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【ラダトーム】 - (2013/08/20 (火) 00:22:31) の編集履歴(バックアップ)


概要

記念すべきドラゴンクエストシリーズ最初の城。
【アレフガルド】全域を支配下に置く国家中枢であるが、魔族の侵攻にたびたび脅かされている。
というのも、海峡を挟んだ目と鼻の先に魔を呼び寄せる【魔の島】が存在するため。
海峡は潮流が激しいために、人間側・魔族側共に海峡越しの本拠地攻撃は不可能。
互いに目視可能な距離にありながら膠着状態が続かざるを得ないという奇妙な地の利に恵まれている。

海を超えて魔の島に乗り込むことができないのは勇者もまた同じであり、
ⅠやⅢでは魔の島へ虹の橋を掛けるという【にじのしずく】を得る事を目的に勇者はアレフガルドを奔走する。

ラダトームには城と城下町が存在し、城の構造は作品が変わってもほとんど変化しないのだが、なぜか城下町だけ場所がコロコロ変わる。
Ⅲの時代では街が城の西に隣接しているが、Ⅰでは街が東側に少し離れた場所に移動し、かと思えばⅡの時代ではまた城の西に移動している。
平和になると無駄な公共事業を行いたがる国家体質なのかもしれない。

DQⅠ

ファミコンの電源を入れると、あなた=勇者はここに出現する。
ドラゴンクエストの全てがここから始まった。

アレフガルドを統治する城で、国王は【ラルス16世】
そして「そんな、ひどい…」で有名な【ローラ姫】の居城でもある。
海を隔ててすぐ南には宿敵【竜王の城】が禍々しく聳えている。

城がここにしかないので、当然セーブは全てラダトームの王様にしてもらう事になる。
必然的に電源をつけてプレイを再開した際にもここから再開することになる。
また、ルーラやキメラのつばさを使った場合、また全滅した場合も必ずラダトームに飛ぶ。
これほどお世話になる回数の多い城はシリーズ全体を通じて見てもなかなかないだろう。
呪われていると城から放り出されるのが腹立たしいが。

その他、MPをタダで回復してくれる【ラダトーム城の老人】、呪いを解いてくれる老人、世界一安いカギ屋、【たいようのいし】を守る老人、一緒に宿屋に泊まるといきなり【ゆうべはおたのしみでしたね】できる尻軽町娘など、重要な人物が多数在住。

最初の町だけあって、周囲の敵はスライム・スライムベス・ゴースト・ドラキーと雑魚ばかり。
竜王軍の戦力分布を考えると、敵の本丸まで軍団を送り込んでおきながら最前線が一番の雑魚という意味不明な配置である。
海流が激しくて船を出せないのは分かるのだが、竜王はスターキメラの大群を海峡を超えて送り込むとか考えないのだろうか?

ちなみに、開発段階では電源を入れるとラダトーム城周辺のフィールド上からスタートする予定だったのだが、なにしろ日本にはコンピューターRPGの概念がほとんどなかった時代。
テストプレイヤーたちは「城のシンボルに触れると城に入れる」ことに気づくことができず、丸腰のまま敵と戦い回復手段がないままバタバタと死んでいった。
かくして「ストーリーの最初は街か城の中に出て簡単な説明を受ける」というDQのお約束が誕生したのである。

竜王を斃し世界に平和を取り戻した勇者はラダトームへと凱旋、その功績を称して王は彼に王位を禅譲する事を提案する。
しかし、あなたは言いました。
【いいえ。もし私の治める国があるならそれは私自身でさがしたいのです。】
勇者はローラ姫を連れて城を去り、後に3つの王国を建国することになる。

DQⅡ

Ⅰの勇者が竜王を討ち果たした後に世界が広がり、アレフガルドは広大な世界の中心に存在する一大陸となった。
ラダトームは(1人娘を勇者に持っていかれたにもかかわらず)存続しているが、アレフガルドの地に存在した他の町や村は全て消滅しており、国勢は衰退の一途を辿っている。
海峡を挟んで南の城にはかつて竜王が居を構えた魔の島があるものの、住んでいる【竜王のひ孫】に人類攻撃の意思はない様子。
国王は【武器屋の隠居】に身をやつし国政に目を向けていないが、果たして今後どうなることやら…

アレフガルドミニチュア化により、かつて別々にあった城と町が合体しているが、なぜが東西が逆になっている。
宝箱がない上に武器屋もロクなものを置いておらず、ビックリするほど実入りがない街になってしまった。
ただし、MPを回復してくれる爺さんが健在な上、世界地図の真ん中辺りにあるため、どこへ行くにも大体遠過ぎないくらいの距離で行ける。
中盤の拠点とするにはちょうどいい城。

