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  • 【土俵】その1

【土俵】その1

最終更新:2020年03月02日 00:16

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タイトル『過去をサクサク改変できる能力があるなら全員のお願い叶えてあげればいいじゃん!』

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
ここは両国国技館!……ではなく、聞いての通り、東京都立とある小学校のとあるグラウンド。
昼休み、小学生男女がやんややんやと元気に遊び回るその場所には今人っ子一人おらず、
代わりになんかガシャガシャなる車輪が付いてるやつで引かれた白い粉の線で作られた手作りの土俵があった。

そう……察しのいい読者諸君は既に気づいているだろうが、ここはわんぱく相撲東京地区予選の会場だった場所なのだ!
本当は両国国技館で試合をやらせるほうがイメージに合っているかと思ったが、調べてみたらやっぱ女人禁制っぽかった。
今の所日本ではこのわんぱく相撲大会でしか、公式に女の人が上がれる土俵は存在しないらしい。

ということで今回の舞台はグランドに作られた手作りの土俵な!これで試合中にベルジュが女性だったことが判明し、
男性だと思っていた壁マンが能力によって窮地に陥るも土俵の神の怒りがベルジュを打ち倒す、なんて事故が起こる心配もなくなった。
安心して読んでくれよな!

と、我々がわんぱく相撲の懐深さに感動してる間に、どうやら試合は始まっていたようだ。
土俵の上に転送されてきた二人は、一瞬だけぽかんとした顔を浮かべた後
(まあ壁マンに顔はないんだけど、雰囲気としてね)
すぐさま状況を理解した。

「うおおー!これは完全にわんぱく相撲の土俵!つまり対戦相手を場外に押し出せば勝ち!そして事押し合いに関しては壁は絶対的に有利!この勝負貰ったー!」
壁の特性を生かしその重量と面積でベルジュに迫る壁マン!
男装しているとはいえベルジュは男性としては明らかに線が細く非力そうだ。まともにぶつかれば圧倒的に不利!
だがベルジュは慌てふためくことなく、腰に下げていた武器を構えた。

それはプロローグで倒した竜道の脇差……と思ったそこの貴方!もしも私がベルジュだったら、貴方は色々……多分財布の中の500円とかを奪われて地面に這いつくばることになっていたでしょう。
ベルジュが取り出したのは……

「げぇ~!小口径のサブマシンガン!土俵の上は武器禁止じゃなかったのか!せめて近接武器にしろよ!聞いてないぞこんなの!」
当たり前だ。銃は剣より強い。そしてマシンガンはもっと剣より強い!
持ち込めるなら剣よりマシンガンの方を使ったほうがいいに決まっているのだ。天国の竜道さん、遺品を使ってやれなくてごめんな。
代わりにこの剣を凌ぐ圧倒的な暴力を持ったサブマシンガンが……あんたの怨敵を蜂の巣にしてやるからよぉ~!

ばんばんばんばきゅーんばきゅーん
いい擬音が思いつかなかった!情けない音ともに秒間15発以上のペースで射出される鉛玉の嵐!

「うげべへーっ!」

銃弾は壁マンの全身に命中した。壁マンは悲鳴とともに押し戻され、跳弾と流れ弾が作り出した土煙の中へ消えていった。
まともな人間なら生きてはいまい。だがベルジュは油断なくリロードし、銃を構え続けた。
なにせ対戦相手は明らかに人間ではない。人語をしゃべる手足の生えた壁なのだ。

その懸念は正しかった。視界が晴れた後現れたのは全く代わり映えしない、無傷な平たい壁……
いや……本当に無傷か……?と心配になって手足をくるくるして無事を確かめている、無傷の壁マンだった

「流石に大会に選ばれた魔人……人?だけはあるな。流石にマシンガンだけじゃ死なないか。頑丈なだけ?それともそういう能力?気になるなあ、オレ」

「気になるなあ、じゃねーよこの野郎馬鹿野郎!破壊不能オブジェクトでも痛いものは痛いんだぞ!
大体、土俵に武器を持ち込むなんて反則だろ反則!謝れ!この試合を楽しみにしていた全国の相撲ファンに謝れ!」

