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第１０話 全てをゼロにする者
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dmps_fun
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ストーリー
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あれ……？ ここは…… 皆さんはどこに…… |
| ルピコ | |
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シャングリラが顕現して…… |
| ルピコ | |
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……でも、ここは明らかに 先ほどの場所とは 違います……ね |
| ルピコ | |
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また転移を……？ でも ゴールデン・エイジの拠点で 起きた転移とは違う…… |
| ルピコ | |
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それにこの風景、 ……何というか 古めかしいよう……な？ |
| ルピコ | |
| 瞬間、どこからともなく 抑揚がなく機械的なはずなのに 悲しみに溢れた声が聞こえてきた | |
| 抑揚のない声 | 守護することが役割 守ってきた |
| 抑揚のない声 | 世界を守りたい 守って、きた |
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この声は一体…… って、え？ |
| ルピコ | |
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周りが、世界が…… 灰色になって……いく？ |
| ルピコ | |
| 抑揚のない声 | 平和が争いに変わった |
| クリーチャーの嘆きの声 | 本当は誰も 傷つけたくはないのに…… |
| クリーチャーの嘆きの声 | けれど、対抗しなければ 何も救えない、守れない…… |
| 抑揚のない声 | 撃退した、守った 全てを守リタイ ……守……レナイ |
| 抑揚のない声 | 敵ハ守ルベキ全テニ入ラナイ？ 分カラナイ、分カラナイ |
| クリーチャーの嘆きの声 | 恨むなよ 平和を守るには、 仕方がないんだ……！ |
| クリーチャーの嘆きの声 | や、やめ…… ぎゃああああああああ！ |
| 平和を求める想いがあるゆえに 争いは無くならない | |
| その矛盾と哀しみの連鎖 幾千幾万もの嘆きの思念が 絶え間なく頭に響き渡ってくる | |
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うう、やめて……っ もう聞きたくない……！ |
| ルピコ | |
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誰か助けて…… |
| ルピコ | |
| 抑揚のない声 | 助ケガ欲シクバ、 感情ヲ無クセバイイ |
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………… |
| ルピコ | |
| 抑揚のない声 | 全テヲ守リタケレバ 全テヲ無クセバイイ |
| シャングリラ | 全テニ平和ヲ |
| シャングリラ | 全テヲゼロニ |
| ルピコ達 | ………… |
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……ルピコ！ 【プレイヤー】！！ |
| カノン | |
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ケホ、ケホ…… |
| カノン | |
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カノン……！ どうか、あまり無理をせず |
| ウェディング | |
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シャングリラに力を 取り込まれたのですから、本来 生きているのも奇跡なのですよ |
| ウェディング | |
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はぁっ……はぁっ…… でも、みんなが…… 急に倒れて…… |
| カノン | |
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……ウェディング様 これは……何が 起きているのかしら……？ |
| カノン | |
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何の反応も無い…… 気絶でもない……呼吸はしていて 目も開いているのに…… |
| カノン | |
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……これは、もしかして 何かを見せられている？ |
| ウェディング | |
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予定を早めた降臨だというのに 何という力…… |
| ウェディング | |
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……これも救済、 平穏を与えると言っても 過言では無いのでしょう |
| ウェディング | |
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……確かに、以前の私なら 救済だと言っているのだわ |
| カノン | |
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だけど、今は ……今は…… |
| カノン | |
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……そうですか |
| ウェディング | |
