!!!全部!!!!!!!パフェ食うのやめた(悟り)パフェを食う(一日目)パフェを食う(二日目)パフェを食う(三日目)食後(パフェ)のパフェを食う(四日目)みんなとパフェを食う(五日目)パフェの素晴らしさが広がる(六日目)パフェ屋さんをはじめる(七日目)株式会社パフェを立ち上げる(八日目)パフェでグローバリゼーションが進展する(九日目)パフェ親善大使に任命される(十日目)大統領になる(十一日目)さあパフェを食おう!!!!!!!!!!!(空になったパフェの容器をぶんぶん振り回していたところにアオに当ってしまう) 」
チルノフ「( ˘ω˘ )スヤァ…(吹っ飛んできたアオの先にいた) 」
ドナルド「ランランルー★(例のポーズで地面から現れ、吹き飛んできたアオを突き上げた) 」
ベジータ「避けろォ!ナッパァ!!(ナッパを上空をぶん投げるがちょうど同じタイミングで空へ打ち上げられたアオと激突してしまう) 」
アオ「げぶっ!(ネスのバットに殴られて2hit)あぎゃあ!?(強欲の壺が直撃し3hit)ぶげぇっ!?(ハンマーに殴り飛ばされ4hit)うわっぶ!?(スライムの弾力に弾かれて5hit)なん(海馬に突き飛ばされて6hit)でっ(メタマリのパフェにぶつかって7hit)こん(寝転んでいるチルノフにぶつかって8hit)なっ(ドナルドに突き上げられて9hit)目にぃ!?(ぶん投げられたナッパと空中でぶつかり合って10hit) 」
ルイージ「うわあああああああああああああああああああああああ誰かとめてくれえええええええええええええええええええええええええ!とめられなくて情けないよぼくはあああああああああああああああああああああああああああああああああ!誰か助けてくれえええええええええええええええええええええ!(その頃、ルイージロケットの暴発によって世界を6周していた哀れな類似が水平線の彼方からぶっ飛んできて墜落してきたアオに激突し、そのまま7周目コースへ突入) 」
エレン・ベーカー先生「悪い生徒にはキツイお仕置きをします!Fu〇k you!(金属バットで不良少年共をボコボコにしていたところ、かましたスイングが吹っ飛んできたアオをかっ飛ばしてしまう) 」
クリーパー「ジジジジ………ボッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!(その辺を徘徊していたクリーパーが意味もなく爆発。ちょうど飛んできたアオを巻き添えに吹き飛ばしてしまった!) 」
初音ミク「あ らっつぁっつぁーやりびだびりん らばりっだんりんらんれんらんどー わばりっかったーぱりっぱりーばりびりびりびりすてんれんらんどん やばりんらんてんらんでーあろーわらばどぅぶどぅぶどぅぶどぅぶでーいぇぶー わでぃっだーりんらんれんらんどー だがたかたかとぅーとぅーでーやどぅー(スーパーの帰り道に購入したネギを振り回しながら歩いていると飛来してきたアオをぱこーんとネギで弾き飛ばしてしまった) 」
ワリオ「俺だよワリオだよ!! 」
ケンジャキ「(0w0)< アンダドーゥレハ!アカマジャナカッタンテェ゙…ウェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!(アンデッドとの戦闘中、ただ謎に傍観しているだけの橘さんに歩み寄ろうとしたところに飛んできたアオにどつかれて一緒に転倒する) 」
サイコマンティス「ブラック・アウト!! 」
ブロリー「ダッ☆ダッ☆ダッ☆ダッ☆ダッ☆ダッ☆ 遺影ッ!!!!!!!!!!! \クソマァ!!!!!!!/ (夜の公園でムシケラサッカーをしていたら横転してきたアオとついでにムシケラを両方蹴り飛ばしてしまう) 」
ヒデオ「ピ――――――――――――――――――。 」
まっちょしぃ「大丈夫オカリン?プロテイン飲む?(ムッキムッキのマッスルポーズを取ろうとしたら運悪くアオにアッパーカットをかましてしまう) 」
杉下右京「まちなさああああああああああああああああああああい!まちなさいったら、まちなさああああああああああああああああああああああああい! ウッッッッッッ (>>>BGM♪:相棒 / 終わりの始まり<<<)(逃走犯を追いかけていたところにアオに激突して共倒れ) 」
逃走犯のYND「なああああああああああああああああああああかああああああああああああああああああああああああ(右京さんにぶつかったアオに連鎖的にぶつかって宙を舞う) 」
ガイル「…………フゥン!(こちらへ吹っ飛ばされたアオをアームで薙ぎ払う) 」
アオ「ちょまあぁ!?(ルイージロケットにぶっ飛ばされて11hit)ぎゃひんっ!(エレン先生のバットにかっ飛ばされて12hit)うげええぇぇ!?(クリーパーの爆発に巻き込まれて13hit)ネギくさ!?(ネギに弾かれて14hit)知らないし!(ケンジャキと共倒れで15hit)クソマァ!?(そろそろ解放されるかと思った矢先にムシケラシュートで16hit)おぶぉぉお!?(まっちょしぃのムキムキボディに殴られて17hit)とまっ(右京さんに激突して18hit)てえぇ!!(続けて隣のYNDともぶつかって19hit)いっだあぁ!?(最終的にガイルに殴り飛ばされてようやく謎の不運の連鎖から解放される:20hi 」