「いや、相撲ファンはこの試合じゃなくて相撲見てるでしょ。大体武器の持ち込みは禁止されてないし。あ、でも手は着いたら負けみたいだね。だってここ土俵だし」

「ええ!?マジで!?やべーよ今俺驚いて尻もち着いちゃったかも!やばいやばい!こんなしょうもないことで負けなんて嫌だー!うわーん!」

「まあ、今のは嘘なんだけどね。何も泣く事ないだろ。もしかしてこの壁、子供なのか……?」

「なにをー!俺は子供じゃないやい!それに嘘ってのもわかってたし~!驚いたふりしてただけだしー!まんまと俺に騙されてやがんのー!へへーん!」

やっぱりこの壁、子供だぜ!

「ともあれ転倒負けがないなら安心だぜ。破壊不能オブジェクトである以上俺を殺して勝つことはできない!そして壁である以上場外に押し出されることもまた……ない!
そのサブマシンガン……大した業物だ。他の参加者なら勝ち目もあったろうが……相性が悪かったな。このSSはここで終りょぎゃあああああああ!」

スガガガガガガガガ!
再びベルジュのサブマシンガンが火を吹いた。壁マンの発言は中断!しかし今度は予期していたのだろう。
壁マンは腰……腰どこだ?とにかく何か……重心……とか……?を落とし、銃弾を受け止める。
破壊不能オブジェクトだし、避けられそうにないからね。だが……今回はその選択が仇となった!

「はっっ!学習しないやつだぜ!破壊不能オブジェクトの俺に銃撃は効かなほげえええええ!?か、からだに穴が空いとるー!手足にも穴が空いとるー!な、なんだこりゃあー!何が起こってるんじゃあー!」

そう……破壊不能のハズの壁マンの体が……ネズミに齧られたチーズのように穴ぼこだらけになっていくではないか!
既に壁マンはベルジュの魔人能力……『許言虚可証(ライ・センス)』の効果を受けている!
相撲のルールで戦うと心の底から信じ切っていた壁マンは……自分の一番の武器である破壊不能属性をまんまとベルジュに奪われてしまったのだ!

これには、ベルジュの方も少し驚いた。

「ええ……ダメ元でやってみたらなんか……奪えちゃったけど……さっきの嘘を信じるのはいくらなんでもアホすぎないか?もう少し頭を使って喋ったらいいんじゃないか?」

「う、うるせえ!土俵が……土俵ってステージが悪いんじゃ!このステージ以外だったら俺のような壁がお前に騙されるはずがない……あってたまるか!」

本当にそうかなあ

「それにまだ勝負はついてないぜ!破壊不能だから怖くて今までやってこなかったが……今ならできる!うおおー!生えてこい、俺の手足よー!」

吠える穴ぼこ壁マン。すると次の瞬間!今まで手足が生えていた側面だけでなく、壁のアチラコチラいたる所からにょきにょきと大量の手足が生えて来たではないか!

「ふははー!この手足の壁でマシンガンを耐えきり、お前を場外に押し出してくれる!破壊不能でなくとも俺は戦えるんだよー!うおおおー!」

「そんなこと言ってる場合じゃねえぞ!あれみろ!UFOだぞUFO!こっちに来るぞ!」

「えっUFO!?どこどこ!?世紀の大発見じゃん!」

「ま、嘘なんだけど」

「おげぺぇー!?」

なんということでしょう。壁マンは再びベルジュの巧みな嘘に引っかかり、またも能力にかかってしまいました!
奪われたのは……壁マンの手足だ!マシンガンの壁に使うということは……もう手足は捨ててもいいと思っているということ!
そんないつ捨ててもいいものを奪うのは、ベルジュにとって造作も無いことだった。

大量の手足が吹き飛び、土俵中に散らばった。
無情にも手足を失った壁マン……いや、もはやただの壁は、ドスンと音を立てて地面に倒れる。

「く、クッソおー!返せ、返せよ俺の手足ー!男なら土俵の上で正々堂々勝負しろ!卑怯だぞ、ちくしょうー!」

手も足も出ないとはまさにこの事!もはや壁マンにできる抵抗は口をべらべら回すだけだ。
だが……そんな壁マンに、ベルジュは以外にも感化されたようだ。彼は辺にばら撒かれた手足を壁マンの元へ集め始めた。

