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[[E101/102 越前部隊まとめ]] *E101/102 越前ギーク分隊 情報戦1 **作戦案 【基本方針】 ギークによるハッキングで敵部隊に情報戦をしかけ、友軍情報の隠蔽・改ざんを行い、友軍部隊の戦闘を援護する。 【作戦手順】: ・敵システムへの侵入:電子妖精を使用する。電子妖精からウィルスを仕掛け、自己増殖して他のコンピュータに感染、浸透して・以後の侵入経路を確保。また、密かに情報を改竄する。 ・改ざん:自動人形のレーダーを麻痺させた後、ウィルスによる情報の改竄で本来存在しない友軍部隊を示し、敵の注意を引きつける。 ・改ざん:奇襲をかける友軍部隊の存在を自動人形のセンサーから隠蔽する。 【システム侵入の詳細】: ・制御系など複数系統用用意されていて、ブロックが堅い所をさけ観測システム等後付の弱い部分に対してアクセスを行い制御を奪いデータの改ざん等を行う ・ファイヤーウォールやアイスなどのハッキング対策が施されている可能性が高い為、こちらの機器への被害がでないようにモニタリングに注意する 【改ざんの詳細】 ・敵軍の自動人形への指示を解読し、情報を取得する。 ・敵自動人形部隊の支持に侵入して情報を取得することにより、友軍部隊を敵ルートからはずす。 ・既に交戦中の友軍部隊に、さも増援が来るような情報を偽装する。 ・別ルートから攻撃対象に迫る友軍部隊の存在を隠蔽する。 ・友軍>敵自動人形へのロックオン警報を消し、敵を混乱させる。 ・味方部隊の偽情報は複数種類作成する。 ・敵の攻撃目標を誤認させ、経路をこちらの都合に合わせて誘導する。 【装備】 ・電子妖精”優填”および、優填に含まれる各種ハッキングツール ・ハッカーの知恵熱・オーバーヒートを防ぐ冷却材(冷えピタ)。 【部隊能力】 ・ハッカー部隊なのでコンピュータ、ハッキング、ネットワークに対する知識を習熟している。 ・情報処理の機器に習熟しておき、的確に操作する ・視野狭窄に陥ることなく、視野を広くもち判断する。 ・作業は高速かつ冷静に行う。 判断には"文殊"データベースによる戦略支援システムも援用する。 ・報告・連絡・相談を確実に行う。 ・ハッキング、情報収集、解析等などグループごとにわかれ連携をとることで精度、効率を高める。 【敵ハッキングからの防御】 ・自軍ネットワークにおいて本当の情報はプロテクトの堅いところにおいておき、偽情報を比較的プロテクトの薄いところにおいておく。これにより敵にこちらの情報をつかませない。 ・自軍内のネットワークは事前にランダム暗号鍵を生成しておき、指定されたタイミングにより定期的に切り替えられるようにしておき、重要度の高い情報を隠蔽する。 ・敵による侵入を防ぐためファイヤーウォール、ICEを使用する。 ・通信路を遮断された場合は、サイボーグのナショナルネットを予備回線として使用する。 **SS・イラスト ―――存在しないメモリ領域からのアクセスを確認 ***越前統合侵入電子妖精“優填” :U|nited :T|respasser of :E|chizen's :N|etrace ---- 深夜の執務室。いつも通り越前にその名を響かせる電脳摂政・黒崎は頭に冷却用の濡れタオルをかぶせて今日も深夜まで執務に励んでいた。目の前には電脳摂政に似つかわしくない書類の束が山積されていて、それを前に黒埼は眉をしかめていた。 と、モニターの明かりだけだった部屋がぱっと明るくなった。 「まったく、いつも暗い部屋で。明かりくらい使って下さい」 「ん…朱居さんか」 「それと根詰めすぎないように。みんな心配してます。あとたまには顔出して下さい。それからここにお茶置いてきますよ」 「ああ、すまないな」 苦笑を浮かべて黒埼は後ろを振り返った。 