SSまとめ
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出された概念はあくまでも人それぞれであり、あなたの概念を否定するわけではありません!
出された概念はあくまでも人それぞれであり、あなたの概念を否定するわけではありません!
299冠目
+ | 2021年11月22日(月曜日) |
+ | 2021年11月22日(月曜日) |
83
ザパァ 📞「.....」 📞「凄かったなあ、グラン先輩」
圧巻のマイルチャンピオンシップ。大外を通って全てのウマ娘を撫で斬り有終の美を飾ったグランアレグリア先輩。適正外の2000m戦にも果敢に挑んできて、ボクのすぐ後ろの、3着。
📞「...トレーナーから言われたように狭いプールで泳いでるけど、これで閉所克服できるのかな」
最近は狭いところが嫌いだ。シニア期に入ってからは、よりそれが強まったように感じる。
無敗三冠ウマ娘という重圧からか、或いはその称号に相応しくない走りしか出来なくなった自分への苛立ちか。
📞「...」
────正直、勝てるビジョンは浮かばない。というか、自分が走っている姿すら靄がかかったように見えなくなってしまっているような気すらしている。
耳鳴り(ノイズ)がする。泳いでいる間だけは、それが無くなる。だから惰性で泳いでいる。
📞「...もう1セット、泳ぐか」
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「!!ねえねえ、あそこで泳いでるの、コントレイル先輩じゃない!!?」
「...あ、ホントだ。ラストランを控えているのに、随分泳いでる」 「凄いなあ...。無敗で三冠を取るにはあれくらいトレーニングしないとダメなんだろうなあ」
────遠くから声が聞こえる。この時間にプールに入りにくる娘は少ない、会話から察するにデビューしたての後輩だろうか。
ごめんね、後輩たち。君たちが見つめてるソレは、大それた存在じゃないんだよ。シニアに入ってから期待に応えられずに、こうして泳ぐことしかできないダメな先輩なんだよ。
「ねえねえ、せっかくだしアドバイス貰ってこようよ!!」
「いやいや...。どう見ても今大事な時でしょ、邪魔したら駄目だよ」 「善は急げ、膳も急げ!!ダメならダメでまた考えればいい!!」 「あ、ちょっと!」
声が近づいてくる。思えば後輩どころか、チームメイト以外と話すのも久しぶりな気がする。
📞「...どうしたんだい?」
半ば気怠げな声で応えたボクの目に写ったのは、希望と夢に溢れた眼差しをした、2人のウマ娘だった。
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📞「あれ、キミは...」
見覚えがある。というか、つい2日前に東スポ杯を勝った────
📞「...イクイノックスさん、だっけ?」
🌓「!!知っててくださったんですか!」 📞「まあ、同じレースを勝った後輩だからね」 🎾「良かったじゃん、三冠ウマ娘の先輩に名前覚えてもらえるとか!!」 🎾「あ!自己紹介が遅れました!私はドウデュースと言います!!朝日杯に出る予定で頑張っています!!」デップリ 📞「そ、そうなの...」(その腹回りは?)
📞「で、ボクに相談だっけ?」
🎾「はい!!ズバリお聞きしたいのは!!」 🌓「...」 🎾「どうすればダービーを勝つことができるかをお聞きしたいです!!!」 📞「ド直球!!!」
🌓「ほら!やっぱり直球すぎるって!!」
🎾「単刀直入な質問の方がいいって!!ス〇バも呪文唱えるよりそのままの方がなんだかんだ美味しいし!」 📞「...ダービー、ねえ」
日本ダービー。全てのウマ娘の夢の頂点、レースに関わる全ての人々が求める至上の栄光。毎年誕生するダービーウマ娘には、溢れんばかりの拍手と喝采が贈られる─────。
ただ、1人を除いて。
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📞「日本ダービー?前目につけて上がり最速で走れば勝てるよ」
🎾「それができたら」 🌓「苦労はしません」 📞「ダヨネー」
実際、ボクにとってのダービーなんてこんなものだ。無人の観客席、意味のないお辞儀、一人きりの撮影。なんの感動もない、ただの三冠への通過点。他のウマ娘に聞かれたらビンタじゃ済まなそうだから、墓まで持ってくつもりだけどね。
🎾「けどやっぱり最後の直線までに脚を残さないといけないよなあ~、私もエクレアも追い込むタイプだからなあ」
🌓「だからエクレア言うなし」 📞「ん~、まあ結局のところ自分に合った戦い方で全力を尽くせるかどうかだと思うよ?ボクの場合はそうだっただけで、追い込んで勝てるだけの脚と自信があるならそれでもいいさ」 🎾「なるほど!得意を伸ばしまくって全力でぶつけるのが大事なんですね!!」 🌓「...当たり前のこと過ぎて、逆に忘れてたかも」 📞「ハハハ、案外そんなもn────」
自分が深く考えもせずに出した言葉を反芻する。
自分に合った戦い方で全力を尽くせるか
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📞「─────────」
🌓「?先輩、どうかしましたか?」 📞「ああいや、なんでもないよ」
まさか、デビューしたての後輩との会話でずっとかかっていた靄が晴れるなんて、思ってもいなかった。
そうだ、結局のところボクらウマ娘は、自分の夢を叶えるためにひた走る。勝つために、自分の走りを極める。こんな簡単な答えに気づかずにいたなんて─────。
🎾「大丈夫ですか?先輩、さっきからずっと暗い顔してますよ」
📞「えっ」 🎾「そういう時は美味しいものを食べましょう!!美味しいものをたらふく食べたら大体の悩み事は吹き飛びます!!」 🌓「人によると思うよ」 📞「アハハ....、ありがとうね」
ともすれば無神経にもとれる後輩のアドバイスは、存外ボクにはよく効いた。その日の夕食に食べたカツ丼の味は今も忘れない────。
📞「...いやあ、懐かしいねえ」
🐮「自己完結しやがった!!」 88 📞「あの時ボクにアドバイスを貰いに来た後輩がダービーで1着2着になったんだからボクも鼻が高いよ」 🎾「あんまり参考にはなりませんでしたけどね!」 🌓「ちなみにラストランは先輩のアドバイスを意識して走りました」 🐮「先行して上がり最速とかいう理不尽」 ☕「最強の中の最強にしかできない戦術故いたし方ないネ」 |
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