「はぁ……はぁ……ようやく思い出してくれたか……由緒正しい日本男児の心を……!ベルジュ……!」

「ああ。無抵抗の相手をただ倒すだけってのも後味悪いしな。一回だけ手足を返してやるよ」

「ありがてえ……!これで俺はまだ戦える……!」

「いやまあ、今のも嘘なんだけどね」

「ぱぴぴぺぎらぴょぽぽぽ~!」

「こいつ何言っても信じるな……。ま、いい加減オレの能力にも気づくだろうし、ほんのちょびっとだけ、ハムスターの子供位には残っている“思考力”も奪わせてもらうか……」

「ほげ~ほげほげぴげらぽぺ~」

三度めの正直……否!二度あることは三度ある!哀れ、ついに壁マンはしゃべる口まで奪われてしまった。
元から口はないからこの場合脳みそだろうか?でも脳が詰まってるわけでもないんだよな。
とにかく、壁マンはついにほげほげ言うだけの石の塊にされてしまったのだ。

「一応これで場外に押し出せば勝ちだけど……重いなこいつ……オレの腕力じゃびくともしないぞ。手足を外したのは失敗だったか?自分で出てもらえばよかったな」

「ほげほげ~」

「仕方ない。面倒だが、小さく砕いて外に放り投げていくか。幸いオレの体はもう破壊不能みたいだしな」

「にょほ~にょほほ~っ」

ガツ、ガツ。

ベルジュは土俵に座り込んで、素手で壁を砕き始めた。
壁マンの言う通り、衝撃や軽い痛みは帰ってくる。だが、傷がつく様子はまったくない。
破壊不能というのは本当だったようだ。腕を振る度、壁マンは砕けて、小さな塵に変わっていく。

(そういえばあの時も、こうして壁を壊そうとしていた)

単調な作業を繰り返すうち、ベルジュの意識は記憶の中へと潜っていった。ベルジュが、魔人に覚醒する前の記憶だ。

「大丈夫、すぐに良くなるからね。貴方は何も、心配すること無いのよ。全部、私達がなんとかしてあげるからね」

それが、ベルジュの両親の口癖だった。
あの頃はまだ子供だった。
病に冒され、病床に伏すばかりだったベルジュは、嘘だとわかっていても、二人の言葉を聞くたびに心が軽くなっていくような気がした。

シチューが得意で、というよりも、それ以外の料理が苦手だった母と、
「この食べ方をすると、長生きできるってテレビで言ってたんだよ~!健康にいいんだ、ははは!」と言って、毎朝一粒だけ皮を向いていないぶどうを食べていた父。
穏やかな二人だった。ベルジュが病にかかり、二人の生活は苦しくなったはずだ。それでも、二人が声を荒げたところを、ベルジュは終ぞ見たことがなかった。

懇意にしている医者がその手の詐欺の常習犯であり、高額な医療費を払わせながらベルジュにろくな治療を施していなかったとわかった時も。
例えまともな医者に診せたとしてもベルジュが治る見込みは1mmたりとも無く、苦しみを長引かせるだけだと知った時も。
治療費を工面するために頼った友人が実はヤクザに通じており、このままでは一家全員がヤクザの食い物にされるとわかった時も。

絶望に打ちひしがれ、せめて家族全員一緒に天国に行こうと、炎に包まれたあの時でさえ、彼らはただ悲しそうに笑って、「大丈夫だよ」と言っていた。
嘘だとわかっていた。だが、二人の手を払う力すら、ベルジュには残っていなかった。

『奪われ尽くした』
ベルジュはそう思った。そして、『嘘つき』は必ず『奪う側に回る』のだ、とも。
優しかった両親は、詐欺師に、友人に、嘘つき共に騙されて全てを奪われた。
そして、大丈夫だと嘘をついていた両親は、今自分から命を……未来を……不幸すら自分から奪おうとしている、と。

灰になった両親の腕の中で、自分も炎で焼かれ始める中、ベルジュは魔人として目覚めた。

私は奪われ尽くした。だから奪ってもいいはずだ。という認識が、『許言虚可証』を生んだ。
魔人能力だけが奪えないのは、唯一、あの時の自分に与えられたものだったからだろうと、ベルジュは思っている。

