笑う死神



C-3地区にひっそりと佇むバー。
そこに、日野貞夫は居た。

彼は、カウンターに置かれた小さなラジオから聞こえる音に耳を傾けている。
ラジオの中央部には、薄い赤色の光を放っている小さな鉱石がはめ込まれていた。



――はめ込まれた石の名は「霊石」。
――その正体は、死した者達の思念の塊。



――ラジオの名は「霊石ラジオ」。
――霊石に封じ込められた思念を開放する。




ラジオから流れるのは、耳障りなノイズのみ。
だが、日野がそれの電源を落とす気配はない。 まるで何かを待っているかのようだ。

………しばらくして、ラジオは唐突に言葉を発し始めた。


――嘆くように。

――呻くように。

――叫ぶように。







……………モウ…………逃ゲラレナイ………






…………「サイレントヒル」……………






………………新タナ「ルール」………






………殺セ…………………殺セ…………






………裏切レ……奪エ…………






……滅セヨ……全テ…………






…………帰レルノハ………一人………







………ラジオから、何も聞こえなくなった。
日野は無言のままラジオの電源を落とす。
そして、ラジオのすぐ傍に置いておいた羊皮紙を手に取った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ル ー ル


1. 殺 せ
  この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

羊皮紙に書かれている事は、ラジオの音声とほぼ同じ、「殺し合い」に関する物だ。
そこに書かれたルールを確認し終わった直後に、日野は確信した。 



この地に存在する者を殺せば脱出できる、と。



ラジオを学生鞄にしまい、出口に向かって歩き始めた。
武器として使用するであろうアイスピックも既に調達し終えている。
ここにはもう、用はない。

……外に出る理由は当然、「狩り」を行なう為。
「人を殺し尽せば脱出できる」。
それはつまり、人殺しが許されているという事でもあるのだ。



殺し合い……あぁ、なんて素晴らしいのだろうか!



「…………ヒヒ……」



神に祈らなければならない…。

――この「楽園」に連れてきてくれた事に!




「…………ヒャーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」


【C-3/バー内部/一日目夕方】



【日野貞夫@学校であった怖い話】
 [状態]:健康
 [装備]:学生服
 [道具]:学生鞄(中身は不明)、アイスピック数本@現実、霊石ラジオ@零~赤い蝶~
     薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル
 [思考・状況]
 基本方針:殺人クラブ部長として、殺人を思う存分楽しむ。
 1:皆殺し

【薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル】
霊石の一種。 薄赤茶色の光を放っている。
霊石ラジオを使う事で霊の声を聞く事が可能。
声の主が誰なのかは不明。


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最終更新:2012年06月20日 21:03