グリム戦役

グリム戦役()


1年前に収束した北方の大陸の戦争。また、その戦争における一連の軍事行動の総称。別名北方戦争。

小国がひしめき合う北方大陸の中で最大規模であった北端のグリム帝国が、その極寒気候ゆえの資源の少なさを補うために周辺諸国に対する侵略を始めたのが発端。

平和を乱す完全な侵略戦争であったため、各地の平和維持を旨とする複数組織が周辺諸国への支援を表明。北方連合軍を結成しグリム帝国軍との100年に亘る激しい戦いを繰り広げる。

以下はグリム戦役における主だった軍事行動

※以下追記自由


・ハルピー紛争撤退戦

戦争が勃発してから80年程が経過した後、紛争地帯に隣接した周辺諸国の不満が高まり、民衆が集団決起して発生した紛争活動から連鎖していった一連の騒動。別名ハルピー紛争撤退戦。

あまりに長期化した戦争により発生した小康状態の矢面に立たされていた、帝国との境界線に最も近い「ハルピー合衆国」は長年不満を溜め続けており、当時不作の続いていた影響により物資の供給も滞っていた事を切っ掛けに不満が爆発。
国民が連盟に対して長らく遺憾を示し続け、駐在する武力集団による威圧感を感じていた市民が合衆国を中心にして一斉に武装蜂起して紛争が発生した。

入手経路の不明な高品質の武装を伴い決起した市民に対し、細やかな抵抗であろうとやや対処を甘く見た事が災いして連合軍は苦戦を喫する事となる。
また、帝国とも小競り合いが続き些か気が緩んでいた事も否定しきれず、物流の悪化も相まって対応は泥沼化した。
挙句の果てには騒動に乗じた帝国が一気呵成に攻め入り、ハルピー合衆国を含め連合軍は手酷く敗走する羽目となった。

堰を切るように押し寄せた帝国軍と蜂起した民衆、それらに対応した合衆国自警団や駐在連合軍などが入り乱れて混迷を極めた紛争の行方は帝国の圧倒的大勝となり、これを期にグリム戦役は末期へともつれ込んでゆくこととなる。
戦場では敵味方の区別すらまともに出来ず、連合軍は苦汁をなめながらも厳しい撤退戦を強いられる事となった。わずか一ヶ月に満たない電撃作戦による出来事である。

最前線で戦っていた合衆国の民衆、自警団と連合軍の大半は戦死、ないし捕虜として捕縛される等酷い結末を迎えている。
命からがら逃げ延びた者や、撤退戦を指揮し辛くも生還に導いた者たちは密かに英雄視されており、後述のソロモン公国攻防戦に並ぶ名声に繋がる事も多い。
一方で、この紛争自体が帝国の密偵や工作員によるデモ活動により引き起こされた紛争ではないか?と疑問視する声も多く、生存者や活躍した者に対する嫉みもしばしばある。

紛争の渦中となったハルピー合衆国はこの一件が原因で滅亡してしまい、現在は慰霊碑がかつての国の中心に建てられている。


以下はハルピー紛争撤退戦の参戦者

  • ケフェウス・パンディオン
ハルピー合衆国自警団団長。33歳、故人。
後述するハルピー十傑集第四席とは兄弟関係であり、合衆国の自警団団長を務めていた。
何よりも真っ先に紛争の鎮圧に当たっており、不幸にも最前線に立ってしまった事により急襲する帝国軍に為すすべも無く攻撃を受け急死した。
事態鎮圧の総指揮を取っていた団長の急死により伝達網と指揮系統は瓦解、得てしてこれが連合軍にとっての最大のターニングポイントとなる。


・ハルピー十傑集

血みどろの戦いとなったハルピー紛争において撤退戦で活躍し、被害を食い止める要となり英雄視される十人の人々。かつての戦いを知る者達やハルピー合衆国の生き残りからは畏敬を込めて十傑集と呼ばれる。
後述のソロモン十二使徒と比較しても知名度は高くないが、知る人ぞ知る存在として今も年老いた伐刀者の昔話として引き合いに出される事も多い。

当時24~25歳、Aランクの伐刀者。十傑集第一席、『絶護の烏喙』或いは『混世勇士・烏喙』と呼ばれていた
Aランク伐刀者として既に活躍し、当時最前線を警戒する要職に就いていたため撤退戦を指揮、あわや全滅の危機にあった連合軍や合衆国の民衆への被害を辛うじて食い止めた。
奇妙な話ではあるのだが、戦場で彼の姿が複数見えたという眉唾ものの証言もある。しかしながら、混乱した状況下での見間違いであるという声が多い。
現在は重犯罪者としての側面が強く、既に十傑集としての席と記録を抹消されているが、合衆国の生き残りや当時の生存者達からは今も尚英雄視されている。