アリス「あっ……?!(ピンボールの様に次々と撥ね飛ばされた末に謎の満身創痍を受けたアオの姿を痛ましそうに見守る) 」
ガイル「……何が起こったのか理解できないが…まあいい…俺としては寧ろ好都合……!(突如アオに降りかかって災難中の災難。ボロボロになった青年の姿を見て勢いづけるかのように歩み迫る) 」
アオ「っ~~~~~~~……!は、ははは……だ、大丈夫…こういうのには慣れてるから、さ……(ハチの大群に刺されたかのように膨れ上がった顔で無理矢理笑顔を取り繕う)…ッ………!(とはいえ、流石に今の痛すぎた……軽く、眩暈もしてきた…このままじゃ……)(背後で蹲る少女を庇うように低い体勢で防衛の意を示す) 」
ガイル「ククク……ッ――――――― ボ ギ ィ イ ン ッ ! ( !!? )(しかしその時、唯一の武装である左腕のアーム。そのストッパー部分が崩壊し、左腕との癒着が外れかかってしまう)ぐゥ…ッ!?(急に圧し掛かる重量感。装着時ののバランサーとして機能していた部品が戦闘での衝撃で破損したためか、歩行感覚が衰退し始める) 」
アオ「………!(これまでナイフで与えてきた布石が効き始めたのか、男の身にも起きた不運に静かに不敵な笑みを浮かべる) 」
ガイル「オ…ォ……ッ……!?き、さま……ッ…!まさか、これを狙って……ッ……!(圧し掛かる左側への極端な重圧に、狼狽と怒りを混ぜ込んだ視線を向ける) 」
ウーーーーーーッ!(そんな時、三台のパトカーが現場へ急行しにやってきた)
ハンサム「そこまでだ…!(急停車されたパトカーから他の警官たちと共にガイルへと駆け出していく)A級犯.罪者のガイル・ハールディンだな…!目撃情報を受けてお前を拘束しに来た!大人しく投降しるんだ! 」
ガイル「ッ……!?(クソ…ッ!こんな時にサツまで回ってきやがったか……!今は不味い…ッ…!小娘は諦めて一度退くか…!あと、一歩というところだったのに……あの小僧のせいで…ッ……!)ちきしょう……ッ…!覚えていろ小僧…ッ!この恨み、いつか晴らしてやるからな……ッ!( ガ チ ャ ア ア ァ ン ッ ! )(警察の追跡から逃れるために破損したアームを無理矢理脱着。崩れ落ちる鋼の残骸をまき散らしながら暗闇の向こうへと逃げていくのだった―――) 」
警察官『逃げたぞ、追えッ! ハンサム捜査官!後は我々にお任せを! 待て、ガイルッ!(逃走する男に対し拳銃を発砲させながら追いかけていった)』
ハンサム「危ないところだったね…!君たち、大丈夫かい!?そっちの少年は重症だな…すぐに救急車を呼ぶ! 」
アオ「………(恨み言を零して逃げ往く男が消えゆくのを最後まで見届け、ようやく立ち去ったところで緊張感がほぐれたように肩の荷を下ろした)あはは…い、いや…俺は大丈夫です。この程度の傷は日常茶飯事なんで…それよりも、『この娘』のことをお願いします。あの男に襲われていたんです。 」
ハンサム「そう…なのか……?分かった… 万が一症状が悪化したら、念のために私に連絡を入れてくれ。君の治療費を警察で負担しよう。事情聴取も行いたい。傷が感知してからでいい…いつか私の元に連絡をお願いしたい。(そう言ってアオに名刺を差し出す)この娘が…そうか、君が守ってくれたんだね。ありがとう、少年。一応名前を伺ってもいいかな…? 」
アオ「 『 アオ 』 ――――――― 『 清辿蒼 』といいます 」
アリス「………………… 」
それが、はじめて目にした『 運命 』というものでした
真っ暗なあの夜の中で…『彼』の笑顔は"晴天"のように明るく照らされていたのを、今でも鮮明に思い出します。 まさにその『名前』の通りの人でした。本当に、素敵な方でした
アオ「……?(ふと、少女の視線を感じた。彼女の顔にもはや恐怖も困惑もないことを感じると何を思ったのか、周囲を見渡し始める。何かを見つけた青年はその方角へ小走りで駆け出し、そこで何かを拾い上げて再び少女のもとへ駆け寄ってくる)……怖かっただろう?ああ…今の俺の顔も怖いくらいボロボロだけど…君が無事でいてくれて本当に良かった。 」
アオ「 どうか、これからはずっと君が笑顔でいられますように 」
そう言って彼が差し出してくれたのは、一凛の花でした。
仄かな香りを放つ紫色の花。遠目に見れば青にも近い、鮮やかな色をしていました。
幼き日の私は外に出たことがないものでしたから、その花の名は知りませんでした。
ですが後にある人に教えていただいたのです。
その花の名は―――――
―――――――― 『 ライラック 』 ――――――――
最終更新:2025年06月02日 21:48