そして、出来ることなら……そんな制限など取り払って、全てを奪えるようになりたい。
ベルジュに変えたい過去があるとしたらそこだけだ。
例え自分が病にならぬよう、過去を変えても、別の結末を知った今のベルジュが、幸福に成れるとは思えなかった。

他の、過去に囚われた、後ろ向きな魔人達とは違う。
ベルジュは常に、未来を奪い取るために戦っている。だからこそ裏社会に身を落としても、今まで生き残ってこれたのだ。

ガツ、ガツ、ガツン。

「……おっと、つい、つまらない事を思い出して、時間を使ってしまったな。もうほとんど欠片しか残っていないじゃないか」

「ぴひょ……ぽへ……ぽ……」

壁マンの体はほとんどが小石を通り越して塵となっており、声も掠れるほど小さくなっていた。
ベルジュは先程まで脳裏に浮かんでいたかつての記憶を消し去るように、ふるふると顔を左右に振った。
普段のベルジュなら、こんな空想に耽ることはなかった。
壁マンの思考力を奪ったせいで、脳のリソースが多くなりすぎた。無駄な思考力が行き場をなくし、結果的に意味のない記憶の再生を始めたのかもしれない。
今後思考力を奪うときは注意する必要がある。

ともあれ、その無駄な時間も終わった。
ベルジュは塵となった壁マンの残骸を両手で掬い上げ、土俵の外にむけて放った。
空気に混ざり込んだ砂粒が光を反射し、雲間からグラウンドに差し込む日差しがくっきりと浮かび上がる。
それを、ベルジュは何度も繰り返した。

途中、なんどか壁マンのうめき声が聞こえてきた。
その度に、ベルジュはこのような状態にされても生きている壁マンとは、一体どんな生物なのかと疑問に思ったが、
答えが用意されているとは思えなかったので、迷わず作業を続けた。

やがて、ベルジュは最後に残った壁マンの残骸を土俵の外へ巻き終わった。
念のため、もう一度土俵中の砂をかき集めて、外へ追いやった。
これで、壁マンの戦闘領域離脱によって、ベルジュの勝利が確定したはずだ。
ベルジュは中空を見据えたまま、勝利の時を待った。
だが、一分、二分。三分、五分、十分と待っても、そのときは訪れない。

「……なんだ、なにか様子が……おかしいぞ……何故だ……すぐにでも決着が着いてもおかしくないのに……なんでオレはいつまでも土俵の中に取り残されているんだ?」

その通り!壁マンは粉々になって場外に巻かれたはず!何故いつまで経っても勝負が着かないのか!
それを皆にも考えてみてほしい。ヒントをあげよう。曲がりなりにも、ここは土俵の上だ。そう!勘のいい人ならもうわかっているね。

例えば!今までの歴史上こういった事故は起きていないが……もし仮に、取組中の力士の腕が対戦相手の手によって引きちぎられたとしよう!
この引きちぎられた側の腕が、腕なし力士がまだ土俵内にいる間に、土俵の外へ投げ捨てられたとしたら……
果たして腕をちぎられた力士は、その取組で負けたことになるだろうか?

この答えは……恐らく否であろう!もし取り組み中に腕を引きちぎられ土俵外に投げ捨てられようと!
力士本体が土俵の中にいる限り、その取組で負けたことにはならないのだ!

これは他の部位であっても同様!足を土俵の外へ投げ出されようが、首を脊椎ごと引き抜かれ、
自分たちは安全だと思っている観客席の皆様に戦場の厳しさを教えるため弾丸のように投げつけられようと……
力士の本体が土俵の中にある間は決して、首無し力士の敗北と言うことはできないのだ!