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今やこれは、貴方の思う 救済ではないのですね |
| ウェディング | |
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それならば……待ちましょう |
| ウェディング | |
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……何を？ |
| カノン | |
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可能性を持つ者を ……憎たらしいですが 彼らは来るでしょうね |
| ウェディング | |
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それ……って |
| カノン | |
| シャングリラ | ……全テヲ……ゼロニ |
| ドラゴン龍 | してたまるか、リジェクション！ |
| カノン | ……っ！？ |
| シャングリラの言葉を否定し エイリアンの姫を乗せ 一匹のドラゴンが突撃してきた | |
| プリンプリン | ご苦労じゃった！ ドラゴン龍！！ |
| ドラゴン龍 | お安い御用ですイージー！ |
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っと、来て早々 とんでもないことに なっておるのう…… |
| プリンプリン | |
 |
……プリン聞いて！ 信じてくれるかは 分からないのだけど |
| カノン | |
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シャングリラ様の降臨が 完了しちゃって……その瞬間 ルピコ達が……倒れて…… |
| カノン | |
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……死んでは、おらぬのだな |
| プリンプリン | |
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それは……多分 |
| カノン | |
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おそらくは無理やり意識を 封殺されている状態でしょう |
| ウェディング | |
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………… |
| プリンプリン | |
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意識を封殺…… つまり自由を奪われている……と |
| プリンプリン | |
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……信じてくれるのかしら？ |
| カノン | |
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そんな顔で言われたら 信じる他なかろう…… |
| プリンプリン | |
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それにウェディングがこの状況で ルピコ達を葬っておらぬのも 何か理由があるはずじゃ |
| プリンプリン | |
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少なくとも今は、 手を貸してくれている……と 見ていいんじゃろうな？ |
| プリンプリン | |
|
……えぇ、それは保証します |
| ウェディング | |
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ならば、ルピコ達をなんとか するのが先じゃ！ |
| プリンプリン | |
|
（……通じるかは分からぬが…… 試してみるしか、無いのじゃ） |
| プリンプリン | |
| プリンプリンは修羅丸に 触れた時のように ルピコ達に手をかざした | |
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こ、この光は……！？ |
| ウェディング | |
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ウェディング様、見て！ ルピコ達が……！！ |
| カノン | |
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…………んっ ここは……何で倒れて……？ あれ、お姉ちゃん？ |
| ルピコ | |
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ルピコ、無事だったか！ |
| ダピコ | |
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……はぁ～ 上手くいって 良かったのじゃ……！ |
| プリンプリン | |
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その能力は一体……？ |
| ウェディング | |
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……わらわにもよく分からん |
| プリンプリン | |
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修羅丸を呪縛から解放せんと 偶発的に生まれた産物…… |
| プリンプリン | |
|
自由を奪われ 支配された状態であれば―― |
| プリンプリン | |
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今回もどうにか出来るかと思い 一か八か、試してみたのじゃ |
| プリンプリン | |
| シャングリラによって 倒れていた者達が 次々と、目を覚ましていく | |
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さーて、起きて早々悪いがのう 早速、あのシャングリラを 倒すぞ！ 皆の衆 |
| プリンプリン | |
