スターピースワールド

スターピース『ワールドセッティング』


 無限に広がるアストラル界。
かつては一握りの種族、一握りの術者のみが探索を許されていたフロンティアである。
しかし、今は違う。
アストラルの海を航行するためのスター・シップの開発により人類(あるいは冒険心に溢れた数多の種族)は、この無限の空間を富を求め、冒険を求め、あるいは果たすべき使命の手がかりを探すために旅立つことが可能になったのである。
今、また一組の冒険者がそれぞれの目的を胸にアストラル宇宙へと飛び出すのであった。
アストラル宇宙を旅する冒険者たちの活劇物語を、吟遊詩人たちはスペースオペラと呼ぶ。

〇アストラル界とは
 ありとあらゆる"世界"の間を埋める空間。
世界の間をつなぐ空間であるため"アストラル海"や、だだっ広い銀色の虚空であるため"アストラル宇宙"等という呼び方をされる。
本セッティングでは"アストラル宇宙"という呼称が一般的であるものとし、略して『宇宙』『星界』とも呼ばれる。
 アストラル宇宙は、通常ではシルヴァー・コードと呼ばれる"魂の緒"を繋いだまま精神のみを投射する『アストラル投射』という手法で到達する場所、
あるいは優れた術者によるプレイン・シフト呪文によって到達する場所であった。
その他アストラルの海を渡る専用の乗り物などを持っている種族も存在するが、それは失われた技術や、ごく一部のみの秘伝とされている。
 アストラル宇宙を見渡せば、銀色の宇宙に大小遠近様々な"輝き"が浮かんでいる。
これはアストラル界に接続されたそれぞれの次元界の表出であり、その輝きから次元界へと移動する事が出来る。
無限に広がるアストラル宇宙には、既知の次元界のみならず、
無数の擬似次元界も存在し、小さいながらも完結した世界として成り立っている。
本セッティングではこれらの小規模次元界を『惑星』『小世界』と称し、主な舞台とする。
擬似次元界は、通常「主物質界」(一般的なキャンペーンセッティングの舞台となる惑星)と同様の環境を持つが、
特異な環境や独自の法則によって動く奇妙な世界もまた数多く存在する。

〇アストラル界の特徴
  • アストラル宇宙の上下感覚
 無限に広がるアストラル宇宙ではあるが、上下の認識が存在する。
一般的に、上方次元界(善の次元界)への接続が多く分布する方向が"上"、方次元界(悪の次元界)への接続が多く分布する方向が"
下"と認識されている。
ただし、重力は存在せず、上下とは無関係である。
アストラル海のただなかでは、主観として上下左右の区別はなくただ中空を漂う状態となり、
また、建造物が存在しても、その建築者が重力を発生させていない場合は、同様に方向の感覚は存在しない。
一方で、重力を上方向に設定している場合は、宇宙上方が足元になるという状態も十分ありうる。

  • アストラル界の時間
 アストラル界では時間の影響がほとんど存在しない。例えば、時間の経過によって飢えることもない。
アストラル界で1日過ごしたキャラクターと、アストラル界で100年過ごしたキャラクターの間に、時間による成長や老化の差は存在しない。
(つまり、アストラル界では子供が生まれることはないし、子供が成長することもないし、老衰することもない!)
この為、長らくアストラル界では時間が存在しないと考えられていたが、近年の研究により時間の経過は一応存在しているとされている。
一方で、小世界で時間を過ごしたキャラクターは、小世界の時間の経過に沿うため、成長や老化は発生する。
旧来のアストラル旅行者は、基本的に時間感覚の共有をすることはなかった為不便はなかったが、
アストラル宇宙時代となってからは、多くの冒険者がアストラル界に飛びだす事となったため、共有できる時間の必要に迫られた。
これにより、現在は機械の次元界メカヌスから大歯車が持ち込まれ、アストラル旅行者専用の暦が設定された。
この暦をAR(Astral Reckoning)と呼ぶ。ARの時間は主物質界のものと同様とされている。(1年=12月=360日 1月=30日)
現在はAR461年とされている。

