触手娘の一日(?)
触手娘の朝は遅い。
(……?)
触手娘が目を覚ますと、目の前にはリリーグレイの笑顔があった。
「朝ですわ~」
どうやら起こしに来たようだが、寝ぼけた触手娘によって触手に絡め取られていた。
「ご飯ですわ~」
まだ寝ぼけている様子の触手娘だったが、「ご飯」の言葉に反応して起きあがる。
(……ごはん……)
そしてリリーグレイをくっつけたまま、ふらふらと居間へ向かうのだった。
触手娘が目を覚ますと、目の前にはリリーグレイの笑顔があった。
「朝ですわ~」
どうやら起こしに来たようだが、寝ぼけた触手娘によって触手に絡め取られていた。
「ご飯ですわ~」
まだ寝ぼけている様子の触手娘だったが、「ご飯」の言葉に反応して起きあがる。
(……ごはん……)
そしてリリーグレイをくっつけたまま、ふらふらと居間へ向かうのだった。
「遅いわよ、ご飯が冷めちゃうじゃないの」
居間に入るなり一家の主よろしくそう言い放ってきたのは、居候の霊夢様だ。
実際の主である『あなた』は、頭に数本の針を刺された姿で触手娘に笑いかけてきた。
彼女が来るまで食事を始めないように、霊夢様を抑えていたようだ。
『食事は全員そろってから』(部屋に監禁されている奴隷たちはその限りではないが……)
異常者だらけのこの家の、案外常識的な習わしだった。
「ボーっと立ってないで早く座ってください。……まだ寝ぼけてますね」
ドリアードが触手娘を促し、食卓につかせる。
「あなたも笑ってないで……少しは振り解こうとかしたらどうなんです?」
更に触手に捕らわれたままだったリリーグレイを引き離し、隣に座らせた。
全員が座ったのを確認した『あなた』の一言で朝食が始まる。
(……いただきます……)
触手娘はまだ寝ぼけながらも、もきゅもきゅとご飯を食べ始めた……。
居間に入るなり一家の主よろしくそう言い放ってきたのは、居候の霊夢様だ。
実際の主である『あなた』は、頭に数本の針を刺された姿で触手娘に笑いかけてきた。
彼女が来るまで食事を始めないように、霊夢様を抑えていたようだ。
『食事は全員そろってから』(部屋に監禁されている奴隷たちはその限りではないが……)
異常者だらけのこの家の、案外常識的な習わしだった。
「ボーっと立ってないで早く座ってください。……まだ寝ぼけてますね」
ドリアードが触手娘を促し、食卓につかせる。
「あなたも笑ってないで……少しは振り解こうとかしたらどうなんです?」
更に触手に捕らわれたままだったリリーグレイを引き離し、隣に座らせた。
全員が座ったのを確認した『あなた』の一言で朝食が始まる。
(……いただきます……)
触手娘はまだ寝ぼけながらも、もきゅもきゅとご飯を食べ始めた……。
* * *
触手娘には、その日の予定などというものはない。
触手娘はたまたま廊下で会った霊夢様に付いて行っていた。
霊夢様は触手娘にスカートを掴まれると彼女を一瞥したが、何事もなかったかのように歩き始める。
何も言わず針を使ったりもしないが、霊夢様は触手娘を無視している訳ではない。
こうして触手娘が付いてきている時、霊夢様は歩く速さを触手娘に合わせていたりするのだ。
それは触手娘だけが知る、霊夢様の意外に優しい一面……なのかは定かではない。
霊夢様は触手娘にスカートを掴まれると彼女を一瞥したが、何事もなかったかのように歩き始める。
何も言わず針を使ったりもしないが、霊夢様は触手娘を無視している訳ではない。
こうして触手娘が付いてきている時、霊夢様は歩く速さを触手娘に合わせていたりするのだ。
それは触手娘だけが知る、霊夢様の意外に優しい一面……なのかは定かではない。
霊夢様は縁側に着くと、そこに座った。
触手娘も隣に座る。スカートはまだ掴んだままだ。
ぽかぽかと暖かい日差しが、触手娘をまどろみの中へと追い込んでいく……。
「ほら、寝ぼけない。触手が臨戦態勢に入ってるわよ?」
(!? ……うぅ……)
一旦ぴくっとして触手を止める触手娘だったが、すぐうつらうつらとなり触手がうねうねと動き出す。
「そんな中途半端だからいけないのよ。起きてるか寝るか、どっちかにしなさい」
そう言われた触手娘は寝ることにしたらしい。
触手は引っ込み、身体は徐々に傾いていく。
(??)