(※もし読者の方々の中に熱心な相撲ファンがいて、「この裁定は間違っている!現実の相撲では引きちぎられた腕が土俵の外に出されてもその力士の負けだ!」
とお考えの方がいらっしゃったら、大目に見てあげてください。これはフィクションです。実際の相撲協会とは一切関係はありません。ご了承ください)

「そ、そうか……!力士に例えるなら今の壁マンは骨も含めてミキサーで粉々にミンチにされ土俵外にぶちまけられた状態……!
だが脳や心臓が生命維持に不可欠な人間と違い、壁マンはどこが破壊されたら死ぬという場所……いわば本体と言える場所は定まっていない……
故にほんの一欠片でも壁マンの体が残っていたら、敗北と断じることができないのか……!?
し、失敗だ!こいつから破壊不能属性を奪ったのは失敗だった!破壊不能とは壁マンの武器ではない……!やつを縛り付ける鎖だったのだ!
そしてオレはその鎖を自ら奪い取ってしまった……!」

「どうやら……お前の言う通りのようだぜ、ベルジュ!」

「この声は……壁マン!『許言虚可証』の効果時間が切れて、思考能力を取り戻したか……!どこだ、どこにいる!姿を現せ壁マン!」

「決まってるだろ!俺がいるのは……土俵の上でしかありえねえぜ!」

ざあっ。
風に舞っていた壁マンの塵が、一箇所に収束していく!
砂粒一つ一つに生えた、数マイクロ、数ナノメートルの手足が空気を掻き出し、意思を持って動いているのだ!あっ今カメラに向かってぴーすしたぞ!いえーいいえーい!
そしてその手と手が繋がり合い……塵となっていたはずの壁マンが、再び姿を現したではないか!

「おいおい……あの状態から復元する……こんな馬鹿な生きものがいんのかよ……。嘘だって言ってくれねえか?」

嘘じゃないぞ。今回の参加者だと、多分デスコックとかもそうだぞ。これで俺も実質デスコック!第一希望が叶ってよかったな!しらんけど。

「いや、そりゃ元通りってわけじゃないよ。ほら見てこの脇腹のとこ!ヒロ子が寝ぼけて壁にぶちまけたコーヒーの跡があったんだけど、流石に再現できなかったしさ……
他にもその前のボヘ美が貼り付けたテープの後とか、とんちゃんがピンナップ貼るために気合と根性で開けた穴とか……失ったものは多かったよ」

「そんなことはどうでもいいだろ……お前は一体何なんだ?本当に生き物なのか?そもそもどうやって生命があって喋るようになったんだよ……?」

「俺だって知らんよ!気づいたら生きてたんだもん。でもいいだろ、喋って動いて笑える壁が世界に一つくらいあっても。それよりそろそろ張り手していい?尺的にも決着つけないとそろそろ長いからさ、ほら……」

「いいわけ無いだろ……何だよお前は……!壁なら粉々になったところで死んどけよ!お前なんて壁じゃねえよ!うう、ううう……」

ひとしきり言い終わると、ベルジュはぺたんと座り込んでしくしく涙を流し始めました。

「おい!嘘泣きはやめろ!もうお前の能力はもう大体わかってるんだからな!お前の嘘は二度と通用しねえぜ!
諦めて降参しな!俺も、お前を殴る気無くしちまったし……ベルジュも痛い思いはしたくないだろ。な!」

「チッ。流石にもう引っからないか。だが……オレの嘘がもう通用しないってのはどうかな?壁マン。
あんたは気づいてないようだが……実はオレは既に一つ、あんたに嘘を付いてるんだ。もしかすると、その嘘であんたを殺せるかもしれないぜ」

「その嘘で一か八か俺の命を奪って……ってことか!ふん!やってみろ!どうせハッタリに決まってるぜ!」

 腕を組み、ふふーんと胸をそらす壁マン。だが、ベルジュの言葉はあながちハッタリでもなかった。
他の生命体ならいざしらず、先程の会話からわかるように、壁マンの命は自分でもどう生まれたのかわからない、ふにゃふにゃした物だ。
そして所有権が曖昧な物ほど、奪うのはたやすくなる。壁マンの命くらいなら奪えても全然おかしくないとベルジュは考えているのだ。

「じゃあその嘘聞いたら降参しろよ。しなかったらほんとに張り手だからな」

「ああ、約束してやるよ」

「それは信じられないけど。で、どんな嘘だ?」

「ああ。男の格好してるけど、実はオレ男じゃなくて女なん……」

「ふんぬらばー!」

「ほぶへーっ!」

ズバシーン!
ベルジュが言い終わるよりも早く、壁マンの張り手がベルジュを捉え、土俵の外へ吹き飛ばした。
壁マンの命が奪われることはなかった。思っていたより命に執着があったのだろうか?そうじゃないのだぞ