  • アストラル界の環境
 アストラル界は、一面銀色に輝く空間である。
酸素がある訳ではないが、呼吸が必要な種族であっても、問題なく活動が出来る。
アストラル界には重力が存在しないが、物体を押す等することによりその反動で移動する事はできる。
(逆に言えば何らかの推進力がなければ移動は困難である)
アストラル界は、一般的に虚無の世界として知られており、存在する自然物といえば、謎の灰色の塊程度のものしか存在しない。
この灰色の塊は、世界の欠片なのだといわれている。
寂寥とした虚無の空間の中に浮かぶ謎の塊と、各々の世界との接続となる"輝き"。
そしてアストラル界に集う者たちが設置した様々な建造物。これがこのアストラル宇宙を取り巻く環境である。
アストラル界には自然環境は存在していないが、
アストラルに存在する様々な生物や、人工物、あるいは次元接続面からの逆流などの影響により、自然災害に類似した状況が発生することはある。

〇スターピース
 アストラル界を渡る冒険者たちには、伝説を追い求める者が数多く存在する。
その中でも、もっとも著名な伝説こそが『スターピース』である。
スターピースとは、端的に言えば「願いを叶える力」の欠片である。
スターピースは平均的ヒューマンの掌に乗るサイズの発光体であり、固体である。
ほんのりと熱を感じるこの物体は、12種存在し、12種を組み合わせると1つの星型(所謂五芒星)のアーティファクトとして完成する。
完全体となったスターピースは、およそ人知の及ぶ所ありとあらゆる願いを叶える力があると言われている。

  • 12種のスターピース
 スターピースは12種存在する。
しかしこれは、スターピースが12個しか存在しないという訳ではない。
アストラル宇宙にはときおりスターピースが現出するが、その時スターピースは12の型を取る。
これは(一般的に考えられているところでは)ランダムであり、同種のスターピースを複数個所持する場合もありうる。
ただし、現在のところ、スターピースを1つ手に入れるだけでも珍しい事であり、これを2つ、3つと所持するものは極めてまれな存在である。
現在のところ、スターピースを全て揃えたケースは、とある冒険者の1チームのみであると考えられている。

  • スターピースの現出
 この宇宙の途方もない広さに比べ、あまりにも小さなスターピースであるが、
とある"性質"が冒険者達に入手機会を与えていると伝えられている。
まことしやかな噂によると、スターピースには意思が存在し、意思は知性体による活力の発露を好むのだという。
『冒険のあるところ、スターピースあり』と機会を手にした冒険者や探究者や犯罪者、山師などは語る。
曰く「とある小世界を破滅の淵へと追い込んだ大怪獣を退治すると、その体内からスターピースが現れた」
曰く「大銀行の巨大輸送船を強奪するべく命がけのハイジャックを仕掛けたら、目録にないスターピースが大金庫に入っていた」
曰く「誰が作ったかもわからない地図に、スターピースのありかが記されていた」
曰く「スターピースを中心にダンジョンが生まれた」
等の情報が日々宇宙を飛び交っている。

  • スターピースの選定
 スターピースの強大な力得るために、いくつもの組織が手を尽くして捜索をしている。
しかし、現状これらの試みは上手くいっていない。
それは、スターピースの意思が安易な譲渡を拒んでいるからだと考えられている。
一例として、とある組織のエージェントがスターピースを入手しそれを組織へと上納したところ、たちどころにスターピースは輝きを失ったというケースがある。
一方で、その命を懸けてスターピースを入手し、死の淵で願いと共にスターピースを託したとある冒険者の場合、
スターピースはいまだその輝きを失わず、後継者と共にあるという。
この現象はスターピースの探索者たちの間で『スターピースの選定』あるいはよりフランクに『興醒め』と呼ばれる。

  • スターピースとは何なのか
 スターピースが実際のところ何なのかという問題について、様々な学者が答えを出そうとしているがいまだ結論は出ていない。
しかし最も有力であると考えられている説に、
スターピースは死したのちアストラル宇宙に溶け込んだ"かつて存在した古き神々"の残滓が、力ある12種の欠片という形をとって現れているのではないかと言うものがある。
※例えばフォーゴトン・レルム(惑星トリル)において、ベインやバアルなどの死せる神々はアストラルに消えたと考えられている。

