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第1話 後編
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dmps_fun
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ストーリー
| 四人の包囲を抜けた二人は 森の奥へ逃げ込んでいた | |
| 二人の足跡を追うように 水流が地面へ広がっていく | |
| 森の入口では虫の大群が旋回している | |
| 背後では ディナの爆撃音と ファレナの虫の羽音が遠ざかる | |
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はぁ……クソ 厄介だな、あいつら |
| アハト | |
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森まで焼くほど愚かではないことが 今は救いだな |
| デ・スザーク | |
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……ここが感知されるのも時間の問題だぞ |
| デ・スザーク | |
| デ・スザークはすぐに 飛び立とうとする | |
| だが、濡れた翼が傾き 地面すれすれまで高度を落とした | |
| 翼の縁は白く欠け 落ちた粒子が水面で消える | |
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(あのレヴィとかいう小僧の 使う水、ただの水ではないな 体を蝕んでくる……) |
| デ・スザーク | |
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本来の力があれば 一瞬で焼き払っていたものを…… |
| デ・スザーク | |
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本来って……ただの鳥だろ? 逃げ回ってただけで 魔凰なんて大口叩く小物クリーチャーだ |
| アハト | |
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貴様……! |
| デ・スザーク | |
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ほらよ |
| アハト | |
| アハトは黒く焦げた金属片を 懐から取り出し デ・スザークの前へ放った | |
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……なんだそれは? |
| デ・スザーク | |
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魔導具の保管台の一部だ 施設で何度も見たものだ 間違いない |
| アハト | |
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あの爆心地にあったのか ならば…… |
| デ・スザーク | |
| デ・スザークが枝から降り 金属片へ嘴を近づけると ごく薄い魔導具の魔力を感じる | |
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ガ・リュミーズは 完全な顕現をするために 魔導具を集めているのか |
| デ・スザーク | |
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かつて私も 地上にあった魔導具を利用し 力の一部を取り戻した |
| デ・スザーク | |
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……不完全すぎるものだがな 魔導具の数がそろい、ノインさえいれば 完全な顕現も可能だろう |
| デ・スザーク | |
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へー…… ノインさえいれば、か |
| アハト | |
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俺じゃだめなのか? 同じ闇文明の戦士だぞ |
| アハト | |
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話にならん 無月の門の欠片と 適合もしていない器では不可能だ |
| デ・スザーク | |
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……………… |
| アハト | |
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完全な顕現を狙うなら 次は、まとまった数の 魔導具が要るはずだ |
| デ・スザーク | |
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――狙うとすればホウエイルか |
| デ・スザーク | |
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何でそう言い切れるんだよ 地上にだって魔導具はあるだろ? |
| アハト | |
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広大な地上を歩き回るより ホウエイルを落とす方が 手間が少ない |
| デ・スザーク | |
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あれほどの自信家だ ノインの身の安全も考慮しないのなら 最も安直な道に飛びついても不思議ではない |
| デ・スザーク | |
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……わかった じゃあ、俺も連れていけよ |
| アハト | |
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ホウエイルへ移動する 転送門の場所は私が知っている 一人で十分だ |
| デ・スザーク | |
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堂々とホウエイルへ向かえば あいつらに捕まる |
| アハト | |
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お前も翼の先が消えてる 飛ぶのもだんだん難しくなってるんだろ |
| アハト | |
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俺達が天上の奴らの目から隠れて 動くための抜け道があるんだ 教えてやれるぞ |
| アハト | |
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………… |
| デ・スザーク | |
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致し方ないか ならば、先導するがいい |
| デ・スザーク | |
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(……こいつ、お願いする側なのに 何でこんなに偉そうにできるんだ?) |
| アハト |
| 二人は隠された道を進む | |
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なあ |
| アハト | |
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何だ |
| デ・スザーク | |
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お前とノインは どんな関係なんだ? 俺は未来ではどんなだった? |
| アハト | |
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未来のアイツがどんな風なのか 未来の俺がどんな風なのか 教えてくれよ |
| アハト | |
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……勝手な人間だ |