すると開いた扉から飛び出した何かが不意に黒埼の視界を塞いだ。 「く・ろ・さん♪なにして遊んでるの~?」 それは最初、大きな蝶のように見えた。しかし蝶がしゃべるはずもない。青白く光る髪をなびかせ透き通った羽をもつ小さな人型の少女。妖精と言う呼び方がしっくりくるこの少女こそ、 越前が開発した越前統合侵入電子妖精<United Trespasser of Echizen's Netrace>“優填”であった。 しかし越前情報技術の粋を集めた電子妖精を前にして、産みの親である黒埼は渋面を浮かべた。 「……その呼び方はやめろといつも言っているだろう」 まるで虫でも追っ払うように黒埼が手を振ると、電子妖精・優填は黒埼の使っている端末のモニターにふわりと腰かけた。口を尖らせて言い募る。 「いいじゃーん!パパ♡、って呼ぶともっと嫌がるくせにー」 「当たり前だ!!」 「じゃあ、黒さんで。それとも黒様とか呼ばれたいの?」 「ぐぐ……こほん。まあいい、好きに呼びたまえ」 「はーい♪じゃあパパでもいいってことね」 「それは却下だ!」 #ref(http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/451.jpg,,width=600) (電子妖精にやり込められる我らが電脳摂政の図・絵:朱居まりあ<再利用>) 電子妖精相手にムキになる自分に半ば自嘲しつつ、黒埼はため息をついた。まったくそんな言葉どこで覚えてくるんだ、とぼやきつつも、しかし黒埼はこの電子妖精という存在に可能性を感じていた。最初はたんなるデータ収集やハッキングを仕掛ける際の便利なツールという意識しかなかった黒埼だったが、自律型のプログラムである優填は勝手に言語などのデータを集積しはじめ、今ではこうして会話することすら可能なのだ。  やり取りを見ていた朱居は毎度のやり取りに苦笑を浮かべて何も言わずに退室した。 その間に優填の興味は黒埼の見ている分厚い紙束に移っていた。原始的な情報集積手段に対する知的好奇心とでも言おうか。 「これはなーに?」 「ん……なに、お前に遊び場をやろうとおもってな」 /*/ 翌日、謁見室に現われたのは目元に大きなクマを作った黒埼だった。珍しく携帯端末でなくぶ厚い紙束を持っている。 「なんだ…?」 差し出されたそのぶ厚い文書の束を見て、セントラル越前は訝しげな表情でそう言った。 その書類には『文殊第2データセンター』の設立、というタイトルと共に、ガラス張りの高層建築に集積されたネットワークとサーバ群のイメージ映像が添付されていた。 「こんなものを今更作ってどうしようと言うんだ?」 その問いに、黒埼はわが意を得たりとばかりに詳細を話し始めた。 「これは、偽装です」 本命はデータセンターに偽装された『電子妖精のための演習場』。それが狙いだと黒埼は語った。 「なんでここまでのものが必要なんだ」 「電子妖精を動かすためだけで、膨大なマシンパワーを必要とします。それが狙うべき対象もまた、同じだけのスペックが必要です。でなければ演習とはいえない」 「なぜそこまでの演習が必要だ。十分なスペックは期待できるのだろう?」 「経験が足りない。次の敵が強大になることははっきりしています。できる限りの訓練経験を積ませるべきです。 ―――優填にも、我々にも。」 しかしなおも藩王越前は渋面のままだった。 「ここまで大きくやれば、偽装もなにもなく、他国が嗅ぎつけそうなもんだが」 「それでもいい。敵に伝わらなければいい話です。それに―――」 「それに?」 「仮に情報が漏れていたとしても――――この演習が終わったあとのあいつを止められるな障害なんて、ありゃしませんよ」 そう言った黒埼の顔には、普段の苦笑ではない、我が子を誇るような笑みが浮かんでいた。 /*/ 演習は滞りなく進んでいた。 