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雪崩

 ライアンルーキーとんぬらアイラの4人は森の中を歩いていた。
 魔法の球はかなり広範囲に配置されているらしく、現に今も同じところを回っているようである。
 ルーキーは白い息を吐きながら呟いた。
「なんだか、ぜんぜん進まないねぇ」
「仕方ないでござるよ。とにかく、今は一刻も早く森を出ることでござる」
 そのとき、とんぬらがある方向に指をさした。
「今度こそ、抜けたみたいだよ」

 森から抜けた先には、山道があった。
 白く染まった道を見て、ルーキーはため息をつく。
「今度は山に登るの?」
「仕方ないでござるよ。あの森の中にいたのではいつまで経っても進めないでござる」
 もちろん、それはわかる。だが、森の中は木々のおかげで風は届かないという利点もある。
 この寒さだ、防寒具を着ているとんぬらやゾンビ状態のアイラはとにかく、自分はつらい。
 ルーキーはライアンの方から飛び跳ねると、とんぬらの肩に移った。
「ねぇ、とんぬらさん、とんぬらさんのマントの中に入れてよ。もう、寒くて寒くて」
「これ、多少涼しい程度でござらぬか。あまりわがまま言うものではないぞ、ルーキー殿」
 大真面目な顔でいうライアンに、とんぬらは苦笑した。
「まあまあ。僕はかまいませんから。いいよ、マントの中にお入り」
「やったぁ!ありがとうとんぬらさん!」
 言うが早く、襟からマントの中に潜り込むルーキー。
 そんなルーキーを、アイラはうらやましそうに見ている。
「やれやれ、モテモテでござるなぁ」
 肩をすくめるライアン。とんぬらはあいまいな笑みを浮かべた。

 山道は、険しい山脈の狭間に伸びていた。
 こんなところで敵に会ったら、堪らない(でござる)な。
 戦いに慣れた二人はそんなことを思いながら、先に進む。
 この山を抜けて、とにかく見通しのよい場所に出る。
 そこには勿論危険もあるだろうが、探し人がいる可能性もあるのだ。

クーパーアニー。今、どこにいるんだ…?)
 とんぬらは、まだ幼い自分たちの子供のことを思った。
 仲間たちのことも。ピエールピピン。そして……
 そして、再開の時は来た。

 お互いが、何の気構えもできなかった。正真正銘の突然。
ヘンリー
「とんぬら」

 山間を、風が抜ける。
 二人の連れは、それぞれの表情で二人を見比べた。
 大きく息を吸って、そしてヘンリーは笑う。
「よう。相変わらず変なのに好かれてるみたいだな」
「まあね、どうやら性分らしい。ヘンリーも……」
「放送聞いたよ。フローラさん、残念だったな」
「…マリアさんも」
 ヘンリーの連れ、アグリアスの眉が微かに動く。マリア、その名前はつい先ほど聞いたものだった。
「ああ。……また、お互い、大切な人を失ってしまったな」
 ヘンリーはゆっくりと、とんぬらたちに近づいてくる。

「む、とんぬら殿、知り合いでござるか?」
 そんなの見りゃわかるじゃん、とマントの中のルーキーは思ったが、
 まあ大方本当に今気付いたのだろうから、何も言わなかった。
「ならばよいのでござる。ヘンリー殿、であったか。拙者は……」
「ライアンさん」
 とんぬらは底冷えのする声でライアンの言葉を遮った。
 ヘンリーは相変わらず笑ったままだ。
「やっぱり、お前にはわかってしまうか」
「何年親友やってると思っているんだ、ヘンリー」
「そうだったな…でも、さすがにこれはわからないだろう、相棒!」

 ビンが投げつけられる。
 次の瞬間、とんぬらはさざなみの剣を掲げ、ヘンリーは呪文を唱えた!
「イオ!」

「ヌ、おおっ!?」
「これは…っ!」
 小規模な爆発。それ自体は、剣の力で跳ね返している。
 だが、爆発はビンを巻き込み、ビンの中に入っていた薬品が引火して、とんぬら、ライアン、アイラに降り注ぐ!
 火を纏った液体をかわせず、三人は火ダルマになった!

 ライアンはごろごろと地面に転がり、とんぬらはフードと防寒具を脱ぎ捨てようと手をかける。
 アイラは……相変わらず平然とした姿でライアンが落とした大地のハンマーを拾い上げると、
 無造作に、地面を叩き付けた。

 ドゥン!!
 遥か彼方まで届きそうな重い音が響き渡り、雪が舞って白い柱が生まれる。
 ライアン、とんぬら、アイラはその柱の中に巻き込まれ、吹き飛ばされた。
 雪にまみれながら地面に落ちたころには、火は消えている。

「いたた…手荒すぎるでござるよ、アイラ殿」
 雪を撥ね退け、身を起こすライアン。
 アイラはやはり無造作に大地のハンマーをライアンに押し付ける。
 とんぬらは二人からやや離れたところで、頭を振りながら身を起こした。
 とんぬらがいる場所は、ライアンたちよりヘンリーたちに近い。

 刹那、とんぬらをアグリアスの剣が襲う。
 とんぬらは二度三度アグリアスの剣撃を受け流すと、バギの呪文を唱えた。
「くっ…」
 巻き起こった真空の渦に攻撃の手が止まる。
 その隙を見逃さず、今度はとんぬらが攻撃に転じる。
「とんぬら殿!」
 ライアンは大地のハンマーを手に取った。アイラはすでにとんぬらの元に駆け出している。

 そのときだった。

 ゴゴゴ……

「む…何の音だ?」
「まさか…」
 大地のハンマー。それは名前の通り、大地の力を秘めたもの。
 その力は…大地をも揺るがす。
『雪崩!?』
 全員(アイラを除く)が叫んだときには、白い激流が全員を押し流していた。


 …
 ……
 ………どれくらい、気を失っていたのか。
 とんぬらはちょうど森から山道に入るあたりで、我に返った。周囲を見回す。誰も、いない。
 あわててマントの中を見ると、目を回して気絶しているルーキーがいた。

【ルーキー(気絶) 所持品:スナイパーアイブーメラン
 第一行動方針:仲間を探す】
【とんぬら 所持品:さざなみの剣
 第一行動方針:パパスと会う
 第二行動方針:クーパーとアニーを助ける
 第三行動方針:アイラの呪いを解ける人を探す】
【現在位置:台地北の森と祠西の山岳地帯の境目】

【ライアン 所持品:大地のハンマー
 第一行動方針:仲間を探す】
 基本行動方針:来る者は拒まず、去るものは追わず。】
【現在位置:祠西の山岳地帯で雪崩に巻き込まれました】

【アイラ(ゾンビ) 所持品:チェス板、駒 死者の指輪 マンイーター
 第一行動方針:ゾンビ状態中はとんぬらについていく。死者の指輪が外れたら???】
【現在位置:祠西の山岳地帯で雪崩に巻き込まれました】

【ヘンリー 所持品:ミスリルアクス イオの書×3
 最終行動方針:皆殺し】
【現在位置:祠西の山岳地帯で雪崩に巻き込まれました】

【アグリアス@ホーリーナイト(アビリティ:時魔法)
 所持品:スリングショット ダイヤソード なべのふた
 基本行動方針:ゲームにのる
 最終行動方針:生き残る】
【現在位置:祠西の山岳地帯で雪崩に巻き込まれました】


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最終更新:2011年07月18日 07:31
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