| その時、シャングリラが プリンプリンの力に反応したのか 動き出し始める | |
| シャングリラ | ……ゼロニ…… 全テヲ、破壊スル！ |
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――お前の相手はオレだぜ！ |
| ？？？ | |
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おっ！ 鬼羅丸 ようやく来たか！ 遅かったぞ |
| プリンプリン | |
 |
ねーちゃんがドラゴン龍に乗って 先に行くからだろ…… それにオレもやることがあってな |
| 鬼羅丸 | |
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え、鬼羅丸……？ 誰だい、それは |
| 水の守護者 カイト | |
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その声、まさか鬼丸……さん？ |
| カスミ | |
|
色々ツッコミどころ満載だろうが おう、鬼丸だよ |
| 鬼羅丸 | |
|
……つっても、オレの兄貴 修羅丸もこん中にいるけどな |
| 鬼羅丸 | |
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え！？ 君は一体何を…… |
| 水の守護者 カイト | |
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ちょっと待て その中に君の兄がいて……う ますます混乱してきた |
| 水の守護者 カイト | |
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マスター、ファイト |
| キリコ | |
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……まぁいい、クリーチャーが 人間の理解を超えていることだけ は改めて理解したよ |
| 水の守護者 カイト | |
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お前ら！ これが最後の闘いだ 力振り絞っていくぞ！！ |
| 鬼羅丸 | |
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何度もダメかと思っちゃうくらい 大変な闘いでした…… |
| ルピコ | |
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皆さんが居なければ ここまで来れなかったかも しれませんね |
| ルピコ | |
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……こんなところで 終わりにしたくない 皆さんを、守りたい |
| ルピコ | |
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【プレイヤー】さん 最後にもうひと頑張り 一緒にお願いできますか？ |
| ルピコ | |
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……………… |
| カノン | |
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カノンはどうしたいのですか？ |
| ウェディング | |
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……私は シャングリラ様を、止めたい |
| カノン | |
|
そうですか、 それなら私もそうしましょう |
| ウェディング | |
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……ウェディング様！ |
| カノン | |
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……あぁ あと、カノン 私のことを 様付けする意味はありません |
| ウェディング | |
 |
もう貴方は ゼニスに仕える者 ではないのですから |
| ウェディング | |
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！！ |
| カノン | |
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えぇっと、 それなら……ウェディング 一緒に戦って……くれるかしら？ |
| カノン | |
|
はいもちろん カノンを守るのは私ですから |
| ウェディング | |
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さて……では参りましょうか 我らゼニスの原初 シャングリラを討ちます |
| ウェディング |
勝利時
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………… |
| 鬼羅丸 | |
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沈黙しました！ これなら……！！ |
| ルピコ | |
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まずい！！ |
| 鬼羅丸 | |
| 異様なパワーを感じ とっさに皆を庇う鬼羅丸 | |
| シャングリラ | 消エ去ルガイイ……！ |
| 触れるだけで 全てを崩壊させる 滅びの光 | |
| シャングリラはそれを 全てを標的として放出した 敵対する対象を葬るために | |
| 何よりも、心を持つが故に 仲間を庇うであろう、鬼羅丸を 確実に破壊するための攻撃 | |
| しかし、それらを すべて防ぎ切ったのは―― | |
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！！！ ウェ……ディング……？ |
| カノン | |
|
さすが、真のゼニス 私で……なければ 防げなかった……ですね |
| ウェディング | |
|
ウェディング……！？ 何で…… |
| 鬼羅丸 | |
|