『調子はどうだ?』 「んー。なんとなく動きが重い感じがする」 『ふむ。調整してみよう…よし、次の目標を出す』 ナショナルネット内にいる優填の疑似視界に、輪っかを組み合わせたような物体が浮かんできた。これでもワームの一種なのだが、浮かんでいるだけで特に動きは見えなかった。 『あれを撃破してくれ』 「やっつけちゃうの?」 『ああ』 「りょーかい♪」 優填は羽を一度振るわせると稲妻のような速度で輪っかに迫った。 はせ違う瞬間に手から魔法のように光の剣を出現させると、輪っかを一刀両断にする。 「ちょろいちょろい~♪」 『よし、続いていくぞ』 言葉とともに今度は一気に100体ほどの輪っかが現れる。 「ちょ、ちょっといきなり増え過ぎ~」 『新しいプログラムがあるだろう?それを試してみてくれ』 「あ、そっか、心赤ちゃんがいたっけ。よっし心赤ちゃん、いっけー!」 そう言うと優填は羽を振るわせて飛翔した。その拍子に優填の羽から零れおちた小さな光がみるみる小さな少女の形を取り始める。 /*/ 「これが例の…」 「はい、優填の攻撃サポート用電子妖精・心赤<KOAKA>です。優填を空母とすれば、それに搭載される艦載機のような役割を果たす攻撃に特化した電子妖精の亜種です」 黒埼がコンソールを操作して心赤の詳細を呼びだす。優填が妹と呼ぶのも無理はない。その姿は優填と同じく翼持つ少女を模していた。 #ref(http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/500.jpg,,width=600) (心赤スペック画面・絵:朱居まりあ 新規) 「たしかに姿もなんとなく戦闘型っぽいな…この造形は誰が?」 「最終的な視覚デザイン回りは朱居女史が組んでます。優填までの機能はありませんが、彼女の機構を元に戦闘用に特化したプログラムを組み込んであります。敵セキュリティとの交戦を任せて優填を侵入に専念させる、そういう使い方もできます」 「なるほどな…。腰の左右に付けてる道具は何だ?」 「あれはツールボックスです。ICEブレイク用のデヴァイスや攻撃用デヴァイス、鎧型デヴァイスなどを収納してあります」 「なるほど…」 モニターの向こうでは心赤が無数のワームを光の剣で薙ぎ払い大立ち回りを演じていた。視覚にはそう見えるが、その実凄まじい勢いでネットワーク上のワームを除去していた。 「戦闘能力だけなら優填以上だな…」 「ええ、戦闘特化型の電子妖精ですから」 「優填本体の攻撃型への改良はどのくらいかかる?」 マスク越しにわかるほど不意に鋭くなった藩王越前の視線に黒埼は目を細める。 「本来ならあいつには情報の海を自由に泳いでいて欲しい所ですが。この状況ではいたしかたない、か。……すでにバージョンアップに必要な改良データは揃ってます。心赤<コアカ>の方も、すでに実戦仕様型のリリース準備は整ってます」 セントラル越前はそれらをじっと聞いていたが、不意に天を仰いだ。 「…また宇宙へ上がる時期は近い……その時が電脳国家越前の、そして優填の底力を見せる時だ―――」 モニターの中では最後のワームプログラムが撃破され、ピースをする優填とその近くで戦闘態勢を崩さず待機する心赤の姿が映し出されていた。 /*/  それは音もなく現れ 音もなく消えていく 目をつぶった時に入りこみ 目を開けた時には消えている さながら妖精のごとく **参戦者RP ** 応援 - 「ワームに、確保したデータが認識できなくなるフォゲット(物忘れ)ウイルスを仕込んで敵の各領域(グリッド)へ放出させなさい!」 -- 朱居まりあ@越前藩国 (2007-07-16 18:29:52) - 「優填!遊んでもいいからしっかりと相手の目は潰してくれよ!」 -- 不破陽多@越前藩国 (2007-07-16 21:23:51) #comment