| デ・スザーク | |
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――私の力を借りながら 私の思惑どおりに力を使った試しがない |
| デ・スザーク | |
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敵の懐へ潜入するなと言えば 一人なら見つかりにくいと返す |
| デ・スザーク | |
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挙げ句、他人を救うために 自分の立場まで危うくする |
| デ・スザーク | |
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へぇ、意外だな 俺達と居た頃は そんな奴じゃなかったのに |
| アハト | |
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生き残るのに必死だったからな それに、他者を気遣う 余力もなかった |
| デ・スザーク | |
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……それだけ? |
| アハト | |
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まだあるに決まっている 使い方を教えれば無茶をし 無茶を咎めれば文句を言う! |
| デ・スザーク | |
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危険なことをすると思って伏せておけば 自分で決めると反発してくる! |
| デ・スザーク | |
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わけがわからん 力を貸してやっているのはこちらだ 何かあれば困るのは私だというのに |
| デ・スザーク | |
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それでも、離れなかったのか |
| アハト | |
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契約者を放置して死なれても困る 私が顕現もできなくなって しまうからな |
| デ・スザーク | |
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……ふーん |
| アハト | |
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ノインは、お前を怖がらなかったのか 魔凰なんだろ |
| アハト | |
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最初から恐れを知らぬ人間だった |
| デ・スザーク | |
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未来がないと言いながら 失うものなどない顔で 私へ手を伸ばした |
| デ・スザーク | |
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……少なくとも 私はそう感じた |
| デ・スザーク | |
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お前、ずっとノインを見てたんだな |
| アハト | |
| デ・スザークはわずかに口を閉ざす 語りすぎたと気づいたように 翼を強く羽ばたかせた | |
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契約者の行動を把握するのは当然だ |
| デ・スザーク | |
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お前にとって 子どものような存在なんだな |
| アハト | |
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あんな子どもがいてたまるか |
| デ・スザーク | |
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俺の話がまだ出て来てないぞ 未来の俺はどんな感じなんだ? |
| アハト | |
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――知らぬ 少なくとも、ノインはずっと一人だった |
| デ・スザーク | |
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…………なるほど、な |
| アハト |
| 森の奥に古い転送門らしきものが現れる | |
| 地面に円形に配置された石の輪 それは蔦に覆われており 光を失った紋様だけが残っている | |
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ここか 草木に隠れてこんなさりげなく…… これは見つからないわけだ |
| アハト | |
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ここに入れば転送されるのか? |
| アハト | |
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誰でも入れたら、今頃 闇文明はとっくにホウエイルを 占領している |
| デ・スザーク | |
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通常ならホウエイルの関係者に紛れて 潜り込むのだが…… |
| デ・スザーク | |
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よりにもよって 今地上に降りてきているのは マスター候補生だけだ |
| デ・スザーク | |
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……どうしたものか 先ほどの爆発のように騒ぎを起こして ここへ集めるか? |
| デ・スザーク | |
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奴らが帰るのを待つべきか いや、それでは悠長過ぎる…… |
| デ・スザーク | |
| デ・スザークがぶつぶつと 呟きながら考えに耽っていると アハトが魔法陣へ足を踏み入れる |
| その瞬間 眠っていた紋様へ青い光が走った | |
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あれ? 動いたぞ |
| アハト |
| 光が二人を包む |
| 次に視界が開けた時 二人はホウエイルの街路に立っていた | |
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………… |
| デ・スザーク | |
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何だよ、俺の顔をみて 茫然として |
| アハト | |
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その姿、お前…… |
| デ・スザーク | |
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うわ、何だこれ!? 身体が変わってるぞ!? これが、俺……? |
| アハト | |
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勝手にデカくなるな 見つかりやすくなるだろう! |
| デ・スザーク | |
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好きでこうなったわけじゃない! というかなんだ、これは 俺の未来の姿なのか? |
| アハト | |
| ――二人が言い合いをしていると 背後から近づく影が現れる | |
| ……貴方達は、だれ? | |
| ??? | |
| 白い少女が 冷え切った瞳で二人を見つめていた |