「……気づいていたんだな……オレが女だって。いつから?」

「そりゃ粉々になるまでボコボコ殴られれば性別くらいわかるだろ。俺、女には殴られ慣れてるから」

「最初はノリノリで襲ってきたのに、急に大人しくなったのもオレが女だから?」

「女を殴ったことはないのが自慢」

「初めて喋ったときから感じてたけど、お前相当なバカだろ」

「知ってるだろ?粉々に砕いたんだから。脳みそ詰まってないんだよ」

「願いは何に使うんだ?」

「そりゃ、皆の願いをまるごと叶えてもらうのさ!。昔の女のために使おうかと思ったけど、それより皆ハッピーな方がいいだろ?過去変え放題みたいだし!俺って頭いい~!」

「真っ赤な嘘を平気でつくな、お前」

「顔がないからわからないだけで、ホントは耳まで真っ赤だったりして」

「本気でそんな願いが叶うと思ってるのか?」

「嘘を付くのは人間だけで、壁は嘘をつかないよ」

「信じないよ、オレは」

「本当は信じたいくせに。あんたは良い奴だ。奪われたものはいつか帰ってくる。そう信じてるから、あんたの能力は時間制限付き。そうだろ?」

ベルジュは答えなかった。転送が始まり、二人はきらきらしゅいんと光りに包まれて消えていった。


それから十分後!

過去改変で願いを叶えてもらった壁マンは、今まさに完成したタイムマシンに乗って過去へ飛ぼうとしていた!

「いやー、本当に現代科学を10年ばかり早められるなんて、やっぱり便利な能力だなあ。ありがとう栞さん!頼りになるぜ!」

「はあ……言っておきますが、悪さをしたら私の能力で貴方ごとタイムマシン消しますからね。くれぐれも粗相の無いようにしてくださいね」

「えっ急に怖いこと言わないでよ……なんでそんな脅すようなこと言うの……怖い……」

「いえ、タイムマシンを完成させて現物をくれとは言われましたが、その理由まで聞いてなかったので。なんでタイムマシンを?」

「いや、ほら。試合中は皆の願いをまるごと全部叶えてもらおうと思ってたんだけど……それっていくら過去改変できるからって大変でしょ!
人に迷惑かけるのはよくないし……俺が直接過去に行って色々変えようと思って!いいアイデアだろ?これ!」

「まあ、かなり大変ですね。でもタイムマシンで叶えに行くほうが大変ですよ」

「なんとかなるよ!俺多分死なないし。多分過去も楽しいよ!まずは何から始めようかな~。たくさん腕食べさせるために、まずは神絵師になってー。
それからピカピカ光るために電飾買うだろ?後渡すための5000円も稼いで、政治の勉強して、それから~……」

 そう言う壁マンの片手には、この大会の参加者名簿が握られていた。
壁として参加し、しかし壁になることができなかった人たちの分まで、壁マンは過去を変えるつもりなのだ。
だってこいつは星だけど壁マンだから。全ての壁の味方!それが壁マン!

「ま、でも最初に行くのはやっぱりこいつの所かな!名簿にも偽名載せてるんだもんな。楽しみになってきたぜ、本当の名前を知るのがさ!」

 ワクワクドキドキの壁マンを載せて、タイムマシンが動き出す。
目指すは、不治の病に冒され、それがきっかけで家族をすべて失った一人の女の子の元!

特に必然性はない。けど、まずは関わったやつから助けるのが基本だよね。

「それじゃあタイムマシン一号!希望の過去へむけてレッツゴうぎゃあああああ!」

ぐわんぐわんぐおおーん

空間が超エネルギーによって歪み、その衝撃によって壁マンとタイムマシンはこの世界から消滅した。
果たして、彼らが無事に過去へ辿り着けたのか……それともバラバラになり宇宙の塵となったのか……それはわからない。
だが破壊不能の彼なら、宇宙の塵となってもなんとかなるだろう、多分!

頑張れ壁マン!負けるな壁マン!皆の願いを叶える……その日まで!

おわり
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