トリニティ幕間その1

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dangerousss3

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プロローグのような幕間SSのような何か

ザ・キングオブトワイライト ~夕闇の覇者~参加者のひとりであるトリニティの宿泊するホテル。
水色の髪の少女―――トリニティを名乗る女性たちのひとりである栗花落三傘(つゆり みかさ)が備え付けられた机に向かい座っていた
正体を隠すためのフードは外している。

「ですけど」
(まさか、夢追さんがいらっしゃるとは思ってもみませんでした)
岩名が集められた会場を思い出しながら言う。
岩名と奏―――三傘と同じトリニティである彼女たちは三傘の中にいる。
そして同時に表に出ることはできない。
何も知らない人間がこの光景を見たならばただ三傘が独り言をしゃべっているだけに見えただろう。

(あれは正確には佐倉光素、夢追中とはまた別の存在)
岩名の言葉を奏が訂正する。
(そうでございましたね。私はあの方が復活した時にはすでに卒業していましたものですので)
岩名が言う。
(ふふ、それにしてもあの方は特にお変わりはないようで)
「そうですね。相変わらず、魔人能力観察が好きなようでした」
(インタビューにいつここに飛び込んできてもおかしくはない)
「雨弓さんがいることも考えれば思っていたより早く素性がバレるかもしれないですね」
雨弓が参戦していることで彼の妹の畢や傘部にいた雨竜院家の誰かが試合を観戦するかもしれない。
そうなったならかつて傘部にいた三傘のことに気づいてもおかしくはないだろう
(別によいでしょう。もとより長く隠し切れるなどと思っていなかったではありませんか)

戦いが始まれば、いずれ自分たちも能力や姿を見せることになるのだ。
そうなればわかる人間はどうせ出ただろう。
それが早くなるというだけの話だ。

「それにしても―――」
三傘が言葉を一度止めたあといった。
「この大会で何か元に戻るヒントが得られればいいのですけどね」

かつて、パンデミックの時にひとつになった身体から元に戻る方法を探す中、トラブルに巻き込まれた三人はその結果として招待状を手に入れた。
世界中から強者が集まるこの大会、何か情報をを得られるのではないかと考えた三人はトリニティと名乗り参加することにしたのだ。

別にひとつになったことでメリットもないわけではない。
身体はひとつだが命は独立している。故に表に姿を顕した誰かが殺されても、それだけで死ぬことはない。
それにこの身体になって命が長らえたことに感謝してもいる。

だが、友人同士であるとは言え元は別々の人間なのだ。
元に戻りたいという欲求が出てくるのは自然なことだろう。

(優勝で戻れるなら理想的)
副賞として可能な範囲なら願いを叶えるという。それで元に戻れるなら一番良い。


もしそうでなくても勝ち進む方が情報は得やすいだろう。

(ふふ、難しく考える必要はないではありませんか。ただ勝てばよいのですから。そしては私たちは十分な実力を持っているでしょう)
「そうですね」
(とてもシンプル)
(まずは目の前の敵を破りましょう)
「ええ」

決意を新たに三人の夜は更けていく。