カノンは……ゼロにするの ではなく、手を取り、 共に歩む道を選びました |
| ウェディング | |
|
ゼニスに選択を委ねず自分自身で 決めた道、おそらく……それを 歩くのには難儀することでしょう |
| ウェディング | |
|
その道を共に切り開いてくれる 者達を、ここで失わせる わけにはいきません |
| ウェディング | |
|
……お前…… |
| 鬼羅丸 | |
|
長話は好みではない、行きなさい 貴方達にしか出来ないことを 私に見せてください…… |
| ウェディング | |
|
……応！！ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……！ ナゼ、滅ビヌ…… |
| シャングリラ | ……ウェディングノ仕業カ 貴様ガナニユエ我ノ攻撃ヲ 邪魔スル……？ |
|
これは、カノンを苦しませた ……貴方へ、私からの祝福です |
| ウェディング | |
|
行けー！！ 鬼羅丸ー！！ |
| ゴールデン・エイジ | |
|
行くぜ！ 全てを救うための……！！ |
| 鬼羅丸 | |
|
オレの…… オレ達の一撃だァ！ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……バカ、ナ…… |
| 奇跡の存在、鬼羅丸の一撃で シャングリラの体は あっけなく霧散し始めていた | |
 |
……これで、終わったのか？ |
| プリンプリン | |
|
……！！ |
| 鬼羅丸 | |
| 霧散していく中に 確かな悪意を感じ シャングリラに急接近する鬼羅丸 | |
|
！？ 鬼羅丸！ 一体どうしたのじゃ！ 鬼羅丸ー！！ |
| プリンプリン | |
|
ん？ ここは…… まさか、奴の精神世界か？ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……ココマデ入リ込ンデクルトハ ワレノ残滓ヲ残ラズ 消シ去リタイラシイナ |
| シャングリラ | ……無駄ダ 貴様ラガ全テ死ナヌ限リ 我ハ何度デモコノ世ニ―― |
|
シャングリラ、お前…… そうか、そうだったんだな |
| 鬼羅丸 | |
|
お前の中に入ったら すべて理解できたぜ お前が何でこんなことをしたのか |
| 鬼羅丸 | |
|
ずっと昔から、敵味方も関係なく 「全て」を守ろうとしたんだな それが無理だと感じて…… |
| 鬼羅丸 | |
|
お前……いや、お前らは シャングリラとして 平和を叶えようとしたんだな |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | 全テヲゼロニスレバ 世界ヲ守レル ソレガワカルダロウ |
| シャングリラ | 敵味方モ、感情サエモ 全テヲ無クセバ…… |
|
……ああ、確かにな お前の言うことはもっともだ |
| 鬼羅丸 | |
|
誰かのために……って やったことですら誰かを傷つけ 失ったりしちまう |
| 鬼羅丸 | |
|
オレが一人で突っ走らなきゃ カシラだって…… |
| 鬼羅丸 | |
|
……でもな、心があるからこそ その悲しみを止めたいと思い、 何とか前に進めた |
| 鬼羅丸 | |
|
お前らが否定した心がなきゃ、 オレ達はここまでこれなかった 皆が力を合わせた結果なんだ |
| 鬼羅丸 | |
|
あのウェディングすらも オレ達を助けてくれた |
| 鬼羅丸 | |
|
こんな奇跡を起こせる感情を、 心の暖かさを信じているんだよ |
| 鬼羅丸 | |
|
……そして、世界を守ろうという 意志を持ったお前を…… 一人にはしたくねぇんだ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……ナンダト？ |
|
全部を壊しちまった世界…… 平和とすら呼べねぇ停滞した そんな世界に―― |
| 鬼羅丸 | |
|
お前たった一人が 残されるなんて……オレは、嫌だ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ………… |
|
それでも、世界を ゼロにしたいって言うんなら しょうがねえ |
| 鬼羅丸 | |
|
お前が何度も復活して 平和のために 世界を壊そうとするなら…… |
| 鬼羅丸 | |
|
その度に、オレがお前を 止めて……その地に芽吹いた 平和を見せ続けてやる |
| 鬼羅丸 | |
|
そんで、いつか 一緒に笑い合おうぜ？ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……ナニヲ？ 我ハ、貴様ノ敵ダ ドウシテ…… |
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敵だろうが、関係ねえ ウェディングとカノンが いい例だろ |
| 鬼羅丸 | |
|
……まぁ、分かり合うって ところまではまだ 行ってねぇかもしれねぇけどさ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ……ワカラナイ 貴様ノ言ッテイル意味ガ |
|
へへっ、今はそれでいいさ |
| 鬼羅丸 | |
|
これからもオレは変わらねえ 友を想いながら、みんなが笑える 世界を作っていくぜ |
| 鬼羅丸 | |
| シャングリラ | ………… |
| シャングリラ | ……貴様ニ、貴様ラニ デキルモノカ |
| シャングリラ | ダガ、今シバラク眠リニツコウ 眠リニツキナガラ 貴様ラガ成スコトヲ見テイヨウ |
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シャングリラ……ん？ |
| 鬼羅丸 | |
| 瞬間、世界が崩れ去っていく シャングリラの姿も やがて霧散していき―― | |
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鬼丸！ 修羅丸！ 無事じゃったか！？ |
| プリンプリン | |
 |
……ねー、ちゃん？ あっ？ ……オレ何で ここで寝て…… |
| 鬼丸 | |
|
お主達が シャングリラに近づいたと 思ったら |
| プリンプリン | |
|
ピカーっと光って シャングリラが消えて…… いつの間にか二人が倒れておった |
| プリンプリン | |
 |
……そう、なのか |
| 鬼丸 | |
|
修羅丸も息をしておる ……良かったのじゃ |
| プリンプリン | |
 |
……そうだな |
| 鬼丸 | |