  • ピネウス・パンディオン
ハルピー合衆国自警団副長。32歳、故人。十傑集第四席、『絶壊のピネウス』或いは『ハルピーの鬼神』と呼ばれる。
自警団団長は民衆の対応と帝国の急襲により急死してしまい、やむを得ず総指揮を執っていた人物。
咄嗟の窮地に数少ない民衆の生存を優先させるために烏喙の指揮下に入り撤退戦を全面支援、猛追する帝国軍相手にたった一人で殿を務めて壮絶な最期を遂げたと伝えられる。
故人ではあるものの、功労者である烏喙たっての希望もあって第四席に数えられている。



・ソロモン公国攻防戦

超長期戦争によって国力が著しく減衰したグリム帝国が、帝国を含めた周辺諸国と同盟を結び中立を保つソロモン公国へ奇襲侵略をかけた戦い。別名ソロモンの戦い。

宗教国家であるソロモン公国は歴史的に常に中立に位置しており、豊富な国有資源を用いた貿易路を周辺諸国と結ぶことによって平和と潤沢な国力を維持していた。
グリム帝国もその恩恵に預かっていたが、戦局の悪化によって国力が減衰。ソロモン公国へ奇襲をかけることによって豊富な資源を奪い取ろうとした。

北方大陸の中央部分に位置し、貿易路により交通の要所ともなっていたソロモン公国は戦略的にも重要な箇所であり、奪おうとする帝国軍と護ろうとする連合軍の激しい総力戦となる。
あまりに激しい戦いと拡大された戦線により元々戦争の備えが弱かった連合軍は兵力不足に陥り、連合軍の一角である魔導騎士連盟は学生騎士の動員を決断。

伐刀者における成人の満15歳以上であり、かつCランク以上の実力者に限った上で本人の同意を得て募ったものではあるが、当時の連合軍の切迫した状況を物語っている。

結果として帝国軍は手痛い敗戦を喫し、北方周辺諸国と停戦条約を結ぶこととなる。約1年の戦いの中で帝国・連合両軍の死者はグリム戦役最大数となる最悪の戦いであった。

この戦いに参戦し活躍した者は北方大陸だけでなく世界中の軍事関係者に名が知れるほどであり、
特に学生騎士でこの戦いに参戦し帰って来たものはその戦果に関わらず「戦争帰り」「実戦組」「ソロモン帰り」などと呼ばれ畏敬の対象となっている。

しかし過酷な戦場で障害やトラウマを抱えた学生騎士も多く、魔導騎士の道を諦めた者もいる。


以下はソロモン公国攻防戦の参戦者

  • 玄田水穂(学生騎士)
当時15歳~16歳、Cランクの伐刀者。
当初は後方支援を任されていたが、その卓越した戦術立案能力を買われ指揮官として部隊を任されるようになる。
戦場以外でも多くの謀略を張り巡らせ、グリム帝国の軍部を内側から瓦解させる一因となった。
"最も悲惨な戦い"と称される「ベリンガルド包囲戦」の指揮官。
これによって水穂はこの戦いを知る者たちから多大な勇名と悪名を同時に手に入れた。
本来ソロモン十二使徒に数えられてもおかしくない戦果だが、イメージの悪さから外されている。

  • 天嶺院麗央(学生騎士)
当時15歳~16歳、Cランクの伐刀者。
卓越した戦闘能力を評価されていたが、落ち着いた物腰とは裏腹に敵陣に正面突破を断行する場面が多く見られ皮肉を込めて「突撃姫」と呼ばれた。
当時許嫁が存在し、共に戦場に立っていたが戦死している。

  • シオン・フロックハート(学生騎士)
当時15~16歳、Cランクの伐刀者。戦後Bランクに昇格される。
姉のエリヤほどでは無いものの多くの戦果を挙げ、「フロックハート姉妹」の名を確固たるものにした。
エリヤ同様修道女の姿で戦場に立っており、その姿は宗教国家であるソロモン国民たちにとって希望であったという。