頭が何か柔らかなものに当たったので、それを枕にすることにした。
心地良い感覚の中、頭をわしゃわしゃと撫でられたような気がした……。
触手娘も隣に座る。スカートはまだ掴んだままだ。
ぽかぽかと暖かい日差しが、触手娘をまどろみの中へと追い込んでいく……。
「ほら、寝ぼけない。触手が臨戦態勢に入ってるわよ?」
(!? ……うぅ……)
一旦ぴくっとして触手を止める触手娘だったが、すぐうつらうつらとなり触手がうねうねと動き出す。
「そんな中途半端だからいけないのよ。起きてるか寝るか、どっちかにしなさい」
そう言われた触手娘は寝ることにしたらしい。
触手は引っ込み、身体は徐々に傾いていく。
(??)
頭が何か柔らかなものに当たったので、それを枕にすることにした。
心地良い感覚の中、頭をわしゃわしゃと撫でられたような気がした……。
* * *
触手娘はお風呂がちょっと苦手だ。
「ほら、身体を洗うだけなんですから。大人しくしてて下さい」
触手娘はお風呂場でドリアードに触手を封じられ、身体を洗われていた。
洗われるのがくすぐったいらしく触手で暴れるため、触手娘をまともに洗えるのはドリアードだけなのだ。
「すぐ終わりますから、少し我慢してください」
(ぅ~……!)
触手娘はふるふると首を振ったが、ドリアードは無視して手早く身体を洗っていく。
洗い終わって身体を流すと、次はそのまま湯船に放り込んだ。
(……あったかい……)
お湯につかるのは気持ちいいようで、触手娘は途端に大人しくなる。
しかしそのままにしておくと沈んでいくことがあるので、ドリアードは最後まで気が抜けないのであった。
(……ぶくぶく……)
触手娘はお風呂場でドリアードに触手を封じられ、身体を洗われていた。
洗われるのがくすぐったいらしく触手で暴れるため、触手娘をまともに洗えるのはドリアードだけなのだ。
「すぐ終わりますから、少し我慢してください」
(ぅ~……!)
触手娘はふるふると首を振ったが、ドリアードは無視して手早く身体を洗っていく。
洗い終わって身体を流すと、次はそのまま湯船に放り込んだ。
(……あったかい……)
お湯につかるのは気持ちいいようで、触手娘は途端に大人しくなる。
しかしそのままにしておくと沈んでいくことがあるので、ドリアードは最後まで気が抜けないのであった。
(……ぶくぶく……)
* * *
触手娘の夜は早い。
触手娘が寝るのは、一番の不精者と思われる霊夢様よりも早い。
だいたい誰かが付き添って寝かしつけるが、一人でもいつの間にか寝ている事が多い。
ちなみに触手娘の部屋はあるが、寝るときはたいてい他の誰かの部屋になる。
人と一緒に寝るのが大好きなのだ。
(……zzz)
だいたい誰かが付き添って寝かしつけるが、一人でもいつの間にか寝ている事が多い。
ちなみに触手娘の部屋はあるが、寝るときはたいてい他の誰かの部屋になる。
人と一緒に寝るのが大好きなのだ。
(……zzz)
そして真夜中……触手娘が一度起きる時間がある。
それが、午前2時。
この時間になると触手娘は起きあがり、ふらふらとある場所へ向かう。
それは『あなた』の部屋。
誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝る彼は、一日中せわしなく働いている。
彼が眠りに入るこの時間は、同時に触手娘が唯一彼を独占出来る時間なのだ。
触手娘が来たことに気付いた『あなた』は、手招きして彼女を布団に誘う。
触手娘はにっこり微笑むと、布団に飛び込んで『あなた』の腕にしがみつく。
そして『あなた』の体温に包まれて、再び眠りに入るのだった……。
(……おやすみなさい……)
それが、午前2時。
この時間になると触手娘は起きあがり、ふらふらとある場所へ向かう。
それは『あなた』の部屋。
誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝る彼は、一日中せわしなく働いている。
彼が眠りに入るこの時間は、同時に触手娘が唯一彼を独占出来る時間なのだ。
触手娘が来たことに気付いた『あなた』は、手招きして彼女を布団に誘う。
触手娘はにっこり微笑むと、布団に飛び込んで『あなた』の腕にしがみつく。
そして『あなた』の体温に包まれて、再び眠りに入るのだった……。
(……おやすみなさい……)