|
……どうしたのじゃ？ やはりどこか怪我でも…… |
| プリンプリン | |
|
……いや、何でもねぇ |
| 鬼丸 | |
 |
（……シャングリラ……） |
| 鬼丸 | |
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ウェディング！ ウェディング……！！ |
| カノン | |
| 鬼丸達が声の元へ振り返ると、 カノンの目の前で ウェディングが倒れ伏せていた | |
| シャングリラの放った滅びの光を 防いだはずだったが―― | |
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あの攻撃は…… 完全に防ぎ切れる代物では なかったということか |
| 水の守護者 カイト | |
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……カノン、安心してください 私にはまだやることがあります ですから死にません、絶対に |
| ウェディング | |
|
でも……でもぉ！ |
| カノン | |
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……ですが、 この体は…もう限界のようですね 何という体たらく…… |
| ウェディング | |
|
しばらくは…… 代用品で 我慢するとしましょう |
| ウェディング | |
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……話せなくなる前に 色々言いたいことがあります 聞いて、くれますか？ |
| ウェディング | |
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……もちろん |
| カノン | |
|
それは良かった |
| ウェディング | |
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……カノン、貴方がこれから 何をするにしても…… |
| ウェディング | |
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それがどんな内容だとしても 私は貴方の考えを尊重し 見守りましょう |
| ウェディング | |
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……ウェディング |
| カノン | |
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もし、貴方が私の力を 必要とする時は 私の名を呼んでください |
| ウェディング | |
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私は永遠に貴方の味方であり 貴方の盾なのですから |
| ウェディング | |
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……うん、私も ウェディングの味方……だわ |
| カノン | |
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……そうですか 悪い気は……しないものですね |
| ウェディング | |
|
……まだ、言い足りないですが ここまでのようですね…… |
| ウェディング | |
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ウェディング！ |
| カノン | |
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……泣くのは、無意……いえ |
| ウェディング | |
|
泣くほど想ってくれて ……ありがとう |
| ウェディング | |
| 最後に、ウェディングは微笑み その体は役目を終えたかのように 消え去った | |
| ……一枚のカードを残して | |
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これって ウェディングが…… ……残してくれたもの？ |
| カノン | |
|
姿は見えないけど、 ウェディングの意志を感じる |
| カノン | |
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うん……分かったのだわ |
| カノン | |
| カノンは残してくれたであろう ウェディングのカードを 優しく手に取る | |
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私の贖罪、見守っててください ……ウェディング |
| カノン | |
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……だけど、まだ 贖罪は行えないのだわ |
| カノン | |
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一つだけ、 気がかりなことが残っている それだけは……何とかしないと |
| カノン | |
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シャングリラが、我々の願いが 敗れるとは……我の傷が完全に 癒えてさえいれば……っ |
| サスペンス | |
|
……だが、まだだ まだ手は潰えていない 諦観には……至らぬ |
| サスペンス | |
 |
全てを持って…… 我々の、いや我の大願、 成就させてみせよう……！ |
| サスペンス |
敗北時
| シャングリラ | ゼロニ……全テヲ ゼロニ……！！ |
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……本来なら、私も 貴方に協力するはずでしたが 事情が変わりましてね |
| ウェディング | |
|
残念ながらカノンの悪影響に なりそうなため まこと勝手な話ですが |
| ウェディング | |
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貴方をここで始末します ……文句は、この計画を 早めたサスペンスにお願いします |
| ウェディング |