  • 明智 乃悟
当時36歳。Bランクの伐刀者。
固有霊装の性能、身体能力、戦術技巧共に高く総合してAランクに届くかと噂される実力者
自ら先陣を切り後衛に続く兵の犠牲を抑えながらも、勇猛果敢に切り込み隊長を勤め上げ『ソロモン十二使徒』に数えられる程の戦果を上げていた。
しかし伐刀者側の数少ない敗戦として記録される『バシリア戦線』にて第三勢力の介入を受けたことにより敗走。
この際受けた太刀傷が原因で左足、左腕が凍傷となり戦線離脱。
処置が遅れた為左足を切断し現役を引退せざるを得なくなった。

  • 泉北 牧乃
当時25歳~26歳、Bランクの伐刀者。
輸送時のトラブルに遭い、比較的遅れて戦線に投入される。
前線に配属されて以降は、機動力を活かしての少数での遊撃と奇襲を担当した他、主に防諜において高い功績を上げた。


  • 蓮井千奈
当時23歳。Aランクの伐刀者。
身体能力を生かした遊撃、さらに広範囲の襲撃を担当して高い功績を上げた。
その功績を評価され、後に西舞学院魔導騎士部の副顧問から顧問となる。

・ソロモン十二使徒

北方における最悪の戦争といわれるソロモン公国攻防戦においてソロモン公国の防衛に尽力し、大きな戦果を挙げた十二の人々。特に北方大陸においては英雄視される。
数百・数千年の後には神話のように語られるであろうと言われている。

  • ベテルギウス・シュヴァルツシルト
ソロモン公国騎士団長。第一使徒、『聖鎧のベテルギウス』と呼ばれる。
巨大な甲冑に身を包み、その力でソロモン公国を守護した聖人に数えられる一人。

当時16歳~17歳。ソロモン公国騎士団団長補佐。第二使途、『聖雷のペルシカ』と呼ばれる。
詳細はキャラページを参照。

  • エリヤ・フロックハート(学生騎士)
当時16~17歳、Aランクの伐刀者。第四使徒、『聖罰のエリヤ』と呼ばれる。
学生騎士であるにも関わらず異例の戦果を挙げ、ソロモン十二使徒に数えられた。

当時16~17歳、当時Bランクの伐刀者。第六使徒、『聖花のブランシェン』或いは『ソロモンの天使』と呼ばれる。
高ランク伐刀者を代々輩出してきた名家、ラザフォード家の嫡女。
南部国境付近で行われた作戦で多大な戦果を挙げた他、花畑の広がる記念公園の設立にも参画。
戦果に加えて公国内でのアイドル的な人気と、後の魔導騎士とソロモン公国のイメージ向上の一翼を担った事からソロモン十二使徒に数えられ、総合ランクもAに格上げされている。

当時17〜18際(ハルジオン時空27〜28歳)、当時Bランクの伐刀者、後にAランクへ昇格。第七使徒、『聖火のイグニード』或いは『煉獄覇王辻村』呼ばれる。
彼女の母国がグリム公国の隣国である事から、伐刀者の派兵が本格化するより以前の初期からこの戦役に参戦し作戦参謀を勤めた。
余談ではあるが『イグニード・ヴァレンタイン』は彼女の『本国』における名であるとのこと。
漸劇のハルジオンでのみ該当地位に着く

当時16歳、当時Cランクの伐刀者。第九使徒、『聖滅のウェスペル』或いは『ソロモンの凶鳥』と呼ばれる。
高速機動と広範囲殲滅力を活かしたゲリラ戦を幾度となく繰り広げ、縦横無尽に帝国軍を食い荒らし、然る後にBランクへ格上げされた。
本人たっての希望により、極力その名前は伏せられているが、凶鳥としての名声は北方大陸で広く知れ渡っている。

当時■■歳、Aランクの伐刀者。第十使徒、『聖龍の■■■■』と呼ばれる。
『龍』に操り、宙空を駆け巡って戦場の武士を圧倒的火力による恐怖で屈服させた。
その制圧力を以て戦力の差を知らしめ降伏を促すことで両軍の犠牲を最小限に抑えることに勤めた功績からソロモン十二使徒に数えられる。
「ベリンガルド包囲戦」』以降、その英雄譚は弦を切ったかのように途絶えている。
漸劇のハルジオンのみに登場

当時20代の女性。第十二使途、『聖愛のアンナ』の呼ばれていた。
グリム戦役において、はじめて"開花漸閃"(ハルジオン)の覚醒を遂げた唯一の人物であることが後に明かされる。
終戦後、激戦で蓄積された過労により死亡している


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最終更新:2024年04月29日 16:43