DQⅢ

Ⅰより前の時代を描いたこの作品では、やはり下の世界「アレフガルド」に存在する唯一の城。【ラルス王】が統治している。
もう1つの世界の存在を知り【ギアガの大穴】に飛び込んだ勇者たちが見る、恐らく最初の街である。
海を隔ててすぐ南には、アレフガルドを闇で覆い太陽を奪い去った大魔王【ゾーマの城】が禍々しく聳えている。
魔王を倒せる唯一の武器と言われる城の秘宝【おうじゃのけん】【ひかりのよろい】【ゆうしゃのたて】を魔王軍に強奪され、街と城は絶望に包まれている。
中身のない宝箱が城に3つ残されているのが痛々しい。

勇者たちはこの城にオルテガと名乗る男が現れた事を知る。
死んだとばかり思っていた父の生存を知った喜びも束の間、彼はオルテガという名前以外の全ての記憶を失っており、己の義務感のみに従い大魔王の城へと向かったという。
目前にまで迫った父の足跡を追い、勇者はアレフガルドを駈ける。

町の奥に城があるという、アリアハンと似た構図になっている(ただし、アリアハンと違ってフィールド上は町のグラフィック)。
町の東側に城が存在していて、Ⅰとは城と町の位置が左右逆。というよりシリーズ中、Ⅰだけが城と町の位置が東西逆になっている。

FC版では店で特に買いたいものはないが、リメイク版では水鏡の盾やミスリルヘルムが追加されかなり品揃えが豪華に。
また、宿屋が1人1Gと異常に安いのが特徴。
下の世界で冒険の書をつけられる唯一の場所だが、Ⅲではルーラで飛ぶ場所を自由に選択できるようになったため、大抵の人は中に入ってすぐにセーブ可能なダーマへルーラしてセーブしたと思われる。
Ⅰの時とは異なり、さほどお世話になる機会のない街。

主だった住人としては、どういうわけか下に落ちてきた【カンダタ】が牢屋にぶち込まれているのが目立つ。
また、城下町には「呪いを解く研究をしている」少年がいるほか、Ⅰで太陽の石が存在した地下室にいるおっさんにエンディングで太陽の石を託すことができる。
Ⅰの時代でもなぜか生存している彼らが一体何歳になっているのか激しく疑問。

終盤の城だけあって周囲の敵は強力だが、どういうわけか【スライムベス】が混ざっている。
Ⅰで出てくるスライムとスライムベスは彼らの子孫だろうか?

眼前で父を喪い、悲しみを胸に負いつつ大魔王ゾーマを討ち果たした勇者はラダトームへと凱旋。
かくしてロトの称号を受けた勇者は、ここアレフガルドの英雄となる!
だが、祝いの宴が終わった時、彼の姿はもはやどこにもなかったという。
ここラダトームの地でロト三部作は終わりを告げ、同時に勇者ロトの伝説が始まりを告げるのだ。

DQMCH

なんと本編ではラストダンジョンであり、幻魔王【マガルギ】の住処。
つい最近まで【アレフガルド】ごと海に沈んでいたのもあり、他の幻魔の住処と同じく例によって人間はひとっこひとり住んでいない。
ロトのオーブを集め、マガルギのもとへ持っていけばどんな願い事でも叶う。はずだったが…

地上の城の構造は本編のものと概ね変わらないが(何故かⅡ時代よりもⅠ時代に近い)、城下町は跡形もなくなってしまっている。
一見手入れの行き届いた清潔な城に見えるが、よく調べると穴だらけになっているタルや、空っぽのまま置かれた宝箱が、ここが長い間まともに使われていない事を物語っており、
また、地下にはマガルギ(に憑りついた【ギスヴァーグ】)が築いたと思われる巨大ダンジョンが広がっている。
地下への入り口は城の裏側に隠されており、さらに地上の城の正面入り口の門は固く閉ざされている。
マガルギの潜む場所へ行くには、横の勝手口から中へ入り、地上2階の謁見の間を通って、外郭から裏側へ飛び降りなくてはならない。

地下はラストダンジョンだけあって難敵ぞろいで、ワープやバリアといった厄介な仕掛けが豊富。中でも、ここから罠の宝箱からはオーブのダンジョンに出てくる能力値の【ミミック】が現れ、下手に挑むと返り討ちに逢う事もあるので注意。
さらに、地下5階では【ローズバトラー】【カオスドレイク】【くさりまじん】【グリフィンクス】の4体のボスが最深層への扉を守る。
それを抜ければいよいよ幻魔王マガルギとのご対面となる。

全てが解決した後は正気に戻ったマガルギが地上の城の謁見の間の玉座に座っている。
ただし、ほかの幻魔のように戦いを挑むようなことは出来ない。残念。