〇有名組織
  • 『C&C社/シー・アンド・シーしゃ』 目的:技術の発展と普及
 またの略称をCCC、正式名称をクーリエ&クロムカンパニー。
アストラル宇宙に冒険者たちが飛び出す為のアストラル・シップの動力『ソウル・エンジン(仮名)』を開発した会社。
この動力は未だにブラックボックスとなっており、アストラル・シップ製造にはこの会社の力を頼らねばならない。
また、C&C社は設置型ゲートのメーカーとしても有名であり、
アルトラル宇宙時代において最も力を持つ組織の一つである。
C&C社はアストラル宇宙において、その他あらゆるの勢力・属性とも(表立っては)協力体制を築いておらず、宇宙最大かつ孤高の組織として君臨している。
本社の場所は不明であるが、小世界『おあしす』に巨大な開発ドックを所有している。
※C&C社から「あれこれを取ってこい」や「ここそこを調査してこい」等と言われるイベントは、一般的なシナリオフックとなる。

また、このセッティングにおける通貨もC&C社の信用通貨『CB(クーリエ・ビル)』が主流となっている。 1万CB=1gp

著名NPC:
【クーリエ・ロクスリー】  ヒューマン  女性 アーティフィサー    年齢不詳 10代から20代の金髪ショートカットの女性。C&C社の経営者。
【クロム・グローム】   ヒューマン  男性 ウィザード(クレリック) 年齢不詳 20代の黒髪の長髪男性。C&C社の共同経営者。
【アンドル・ロングフット】 ハーフリング 男性 エキスパート     32歳   茶色短髪のハーフリング。ふとっちょで小さな眼鏡を鼻の上に掛けている。C&C社の営業の一人であり冒険者達へ依頼の橋渡しを行う。

  • 『ニューロ・ソサエティ』 目的:イリシッド(エルダーブレイン)の勢力拡大、古代イリシッド技術の再発見・復興
イリシッドの巨大組織。
冒険者の一団とは全く別の技術を用いてアストラル宇宙を探索している。
宇宙の暗礁地域に隠れた拠点を築き、広大なネットワークを保有している。
複数体存在するエルダー・ブレイン(イリシッドの最上位に立つ脳みそのお化け)を信奉する宗教組織的な一面も持ち、
ソサエティに所属するイリシッドはみな、この宇宙の全てが自らの所属するエルダーブレインの物となることを信じており、また自らもいずれ寿命が尽きる時にはエルダーブレインと同化する事を夢見ている。
著名NPC:
【グライディンガーブル】 イリシッド(ウリサリッド) 
 次期エルダーブレインとの呼び声高き強力なウリサリッド。現在はエルダーブレインとなるための功績を稼ぐために、遺跡や小世界の探索を指揮している。
グライディンガーブルは常に逃亡の手段(主にサイオニック的な!)を用意しており、例え作戦が冒険者によってくじかれたとしても、幾度もその姿を現す。
また、グライディンガーブルは慎重かつ臆病な性質を持ち合わせており、極力自らは冒険者と刃を交えることはないようにしている。

特殊アイテム:
【グレイ・サーフ】 乗り物
 グレイ・サーフは銀色の宇宙を移動するために、イリシッド達が開発した乗り物である。
古代イリシッドが所有していたノーチロイドという宇宙帆船の劣化品であり、様々なサイズのものが生み出されている。
ノーチロイドとの最も大きな差は次元間移動能力の海であり、グレイ・サーフは宇宙(或いは空)を飛ぶことしかできず、他の世界へは"輝き"やしかるべきゲートを通じてしか移動する事はできない。
船のデザインもまた様々なものが存在するが、ノーチロイドを模した巻貝型か、人型生物の頭蓋骨を模した型が主流である。
グレイ・サーフは精神の力で飛行しており、イリシッドあるいは同様のサイオニック技術を所持しているクリーチャーしか操縦することはできない。

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最終更新:2023年12月04日 20:46