[[E101/102 越前部隊まとめ]] *E101/102 越前ギーク分隊 情報戦1 **作戦案 【基本方針】 ギークによるハッキングで敵部隊に情報戦をしかけ、友軍情報の隠蔽・改ざんを行い、友軍部隊の戦闘を援護する。 【作戦手順】: ・敵システムへの侵入:電子妖精を使用する。電子妖精からウィルスを仕掛け、自己増殖して他のコンピュータに感染、浸透して・以後の侵入経路を確保。また、密かに情報を改竄する。 ・改ざん:自動人形のレーダーを麻痺させた後、ウィルスによる情報の改竄で本来存在しない友軍部隊を示し、敵の注意を引きつける。 ・改ざん:奇襲をかける友軍部隊の存在を自動人形のセンサーから隠蔽する。 【システム侵入の詳細】: ・制御系など複数系統用用意されていて、ブロックが堅い所をさけ観測システム等後付の弱い部分に対してアクセスを行い制御を奪いデータの改ざん等を行う ・ファイヤーウォールやアイスなどのハッキング対策が施されている可能性が高い為、こちらの機器への被害がでないようにモニタリングに注意する 【改ざんの詳細】 ・敵軍の自動人形への指示を解読し、情報を取得する。 ・敵自動人形部隊の支持に侵入して情報を取得することにより、友軍部隊を敵ルートからはずす。 ・既に交戦中の友軍部隊に、さも増援が来るような情報を偽装する。 ・別ルートから攻撃対象に迫る友軍部隊の存在を隠蔽する。 ・友軍>敵自動人形へのロックオン警報を消し、敵を混乱させる。 ・味方部隊の偽情報は複数種類作成する。 ・敵の攻撃目標を誤認させ、経路をこちらの都合に合わせて誘導する。 【装備】 ・電子妖精”優填”および、優填に含まれる各種ハッキングツール ・ハッカーの知恵熱・オーバーヒートを防ぐ冷却材(冷えピタ)。 【部隊能力】 ・ハッカー部隊なのでコンピュータ、ハッキング、ネットワークに対する知識を習熟している。 ・情報処理の機器に習熟しておき、的確に操作する ・視野狭窄に陥ることなく、視野を広くもち判断する。 ・作業は高速かつ冷静に行う。 判断には"文殊"データベースによる戦略支援システムも援用する。 ・報告・連絡・相談を確実に行う。 ・ハッキング、情報収集、解析等などグループごとにわかれ連携をとることで精度、効率を高める。 【敵ハッキングからの防御】 ・自軍ネットワークにおいて本当の情報はプロテクトの堅いところにおいておき、偽情報を比較的プロテクトの薄いところにおいておく。これにより敵にこちらの情報をつかませない。 ・自軍内のネットワークは事前にランダム暗号鍵を生成しておき、指定されたタイミングにより定期的に切り替えられるようにしておき、重要度の高い情報を隠蔽する。 ・敵による侵入を防ぐためファイヤーウォール、ICEを使用する。 ・通信路を遮断された場合は、サイボーグのナショナルネットを予備回線として使用する。 **SS・イラスト ―――存在しないメモリ領域からのアクセスを確認 ***越前統合侵入電子妖精“優填” :U|nited :T|respasser of :E|chizen's :N|etrace ---- 深夜の執務室。いつも通り越前にその名を響かせる電脳摂政・黒崎は頭に冷却用の濡れタオルをかぶせて今日も深夜まで執務に励んでいた。目の前には電脳摂政に似つかわしくない書類の束が山積されていて、それを前に黒埼は眉をしかめていた。 と、モニターの明かりだけだった部屋がぱっと明るくなった。 「まったく、いつも暗い部屋で。明かりくらい使って下さい」 「ん…朱居さんか」 「それと根詰めすぎないように。みんな心配してます。あとたまには顔出して下さい。それからここにお茶置いてきますよ」 「ああ、すまないな」 苦笑を浮かべて黒埼は後ろを振り返った。 すると開いた扉から飛び出した何かが不意に黒埼の視界を塞いだ。 「く・ろ・さん♪なにして遊んでるの~?」 