スコルピウス
- 読み
- すこるぴうす、すこるぴおす
- 綴り
- 登場
- Moira
- CV
- 若本規夫
- 意味
- 人名。アルカディアの王族で、妾腹であるため王位継承権は現王の王子達より低かったらしい。が、野心家であり、邪魔者を抹殺してでも王位を襲わんと策謀していた。
- 声が若本というだけでも圧倒的な存在感を持つ。
- 名前からして毒蠍がモチーフと思われ、通常版のジャケットにも、赤い長髪がまるで蠍の尾のように反り返った形で描かれている。
- 『運命の双子』では、平和に暮らしていたポリュデウケス親子の元へ兵を引き連れて現れ、己の部下になれと強要し、容れられないとなるや、兵に襲わせる暴虐を見せた。その際、自ら王国の双璧と謳われた勇者ポリュデウケスと剣闘しており、個人的な戦闘力も相当高かったものと思われる。
- このとき「ラコニア軍は既に掌握した」と言い放っているが、隣国ラコニアの軍隊を操るほどの謀主であるという意味なのか、王国を実質支配していたのかは不明。
- なおポリュデウケスに「なぜ剣を棄てた」と面詰しているところを見ると、神託の件での「取り替え子」には気づいていなかったかもしれない。
- :|『死せる者達の物語』で「妾腹と蔑むならば蔑むがよい」「世界の王となるのはこの私だ」と、蓄積された執念と鬱屈した野心を嘯いている。
- 「世界の王」に拘るのは、やはり神託「雷を制す者、世界を統べる」を、己の事と信じているのであろう。傍流にあるとはいえ、「雷神の眷属」である矜持は高いようだ。
- ちなみに、「嫡子レオンティウス王子の庶兄」とする説、「現国王の庶弟(つまりレオンティウスの叔父)」とする説がある。
- :|『死せる乙女その手には水月』で、巫女であったアルテミシアを生贄として殺しているのは、このスコルピオスだといわれる。この時襲撃者は、「水神(ヒュードラ)よ、受け取り賜え」と言っているが、これは「水神眷属の王国」ラコニアとの繋がりを暗示しているのかもしれない。
- いずれにせよ、この星女神(アステラ)の神域を穢す行為は女神の憤怒を招き、女神が寵愛する一人の勇者に、「星屑の弓矢」が授けられるのである。
- :|この後、登場するエピソードは無いが、「其の(星屑の矢の)射手を制したのは蠍の毒針」とある。解釈は分かれるが、射手がオリオンであるとすれば、なんらかの策を講じてオリオンに王を殺させ、自分はそのオリオンを殺す…などの野心家らしい展開が予想される。
- しかし、スコルピオスが天下の権を握ったとしても、それはごく短期間であったはずだ。彼の後には「其の蠍を屠ったのは雷神の獅子」と記される、英雄レオーンティウスが控えているのだから。