それは最初、大きな蝶のように見えた。しかし蝶がしゃべるはずもない。青白く光る髪をなびかせ透き通った羽をもつ小さな人型の少女。妖精と言う呼び方がしっくりくるこの少女こそ、 越前が開発した越前統合侵入電子妖精<United Trespasser of Echizen's Netrace>“優填”であった。 しかし越前情報技術の粋を集めた電子妖精を前にして、産みの親である黒埼は渋面を浮かべた。 「……その呼び方はやめろといつも言っているだろう」 まるで虫でも追っ払うように黒埼が手を振ると、電子妖精・優填は黒埼の使っている端末のモニターにふわりと腰かけた。口を尖らせて言い募る。 「いいじゃーん!パパ♡、って呼ぶともっと嫌がるくせにー」 「当たり前だ!!」 「じゃあ、黒さんで。それとも黒様とか呼ばれたいの?」 「ぐぐ……こほん。まあいい、好きに呼びたまえ」 「はーい♪じゃあパパでもいいってことね」 「それは却下だ!」 #ref(http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/451.jpg,,width=600) (電子妖精にやり込められる我らが電脳摂政の図・絵:朱居まりあ<再利用>) 電子妖精相手にムキになる自分に半ば自嘲しつつ、黒埼はため息をついた。まったくそんな言葉どこで覚えてくるんだ、とぼやきつつも、しかし黒埼はこの電子妖精という存在に可能性を感じていた。最初はたんなるデータ収集やハッキングを仕掛ける際の便利なツールという意識しかなかった黒埼だったが、自律型のプログラムである優填は勝手に言語などのデータを集積しはじめ、今ではこうして会話することすら可能なのだ。  やり取りを見ていた朱居は毎度のやり取りに苦笑を浮かべて何も言わずに退室した。 その間に優填の興味は黒埼の見ている分厚い紙束に移っていた。原始的な情報集積手段に対する知的好奇心とでも言おうか。 「これはなーに?」 「ん……なに、お前に遊び場をやろうとおもってな」 /*/ 翌日、謁見室に現われたのは目元に大きなクマを作った黒埼だった。珍しく携帯端末でなくぶ厚い紙束を持っている。 「なんだ…?」 差し出されたそのぶ厚い文書の束を見て、セントラル越前は訝しげな表情でそう言った。 その書類には『文殊第2データセンター』の設立、というタイトルと共に、ガラス張りの高層建築に集積されたネットワークとサーバ群のイメージ映像が添付されていた。 「こんなものを今更作ってどうしようと言うんだ?」 その問いに、黒埼はわが意を得たりとばかりに詳細を話し始めた。 「これは、偽装です」 本命はデータセンターに偽装された『電子妖精のための演習場』。それが狙いだと黒埼は語った。 「なんでここまでのものが必要なんだ」 「電子妖精を動かすためだけで、膨大なマシンパワーを必要とします。それが狙うべき対象もまた、同じだけのスペックが必要です。でなければ演習とはいえない」 「なぜそこまでの演習が必要だ。十分なスペックは期待できるのだろう?」 「経験が足りない。次の敵が強大になることははっきりしています。できる限りの訓練経験を積ませるべきです。 ―――優填にも、我々にも。」 しかしなおも藩王越前は渋面のままだった。 「ここまで大きくやれば、偽装もなにもなく、他国が嗅ぎつけそうなもんだが」 「それでもいい。敵に伝わらなければいい話です。それに―――」 「それに?」 「仮に情報が漏れていたとしても――――この演習が終わったあとのあいつを止められるな障害なんて、ありゃしませんよ」 そう言った黒埼の顔には、普段の苦笑ではない、我が子を誇るような笑みが浮かんでいた。 /*/ 演習は滞りなく進んでいた。 『調子はどうだ?』 「んー。なんとなく動きが重い感じがする」 『ふむ。調整してみよう…よし、次の目標を出す』 ナショナルネット内にいる優填の疑似視界に、輪っかを組み合わせたような物体が浮かんできた。これでもワームの一種なのだが、浮かんでいるだけで特に動きは見えなかった。 『あれを撃破してくれ』 「やっつけちゃうの?」 『ああ』 「りょーかい♪」 優填は羽を一度振るわせると稲妻のような速度で輪っかに迫った。 はせ違う瞬間に手から魔法のように光の剣を出現させると、輪っかを一刀両断にする。 「ちょろいちょろい~♪」 『よし、続いていくぞ』 言葉とともに今度は一気に100体ほどの輪っかが現れる。 「ちょ、ちょっといきなり増え過ぎ~」 『新しいプログラムがあるだろう?それを試してみてくれ』 「あ、そっか、心赤ちゃんがいたっけ。よっし心赤ちゃん、いっけー!」 そう言うと優填は羽を振るわせて飛翔した。その拍子に優填の羽から零れおちた小さな光がみるみる小さな少女の形を取り始める。 /*/ 「これが例の…」 「はい、優填の攻撃サポート用電子妖精・心赤<KOAKA>です。優填を空母とすれば、それに搭載される艦載機のような役割を果たす攻撃に特化した電子妖精の亜種です」 黒埼がコンソールを操作して心赤の詳細を呼びだす。優填が妹と呼ぶのも無理はない。その姿は優填と同じく翼持つ少女を模していた。 #ref(http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/500.jpg,,width=600) (心赤スペック画面・絵:朱居まりあ 新規) 「たしかに姿もなんとなく戦闘型っぽいな…この造形は誰が?」 「最終的な視覚デザイン回りは朱居女史が組んでます。優填までの機能はありませんが、彼女の機構を元に戦闘用に特化したプログラムを組み込んであります。敵セキュリティとの交戦を任せて優填を侵入に専念させる、そういう使い方もできます」 「なるほどな…。腰の左右に付けてる道具は何だ?」 「あれはツールボックスです。ICEブレイク用のデヴァイスや攻撃用デヴァイス、鎧型デヴァイスなどを収納してあります」 「なるほど…」 モニターの向こうでは心赤が無数のワームを光の剣で薙ぎ払い大立ち回りを演じていた。視覚にはそう見えるが、その実凄まじい勢いでネットワーク上のワームを除去していた。 「戦闘能力だけなら優填以上だな…」 「ええ、戦闘特化型の電子妖精ですから」 「優填本体の攻撃型への改良はどのくらいかかる?」 マスク越しにわかるほど不意に鋭くなった藩王越前の視線に黒埼は目を細める。 「本来ならあいつには情報の海を自由に泳いでいて欲しい所ですが。この状況ではいたしかたない、か。……すでにバージョンアップに必要な改良データは揃ってます。心赤<コアカ>の方も、すでに実戦仕様型のリリース準備は整ってます」 セントラル越前はそれらをじっと聞いていたが、不意に天を仰いだ。 「…また宇宙へ上がる時期は近い……その時が電脳国家越前の、そして優填の底力を見せる時だ―――」 モニターの中では最後のワームプログラムが撃破され、ピースをする優填とその近くで戦闘態勢を崩さず待機する心赤の姿が映し出されていた。 /*/  それは音もなく現れ 音もなく消えていく 目をつぶった時に入りこみ 目を開けた時には消えている さながら妖精のごとく **参戦者RP ** 応援 - 「ワームに、確保したデータが認識できなくなるフォゲット(物忘れ)ウイルスを仕込んで敵の各領域(グリッド)へ放出させなさい!」 -- 朱居まりあ@越前藩国 (2007-07-16 18:29:52) - 「優填!遊んでもいいからしっかりと相手の目は潰してくれよ!」 -- 不破陽多@越前藩国 (2007-07-16 21:23:51) #comment

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